ひとり山歩き252 : 菅沼から白根山、前白根山、五色山、金精山を周回しました。生憎のガス模様で遠望は利きませんでしたが、弥陀ケ池に映える逆さ白根山が印象的でした。花の時期が過ぎて樹木の色づきが始まったようです。
菅沼から白根山(2578)〜前白根山(2373)〜五色山(2379)〜金精山(2244)
2006年9月9日(土) 晴れ
1 行程
ルートマップ  
自宅(2:05) = 菅沼登山口(4:10/4:15) − 弥陀ケ池(5:55/6:05) − 白根山(7:10/7:40) − 避難小屋(8:35) − 前白根山(9:15/9:20) − 五色山(9:50/10:05) −国境平(10:30) − 金精山(10:50/11:00) − 金精峠(11:45/11:55) − 菅沼登山口(12:40/12:50) = 自宅(15:15)

2 自宅 −菅沼
 脚力回復山行の第二段として奥白根山に湯元温泉から登ることに決めて天候待ちであった。天気のよい日は野暮用があったりでなかなか条件が合わずイライラ気味。本日は好天は期待できないが、大した崩れはなさそうなので決行することにした。
 家を出てしばらくすると小雨が降りだした。大雨にならねばよいが、と思いながら車を駆る。鹿沼から降り出した雨は日光に来ても止む気配はない。行くか引き返すかは、いろは坂の登り口で決めることにした。いろは坂の駐車場で車を降りてみると、幸いに雨は上がっていた。峠をひとつ越すと天候は変わっていることは往々あるので、先に進むことにした。今日は天気が不安定で、湯元温泉からの長時間歩きには向かない、と判断して菅沼から登ることにした。菅沼登山口の駐車場に既に2台が駐まっていた。

3 菅沼 − 白根山  弥陀ケ池に「逆さ白根山」  白根山だけがガスの上
 車から降りて空を眺めると、雲のかかった月が見える。これなら大丈夫と支度を整えて、真っ暗な登山道を進む。登山道を進むとすぐに樹林に突入する。道筋には岩がゴツゴツしていて、草木が生えていないので道筋は薄いがヘッドランプだけで道を失うことはない。無風で蒸し暑くてすぐに身体中が汗だらけになる。道筋には岩が多く、濡れていて滑りやすい状態なので、一歩一歩確実に足元を確認しながらの登りで歩行速度は上がらない。5時を過ぎたらヘッドランプなしでも充分歩けるようになった。雲の切れ間も見えるようになって、これから先に期待が持てた。
 標高2200を過ぎて、弥陀ケ池まで0.8kmの道標を見ると、リボンが目に付きだす。残雪期に歩く人が付けたも弥陀ケ池に映える逆さ白根山のか3m高さにも認められる。座禅山の左手を巻きながら根っこの張った登山道を進み、僅かだが緩やかに下り弥陀ケ池に到着する。最近あるHPで話題になったが、それほど期待していなかったものが見えた!! 今までも見たことはあるが、これほど見事なのは見たことがなかった。今日はラッキーにも光線の加減と無風がうまく重なったのだ!! 弥陀ケ池の最北端から、見事な「逆さ白根山」を写真に収める。
 弥陀ケ池から座禅山との鞍部を経由して、ダケカンバの樹林の中に突入する。弥陀ケ池からは白根山はガスがかからず見事な姿を現していたので、遠望を期待したが周辺はガスで覆われて間近の五色山さえ見えず失望する。やがて森林限界を出てガレ場歩きとなったが、空は晴れているのに周辺の山々はガスの中。やがては白根山もガスに覆われることは予想に難くない。岩場を急ぐも焦るほどには足が出ない。5年前に山歩きを始めて2回目の山行でここを登ったときに、足がすくんでしまい身動きが取れなくなってしまったことを思い出す。今でも高所恐怖症の気は残っているが、この程度なら恐怖を感じなくなった。足を止めては周辺を見渡すのだが、残念ながら展望は広がらない。ここを過去4回通過しているが、景色を楽しめなかったのは初めて。岩場を登り詰めて北峰に辿りついた時には白根山頂には誰もいないようだ。今日は一番乗りと北峰から下って白根山の山頂部に登り始めたら、後ろに人の気配がした。北峰下の岩場で後方を眺めたときには後続者はいなかったのに、あっという間に追い越されてしまい、山頂到着はランナーアップとなってしまった。この方は鹿沼市のマラソンランナーで菅沼から1時間強で登ってしまったようだ。最短は1時間で登ったこともあるとのこと。
 今日はガスの上は白根山頂部だけで周辺の展望は全くなし。空は晴れているのに残念。白根山は相性のよい山で過去5回はすべて好展望だったのに!! 鹿沼の人と話をしているうちに山頂部にもガスが上ってきた。ブロッケン現象が見れるかもと示唆してくれたが、そうはうまく条件が整わなかった。ますますガスは濃くなってきた。鹿沼の方は10時までに家に戻らねばと荷を担いだので、それにあわせて反対方向に分かれる。

