ひとり山歩き169 : 北温泉から中の大倉尾根を経由して、那須岳の三本槍岳・隠居倉・朝日岳と歩いてきました。中の大倉尾根は緩やかで後半は展望もよい推薦できる尾根です。那須岳の紅葉はこの一週間の間にかなり進み、ぼちぼち見頃となっています。
北温泉から三本槍岳〜朝日岳
2004年10月7日(木) 晴れ
1 行程
自宅(3:15) = 北温泉駐車場(5:20/5:30) − 北温泉(5:35) − 林道出合(飯盛山・鬼面山偵察)(6:05/6:25) − スキー場分岐(中の大倉山分岐)(6:55) − 赤面山分岐(8:10/8:20) − 北温泉分岐(8:35) − 三本槍岳(8:55/9:10) − 北温泉分岐(9:30) − 清水平(9:40) − 熊見曽根分岐(10:10) − 隠居倉(10:30/10:40) − 熊見曽根分岐(11:05/11:10) − 朝日岳(11:25/11:35) − 峰の茶屋(12:05) − 峠の茶屋(12:35) − 大丸温泉(13:05) − 北温泉駐車場(13:25/13:40) = 自宅(16:00)

2 自宅 − 北温泉駐車場
 10月1日に沼原から茶臼岳・南月山・黒尾谷岳・白笹山を歩いたが、紅葉には早すぎた。藪こぎをするにはまだ暑すぎるので、今日も那須岳を歩いてみることにした。三斗小屋周辺から三本槍岳を考えたが、北温泉から中の大倉尾根を経由して三本槍岳に登ることにした。このコースなら飯盛山と鬼面山の偵察ができることが決め手となった。
 国道4号で黒磯市を目指し、高久で県道17号に乗り換えて那須に向かう。有料道路に入ってから八幡温泉経由で北温泉に進んだ。狭い北温泉駐車場(20台限度?)には15台の車が止まっていた。 

3 北温泉 − 中の大倉尾根 緩やかで歩き易い  後半は周辺の紅葉と展望を楽しむ朝日岳(右)と東尾根   茶臼岳(左後方)  (中の大倉尾根から)
 駐車場から舗装道を下ってゆくと右手に平野が見え、続いて正面に北温泉とダムが見えてくる。残念ながら未だ薄暗いので飯盛山と鬼面山は見えない。北温泉の露天風呂(プール)の右下を通って川を渡り、清水平まで4.5kmの中の大倉尾根に入ってゆく。
 土留めの階段状の道をジグザグに登って行く。清水平まで3.8kmの道標を見て北西に進むようになる。広葉樹にコメツガが多少混ざる樹林の中の道はややえぐれて根が張り出しているが、歩きづらいことはない。この辺りでは樹木はやっと黄色くなり始めたところ。左手にワイヤーを張って「立ち入り禁止」の看板のすぐ先で突然林道に出合。この林道が飯盛山・鬼面山への入口で、今日の目的の一つである。300mほど進むと、この林道は終点となる。その先の樹林には薄い踏跡と赤リボンが認められた。ここからでは飯盛山への取り付きは分からないが、今日はここを知っておくだけでよい。戻りで平野のかなたに筑波山が見えた。例によってかすみの上に浮いて見える。思わぬ所で思わぬ風景を見ることは大きな喜びで、これがあるから中の大倉尾根(標高1700から)尾根歩きは止められない。
 林道出合に戻って中の大倉尾根を進む。左下の毘沙門沢からの沢音を聞きながら、ミズナラやシロヤシオの多い自然林の尾根の左下をトラバースして進む。勾配も緩やかで、気温も高からずで快適な歩きを楽しむ。途中で樹木の切れ間から飯盛山と鬼面山の鞍部辺りが見えた。遠くから見ると易しそうに見えるが、これが曲者だ。この藪山の難しさは山部さんYoshiさんが報告している。突然、右0.3kmスキーリフトの道標を見る。こんなところからスキー場に行く人もいるのかなア、と思いながら右手に「自然林保護」の立ち入りを規制するロープ伝いに暫く進む。清水平までまだ3.5kmもある。ブナ林にダケカンバが目に付きだして丸太階段を登ると、ここで再び右ロープウェイの道標を見る。ここがスキー場分岐で中の大倉山(1462)への分岐となっている。途中での偵察を除くと、北温泉から約1時間の行程である。(清水平まで2.7km)
 この分岐からは向きを西北西に変えてブナ林を進む。道はややえぐれて両サイドの笹は背丈を越しているが、歩くには全く支障がない。分岐から30分も歩くと、かん木帯になって、展望が開けてくる。朝日岳から鬼面山への稜線はかん木の三本槍岳(北温泉分岐付近から)赤味と笹の緑とのコントラストが美しい。日陰のえぐれた道筋には薄っすらと霜が残っている。山は一気に冬支度になっていることを知る。清水平1.3kmの道標からは小石を敷き詰めた道となる。右に目をやると赤面山の斜面の紅葉もかなり進んでいる。磐梯山、吾妻連峰、安達太良連峰もよく見える。前回に続き今日も天気に恵まれた。天気を選んで山に行けるなんって、仕事を持ち天気の如何にかかわらず休日にしか山に行けない人に申し訳ない。左右の展望を楽しみながら、更に小石の道を登る。小石が切れるとすぐ先で赤面山分岐となる。赤面山まで右1.2km。意欲のそそられる尾根筋だが、往復で2時間弱のため今日は遠方から紅葉を眺めるだけにしておく。翌日掲示板で茨城太郎さんが北温泉から赤面山をピストンされたとのこと。先行する自分の姿が捉えられた様子。
 赤面山分岐からはハイマツ等のかん木は背丈が低いので周囲の展望が目移りし歩くのが遅くなる。北に飯豊山・磐梯山・吾妻山・安達太良山、南東に関東平野と筑波山、南西に燧ケ岳・日光連山、間近にはもちろん朝日岳、茶臼岳、三本槍岳も見える。素晴らしい展望だ。西に少し下ると清水平の少し北に位置する北温泉分岐に辿り着く。三人組が休憩していた。これから先は数え切れないくらいのハイカーに出逢う。 

