ひとり山歩き493 : 足尾のバラクラ沢左岸尾根から赤倉山に登り、半月山そして中禅寺山南西尾根で長手沢林道と周回してきました。八丁出島の紅葉は昨年よりも遅いようでした。
バラクラ沢左岸尾根〜赤倉山(1442)〜半月山(1753)〜中禅寺山(1655)南西尾根
2012年10月20日(土) 晴れ
1 行程  写真
ルートマップ(GPS)    ウォッちず : バラクラ沢左岸尾根  赤倉山  半月山  中禅寺山(1655)と南西尾根
自宅(3:05) = 足尾銅親水公園駐車場(5:00/5:10) - バラクラ沢出合(5:50) - 尾根取付き(6:10) - 稜線到達(7:00/7:05) - 三角点1201(7:15) - 主稜線到達(8:05) - 赤倉山(8:15/8:20) - 標高点1514(9:25) - 神子内林道出合(9:45) - 神子内林道終点(9:50/10:00) - 半月山第二駐車場(10:55/11:05) - 半月山(11:35/11:45) - 半月山展望台(11:55/12:10) - 半月峠(12:25) - 中禅寺山(12:40/12:45) - 長手沢林道出合(13:25/13:30) - 駐車場(14:50/15:00) = 自宅(17:20)

2 自宅 - 足尾
 奥日光の紅葉頼りが聞こえるようになった。奥日光の交通渋滞を嫌って、昨年に続き足尾からは半月山展望台まで歩いて中禅寺湖の紅葉を楽しむことにした。昨年の10月19日に深沢沿いに中宮祠・足尾道(廃道)を歩き半月山展望台、八丁出島、阿世潟と歩き、阿世潟・足尾道を歩いてもどった。今年は少しばかり変化を加えて、阿世潟・足尾道のバラクラ沢(名称は現地で看板を見て知る)またはその左岸尾根で赤倉山に登り、半月山そして半月山展望台で八丁出島周辺の紅葉を楽しんで、中禅寺山(半月峠の北西に位置する1655ピーク)からその南西尾根を下って阿世潟・足尾道を戻ってくることにした。(注 :赤倉山には深沢沿いでなく、南東方面から登ってみたいが、中倉山の北斜面同様に岩が露出し、しかも岩は脆そうで実現に至っていない。地形図で検討した結果、久蔵川を左岸から右岸そして左岸へ戻り、林道の開放ゲート付近から沢歩いまたはその左岸尾根を歩くことにした。)
 昨年と同じ10月19日(昨日)実行する計画で合ったが、前夜の降雨で延期することにした。原則として土日等の休日には山行しないことにしているが、翌週の月曜日以降の天気が読めず、仕方なしに土曜日ではあるが決行することにした。沢沿いがスタートとなるので、バラクラ沢出合から照明なしで歩けるように時間を見計らって家を出る。奥日光に向かう車と細尾で別れると、足尾に向かう車は殆どなし。勝手知った足尾銅親水公園駐車場に車を駐める。先着車一台あり、自転車を下ろして出発準備中であった。(気温2度 駐車場入口の電光掲示板による)

3 駐車地 - 赤倉山  バラクラ沢左岸尾根への取付きは要検討  尾根筋はヤブなしで安心して歩ける
 先着者は自転車でどこに行くのか、などと考えながらザックを担いで先行する。月は出ていなかったが、ヘッデンなしで阿世潟に向かう林道(久蔵川林道?)を歩けた。この時刻になると熊が活動を始めるらしいので、鈴を鳴らしラジオを聞きながら歩く。時にはストックで石を叩いたり、大きな声を出したりする(民家に近い所ではしないが)。前日に戦場ヶ原で熊に襲われたということもあるので、女房は心配していた。自分自身は臆病な性格と思っているが、夜明け前に暗闇にヘッデン歩きはしばしばだが、不安を覚えたことはない。