ひとり山歩き262 : 鹿沼市の鳴蟲山に登り、尾根伝いに大鳥屋山まで歩いてきました。殆どが植林地帯で踏跡はついていますが、ハードな登下降には悩まされます。展望は日光の山々が時々見える程度です。
鳴蟲山(724)〜大鳥屋山(811)
2006年12月16日(土) 晴れ
1 行程
ルートマップ
自宅(5:00) = 鹿沼市・黄金沢林道口付近(6:05/6:15) − 鹿沼市馬返・滝の沢林道口(6:35) − 東電いわき幹線巡視路274号(7:35) − 鳴蟲山(7:55/8:15) − 黄金沢林道切通(8:40/8:45) − 幼木帯のピーク(9:20/9:30) − 718ピーク(10:25) − 699ピーク(11:10) − 大鳥屋山(12:30/12:45) − 火打石林道支線終点(13:30) − 火打石林道出合(13:50) − 小川沢林道出合(14:00) − 駐車地(14:35/14:45) = 自宅(16:00)

2 自宅 − 鹿沼市上久我馬返
 栃木県南部の主要な尾根筋を思いつく範囲では歩きつくしたと思っていたが、今年の1月と3月に高原山探訪のYoshiさんと日光稜線紀行のstarionさんが鹿沼市の鳴蟲山〜大鳥屋山(811.3)〜白髭山〜大滝山(1070.2)の尾根歩きをしている。フォローすべく準備ははしていたが、残雪歩き、高い山へのシフト等で機会を逃してしまった。いよいよ里山歩きのシーズン到来ということで、まずは鳴蟲山から大鳥屋山(旧田沼町/葛生町境界の山とは異なる)まで歩くことにした。
 4月頃に準備した段階では、尾根の末端から歩くつもりでいたが、現在は昼時間が短いので短縮版ということで、鳴蟲山には上久我の馬返バス停付近の滝の川林道を利用することにした。下山後の歩道道歩きを少しでも短くするために、黄金沢林道(下石裂バス停付近)近くの路肩に車を駐めることにした。滝の沢林道口まで1.8kmほど明るくなりかかった県道240号を照明なしに歩く。

3 馬返 − 鳴蟲山  滝の沢林道を利用、最後は東電巡視路で山頂へ鳴蟲山山頂
 滝の沢林道に入り人家を過ぎると、沢の左岸を登るようになる。林道はダートではあるが、急勾配のところは舗装してあり歩き易い。途中で沢から離れて尾根を横切り高度を上げてゆく。更に砂防ダムの工事現場を通過して北上する。ときどき樹林が切れて展望が広がるが、無視して先を急ぐ。道なりに進み一旦は尾根の左手に出るがすぐに右手に戻ると、鳴蟲山の紅白の鉄塔が左上に間近となる。
 林道は更に続くが、左手の植林を直登したほうが早そうだったので、標高600付近で尾根に取付いた。10分ほど急斜面を登ると、東電巡視路に出合った。この巡視路はどうやら林道終点が基点のように思われる。以後はカヤ付の巡視路を10分辿るといわき幹線274号の鉄塔に到達した。北側には石尊山、笹目倉山と鶏鳴山が望める。南側は鹿沼・安蘇の山々が広がる。 鉄塔からは灌木帯となり2分で鳴蟲山山頂に到着。山頂には三体の石祠が祀ってあり、三角点と数枚の山名板を見ることができる。

