ひとり山歩き92 : 入粟野の賀蘇山神社から石裂山に登り、小川沢峠経由で大滝山までの尾根歩きをして来ました。大滝山から前日光林道の切通までは藪に悩まされ、間違って横根林道に下ってしまい。そのため横根山までの尾根歩きは途中退却となってしまいました。
賀蘇山神社から石裂山〜大滝山

2003年5月10日(土)
1 行程
自宅(3:35) = 賀蘇山神社(4:35/4:45) − 中宮跡(5:15) − 石裂山(6:25/6:30) − 月山(6:40/6:55) − 小川沢峠(7:35) − 横根林道切通(8:50/9:05) − 大滝山(10:05/10:20) − 薬草・薬木園(横根林道)(11:10/11:20) − 前日光林道分岐(11:30/11:40) − 日瓢鉱山事務所前(11:55/12:00) − 賀蘇山神社(13:30/13:40) = 自宅(14:40)
2 自宅 − 賀蘇山神社賀蘇山神社への石階段
 ぼちぼち低山歩きから高い山に移ろうと考えていたが、今年は昨年に比べて残雪が多そうなのでもう少し先に伸ばすことにした。今年はアカヤシオが昨年に比べて遅く、満開にお目にかかっていない。ひょっとしたら横根山辺りでは開花していることを期待していってみることにした。ただ単に横根山に行くのでは面白味がないので、尾根伝いに行くルートを探してみた。HP「極楽蜻蛉の山日記」に石裂山から横根山までの縦走ページを見つけ、早速このルートを真似してみようと考えた。
 粟野町役場から県道246号草久粟野線に進み、約15km先の賀蘇山神社を目指す。入粟野の尾ざく集落に入って、県道右側に賀蘇山神社を見て、手前の尾ざく林道入口に車を停めた。
3 賀蘇山神社 − 石裂山  前半は単調な登り 後半は尾根に取り付くとスリルあり 
尾ざく林道口
 賀蘇山神社の右下の駐車場の先が尾ざく林道の入口。未だ薄暗さの残る杉植林の沢沿いの林道を北へ進む。正面に砂防ダムを見ると、蛇行しながら林道を登ることになる。この辺り黙々と高度を稼ぐだけ。右斜面が崩れた所を通り過ぎると、石裂山山頂への標識がある。ここからは林道と分かれて山道を北東に登ると、すぐに東屋に達する。標高は約470mでここが賀蘇山神社の中宮跡らしい。
 中宮跡からは杉植林をジグザグに急登する。北側の加蘇山神社側からの登りに比べて、黙々と高度を稼ぐだけの単調な登りが続く。中宮跡から約20分で北東に向かう尾根に取り付く。尾根に取り付いた途端に北石裂山頂上側コースに負けず劣らず面白いコースとなる。岩の多い尾根を急登すると、左手に切り立った石裂山が見え出す。左下にあるいは右下に崖を見ながら歩を進める。鎖場の上では北西に最終目的地の横根山がはるか彼方に霞んで見える。
 岩と根っこの多いところをしがみ付きながら登って行く。この辺りはイワカガミがが多い。イワカガミのマクロ写真を四つん這いになって撮りながら登っているような自分の姿を想像しておかしくなる。木梯子もあるが朽ちていて足をかけるのが怖い。第二の梯子を越すと右に西峰への道を見送って左へ斜面沿いに進むと石裂山の岩壁を間近に見られる。
 左に奥の院の標識があったが、左下は谷になっている。谷を覗き込んだが何も見えなかった。こんな下に何があるのであろうか?分岐のすぐ先が御沢峠で西峰と石裂山の鞍部である。ここには崖崩れのため下山禁止の立札が設置されていた。登ってくる間には登山禁止の標示は全然見かけなかったがどうなっているのだろう?
