ひとり山歩き534 : 当初計画とは異なり、山王帽子山から小太郎を往復してきました。久しぶりの好天での歩きと相まって小太郎からの展望に満足出来ました。
山王帽子山(2077)〜小太郎(2328)
2013年11月6日(水) 快晴
1 行程
@所要時間 : 自宅(3:05) = 山王帽子山登山口(5:55/6:05) − 山王帽子山(7:10/7:20) − 最低鞍部(1919)(7:40) − ハガタテ廃道分岐(8:10) − 小太郎(9:25/9:55) − ハガタテ廃道分岐(10:40) − 最低鞍部(1919)(10:50) − 山王帽子山(11:30/11:35) − 山王林道出合(下山)(12:50) − 山王帽子山登山口(13:10/13:25) = 自宅(16:10)
Aルートマップ 
Bウォッちず : 山王帽子山  小太郎  
C写真集

2 自宅 − 山王林道 
 今は活動を休止している日光稜線紀行のstarionさんが05年6月12日に熊野沢林道から太郎山北面尾根で太郎山に登り、山王帽子山経由で周回している。同じく活動を休止中の@宇都宮さんが06年9月5日に熊野沢左岸尾根を川俣大橋付近から太郎山を突っ切る。更にはH@上三川さんが11年11月2日に、starionと同じルートを歩いている。自分もいつかは太郎山の北面をと思っていたが、なかなか足が向かなかった。最近、ハイトスの里山山行記のハイトスさんが熊野沢林道から熊ノ沢山(1798.1)あたりを歩いた記録を目にして、satarionさん、H@上三川さんと同じルートを歩いて見ることにした。
 今の時期は昼時間が短いので、途中でのトラブルを考慮して、熊野沢林道を暗いうちに歩き、明るくなる頃に尾根に取り付くことにして家を出た。いろは坂入口で登山準備を整えていると、通常よりは車の通行が多そう。竜頭滝を過ぎて小田代原への無公害バス入口付近に駐車している車が多い。貴婦人撮影に行くのであろうか、ヘッデンを灯して小田代原方面へ向かう人もちらほら。光徳温泉先の山王林道入口のゲートは開放になっていた。山王峠を過ぎてゆるやかに下ってゆくと、熊野沢林道入口に工事中の大きな看板がある。車を下りて様子を見ると、林道入口は道路一面にポッカリと大きな穴が開いている。駐車スペースどころか、大穴は山側をへつればやっと人が通れる位の隙間しかない。駐車地を求めて山王峠方面へ戻るも適当な駐車地が見当たらず山王帽子山登山口まで戻ってしまった。車載温度計でマイナス4度、しかも登山口の笹には霜がかなりついている。気温が低いことと林道が崩壊していることを言い訳に北面からの太郎山はあっさりとギブアップ。そのかわりに、山王帽子山から太郎山を往復してお茶を濁すことにした。
3 往路(山王帽子山〜小太郎)
 笹に霜がついているので、用心して雨具のズボンを着用して登山道に入る。登山口付近は腰丈の笹が密だったが、すぐに低くなり登山道への笹のはみ出しも少なくなる。標高1850位になると、白根山が枝越しにチラつくようになる。標高1890付近から僅かの区間だけコメツガ林からダケカンバ林となって開放気分になる。今日は久しぶりに好天での山歩きが楽しめそう。再びコメツガ林に突入し、10分程で山王帽子山の頂上に到達。07年以降、12月から4月の雪山シーズンに5回訪れているが、無雪期としては03年9月10日(ひとり山歩き111)以来。山部3Dプレートは貫禄を増していた。山頂手前からはうっすらと雪のついた会津駒ケ岳が展望できた。気温はだいぶ上がり無風状態で、上半身は防寒着を着けていないが暖かく感じる。


左: 登山口(笹には霜が) 中: 標高1990付近(ダケカンバ林) 右: 標高2000付近(白いのは雪でなく、氷の小さな結晶?)


