ひとり山歩き702 : 扇沢駅から針ノ木雪渓を歩いてきました。涼しいと思って出かけたのですが、暑くて熱中症になりそうで針ノ木峠までがやっとでした。雪渓は標高1840から針ノ木峠(2536)までごく一部を除いて連続していました。
針ノ木雪渓
2018年7月19日(木) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(23:30) = 扇沢駅有料駐車場(4:10/4:25) − 針ノ木岳登山口(4:30) − ヘリポート(5:10) −大沢小屋(6:15) − 針ノ木雪渓取付き(7:15/7:30) − 針ノ木峠(10:55/11:30) − 雪渓取付き部(13:25/13:40) − 大沢小屋(14:35) − ヘリポート(15:50/15:55) − 登山口(16:25) − 扇沢駅有料駐車場(16:35/16:50) = 自宅(21:40)
Aルートマップ

2 自宅 − 扇沢駅
 異常な暑さが続き山に出かけるのが億劫になてしまった。このままではますます老化が進んでしまうので、少しでも涼しい場所として針ノ木雪渓から針ノ木岳を往復することにした。昨年の今頃にこの計画を立てたが、うまくタイミングが合わず雪渓がかなり融けてしまいお蔵入りとなっていた。
 暑さを考慮して扇沢で前泊し、早朝に標高を稼ごうかとも考えたが、今の時期の車中泊をするような元気はない。窮屈な山行になるが、自宅で睡眠をとって出かけることにした。4時間ほど睡眠をとり、23時30分に自宅を出る。車を走れせてしばらくは車載温度計(走行中に道路沿いの電光掲示温度計と比較して1度高め)は30度前後、長野ICで高速を降りても相変わらず高温が続き、扇沢駅で17度。無料駐車場も空きがありそうだったが、少しでも登山口が近くなるよう扇沢駅の第4有料駐車場に駐める(24時間で1000円)。平日のせいか、広い駐車場には数台。
3 往路(針ノ木峠まで)  雪渓歩きは涼しいと思い込んできたのだが、熱中症にならずに済んでよかった
 扇沢駅の左手(南側)のゲート横が登山口で、用意してきた登山カードを投函して登山開始。数分の歩きで道路に飛び出し、道路沿いに100メートル弱歩くと道路を横断するのが正規ルートだが、今日はなんて暑いのだろうとブツブツ言いながら歩いているうちに入口の表示を見逃し道路沿いに歩く。すると道路左側に幅広の道筋が見えたので、これが登山道と思込み先に進む。5分ほど歩いてこれはおかしいと気づく、このまま進んでも大沢小屋に通じているようだが、この先の事情が分からないので、引き返して10分のロス。前方にトンネル入口が見えてその左手がヘリポートで、ここからは関電道路とは完全にお別れ。ここまでに汗だくだくで、今日は地獄になる予感。雪渓が涼しければいいがなア。
 

扇沢駅有料第4駐車場


登山口  左が登山カード投入ボックス 写真の手前にテント


ヘリポート脇の登山道入口 (右手に関電トンネル入口)
 ヘリポートから先は一本道で間違いようがない。樹林歩きで無風状態で暑くて、もうこの時点で今日は帰ろうかなんて考える始末。雪渓も踏まずに帰るなんてありえない、雪渓に入れば涼しくあなるのを期待しよう。
 道筋は普通の山道、途中で大きなガレ沢を2回、小さなガレ沢を1回横断。その後、小さな沢と大きな沢(赤沢)を渡渉。赤沢から約10分で大沢小屋に到着。ここまで1時間30分の計画にたいし、道間違いなどで1時間45分。この時点でシャツはびしょびしょ。

最初のガレ沢横断


二番目のガレ沢(鳴沢)横断


最初の渡渉


二番目の渡渉(赤沢)


大沢小屋 (標高1680)
 大沢小屋から雪渓取付きまでは、標高差160だが、途中は小さなアップダウンが多く、岩場もあったりで、まだまだ発汗は治まりそうもない。途中で大沢小屋発と思しき女性単独行者に抜かれると、とぎれとぎれに雪渓が見え出した。小屋から1時間で雪渓取付きに達した。今日の暑さと発汗状態からすると、針ノ木岳はおろ針ノ木峠も無理。エネルギーを補給していたら、風で発汗も治まり、これなら行けるかもとアイゼンを装着。

女性単独行者に追い越される


雪渓取付きが近づく(標高1790)


