ひとり山歩き356 : 栃木福島県境の1624〜赤柴山〜1504を歩いてきました。県境尾根は大部分が残雪歩きとなりましたが、県境尾根への登り下りの枝尾根は密藪でした。県境尾根からの展望は那須岳や男鹿山塊が素晴らしかったです。
栃福県境尾根・大川峠〜大峠(その4)
1624〜赤柴山(1634)〜1504
2009年4月20日(月) 晴れ後曇り
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッちず   1624〜赤柴山(1634.5)〜1504  大川林道ゲート
自宅(0:55) = 大川林道ゲート(3:00/3:10) − 小淵沢林道口(3:40) − 尾根取付き(4:10/4:20) − 尾根合流(7:25/7:35) − 標高点1624(10:00/10:05) − 赤柴山(三角点1634.5)(11:15/11:30) − 標高点1530(11:55) − 標高点1504(12:45/13:05) − 大岩(13:55) − 下山(大川林道出合)(15:05/15:20) −大川林道ゲート(16:35/16」45) = 自宅(19:05)

2 自宅ー 大川林道ゲート
 栃木福島県境の大川峠から大峠までの尾根歩きを細切れに実施中である。今回の標高点1624〜赤柴山(三角点1634.5)〜標高点1504の間を無雪期に歩くのは、、県境への出入りに時間を要し、日帰りがかなり難しそうである。県境尾根の残雪の助けを借りることにした。今の時期にこの山域に出かけたことがないので、残雪状況が判明しない。昨年の4月末に番屋コルから赤柴山まで歩いたという掲示板の情報(みどりさん)と「高原山探訪」のYoshiさんが4月に大川峠から上海岳、黒滝股山、標高点1427まで(今回計画の南西)の山行記と流石山、大倉山の山行記から類推していた。「きままなノラの山歩き」のノラさんが黒滝山〜百村山稜線から今回計画山域の写真を掲示板投稿で、県境尾根にはかなりの残雪があることが判明した。
 自称藪やが完全残雪ではさまにならないが、残雪無しでは日帰りは難しい。先ずは様子を見るために出かけてみることにした。昨日曜日は好天であったが、Never on Sunday で休日に山に出かけるのは出来るだけ避けたい。今週の好天日にと天気予報をウォッチしていると、本日の予報は曇天ではあるが、夜半までは降雨はない。いつも好天ばかりを選んで山行するのも能がない。曇天の方が日焼けが少なくていいや、で前日の夕刻に決定。深山ダムの最北西に位置する大川林道ゲートには何度も行っているので、計画時間で到着した。月曜日の超早朝だから、車が駐まっているはずはないと思っていたが、一台駐まっていた。

3 大川林道 − 県境尾根(1624)  尾根先端は激藪、全体に密藪が続く 山頂直下は残雪に救われる
 暗闇の大川林道を進み、最初に橋を渡った20メートル先が小淵沢林道分岐である(地形図ではコブキ沢)。右に折れて小淵沢林道を進むと、落石も倒木はおろか枯れ枝も落ちていない。大川林道よりは多少狭いがよく管理されている。多分、上流で治山治水工事が現在行われているのであろう。林道口から12分で右に林道(形部沢)を分けて、左の北西への林道を進む。高度が上がると、路肩に除雪塊が認められるが林道は部分的に舗装されていて歩き易1624直下から大佐飛山〜男鹿岳い。林道が北西から西に折れた30メートルほど先が、尾根取付きである。思ったよりは早く着いてしまった。ヘッデンなしで尾根に取り付くには未だ少し早い。少しばかり早いがヘッデンを収めて、月明かりを頼りに笹藪の尾根先端に取り付く。
 強烈な笹藪で、これでは県境まで5時間はとても無理と頭にチラつく。20分ほどもがき続けると、アスナロ林となり藪がなくなった。ヤレヤレこの先は多少は楽が出来るだろうと思ったのもつかの間再び笹藪に突入。尾根先端部の藪ほど強烈でないのが救い。アスナロ林を藪の疎密を繰り返しながら登って行く。時々、藪が緩みほっとするが、そんな場所は長くは続いてくれない。標高1230くらいからは笹藪の他にアスナロ藪も混ざりだす。
 標高1300を越すと背丈以上の笹藪となる。残雪はないのだが、小指太さの笹が未だ寝たままで往生した。起きていれば丁寧に分けて進めるのだが、寝た笹は分けようがなく、その上に乗ると滑って何度も腹ばいにさせられる。今日は日帰りで荷物が小さいのが救い。灌木地帯となり尾根全体が細くなって、東となりの尾根筋(その尾根を掲示板でお馴染みの@宇都宮さんが06年5月に下っている・・・今回のルートの契機)。尾根筋が狭くなり、ブナ林で笹が背丈以下になる。ここが尾根合流地点で、場所を変えると枝越しに大佐飛山から男鹿岳方面が窺える。ここでザックを下ろしてエネルギーを補給する。
 尾根合流地点からは尾根筋が広くなり、僅かな区間だけ背丈以下の笹藪で息をつけたが、2メートル超級のネマガリダケがネソベリダケ(?)となって、何度も腹ばいになりスタミナを奪われる。雪島が増えだしたが、下手に利用すると、その末端でネソベリダケに乗って腹ばいとなるのが落ちで避けて登る。標高1550あたりから 残雪は連続となり、快適な歩きが出来るようになった。振り返ると大佐飛山から男鹿岳、那須岳方面が展望できるようになった。ピンクリボンが手がやっと届く高さに連続しだした。高さから見て積雪期に付けたものであろうが、こんな見通しのよい場所に何故?? こんな尾根を登る人がこんな付け方をするのだろうか? 林業関係者が付けたにしてはなんの目的で? 
 標高1600位になると腰丈の混合藪地帯となる。筋状の残雪部や混合藪の中を歩いたりしながら、お椀をかぶせたような小高い場所を目指す。灌木が多く結構手間取ったが灌木と笹の茂る県境尾根の標高点1624に達した。計画よりも40分遅れ・・・尾根先端の密藪がマイナス要因、山頂直下の残雪地帯がプラス要因だが、思ったよりは藪がきつかった。大倉山から那須岳と男鹿山塊を眺める。

