ひとり山歩き332 : 栃木/福島県境・大川峠から大峠の尾根歩きのその3として、黒滝股山の東に位置する1504ピーク〜1427ピーク〜1389ピークを歩いてきました。尾根全体が笹の密藪で歩行に難儀しました。那須岳、男鹿岳や大佐飛山の展望とともに山腹の紅葉を楽しむことが出来ました。
栃福県境県境尾根・大川峠〜大峠(その3)

1504ピーク〜1427ピーク〜1389ピーク
2008年10月13日(月) 晴れ
1 行程
ルートマップ(GPS)   
自宅(2:00) = 大川林道ゲート(4:10/4:25) − 大川渡渉・尾根取り付き(5:35/5:45) − 標高点1504(9:50/10:00) − 標高点1427(11:55/12:00) − 標高点1389(14:00/14:10) − 下山・大川林道出合(16:05) − 大川林道ゲート(17:20/17:30) = 自宅(20:15)

2 自宅 − 大川林道ゲート
 栃木/福島県境尾根の大川峠〜大峠の間を細切れに繋ぎ歩きをしている。その1で標高点1360〜黒滝股山〜標高点1389、その2で大川峠〜上海岳(三角点1501)〜標高点1360を歩いている。今回はその3として標高点1504〜標高点1427〜標高点1389を歩くことにした。標高点1504への南尾根取り付きは大川の左岸に位置する。大川林道は右岸に敷設されているので、下山後に渡渉が出来ないと困る。最初に大川を渡渉して反時計回りで歩くことにした。
 明るくなった時点で大川を渡渉できるよう見計らって家を出る。大川林道歩きは今回が4回目で要領を得ている。深山湖北岸の大川林道ゲート付近は未舗装であったが、今回はゲートまで完全舗装となっていた。

3 ゲート − 1504ピーク  ピーク直下は混合藪が密 
 ゲートをすり抜けて大川林道を渡渉地点目指してまっしぐら。右岸→左岸を繰り返し三回目に右岸に渡るとすぐ先に雨量観測所が右手に見える那須岳 (1504Pから)。ここから約10分で左手から涸沢(名称不明)が大川に合流する。この付近は川原が広く浅瀬が続くのを過去の山行で知っていた。この渡渉地点では計画通り充分明るくなっていたので、ヘッデンを収納し川原に下りる。
 飛び石で簡単に大川左岸に渉り、1504ピークの南尾根に取り付く。尾根先端で背丈の藪を10メートルほど漕ぐと、藪は薄くなったが急斜面登りとなる。アスナロとブナが交互に現れる。その都度、針葉樹藪、笹藪と変わるが密でないのが助かる。標高1080で左から尾根を合わせると、針葉樹藪も笹藪も濃くなってきた。藪は我慢の範囲だが、標高1200からの急登には参った。藪をつかんで身体を引き上げる状態が続く。標高1300付近で大岩の左側をまいて登ると、ブナが色づき始めていた。後方(南西)に男鹿岳を樹間に見ながら一休み。すぐ先では東に茶臼岳も見る。
 ここまでのペースでは、200メートル登るのに1時間。これなら計画の4時間に対して3時間で1504ピークに登れると思ったのが大間違い。笹とアスナロ藪は密になってきた。時には混合藪ともなる。標高1350付近からは痩せ尾根状態で尾根上のアスナロを避けるのに苦労する。背丈の笹藪下に獣道状の薄い筋を探しながら登って行く。標高1400を越すと背丈を越す笹に灌木が混ざりだす。ピークが近づくにつれて混合藪はますますひどくなる。やっとの思いで1504ピークに達した。標高1300−1500の間は2時間要して、結果的には計画時間と同じ4時間かかってしまった。大川峠から今日の下山地点である標高点1389まではピーク付近は混合藪が密で悩まされたが、今回も全く同じで灌木と背丈の笹藪が密になっている。どうにか藪越しに那須岳(朝日岳・茶臼岳・白笹山)と男鹿岳から大佐飛山が見えて慰めとなる。