 御沢峠から石裂山山頂にかけてミツバツツジとヤマツツジをポツポツと見かけた。時刻が早いので流石に山頂には誰も居なかった。ツツジもそれ程でなく、日光連山も霞んで見えないので、山頂の写真だけを写して月山に向かう。石裂山と月山は指呼の内、あっという間に月山山頂に到着。月山の方が20mほど石裂山より高いことに気付く。三角点は石裂山の方に設置されている。山頂には立派な鳥居と祠が祀られている。今日は晴れているのだが、霞んで日光連山全然見えない。ずっと手前の横根山さえ霞んで見える。
4 月山 − 大滝山大滝山への稜線(中央:大滝山) (月山から)
 月山から小川沢〜大滝山〜横根山とこれから進む尾根をよく観察して、先ずは小川沢峠目指して北西に下ってゆく。月山からの下りで、左手が切れネットの張ってある辺りでは横根山と中腹の林道がよく見える。帰りはあの林道を下るのかと、この時点では余裕があった。月山までと異なり藪が多そうなので鞍部でスパッツを付けて再スタート。小川沢峠までは四つ程小さなピークを越してゆく。途中は杉や桧の植林で藪はそれ程酷くはない。四つ目のピークを下りきると、石裂山ー横根山の標識が地上に落ちていた。横根山まで行く人も結構いるのかなと通り過ぎる。すぐに登りになり、標識のところが小川沢峠だったのだと気付く。標識のあたりに地形図の破線の道は見えなかった。「極楽蜻蛉の山日記」にもあるように藪に埋まってしまったのであろう。
 小川沢峠の次のピークは右手が伐採地となっていて、笹目倉山、鉄塔の鳴蟲山等が認められた。谷向こうに見える連なりは夕日岳の山並みによく似ていて一瞬勘違いをするほどであった。このピークから地形図では破線が北へ下ってゆくのだが、この伐採地はなにか工事も行われていて道筋は判明しなかった。
 このピークから更に西へ登ると809ピークとなる。809ピークからは徐々に西向きから北西に方向を変えて進む。鞍部あたりは藪も酷かったがヤマツツジが咲いていて気が紛れた。右下の方に林道が見え隠れし始めるようになり、西に続く杣道と分かれて北の藪の多い方に下る。この辺りで「極楽蜻蛉の山日記」を充分マークしておいたので間違えずに済んだ。ブッシュをかき分けて数分進むと横根林道切通にたどり着いた。切通で腹ごしらえして後半戦に備える。
 切通から再び尾根に取り付き、大滝山を目指す。尾根に取り付いた途端に間伐材に悩まされる。獣道を間伐材を乗り越え、藪をこいで進む。このあたりは雑木林もありミツバツツジを時々見かける。第二のピークへの登りは下が柔らかくて難儀する。三つ目ピークと大滝山(地形図に名称記入なし)の鞍部からは左手が見通せ、横根山とその中腹を眺めながらの登りとなる。やっと1070mピークの大滝山にたどり着く。途中の三つのピークは結構勾配もきつく、間伐材と藪に悩まされくたびれ果てた。大滝山山頂に横根山(大滝山直下から)は山名プレートが二つ設置されていた。ここからは南西の方向が見通せる。横根山から安蘇の山が見通せる。尖った尾出山が印象的であった。
 大滝山からチェックポイントである前日光林道切通までは、最初に北西に進み、途中から南西に方向転換して幾つかのピークを越して下ってゆくことになる。先ずは大滝山から西に下るのだが、藪が酷い。鞍部からは北西に向きを変える。藪が酷く獣道もない。磁石を頼りに登って行く。登りきったところから今度は方向を南西に変えて尾根を下るのだが、藪で先が読めず磁石と睨めっこしながら南西に下る。いつの間にか尾根から外れてしまったようだ。途中で方向を西向きに修正せねばならなかったのにそのまま南西に下ってしまったようである。近くで道路工事をしている音が聞こえてくるが、自分の位置が正確につかめない。藪が酷いので、軌道修正をして北に戻るのを止めてそのまま南西に下ることにした。すぐに舗装の林道に出て、そこには薬草・薬木園があった。
 横根林道に違いないのだが、薬草・薬木園の存在すら知らなかったので、正確な位置は判明しない。林道を登ってゆけば、前日光林道に出会う筈と、気を取り直して歩き始める。数分で前日光林道分岐に達した。先刻聞こえた工事の音は前日光林道切通付近からであった。前日光林道の切通から尾根に再度取り付こうと尾根に登りかけたが、気力が萎えてしまい退却することにした。残念ではあるが結構面白い藪こぎであった。計画を完遂された極楽蜻蛉氏に敬意を表する。 
5 下山
 日瓢鉱山付近から県道246号草久大滝山(左) (日瓢鉱山分岐から)粟野線を賀蘇山神社まで下ることにする。舗装道歩きになるので、登山靴からウォーキングシューズに履き替えて、先ずは日瓢鉱山方面を目指す。246号線分岐のある鉱山事務所周りにはツツジがきれいに咲いていた。ここからは標高差約500mの舗装道下りで、退屈な歩きになると覚悟して歩き出す。
 途中に太郎次の滝、桶淵の滝を覗いたりしながら下る。沿道にはツツジの花があちこちで見られ、各家ともかなり手を入れているようである。上五月からは前方に石裂山と月山も眺められた。退屈どころか目の保養になった。
 賀蘇山神社に寄ってみたが工事中だったのは残念!「入粟野に鎮座する賀蘇山神杜は、江戸中期から明治期まで関東一円の多くの農民.商人.職人から信仰された栃木県でも有数の古社である。御祭神は武甕槌命(タケミカヅチノミコト)、天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)、月読命(ツキヨミノミコト)の三柱である。 」(粟野町商工会HPから) 
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