アップで見ると前方に三人


雪渓取付き(標高1840)
 雪渓を歩き出すと、涼しい風が吹き下ろすも、断続的で予想とは大違いでまだまだ発汗治まらない。今日は2.5リットルの飲み物を用意して来たが、大丈夫かな。平日のせいか登る人も下る人も少ない。アイゼンを用意してきて正解のようだ。軽アイゼンやチェーンスパイクで下る人は苦労しているようだ。
 雪渓歩きは涼しいものだと思い込んでいた自分はなんて阿保なんだろう。風が吹かなければ直射日光で樹林内よりも暑い。通常のの山行なら、歩き始めて2時間もしたら発汗は少なくなるのに、いつ治まるのっていう感じ。時々、雪を手ですくい取り、顔と頭部にこすりつけるも涼感は短時間。
 雪渓上の落石は思ったより少なく、歩いている間に、落石の音は聞かなかった。標高2300付近になるとベンガラ部の雪が融けて地肌が現れ始める。

アイゼンを履いて雪渓歩き開始 前方に先刻見えた三人 中央に針ノ木岳


ノド直下から振り返る 中央に爺ケ岳 


今日一の落石


ノド部間近(標高2010)

標高2200付近から 右奥にマヤクボ沢 左へ進む 前方に数人の下山者


標高2210  前の写真の下山者


標高2290付近 地肌が現れ始める
 標高2300から24000辺りは雪渓が痩せたり途切れたりで夏道を歩く。標高2420で再び雪渓に入り、針ノ木峠まで連続していた。ベンガラ部は適度にステップが刻まれ歩き易い。途中で山小屋の人たちが夏道の掘り出しを行っていた。やれやれ、やっとの思いで針ノ木峠に達した。大沢小屋から3時間半の計画に対し、4時間40分。1時間遅れだが、途中であきらめなくてよかった!!

標高2300付近で雪渓が途切れる


標高2340付近は夏道歩き


標高2360付近は夏道を


標高2420で再び雪渓へ (ベンガラが消えかかっている)


標高2450付近 夏道の掘り出し中


さのために途中で何度も退却を考えたが、どうにか針ノ木峠にたどり着いた


針ノ木峠(2536)から 針ノ木岳(左から二つ目)とスバリ岳
 今日のコンディションでは峠から針ノ木岳往復は3時間見ておかねばなるまい。これ以上の無理は禁物、このままでは熱中症になってしまいそう。峠からの展望もまずますなので、潔く退却することにする。次に来ることがあれば、扇沢で前泊して、早朝に標高を稼ぐ手しかあるまい。

峠の北側に 赤沢岳 鳴沢岳 白馬岳 五竜岳 鹿島槍ヶ岳 


南側に 常念岳 大天井岳 穂高岳 槍ケ岳 野口五郎岳 水晶岳


アップで 穂高・槍 野口五郎岳 水晶岳 赤牛岳


アップで 前穂高岳 奥穂高岳 槍ヶ岳


アップで 前列に不動岳と南沢岳 後列に野口五郎岳と水晶岳


アップで 後列に水晶岳と赤牛岳
4 下山  気温上昇と無風に悩まされる 一日中発汗は治まらず
 ますます気温が上昇し、風はなくなり、発汗は依然として治まらない。往路よりも、雪で頭部と顔を冷やす回数が増えた。脚が引き攣ったりで、くだりも足取りが重い。アイゼンの
せいで滑るような心配がなかったのが、唯一の救い。雪渓取付き部でアイゼンを外し、エネルギー補給。ここまでに1.5リットルの給水(残りは1リットル)。
 大沢小屋まではくだりだが、小さなアップダウンが堪えた。往路とは異なり、雪渓よりも樹林内の歩きのほうが直射日光がさえぎられて涼しい感じ。3時過ぎても大沢小屋泊りと思われる登山者とすれ違う。

針ノ木峠直下 夏道掘り出し中 ベンガラ上を歩くと楽


ガスってきた 標高2220付近


ノド部通過


雪渓取付き(雪渓歩き終了)・・・暑かった 何度も何度も雪をこすりつけて頭と顔を冷やすもすぐに発汗
ヘリポートで身だしなみを整える。扇沢駅までは往路でたどれなかった登山道を追うことにした。なんとか登山口に無事戻れた。2.5リットルの飲み物を消費してしまったので、扇沢駅で1リットルの飲み物を購入して、駐車場に戻る。駐車台数は早朝とほぼ同じだった。
 帰宅後、体重を測定したら、起床時に比べて2sの減少(通常の山行では1kg)、運転中にトータル1.5リットル(通常は1リットル)飲んだにも関わらず。熱中症にならずに済んでよかった。

この道路をトロリーバスは通らない  (トロリーバスは2019年4月から廃止となり電機バス運行)


登山口


第4駐車場 ガラガラ  24時間1000円
HOME
inserted by FC2 system