それとどういうわけか、山行歴11年、500回近い山行で熊を見かけたことはない。ばったり出会い頭になんていうのは絶対に嫌だが、一度は熊を遠くから見たいものである(こんなことを書くと、そのうちばったり?)。林道を左岸から右岸そして左岸へ渡り返す橋で、上流に格子形砂防堤を見る。このすぐ先が、地形図上で計画してきた赤倉山への取付きとなる。注意しながら歩いてゆくと、立木に「赤倉−阿世潟」と「退避所E」の小標識を見る。右手に立て看板があるので寄ってみると「バラクラ沢」の名が書いてあり、名称を初めて知る(注:すぐ先に開放の簡易ゲートあり)。
 バラクラ沢を遡行するか、左岸尾根に取り付くかは現地で決めることにしていた。尾根先端はそれ程でもないが、途中に急勾配部分がある。付近を観察すると、沢の右岸に作業道らしいものが認められた。先ずは、この作業道跡を辿ってみることにした。作業道跡はすぐに行き止まりとなったので、渡渉して左岸に渡る。バラクラ沢は幅は狭いが、水流はあり大きな岩が多い。左岸を進むと砂防堤があり、その先も登山靴で歩くには雰囲気が良くない。沢歩きに見切りをつけて、小さな尾根に取り付くことにした。勾配がきついのは覚悟の上だから我慢の範囲だが、地肌が軟らかくズルズル滑るのには閉口した。木の根や潅木の助けを借りながら、時には這うように登ってゆく。目指す稜線直下になると、幾つかのブログでいま話題になっている社山の南東尾根が確認できた。更には中倉尾根もよく見えた。この小尾根を250メートル登るのに50分要して、バラクラ沢左岸尾根上に登り着くと、リョウブ林には下生えは全然なし。これなら尾根先端から登り始めればよかった。あるいは砂防堤あたりから尾根に取り付けばよかったかもしれない。
小尾根登りの疲労を回復させながら、ゆっくりと登ってゆくと岩っぽくなり、三角点1201峰に達するとこの尾根筋では唯一の藪漕ぎ(ツツジ等の潅木)となる。潅木藪を漕いでいるうちに三角点は見逃してしまった。三角点峰先の鞍部に達すると、これまたブログで話題沸騰中の中倉山の石塔尾根や井戸沢右岸尾根が展望できた。岩場や痩せ岩稜歩きは高所恐怖症気味の自分には歩けそうもないことを再認識。下生えなしの稜線を気持ちよく進み、標高1300あたりにはツツジが生えているが明瞭な踏跡が残っている。標高1350位になると、低い笹が林床となる。程なく赤倉山の北西に位置する小ピーク(1430級)に登りつめた。ついに主稜線にたどり着いた。赤倉山の山頂は二度ばかり踏んでいてあまり興味はないが、一応バラクラ沢左岸尾根経由で登った記念に腰程度の笹(今日のコースでもっとも深かった)を踏み分けて赤倉山に向かう。笹は深いが獣道をたどればどうということはないが、隠れ倒木には注意が必要。三年振りの赤倉山頂には山部3Dプレートが残っていた。三角点はその数メートル東にある。踏跡がついているのですぐに判る。

4 赤倉山 − 半月山展望台  踏跡あり、特に問題なし 林道終点付近の紅葉も素晴らしい
 主稜線到達地点まで戻り、向きを北東に変えて膝下の笹に踏跡を追って下って行く。1400級の小ピークで向きを北東から北に変わるのだが、南東に見える横根山を見ながら歩いていると、そのまま北東に踏跡を追ってしまう。すぐに気づいて方向を修正。この踏跡を進むと中宮祠・足尾道の神子内林道へ登るジグザグ破線あたりに下れそう。こんなルートを歩く人もいるのだろう。相変わらずの低い笹の中の踏跡を追って標高点1446に達すると、前方に次のマーク地点のピークが見えた。更に進むみ標高点1514ピークに達した。半月山展望台から北に男体山、太郎山、山王帽子山の頭が伺える。このピーク付近は多少は紅葉していたが、枯葉と見紛う程度でパッとしない。カラマツ林の笹道を下り少しばかり登り返すと神子内林道出合である。このすぐ先の林道終点までの間は、林道沿いと西側の紅葉が楽しめる。展望も鋸山・皇海山・国境平、手前には中倉尾根が楽しめる。お気に入りポイントの一つで有る。神子内林道終点で景色を楽しみながらエネルギーを補給する。
