ひとり山歩き608 : 西ノ湖入口から赤岩滝見物後、一升瓶登山口から宿堂坊山に登ってきました。復路は東尾根から途中でそれて柳沢吊橋付近に下山しました。特別な危険箇所はありませんが、往路も復路も急傾斜部が堪えます。
赤岩滝〜一升瓶〜宿堂坊山(1968)〜柳沢吊橋
2015年9月30日(水) 晴れ 
1 行程
@コースタイム : 自宅(2:00) = 赤沼茶屋(4:10/4:20) − 西ノ湖入口(5:45/5:55) − 柳沢渡渉(6:55/7:00) ー 赤岩滝(7:40/7:55) − 柳沢渡渉地点へ戻る(8:25) − 一升瓶登山口(9:20/9:30) − 宿堂坊山(11:35/11:50) − 東尾根別れ(12:35) − 標高点1444の尾根出合(13:10) − 下山(14:05) − 柳沢吊橋(14:10) − 西ノ湖入口(14:20/14:54) = 赤沼茶屋(15:18/15:30) = 自宅(17:45)
Aルートマップ
2 自宅 − 赤沼茶屋
 二日続きで好天なら県外へ遠征と計画していたが、天気ばかりはどうしようもない。藪漕ぎなら北面から太郎山、足腰の鍛錬なら一升瓶登山口から宿堂坊山をストックしていた。藪漕ぎよりは足腰の鍛錬ということで後者を選ぶことにした。単に登るだけでは面白みがないので、最初に赤岩滝を訪れ、宿堂坊山からの下りは、東尾根の途中から急斜面を下って標高点1444を通る尾根経由で柳沢吊橋付近に下山することにした(一升瓶登山口 : 初めて宿堂坊山に登った03年頃は、柳沢林道の14号橋から東へ僅か進んだ地点が宿堂坊山への尾根取付きで、そこには目印として一升瓶がおいてあり、誰言うともなく一升瓶登山口と称するようになった。当時はここが宿堂坊山への一般的登山口であった。東尾根からの登山が増えたのは、04年以降と記憶している)
 平日だから往復とも低公害バイバスを利用できないので、復路でバスを利用すべく、今回も早朝出勤。赤沼茶屋駐車場到着時は暗くてよくわからないが10台以上は駐まっているようだった。車載温度計7度

3 赤岩滝 何度も渡渉するので踝まで濡れる覚悟が必要
 低公害バスの走る日光市道1002号へ入ると、3台の自転車に追い越された。小田代原の貴婦人を目指す人達である。いつも思うのだが、写真屋さんと釣屋さんは朝が早い。自分のように早朝に活動を開始する山屋は少ない。案の定、小田代原には数人のヘッデンの動きが見えた。よい写真をとってください。一昨晩がスーパームーンだったので、月が明るく弓張峠を越した地点でヘッデンを消灯。西ノ湖入口でウォーキングシューズから登山靴に履き替える。
 あざみ橋を渡って400メートルほど進んで赤岩滝4.3kmの道標を見て右折。柳沢林道は、無名橋すぎるまではしっかりしている。地形図の柳沢川の「柳」のあたりからは林道の面影を残すのみ。崩落箇所もあり、大部分は草付きとなっている。踏跡は明瞭で歩くには問題ない。踏跡は柳沢川へと下ってゆく。水流が多いのか、飛び石を探すのに苦労する(踝まで濡れるを可とするならそれほどでもないが)。渡渉地点対岸のコンクリート壁に赤岩滝方面を示す→がある。
 柳沢川の右岸を薄い踏跡を拾いながら進んで行く。目印(岩の上に小石やペンキ印、赤/黄マーク)が多いので迷うことはないだろう。ペンキの→や赤テープ、対岸の岩に○を見て柳沢川と飛び石で渡る(ここまで来る人なら誰でも飛び移れる)。赤岩沢右岸の薄い踏跡を追い、道標を見て右岸から左岸に渡る。更に進み、小さな滝下で右岸へ渡渉する。左岸に踏跡があるが、これは追わないほうが賢明(復路で通ったが滑落の危険性あり)。右岸を進むとすぐに赤岩滝が現れる。03年と10年につづいて三回目の訪問。滝上から滝壺まで横長の写真に収めようと場所を探すも、持参のデジカメでは無理。下に掲げた写真は帰宅後パノラマ合成したもの。

左: 西ノ湖入口  右:  林道が荒れ始める(地形図で大岳のほぼ真南)


林道は荒れている 左: 崩落地 右: 草付き


左: 柳沢川渡渉(踝まで濡らさないと難しい) 右: 柳沢川の右岸に踏跡(ペンキ印、岩の上に小石、赤/黄マークあり)


左: 柳沢川渡渉(正面に○、付近に赤テープ) 右: 小滝の手前で左岸から右岸へ、左岸の踏跡は追わないほうが無難・・・足場悪い)


