ひとり山歩き404 : 湯西川の白滝沢中尾根を登り、県境そしてアサズマ沢左岸尾根を下りました。中尾根の県境直下は激藪でしたが、アサズマ沢左岸尾根の後半は殆どに踏跡が続いていました。
湯西川・白滝沢中尾根〜県境1692〜アサズマ沢左岸尾根
2010年6月12日(土) 晴れ後曇り
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 白滝沢と中尾根  アサズマ沢左岸尾根
自宅(1:05) = 湯西川・安らぎの森(3:10/3:20) − 白滝沢林道終点(4:00) − 白滝沢二俣・尾根取付き(4:55/5:15) − 尾根に乗る(5:55) − 標高1450付近(小休止)(9:05/9:15) − 県境尾根出合(11:15) − 県境1692(12:00/12:20) − 三角点1476分岐(13:50/13:55) − 標高点1451(14:30) − 標高点1374(下山開始地点)(15:40/15:50) − 林道出合(16:50/16:55) − 県道249号出合(17:10) − 伴久ホテル(安が森林道出合)(18:05) − 安らぎの森(18:40/18:55) = 自宅(21:05)

2 自宅 − 湯西川・安らぎの森
 以前から湯西川・白滝沢の中尾根から県境に登り、枯木山へ行って見たいと思っていた。この中尾根は弊掲示板でお馴染みの@宇都宮さんが06年3月25日に枯木山に登るのに使っている。ネットでは検索できなかったが、我孫子の黒田さんから県境1692まで辿ったという情報は入手していた。つい最近、H@上三川さんがアサズマ沢左岸尾根で県境1692までピストンしたとの書き込みもあった。白滝沢二俣までの遡行については、HP「栃木県の滝」の雪田爺さんから情報をいただいた。
 これらの情報から白滝沢中尾根で栃福県境経由で枯木山、復路は県境からアサズマ沢左岸尾根を下ることを検討した。明るいうちに駐車場に戻るには、県境1692に遅くとも10時までに到着せねばならない。白滝沢中尾根の所要時間は約6時間、駐車場から白滝沢二俣の尾根取付きまでは約1時間の計7時間と推測した。尾根登りと違って沢歩きは明るくならなければできない。これを勘案すると3時に駐車場発となり県境1692到着はタイムリミットが10時となってしまう。無雪期に県境1692経由で枯木山は07年5月14日にひとり山歩き279で達成しているので、無理する必要はなく、今回の主目的を白滝沢中尾根とアサズマ沢左岸尾根を辿ることに絞った。
 湯西川へは07年5月以来の訪問。H@上三川さん情報にあるように湯西川ダム建設は昼夜体制で行われ山腹の照明で異様な感じ。伴久ホテルの横から県道249号から安が森林道へ入って約2kmで安らぎの森の駐車場に到着。沢音を聞きながら登山準備にかかる。

3 安らぎの森 − 白滝沢中尾根 − 県境  白滝沢遡行は登山靴でジャブジャブ 中尾根の取付きと藪密は手ごわかった
 白滝沢林道は、もちづけ橋を過ぎると荒れだす。草は深くなり場所によっては崩壊している。林道は水溜りが多く、蛙の泣き声が聞こえてくる。ヘッデンを消してすぐに、白滝沢林道終点に達する。林道終点からは遊歩道跡を辿ると、すぐに白滝沢に導かれる。沢の左岸を数分辿るとゴルジュに達した。ここからは何度も渡渉を繰り返す。登山靴で飛び石渡渉を繰り返していたが、岩は滑り易い上に飛び石渡渉もままならなくなり、登山靴で水の中へ入ってしまう。これで歩行がはかどるようになった。所々で遊歩道跡拾ったり沢内に入ったりして進み、数段の鉄梯子を二箇所登ると白滝沢二俣に達した。左俣には拾数メート白滝の白滝が見える。登山靴も靴下もグシャグシャに濡れてしまった。靴下は予備に替えたが靴はどうしようもない。振り回して水を切るもたいした効果なし。無防備で笹藪に突入して靴下まで濡らしてしまったことが何度もあるので、それ程に気をとめなかった。
 二俣から見る中尾根先端は急峻で嫌な雰囲気、右俣を少し進んで急斜面に取付くことにした。斜面は締りがなく滑り易く、藪が少なく身体を引き上げるのに苦労する。木の根や樹木の枝に手がかりを得て登って行く。先週の袈裟丸中尾根の標高1800付近の危険地帯に続き二週連続の「崖登り」と濡れた登山靴が「グツグツ」とぐずるので嫌気がさした。止めて戻ろうかと思うも下るほうが危険で諦めて登り続ける。こうなったらどうしても県境1692まで登らざるをえない。すると尾根形が現れ踏跡がついている。これで救われた。でもこの踏跡はどこから来るのだろうか。二俣正面に突破口があるのだろう。
 矮小なシャクナゲやイヌツゲ藪はあるが抵抗は小さい。標高1200あたりから尾根の右手に針葉樹(クロビ?)が混ざりだす。標高1250付近からは腰丈の笹が出現し藪が深くなり始める。笹藪と混合藪が交互に出現する。時には藪が緩むが高くなるにつれて密となる。標高1350付近で混合藪に蔦が混ざり、振り解くのに時間を要し歩行速度が上がらない。県境1692までの計画時間は6時間(期待値は5.5時間)だが、それも怪しくなりだした。密藪漕ぎに疲れ、標高1450付近で尾根上のクロビの大木の下でエネルギー補給の小休止。
 その後も笹と混合藪の波状攻撃が続く。標高1500でクロビがなくなり完全に広葉樹林になる。展望は左右の尾根筋が時々枝越しに見える程度で、藪漕ぎの褒美は全くない。標高1550を越すと、県境への枝尾根登りで最大の障害物となる枝の位置が低く枝の数が多い樹木(名称不明)が藪に混ざり始める。これを潜り抜けるのがひと苦労。時間もドンドン過ぎて行く。県境1692までは6時間どころか、7時間位かかりそうな雰囲気。12時に1692に達すれば、明るいうちに充分駐車地に戻れるのでバテないように休み休みの省エネ歩行に切り替える。藪密度が高くて県境尾根は見えないが、進行方向が変わったことから県境尾根に乗ったと判断した。県境尾根には前出の枝の多い樹木が少ないので歩くのが多少楽になる。1692直下(標高1650付近)で栃木側の藪が切れて展望を得ることができた。復路で下るアサズマ沢左岸尾根と残雪期に枯木山に登るのに歩いた白滝沢と木ノ沢の中尾根に明神ケ岳あたりが展望できた。清澄度がよければ日光連山も見えるはずなのだが、今日は霞んでいて見えない。1692ピークはすぐ先に見えるのだが、まだ30分はかかりそう。更に密藪を漕いで県境1692ピークに達したのは12時で枯木山へ行く場合のタイムリミット10時ははるかに過ぎていた。H@上三川さんに倣って、山頂の松の傍の倒木に座ってネルギーを補給する。山頂からは枝越しに枯木山の山頂が展望できる程度。
 エネルギーを補給しながら復路を検討する。07年5月14日に枯木山の帰りに下った(残雪期に2回、無雪期に2回)白滝沢と木ノ沢中尾根を下ってもちづけ橋付近に下るのが気楽ではあるが、時間的に問題ないので当初計画どおりアサズマ沢左岸尾根(H@上三川さんとYoshiさん情報あり)を下って平家狩人村付近から安らぎの森まで道路歩きで戻ることにした。