 林道終点から地形図の破線道に沿ってゆるやかに下ってゆくと、半月山が前方に見えるようになる。中腹には半月山第二駐車場が映画に出てくる要塞のように見えている。進行方向の紅葉はあまりパッとしないが、半月山展望台まではお預け。破線道は低い笹の中に明瞭に残っている。1504ピークは右手を巻くが、他はほとんどが尾根の左手を巻いて伸びている。標高1500あたりからは北東から北向きに変わる。ここから尾根沿いに登れば、第二駐車場の南側にたどり着く。以前の記憶では、この部分は駐車場へは手摺りを容易に越えられるはず。今回は破線道を進み、駐車場の北西端(半月山展望台への登り口)に直登する。笹斜面の中に岩っぽい箇所を選んで登ってゆく。40メートルを10分強で登ると、半月山第二駐車場の北西端でこの部分は手摺りがないから容易に駐車場に入ることができた(この直下には丸太階段が一部残っているので、登山道があったのだろう)。付近にいた観光客にもの珍しげにどこから来たのかと問われた。足尾からと答えると、そばにいた足尾からのご婦人が、あれが「まつき山」ですよネ、話しかけてこられた。最初は「まつき山」ピンと来なかったが、のみねさんのHPに大平山を地元の人は松木山と呼ぶ、とあったのを思い出した。今日は昨年の前日(水曜日)に比べて若干少ないようだ。この駐車場からの足尾の山々の展望も捨てがたい。
 観光客に混ざって破線道を半月山展望台方面に向かう。疲労が溜まった自分よりも身軽な観光客の何人にも追い越される。下ってくる人も多い。あまり不細工な姿を見せたくないので、登山道から別れて半月山に直登する。笹の急斜面で登るのがきつい。何年か前の積雪期にここをピッケルなしで登ったが、その時よりもきつかった。半月山の頂きには先着の夫婦が憩っていた。展望台は混雑するので、ここで昼食を摂っていると東の第一駐車場方面から二組三名が登ってこられた。ここを目的にしているのではなかろうが、同じように昼食を楽しんででおられた。
 健在の山部3Dプレートに挨拶して展望台に向かう。尾根筋を10分ほどゆるやかに下ってゆくと、人声が聞こえて、お馴染みの半月山展望台に達した。先着者で中禅寺湖側が見づらいので、こんなこともあるだろうと、用意してきたビニール袋を広げて行儀が悪いがベンチの上に立って八丁出島を中心に中禅寺湖湖畔の紅葉を楽しむ。昨年の前日に比べて数日は色づきが遅れているようであった(家に帰って写真を比べて)。観光客は入れ替わり立ち代り。数年前に観光客が来る前に展望台到着と足尾からやってきたが、スカイライン開通時刻を読み違えたようですでに三脚族で展望台が占拠されていたこともあった。今日はそれに比べたら、はるかにまし。三脚族に恨みを持っているわけではないが、往々にして場所を占拠して他人の迷惑を考えない人がいるから困ったもんだ。千手ヶ浜のクリンソウの時期にも歩道の上に三脚を立てて観光客の通行の妨げになっている人もいた。小田代ケ原の早朝の貴婦人撮影でも見かけた。カメラマンが全てではないが、一部にこのような人が見かけられるのは残念。なんでこんなことを書かねばならないの? 