4 県境尾根(1504P − 1427P − 1389P 前半の混合藪に悩まされる  那須岳、男鹿岳や大佐飛山を展望  山腹の紅葉があざやか
 県境尾根は栃木側が切れ落ちていて福島側がなだらかである。傾斜のせいか福島側に流されがちで、尾根上に戻るとしても藪でなかなか軌道修正が出来ない。過去2回の県1389P(手前) 黒滝股山(右) 男鹿岳(左奥)境尾根歩きでは笹藪が主だが、ピーク付近でのみ混合藪に悩まされた。今回は笹を主とする混合藪が密である。尾根上では左前方に男鹿岳と大佐飛山が見えて気分転換にはなるが、遅遅として進まなくなる。この区間(1504〜1427)は距離にして800メートルで2時間を見込んでいる。混合藪がこのまま続くと大幅に時間オーバーとなってしまいそう。途中でのエスケープも頭にチラつきだした。前方に紅葉の進んだ1427ピークや1389ピークが時々見えるがなかなか近づいてくれない。1420級の小ピークを越すが付近も混合藪で苦労する。その先の平坦な痩せ尾根でもイヌツゲ、シャクナゲ、笹の混合藪に悩まされる。やっとの思いでたどり着いた1427ピークも混合藪のなかで展望はない。この区間はどうにか2時間の計画時間内に収まりヤレヤレ。
 1427ピークからは向きを北西から南南西に変えて下るのだが、藪で尾根筋は見えない。1389ピークを目印に下り始めると、すぐに尾根筋が現れる。ピーク付近は例外でなく混合藪が現れるが、標高1400位になると灌木は薄くなり胸丈の笹尾根となり、密藪から開放されひと息つく。鞍部を通過して登りで振り返ってみると、1504Pとその南尾根の紅葉が鮮やか。更に10分ほど登ると、1504ピーク南尾根の上に茶臼岳から白笹山が見えるようになった。1350級ピークも灌木はそれほどでなく笹藪だけで容易に通過。登りは緩やかになり、腰ないし胸丈の笹藪を30分ほど漕ぐと、昨年の11月8日に黒滝股山からの下山地点とした1389ピークに達した。このピークは灌木なしで胸丈の笹に覆われている。この区間も計画の2時間を僅かに切った。今日はすべて計画時間通りに歩けたが、期待値よりは1時間長目となった。下山に備えてパンとバナナでエネルギーを補給する。

5 下山(1389Pの南東尾根)  尾根筋が見えづらく難儀する  大川林道沿いの紅葉は未だ先(10月末が盛りか)1504Pと北尾根
 この尾根は昨年の11月に下っているが、藪で尾根筋が見えづらく途中で軌道修正に手間取ったことを思い出し、磁石を合わせて慎重に下り始める。1504ピークには灌木は殆どなかったが、下り始めると笹が主の混合藪となった。尾根筋が不明瞭なのでルーファンに苦労する。
 標高1300あたりからは尾根筋が現れて歩き易くなってきた。尾根上の樹木を避けると、藪に邪魔されて尾根上に復帰が難しい。この尾根は二度目だが、藪ばかりで全く初めての歩きと同じ。標高1250の大岩は記憶していた。前回は右をまいたので、今回も同じく右をまいて通過した。急斜面で尾根から外れてしまい、復帰にひと苦労する。標高1200以下になると尾根筋は明瞭で藪も薄くなってきた。標高1000付近はブナ林で笹も低く気持ちよく歩ける。沢の音が聞こえ出すと、すぐに沢の流れが見え出した。方向を南東から幾分南よりに修正して下ると、ドンぴしゃり大川林道が左岸から右岸に渡る橋に下山できた。ここも計画時間と同じ2時間、今日はどの区間も計画値とほぼ同じ。こんな山行も珍しい。
 駐車地の大川林道ゲートに明るいうちに戻るべく急ぐ。5月8日に大川峠〜上海岳〜大萱峠を歩い時には、ワサビ沢に砂防堤建設工事中であったが、完全に終了したようだ。今朝の渡渉地点を横目に先を急ぐ。林道の途中に落石あるも、車は通れるようになっていて新しい落石はないようだ。大川林道沿いの紅葉は未だ早すぎる。10月下旬頃か。どうにか明るいうちにゲートに戻って帰り支度をしていると、ゲートに工事用の車が戻ってきた。途中で見かけなかったので、コブキ沢か形部沢で工事をしているのであろうか。コブキ沢林道は車の通行跡が明瞭に残っていたのを思い出す。 
 帰路は三連休の最終日で渋滞に巻き込まれ。通常よりは余分に時間がかかる。 
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