4 白根山 − 前白根山 − 五色山  花は終わり 葉は色づき始める
 ガスがどんどん上がってくるが歩行に支障はない。岩場を下ると奥白根山神社でそこからはザレた登山道となる。一度は残雪期に登って見たいものと、周辺の地形を観察しながら下る。目標になるものがないので、雪に覆われてしまうとこんな観察は無用になってしまうだろう。避難小屋への道標を見ると、ここが県境分岐でそのまま岩場を南に下ると白檜岳に通じる。いつの日にかはこの県境を辿ることもあるだろうが、今日は東に下る。途中でマルダケブキとハンゴウソ白根山と五色沼(前白根山付近から)ウの名残りを見る程度。花音痴(?)の自分には他の花は目に入らない。左下に五色沼を見て更に下ると、ダケカンバ樹林に入り岩ゴツの歩きとなる。ここではダケカンバの色づきは未だのようだったが、樹林を抜け出て奥白根平に下ると、正面(東側)のダケカンバは色づいていた。残暑は厳しいが、山では秋近しか。避難小屋を通過直前に小屋に入る人を見かける。
 小屋の横を通って前白根山に向かう。しばらく下りが続いたので、大した勾配ではないが登り返しは堪える。白根隠山への分岐に出ると、この頃には白根山のガスが消えて山頂部が望めるようになった。南の白根隠山・白檜岳・錫ケ岳方面はガスに見え隠れの状態。途中で五色沼を覗いて前白根山を登り始めると、五色山との中間部の小ピークに三脚を担いだ人が目に入る。ガレ場を登りきると前白根山北端で、ここから見るとどうやら二人連れのようだ。
 白根山と五色沼の写真を撮ってすぐに五色山に向かう。ガレた尾根を一旦下りほんの僅か登り返した小ピークで、三脚をどっしり構えて写真を撮っている中年の夫婦に挨拶をして通過する。小ピークから下り始めると、金精峠からの若者とすれ違う。鞍部からは70m弱の登り返しだが、けっこう堪える。男体山方面はガスでぼんやりしか見えない。今日は晴ているのに展望からは見放されてしまったようだ。五色山に登りつめると、湯元から中曽根コースで登ってきた方に出合う。ほどなく金精峠からの二組の夫婦が登ってきた。金精峠コースが白根山との標高差が最小なので楽に登れると思っていたようだ。白根山に登るのなら菅沼コースの方が楽、と教えてあげる。

5 五色山 −金精山 − 菅沼  金精神社がある訳を知る  金精峠から菅沼の下りは立派な道男体山(金精峠付近から)
 このまま菅沼へ下ってしまうには物足りない。久しぶりに金精山によってみることにした。五色山の北端に出ると、男体山方面の展望を楽しめるのだが、皮肉にもガス模様で湯元温泉付近が望めるだけ。展望は諦めて針葉樹林の笹尾根を下る。鞍部から2303の小ピークを越すと笹が少なくなり小広場に到達する。ここが国境平で東に中曽根コースを下ると湯元温泉。この先は抉れた道が続いていたように記憶する。道標のそばに金精山亀裂の看板が設置してあった。金精山の亀裂で思い出すのは、山行2回目で金精山コースで白根山を目指したことである。先刻の二組の夫婦と同じように標高差がもっとも小さいからという理由で登り始めたのだが、金精山の北斜面の荒れように怖気ついて引き返し、菅沼から登ったことを思い出す。その帰路で金精トンネル駐車場が満杯になっていた。金精山と金精神社(金精峠) (撮影:03.6.27)家に返ってニュースを見て知ったのだが、金精山山頂付近で亀裂が発見されて、その調査団の車だったらしい。
 閑話休題、国境平から更に下って、70mほど登り返すと金精山山頂だが、最後の登りはかなり急だ。金精山からも男体山方面の展望が良いのだが,ここでも展望から見放される。弥陀ケ池で逆さ白根山を見たからいいや、と相変わらずの負け惜しみ。ビニールケースに収められた「亀裂注意」の標示が見当たらなかったが、5年前に発生した亀裂跡は残っていた。山頂直下で登山者にすれ違う。五色山からの下りで三人目の出合いだ。金精山コースもけっこう登る人は多いのだ。ジグザグに北西に下り、いよいよ荒場に来た。ロープや梯子の助けを借りて慎重に下る。荒場を無事下って、北東にトラバースする。5年前にこの付近で初めて双耳峰の燧ケ岳を見たことを思い出す。もちろん今日は見えない。尾根筋に戻り更に下り続けると金精峠に辿りつく。金精神社で中年の夫婦が休んでいた。やっとの思いで金精山に登ってきたとのことであった。ここを金精峠と何故いい、金精神社まであるのだろうか。いつも疑問に思っていたが、最近ある本(名前は失念した)を読んで、自分の手持ちの写真と見比べてその理由が納得できた。その理由は、峠から見える金精山そのものを男性のシンボルに見立てたのだ。なるほどなるほど・・・ 参考までに03年6月27日撮影の写真を貼付する。
 地形図に記載の金精峠から菅沼への破線は、単なる踏跡程度と思っていたが、幅は広く立派な道である。鬱蒼とした針葉樹林の道筋は荒れて小岩がゴツゴツしているが、処々で間伐材で応急的に土止めを施している。道上に横たわる倒木に枝を払った跡も窺える。最近でも通行する人は多そう。昔は湯元側にもこれに相当する道があったのだろうが、金精トンネルの完成で消えてしまったのかもしれない。 だんだん車の騒音が近づき、菅沼登山口の100mほど手前で国道に飛び出す。登山口には17台の車が駐まっていた。 
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