赤岩滝(パノラマ合成) 滝壺から見えるのは4段で、滝上には更に3段で総落差は100m以上らしい
4 一升瓶登山口から宿堂坊山  藪は大したことはないが、急登は堪える
 柳沢川渡渉地点まで戻り、荒れた柳沢林道へと進む。崩落箇所、草付き、狭小部あるも歩くには特に問題ない。左下にネギト沢を見下ろしながら進んで行くと、水没したコンクリート橋や大きな落石を受け止めた14号橋を通ってゆく。03年頃に比べたら林道の崩壊は進んでいるのだろうが、カーブミラーや橋欄干の黄色ペンキはそれほど落ちていないようだ。カーブミラーのステンレス鏡は市中でも使えそう。
 14号橋から東進し、切通でUターンしたらすぐ先が一升瓶登山口である(林道の左手が尾根筋になると行き過ぎ)。03年当時の一升瓶は破損してケルンの中に残骸が3個ほど見つかった。11年9月11日のぐっちゃんさんの山行録の写真では一升瓶のなごりをもっと残している。

柳沢林道の様子 左: 崩落地(渡渉地点のすぐ先) 右: 草付き(標高点1486付近)


左: 水没したコンクリート橋 右: 大岩を受け止めている14号橋


左: 切通(このすぐ先が一升瓶登山口) 右: 一升瓶登山口(一升瓶は欠片だけになってしまった 右手の尾根先端に取り付く)
 エネルギーを補給して一升瓶の右手の「尾根先端に取り付く。細尾根の急登で20メートルほど登るとシャクナゲが現れるが、ちょっとくぐるだけ。以降もシャクナゲ藪が時々現れるが、殆どは避けて通れる。漕ぐにしてもほんの僅かで藪漕ぎなんて言うほどではない。それよりも一番の難所は標高1600から1700と1850から1950の急斜面で堪えた。03年6月14日(ひとり山歩き100)の記録ではシャクナゲ藪に関しての記述はあるが、急傾斜に関してはない。初心者の頃に比べて藪不感症になって足腰の衰えが顕著、これは自分の歴史(?)を物語っているとも言える。03年当時は赤テープが目についたが、今回はテープ類は見かけなかった・・・最近はおの尾根筋を登る人はまれなのだろう。
 標高1950までの急登部を越すと徐々に緩やかになり東尾根と合流し、小高いところが宿堂坊山山頂で、三角点と御料局三角点が設置してある。残念ながら山頂部は樹林の中で展望はない。


左: 一升瓶から取り付いた尾根(標高1550) 右: 標高1570で早くもシャクナゲ出現(でも密でないからどうということはない)


左: 標高1720付近の倒木地帯 右: 標高1800付近(下草にシダ)


左: 山頂直下で東尾根に合流 右: 宿堂坊山山頂(三角点と御料局三角点 展望はなし)

5下山(東尾根 − 1444 − 柳沢吊橋) 東尾根からの急斜面下りは直下降でなくジグザグに
 一般的な東尾根で下ったほうが楽なのだが、面白みがないので、東尾根の途中から急斜面を下降して標高点1444を通る尾根を下り柳沢吊橋付近に下山することにした。このルートは04年12月11日にノラさん、山部さんとSatoさんが栃木の山全座踏破の最後に下った。ネットで見たのはこれが初めて。
 西ノ湖入口から13時44発のバスは無理だが14時54分発には問題ない。時間が余れば西ノ湖に寄ってみようと、エネルギーを補給して東尾根を下り始める。栃木百名山になっていないので、登る人は少ないようで、明瞭な踏跡はなくマークも少ない。コンパスを合せて見ながら進めば尾根を外すようなことはない。時々倒木を避けるだけで藪はない。針葉樹林内だから紅葉なんてまるで関係ないが標高1800付近で尾根の右下にダケカンバが多少あり色づき始めたことを知る。標高点1802を過ぎると二重尾根が現れる。右手の尾根が切れて左手の尾根に移りさらに下って、標高1750あたりで日光連山(太郎山、小・大真名子山、女峰山)を見て東尾根に別れ

左: 色づき始めたダケカンバ(標高1800付近) 右: 尾根筋(標高1800付近)


左: 二重尾根(この先で右から左の尾根へ 右: 日光連山(太郎山、女峰山、小・大真名子山)が見えたら東尾根と別れ(標高1740)
 東尾根から別れると急下降になる。滑落しそうで直下降は無理で傾斜の緩そうな箇所を選んでジグザグに下って行く。こういう場所は多少は藪があったほうが良いのだが、藪どころか樹木の間隔も広くてすがるものがないからスピードは上げられない。約30分で100メートルほど下ると傾斜は緩み草付きとなり、テープを見かけるようになった。標高1500あたりで標高点1444を東西に伸びる尾根に出合う。
 この東西に走る尾根筋には藪はなく、時々倒木を避ける程度。勾配が緩やかで危険性はないのだが、ダラダラと長く続くので疲れ身には嫌になってしまう。14時54分のバスには充分間に合うが、西ノ湖に寄るにはちょっと苦しい。安全第一と決めてゆっくりと下りて行く。尾根末端で下山すると付近には鹿侵入防止ネットが張ってあり。これにそって進み、5分ほどで柳沢吊橋を渡る。更に10分で西ノ湖入口バス停に達した。30分ほど待ってバスで赤沼茶屋に戻る。



左: 標高1600付近の急斜面(写真ではどうということはにが・・・) 右: 標高1540あたりで背丈の草付き


標高点1444を通る尾根筋 左: 標高1450付近 右:標高1350付近


左: 下山地点(写真の右手が尾根先端) 右: 柳沢吊橋
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