4 鳴蟲山 − 大鳥屋山  植林帯の尾根は踏跡はあるが、登下降ともかなりハード  
 鳴蟲山から西尾根に乗るには、ごく僅か北に進み西へと急斜面を下る。40mほど下ると尾根筋がハッキリして、以後は多少の間伐材や枯れ枝を乗り越しながら踏跡を辿る。山頂から170mほど下ると林道が下に見えて、切通を左側から下りる。切通はコンクリート擁壁で固めてある。地形図には記載がないが、黄金沢林道と思われ、上大久保の塩沢に通じているものと思われる。黄金沢林道口はゲートが閉になっていたから、この道路も通行止めのようだ。単なる林道にしては立派過ぎる。何の目的で敷設したものか? 道路は泣いている!? 笹目倉山(中央右)と鶏鳴山(中央) 
 切通北側に擁壁を登る鉄梯子が設置してあるので、これを利用して尾根上にでる。尾根を2分ほど進むと、右下はコンクリート擁壁、左下も切れ落ちた部分を通過する際、男体山と女峰山の頭が見えた。大嫌いな裸の痩せ尾根状態になっているので、折角の展望も楽しんでいる余裕はない。擁壁部分を越してホッとしたのか、starionさんが見た最初の石祠を見逃してしまった。尾根上はやや岩っぽくなり、大岩の基部に石祠と二基の献灯(一基は倒壊、五つの部分に分離)をみる。石祠を山で見るといつも思うのだが、昔の人は信仰心が強かったのだ!! 
石祠の祀ってある大岩を右から巻いて緩やかに登ってゆくと南側が幼木帯の明るい小ピークに達した。今日は、新しい靴の履き初めで鳴蟲山の下りからは悲鳴をあげながら歩いてきた。ここで靴を脱いで足首をマッサジする。折角の展望も楽しむ余裕はない。石裂山しか確認できなかった。気を取り直して幼木帯のピークを下る。ここでつまらないミスをしてしまった。鞍部の標高を50m低く読んでしまい、そのまま尾根を下って数分のロス。鞍部に戻って確認すると、鳴蟲山と稜線  (718P付近)地形図の破線は不明だが、鞍部の南直下まで林道(多分黄金沢林道の一部)が登ってきていて、付近には作業道を多数確認。
 鞍部から左手の作業道を無視して北西へ植林の尾根を急登する。右手(北側)は幼木帯となり、鹿侵入防止のネットが張ってあって展望もあるのだが、日向特有の棘のある植物が生えていて嫌らしい。後方に鉄塔の鳴蟲山、北に笹目倉山と鶏鳴山を見れるのがせめてもの救い。向きを北西から西に変えると再び植林に入り718ピークに達した。展望は全くない。
 この尾根筋は登りも下りも勾配がきつく、足首がますます痛くなる。靴紐を緩々にしたら痛みは多少和らいだが・・・うーん、痛い!! 尾根筋はやや岩っぽくなってきた。鞍部から登り返すと岩場が現れた。ここは慎重に右手を巻いて通過する。このあたりから今までは杉/桧植林ばかりだったが、右手が自然林、左手が植林となる。地形図で見ると勾配はたいしたことはないように見えるが、実際はかなりの勾配で樹木の助けを借りながらの登りを強いられる。699ピークは植林の中で展望はないが、山頂付近には幅広の道跡らしい抉れ部分が認められた。
 699ピークの先で北西から北に向きを変えて急下降した鞍部には、地形図で破線が横切っているが、それらしいものは見つからなかった。尾根の左(西)直下に火打石林道に通じていると思われる作業道が認められた。鞍部からの登り返しは岩っぽい痩せ尾根で松が多い。岩稜に松が多いのは何故だろう、その理由を知らない。右(東)に見える鉄塔と鳴蟲山ははるかに遠くなってしまった。幾分下り勾配になると、大岩が立ちふさがる。これを左に巻いて通過した鞍部から緩やかな長い登りが続く。登りになると足首の痛みは幾分和らぐとはいえ、我慢の登りが続く。三角点811.3ピークは大鳥屋山と名付けられているようで、02年11月おいらく山岳会と裏書した山名板が三角点付近に落ちていた。RKさんの三角点標示板の裏にも大鳥屋山と書いてあった。山頂は植林の中で展望はない。

5 下山(火打石林道経由)  火打石林道支線を下る大鳥屋山山頂
 大鳥屋山から尾根沿いに北進し、二つ目の小コブから西に下り、地形図に破線のある尾根を南西に下る。破線が西から南に変わる地点から更に尾根を西に辿り実線の小川沢林道に下るつもりであったが、時間的に余裕があったことと、このまま林道に下っても面白みがないのでルートを変更にすることにした。前述の破線が西から南に変わる地点から破線に沿って下り、火打石林道に下りることにした。破線が南西から西に変わる地点から南尾根に乗ればよかったのだが、その地点では当初計画通りと考えていた。南に下って尾根が切れたら、浅い谷越で尾根を乗り換える覚悟で、植林の薄い踏跡のある南尾根をドンドン下る。すると右(西)下の谷筋に林道らしいものが見えた。地形図にある小川沢林道と火打石林道の中間の谷で、おかしいと思いながらも、急斜面を林道に下った。そこは林道の終点で、傍に火打石林道の小さな標識が倒れていた。
 どう見ても地形図に記載の実線である火打石林道と異なる。車の通れる林道なら麓に通じるはずと、道なりに南下する。標高400付近で左(東)から林道を合わせた。これが地形図に載っている火打石林道で、先刻から下ってきたのは火打石林道支線であることが判明した。この支線のおかげで多少の時間短縮となり、地形図読みの練習になった。林道合流点から10分下ると舗装した小川沢林道に出合う。荒井川沿いの林道は多少は車の通行があるようで、県道240号終点の石裂神社前までに2台の車に追い越された。石裂神社社務所を右に見送って、黄金沢林道口の先の駐車地に戻る。
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