4 県境尾根(1624−赤柴山−1504) 大部分は快適な残雪歩き  雪がなくとも藪は大川峠から1504とあまり変わり赤柴山から1504方面あんし??
 標高点1624から進行方向を探ると、藪は多少出ているが尾根の福島側には残雪がほぼ連続しているのがみえた。残雪部を選んで福島側を歩くのだが、灌木の傍を通る時に膝までもぐる程度。尾根上に出ると表面は軟らかいが内部は締まっていて靴底がもぐるだけ。鞍部までは8割方は残雪部を歩く、残りは低い笹藪で大した障害にはならない。残雪がなくても県境尾根は登りに使った尾根筋に比べたら遥かに楽であろうと推測する。
 鞍部から振り返って赤柴山、前方の県境稜線と左前方の大佐飛山から男鹿岳を写真に撮って、緩やかに登り返す。標高1620で小さなコブを越して僅かに登り返すと腰程度の笹を中心とした混合藪が密集する赤柴山に到着した。山頂には下館岳友会の創立25周年記念の那須岳〜谷川岳縦走のプレートとH7.9正部員養成のMWVの青色プレートを見かける。山頂からはさえぎるものがないので、那須岳方面と男鹿山塊の眺めがよい。今日は曇天と言うことで出かけてきたが、今まではラッキーにも晴れていた。しかし、男鹿山塊方面は曇り、那須岳方面も曇りだした。
 赤柴山からは太い稜線上に連続して残雪があり、踏みぬくこともなく快適な歩きが出来る。周辺から推測するに、藪が立っても背丈程度で特に厳しいということにはならないのではなかろうか。平坦な残雪の標高点1530を下り始めると、標高点1504へのルート全体が視野に入る。尾根筋は狭まってきたが、尾根直下には灌木が生えているので、高所恐怖症は全然起きなかった。鞍部付近は栃木側にほんの僅か張り出した雪庇となっている。雪庇の先端から雪が解けて雫となって流れ落ちている。鞍部から僅かに登り返すと、平坦に残雪で覆われた標高点1504に達した。昨年の10月13日に来たときには、背丈程度の灌木藪越しに那須岳や大佐飛山から男鹿岳を眺める程度であったが、今日は非常に見通しがよい。今日歩いてきた県境稜線や一昨年の11月8日に登った黒滝股山家老岳そして七ケ岳も見える。下山の準備にかかると、大倉山や赤柴山にガスがかかりだした。山の天気は変わり身が早いので安心できない。

5 下山(1504−大川林道)  大川は裸足で渡渉
 
1504から歩いてきた県境尾根れから下る尾根は昨年の10月13日に登っているので参照願う。
 ピーク直下には残雪で、登りの時に苦労した灌木帯を楽に下りることができた。最初は灌木で尾根筋が見えないので、コンパスを見ながら注意深く下る。標高1350付近で雪島も消える。この辺りまで下ったら藪は大したことはない。早朝に小淵沢林道から登った尾根筋に比べたら、ピーク直下(無雪期の)を除いたら遥かに優しい尾根筋である。標高1280で記憶のある
大岩の右を巻いて通過。尾根筋は比較的単純だが、標高1230で南南西から南東へ方向転換だけは要注意。比較的楽に下ってきたが、方向転換してからはアスナロの小藪が邪魔になってきた。左下に沢が見えたので、尾根先端の藪を嫌って沢筋に下りた。最初に見たときには沢筋は広かったが段々狭まって歩きづらくなってきた。おとなしく尾根先端に下りたほうがよかった。沢筋を数分下って大川に出合い、無事に下山できた。
 昨年の10月には楽々渡渉できたのだが、右往左往するも渡渉地点が見つからない。仕方なしに靴を脱いで大川を渡る。裸足になった途端、川原の石を踏むだけで足裏が痛い。子供の頃は裸足で歩いたので足底が痛いなんてことはなかったのだが、文明人(猿かも)になってしまったようだ。冷たさは我慢できたが、約3メートルの川を渡り終えるというときに足裏の痛みに我慢ならず前のめりになる。幸い手をついた場所が川の土手で手に提げた荷物は濡らさなかったが、膝上までまくり上げたズボンを濡らしてしまった。この渡渉はあらかじめKY(どこかの元総理大臣と違って空気が読めないでなく、まじめな意味で危険予知)してたのだが、復路だから裸足もやむを得ずということで渡渉に使う運動靴は持参しなかった。往路でこちらを通れば準備していたであろう。
 無事に計画した県境尾根を歩き、気分をよくして大川林道をゲート目指す。林道には四・五箇所残雪があったが特に問題ない。県境に残雪がなければ、3・4時間は余分に要したかも。無雪期にはかなり厳しい感じ。ゲートに戻ると早朝と同じ場所に車が駐まっている。テント泊でどこに行ったのであろう。
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