中禅寺湖周辺の展望(12.10.20)


5 半月山展望台 − 中禅寺山南西尾根
 展望台から奥日光の紅葉(ごく一部だが)とお気に入りの眺望も楽しめて、気をよくして下山にかかる。計画通り中禅寺山南西尾根を下ることにして、半月峠方面に下ってゆく。登ってくる人は結構多い。最近まで名前がついているということさえ知らなかった中禅寺山とその南西尾根を観察する。半月峠に下ると、足尾側は崩壊して破線道は消えている。いつも半月山第二駐車場に寄ってしまうので、途中がわからいが、ここまで破線道を歩く人は少ないのだろう。中倉山あたりを眺めて、依然として続く笹道を登り始める。社山方面から下ってくる人と出合うと中禅寺という山名プレートの掛かるピークに達した。ここで南西尾根の確認をしていると、すぐに単独行者が現れた。これから社山に登られるかなと見ていると、これから下ろうとしていた南西尾根に進みはじめた。こんな尾根筋を歩く人は少ないので、ひょっとしたら社山へ行くのを間違えているのかな、と思い後を追って「足尾へ行かれるのですかと」と声をかけると「そうです」の答え。「自分も足尾へ下るのです」と応答して一緒に下り始める。話をしているうちに、「たそがれオヤジのクタクタ山あるき記」で読んだコメントの話しになった。そこで名を尋ねると「たそがれオヤジです。」との答えあり、こちらも烏ケ森の住人と名乗る。一昨日に雨が降らなかったら、今日はここを歩いていないから、出遇うことはことはなかった。袖振り合うも多生の縁とばかりに相互リンクを申し込むと、快いご返事。以降は初めてとは思えないほどに話が進む。
 尾根の林床は低い笹で時々歩行の邪魔にならない程度の岩があるだけ歩き易い。中禅寺山で合わせたコンパスを時々見るが狂いはない。展望は期待できないが、標高1550から1450あたりでは多少の紅葉を見かける。1500あたりでは社山、大平山や皇海山が展望できた。標高1400以下でコンパスを見ると幾分北寄りにずれいたが、いつも単独行で無言(時にはクマ対策で大声を出すが)で歩いているが、今日はたそがれオヤジさんと話をするのに夢中になってあまり気にしなかった(よほど東寄りにくだらねば、間違っても長手沢林道か利根倉沢林道が受け止めてくれると油断)。多少の潅木ヤブや落ち葉の絨毯が現れ今までと幾分様相が異なったことには気づいたが、あまりにも尾根筋は単調で歩きやすかったのでそのまま下ってゆく。標高1200あたりになると下方に林道が見えた。計画の下山地点は標高1100付近だから、下山地点が少しばかり高すぎると疑問に思ったが、高度計の狂いかと、そのまま注意しながら急斜面を下って無事に林道に下山できた。下山地点で写真を撮っていると、犬連れの夫婦がこちらへ下ってくる。その時点では、計画通りに利根倉沢林道(地形図に記載なし)に下山したとばかり思っていたので、長手沢林道目指して、夫婦連れがやってくる北方向に進もうとして、たそがれオヤジさんに方向が反対と注意される。地形図を見なおしてみると、標高1400で計画尾根よりも北側の尾根に乗り移ってしまい、長手沢林道の標高点1147に下山したようである。地形図の石垣の印や林道の方向をみて合点。
 夫婦に先行して20分ほど林道を下ると、利根倉沢林道分岐が現れた。計画ではこのあたりに降りるはずだったのだが、先導した自分の責任。たそがれオヤジさんには迷惑をかけ、とんだ恥さらしをしてしまった。大事に至らなかったのでご勘弁を願う。途中で写真を撮っている間に夫婦には追い越された。長手沢に利根倉沢が合流すると久蔵川に名が変わる。正規の道筋は久蔵川の右岸についているが、崩落していて歩きづらいので川の左岸を歩き渡渉して旧道に復帰した地点で夫婦に追いつき、話をすると7時半に親水公園をでて南陵で社山に登り、阿世潟峠から下ってきたとのこと。久蔵川に足倉沢が合流する地点で沈潜橋を渡る。このあたりはいつも暗い時分に歩くので足倉沢の様子がわからなった。足倉沢は狭い沢で、これでは暗くてはわからないはず。夫婦は写真を撮っている間に先行し、以降は後ろ姿を見るとはなかった(駐車場で3台ほど隣の車で帰り支度をしていた)。
 バラクラ沢出合で、たそがれオヤジさんと左岸尾根の取り付き等を検討する。先端はかなり急である。どここから尾根に取り付くのが良いかは要検討。親水公園の入口で、たそがれオヤジさんと別れ駐車場に戻る。入口温度は16度、今日は水は2リットル持参したが1リットルの消費で済んだ。つい先日までは3リットル担いでいだのだが。あと2ケ月もすると積雪歩きで1リットルもあれば充分。1年なんてあっという間に過ぎてしまう。
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