4 北温泉分岐 − 三本槍岳  山頂からは360度の好展望  周辺の紅葉も流石山とその稜線(三本槍岳から)楽しめる
 以後のルートは’01年10月11日(ひとり山歩き13参照)に歩いているし、ガイドブックにも詳しく記載されているので詳細は省く。このルートでは三本槍岳手前鞍部までの道が窪んでいて岩が多く、ジメジメして歩きづらいということを報告しておく。特に人とすれ違う時にはお互いに道を譲り合わねばならない。鞍部付近からは三本槍岳斜面の紅葉がかなり進んでいるのが見える。
 三本槍岳山頂から前回は晴れていたが、遠望はきかなかった。今日は遠方の山々がよく見える。360度の展望で高原山の左に薄っすらと富士山が見えた。詳述は止めるが、磐梯山の右下に猪苗代湖もくっきり見えた。茶臼岳右下の日の出平付近の紅葉がこの一週間でかなり進んでいるのが遠望できた。

5 三本槍岳 − 熊見曽根 − 隠居倉  周辺斜面の紅葉を楽しむ ぼちぼち見頃
 
北温泉分岐から少し下ると清水の湿原である。木道が敷設されている。振り返ってみると三本槍茶臼岳と日の出平(隠居倉から)岳の紅葉が美しい。前方の朝日岳山頂には大勢の人が認められる。清水平から登り返すと1900ピークでここからの展望もよい。水を飲みながら通過する。翌日の掲示板でYoshiさんとすれ違ったことを知る。人出が少なければ、その時にお互いに気付いたのかもしれない。どこかの山で出逢うのを楽しみにしよう。
 1900ピークを下って登り返すと、熊見曽根分岐である。計画通りここから隠居倉までピストンする。前方に隠居倉と右に流石山稜線を見ながら100m程下って、50m程登り返すと隠居倉山頂である。荷物をデポしてピストンする人は多い。この尾根から眺める周辺の紅葉が素晴らしい。隠居倉の山腹、日の出平から姥ケ平、三本槍岳山腹の紅葉がかなり進んでいる。ぼちぼち見頃が近づいたようだ。隠居倉山頂からも全展望で、見慣れた眺望なのですぐに熊見曽根分岐に戻る。
 
6 隠居倉 − 朝日岳  峰の茶屋  人、人また人
 隠居倉からは朝日の肩から山頂にかけては行楽地のような混雑である。朝日岳山頂から肩までは行列が続いている、と言っても過言ではない。肩に荷物をデポして朝日岳山頂に登ってみると、山頂標識の前は記念写真を撮る人で行列ができている。無人の山歩きが多いので異様に感じる。鬼面山への稜線の紅葉を眺めて、峰の茶屋に向かう。
 朝日岳の肩からはガレ場や鎖のある岩稜の小ピークを越してゆく。いよいよ剣ケ峰である。取付きが分からないまま左下(東側)を巻いて通過してしまった。嫌いな岩稜の尾根で、しかも人通りも多い。峰の茶屋側からなら登れそうだが、衆人注目の中を登る気にもなれず敵前逃亡。大勢がたむろする峰の茶屋を素通りして下山にかかる。
 峠の茶屋に下る途中から見る朝日岳と鬼面山の紅葉が素晴らしい。今日のコースでもっとも気に入った光景である。この時間帯(12時頃)に下る人は多いが、登る人も多い。自分より年配の人が休み休み登る姿を見て、自分はいつまで元気に山歩きができるであろうか。そんなことを考えるうちに峠の茶屋駐車場に着いた。駐車場は工事中で1/3位は狭まっていた。
朝日岳南斜面(峠の茶屋下山路から)
7 峠の茶屋 − 北温泉駐車場 朝日岳〜鬼面山稜線が美しい
 峠の茶屋下の道路にはかなりの車が路上駐車していた。車のすれ違いに多少の危険を感じる。平坦な道歩きになると健脚の人にもそれ程遜色はない。約4kmの道を50分で北温泉駐車場に戻る。時速5kmか、下りで荷物を背負ってならまずまずのスピード。いつものように駐車場に着くと、荷を下ろし登山靴を脱ぐと、温泉には目もくれずに家路に着く。駐車場に着いたら「即出発」戻ったら「即帰る」が自分のパターン。余裕のない自分に嫌気がさすが、この性格は一生直らないだろう。この年になって直るのを期待できない。逆に言うと、この頑固さがあるから苦しい山歩きもできるのかも知れない。
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