ひとり山歩き436 : 横川から日留賀岳の北尾根に挑戦しましたが、あいにくの高気温で踏み抜きが多く標高1700で退却となりました。
横川から日留賀岳(敗退)
2011年4月15日(金) 晴れ
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 日留賀岳  横川放牧場
自宅(1:05) = JOBSおじか(3:20/3:30) − 放牧場A入口(3:55) − 尾根取付き地点(4:35) − 標高点1301(5:35/5:45) − 標高点1591(8:00/8:10) − 退却地点[(標高1700)(9:20/9:25) − 標高点1591(10:10/10:15) − 標高点1301(12:00/12:10) − 尾根取付き地点(12:40) − 放牧場A入口(13:10) − JOBSおじか(13:40/13:50) = 自宅(16:15)

2 自宅 − JOBSおじか
 男鹿山塊で日留賀岳はまだ残雪期に登ったことがない。いろいろルートは考えられるが、日帰りでというと限られる。小山氏宅からのルートがオーソドックスだが、早朝に車を駐めてご自宅前を通るのは気がひける。07年4月11日にトライして失敗した横川放牧場から北尾根を今回もたどることにした。前回は残雪は多からず少なからず、しかもよく締まっていて退却地点の標高1700付近までは比較的調子よく登れた。残念ながら技量未熟で、標高1700付近からは急勾配で狭い雪庇を登るのが恐ろしくて退却せざるを得なかった。その後の残雪歩きで多少は技量も上がったし、度胸もついてきたので再挑戦することにした。
 今年は07年よりも積雪が多そうなので、数日遅くして残雪の締まるのを待った。今日は天気は良いのだが、高気圧が太平洋に抜けた後なので、海から暖かい空気が入り込み気温が高くなるらしい。例によって早朝に登れば影響は少なくて済むだろうと、前回同様に3時半にJOBSおじかをスタートするよう家を出ることにした。零時に起きると室内温度は20度で、今日は踏み抜きが多いと覚悟する。久しぶりのJOBSおじかだが、予想通り付近には残雪がない。

3 往路  締まりのない残雪で踏み抜きの連続  標高1700で諦めて退却
 JOBSおじかのゲート手前に車を駐めて、男鹿林道をヘッデン頼りに歩を進める。山側に多少の残雪はあるも林道には皆無である。紅藤橋(くどうはし)を渡って約5分で放牧場A入口に達する。地形図通りに敷設された放牧場内の道路は多少凹凸があるが、歩きづらいということはない。前回は残雪は全くなかったのだが、今回は途中から林道に残雪が現れ、放牧場のゲートを出ると踝まで足を沈ませての歩きとなる。尾根取付き地点は日当たりが良いのか残雪はなく、すぐに登り始める。
 落葉樹林の尾根には薄いが踏跡がついている。標高1200あたりからはアスナロ林となって残雪が連続となる。前回は雪は皆無だったのにと思い出しながら登りつめると標高点1301で、これから日留賀岳に向かう北尾根は20cm程度の残雪が連続している。藪歩きはないので、ここでアイゼンを装着する。標高1400あたりまでは勾配は緩く残雪は20〜30cmで雪に締まりはなく、踝ないしは脹脛までのラッセルとなる。前回は標高1400付近から残雪が連億となり、急勾配に備えてアイゼンを装着した。アスナロが連続する尾根からは展望は期待できないが、標高1350付近で荒海山と会津駒ヶ岳を樹木の切れ間から遠望しただけ。標高1420あたりは笹が顔を出している。徐々に小さなふくらみが増えて、膝までの踏み抜きが増えだす。前回は退却地点付近まで踏み抜きはほとんどなかったように記憶している。この踏み抜きというのは脚への負担が大きいばかりでなく、精神的な疲れを伴うからいやらしい。
 標高1550を過ぎると南から南東に向きが変わり始める。標高点1591でエネルギーを補給する。この標高点というやつは地形図ではわからないが、現場では小さなこぶであったりして何となくわかるものである。枝の隙間から南西側に落葉樹の尾根が見える。落葉樹林なら日当たりが良いので雪が締まっているかもしれない。この市界尾根はルートが長くなるので日帰りは難しそう。ここまで前回に比べて残雪の影響で1時間の遅れとなってしまった。(標高1500あたりまでは2種類の古いテープが頻繁に目につい放牧場Aから七ケ岳たが、いつの間にやら見えなくなってしまった。日留賀岳をあきらめて戻ったのであろうか)
 標高点1591からは向きは東南東となり、尾根幅が狭くなり、アスナロにコメツガが混ざりだす。残雪は針葉樹の枝や幼木を抱き込んでいるのでふくらみが多くなり、勾配も大きくなり歩みが遅くなる。さらに悪いのは腰下の踏み抜きが増えだす。前回の退却地点である標高1700が近づくとシャクナゲ藪地帯にり腰までの踏み抜きで完全に日留賀岳は諦めムードとなる。前回の退却地点まではと頑張る。急に痩せた雪庇となり、勾配は急になる。そうすると西側が開けて女峰山、太郎山、白根山から燧ケ岳、会津駒ヶ岳、荒海山が展望できた。この地点前で前回より丁度1時間遅れ。この先の狭い雪庇歩きも厳しいが、踏み抜きもいやらしい。なんとか日留賀岳に到達したとしても、気温がさらに上がって踏み抜きはますます増えるだろう。急勾配の下りでの踏み抜きは危険である。残念ながら前回と同じく標高1700で退却することにした。

4 復路  踏み抜きの連続 早く諦めてよかった!?
 予想通りに踏み抜きの連続、腰までの踏み抜きもちょくちょく。脚を引き抜いて穴を覗くと雪の下は空洞となっている。急降下中に二度も踏み抜いた勢いで前のめりに転倒する。雪が柔らかいので立ち上がるのにひと苦労。前回に比べて雪に締まりがないのは今日の気温のせいだけであろうか。雨が少ないので融けて凍結してのプロセスがないせいか?? 標高点1591で小休止で疲れを癒す。 標高1400以下になって勾配が緩み積雪が少なくなって、膝下の踏み抜きでおさまるようになりホットする。標高点1301でアイゼンを外す。今日のコンディションならアイゼンは不要だった。ワカンを持って来なかったのが悔やまれる。下りもここまで前回に比べて30分の遅れ。無理して日留賀岳を目指さなかったのは正解と自分に言い聞かせる。
 1301からはブレーキを掛けながらの下りで楽勝。無事尾根取付き地点に下ってノンビリと放牧場に戻る。荒海山と七ケ岳が目につく。放牧場はほとんど雪は残っていなく、無人(無牛)の放牧場をゆっくり下り、出口で振り返って今歩いてきた尾根筋を眺めて別れを告げる。JOBSおじかで振り返ると、日留賀岳から鹿又岳が展望できる。かなり雪が融けているよう見える。次はいつ来るかな? 車が3台駐まっていたが釣り人か、もし山なら苦労しているだろうな。

日留賀岳北尾根からの展望

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