左: 皇海山(左端)〜白根山(中央)〜温泉ケ岳 右: 雪のついた会津駒ケ岳(奥)  (山王帽子山頂直下から)


左: 山王帽子山頂上 右:男体山(何時も逆光で御免)

 山頂からコメツガ林を急下降すると、標高2000で勾配は一旦緩み再び急下降すると低い笹の生えた最低鞍部の標高点1919に達する。ここから北側は直下から沢となっている。前方には小太郎の山頂部が僅かに伺える。鞍部から喘ぎながらジグザグ気味にに登ってゆくと右手にロープの張ってあるハガタテ廃道分岐に達する。振り返ってみると山王帽子山が正面に、そして燧ケ岳あたりが展望できる。
 標高2150あたりからハガタテ沢左岸尾根が発生している。このあたりを過ぎると根っこが張り出し、雪のような氷の結晶(と思う)や霜柱が目立つようになる。登山道がゆるやかになり、左手が開けると小太郎の山頂はすぐ先。樹木の全くない山頂からは360度のパノラマが広がる。しばし景色に見とれる。風がないから寒さは感じない。


左: 最低鞍部(1919) 右: 鞍部から小太郎(中央部)


左: ハガタテ廃道分岐 中: 山王帽子山 右: 白くなった燧ケ岳  (ハガタテ廃道分岐から)


左: 皇海山〜白根隠山 右:白根隠山〜白根山〜温泉ケ岳  (標高2080から)


左: 標高2160付近の様子 中: 標高2230付近の霜 右: 小太郎直下から太郎山
 エネルギーを補給して太郎山へ向かいかけるが、太郎山よりはここからの展望の方が素晴らしい、と再びザックを下ろして目の保養。今日は雲ひとつなく、最近はこんなに天気に恵まれたことはない。それを祝うかのごとく富士山が姿を現していた。


太郎山〜女峰山〜小真名子山〜大真名子山〜男体山


社山〜皇海山〜白根山〜温泉ケ岳〜根名草山  右後方には燧ケ岳や合駒

4 復路
 小太郎で景色を見ているうちに、太郎山に行く気はなくなってしまった。下山にかかると二人組が登ってきた。その後、単独の二人と、山王帽子山直下で一人の計5名と出逢う。山王帽子山の頂上に戻って、地形図で北面の様子を調べる。山頂から北北西に不明瞭な尾根筋が伸びている。以前、栃木の山+283の山部さんが標石調査で山王林道の於呂倶羅山登山口対面から取り付いた尾根と思われる。その記録によると、コメツガとシャクナゲ藪が密だったと記憶している。このまま正規の登山道を下ると40分程度で登山口に下ってしまう。このまま楽な歩きだけで帰ったのでは申し訳ない。少しばかり藪を漕いで見ることにした。
 尾根筋は山頂からは見えないが、山頂の大きな岩の西側から薄い踏跡が北西に見えている。先ずはこれを追ってみると、すぐに倒木やコメツガの藪で踏跡は消えてしまった。尾根筋が見えないので磁石を見ながら北北西に下って行く。左(西)手に尾根筋が見え出したので、西に進路をとると、獣道が現れた。これを追ってゆくと、赤テープ(標高2000あたり)を見つけた。これで尾根筋を歩けると思っったのも束の間で、すぐにコメツガとシャクナゲの密藪となってしまった。下ってゆけば山王林道が受け止めてくれるので、絶対に尾根を外してはいけないという気持ちはなく、左下の浅い谷筋(山襞の間)に降りてみると藪は全くなく、落葉と枯れ枝が堆積し少し滑りやすいが楽に下れそうな様子。雪だか氷だかの結晶で白くなっている谷筋は徐々に尾根から左(西)にずれているが、気にすることもなくそのまま下ってゆく。標高1280あたりで、予想もしなかった東電の鉄塔(於呂倶羅山登山口上の鉄塔と相対する)にであった。鉄塔からは巡視路がありそうだが、鉄塔付近から腰丈の笹がはびこる谷筋をそのまま下った。標高1720で山王林道に下山し、右手を見ると於呂倶羅山登山口上の鉄塔が見えていた。そこからはノンビリと、山王峠方面へとゆるやかに登ってゆく。林道を往来する車はけっこう多い。林道筋は紅葉が見頃なのかもしれない。山王帽子山登山口に戻ると、車は自分のを含めて3台。
 今日は、当初経過うとは全く異なり、楽な歩きになってしまった。久しぶりの好天と好展望に癒やされた感じ。今日を機に天気読みの感が戻れば良いのだが・・・。奥日光から中禅寺湖そしていろは坂とさしたる渋滞もなく通過。いろは坂の紅葉を車中から見たのはこれが2回目。いろは坂の紅葉はTV等で見る空中撮影に比べたら、物足りない。紅葉は森のなかで見るよりは尾根上から見下ろすほうが好み。


左: 標高2000付近(中央に赤テープ) 中: すぐ先で針葉樹とシャクナゲの密藪 右: エスケープした浅い谷筋


左: 東電の鉄塔(標高1780)後方は於呂倶羅山 中: 山王林道出合(標高1720) 右: 於呂倶羅山登山口上の岩峰と鉄塔(樹木の後ろに隠れている)

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