4 復路(アサズマ左岸尾根経由) 大部分で踏跡を拾う 
 1692ピークから三角点1467分岐(白滝沢と木ノ沢中尾根分岐)までは残雪期に2回(06年)、無雪期期は二回(06年と07年)に歩いているので、地形はよく覚えている。コンパスを設定して、笹に掴まりながら南へ急降下して行く。ダケカンバ林そしてブナ林と変わるが背丈以下の笹藪は続く。救いは古い踏跡らしい筋を笹の中に追うことができることである。方向を南南東に幾分変えて平坦地の歩きとなる。相変わらず藪を被ってはいるが踏跡らしい筋をかなりの部分で追うことができるので、往路の中尾根歩きに比べたら天国を歩いているような感じ。低い二重尾根状を呈すると標高点1502あたりである。アサズマ沢左岸尾根の標高点1374 踏跡が続く
 1502からはごく緩やかな登りとなり尾根上の藪密度は高くなる。尾根の右手(西側)は比較的薄いので、そちら側を歩くように努める。藪のないピークに達した。ここが三角点1467分岐(中尾根分岐)でテントが楽々と二組は張れそう。焚き火跡も窺える。このピークからは過去の山行とは違って東でなく、南のアサズマ沢左岸尾根を下ることにする。真新しいピンクリボンが南へと誘ってくれる。低い笹藪の中の薄い踏跡を追って行くと、左手に尾根筋が見える。方向が一致しているので踏跡を進んで行く。時々尾根上に戻るが基本的には尾根の右手(西側)に踏跡が続いている(この踏跡についてはHP「高原山探訪」でYoshiさんが記述しているので参照願う)。
 標高点1451も右手を巻いて通過する。先刻から小さな虫が煩く目に飛び込んでくる。写真を撮ろうとすると画面に写り込んでしまう。写真は諦めて、サングラスを顔に密着させるように掛けて目を保護する。今日は暑くて発汗が多く煩わしくてかなわない。次の1450m級のピークも右手を踏跡に従って巻いて通過。尾根上に戻るとシャクナゲが邪魔するので、再び右手を巻いて歩く。踏跡は時々薄くなっているが追うのはさして難しくはない。
 標高点1335への分岐ピークも右手を巻いて通過すると、尾根筋は南南東から南南西に変わる。鞍部から緩やかに少しばかり登り返すと、標高点1374ピークである。踏跡はこの先にも続いているが、ここからは南東の枝尾根に乗り換える。ここにも真新しいピンクリボンを見る。この枝尾根は藪はなく薄い踏跡(獣道かも)が続く。尾根筋は単調で迷うような場所はない。途中で檜林となり、標高を下げるとブナ林が現れたりする。標高890で林道に出合って無事下山となる。
 ダートの林道を下るとすぐ先で舗装道に変わる。林道を10分強歩くと平家狩人村で16時閉館で門は閉じていた。約100m先で県道249号出、ここから安らぎの森までは6km強の舗装道歩きは堪える。往路での沢遡行による登山靴濡れはとっくに乾いているが、足底に肉刺を作ってしまい歩くのが苦痛伴久ホテル(安が森林道出合)からは緩やかだが登り勾配で足取りが重い。安らぎの森駐車場には明るいうちに戻れてヤレヤレ。管理棟・四季の自販機でコーラを買って飲む。美味かった!! 
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