ひとり山歩き682 : 菅沼から白根山を周回してきました。好天に恵まれ山頂からは展望を楽しむことができました。五色沼付近はこのニ三日の降雪で膝上のラッセルで悪戦苦闘でした。
菅沼から白根山(2578)周回
2017年12月6日(水) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(2:05) = 菅沼登山口(4:35/5:10) − 道標「弥陀ケ池0.9km」(7:15) − 弥陀ケ池(7:55/8:10) − 白根山(10:45/11:05) − 標高点2249付近経由(12:45) − 五色沼(13:10) − 五色山登山口(15:20/15:45) − 弥陀ケ池(15:40/15:45) − 菅沼登山口(17:30/17:45) = 自宅(20:10)
Aルートマップ

2 自宅 − 菅沼登山口
 前回の唐沢鉱泉から天狗岳周回に続いての雪山は白根山か、太郎山か前日まで迷っていた。残雪期には白根山には三度も登っているが、新雪期の今の時期には登ったことがない。ヤマレコによると先週末は白根山は賑わいトレースができたものと思われる。そのトレースを利用すべく白根山に決めた。本日の日中は好天が予想されるが、問題はこのニ三日の間にどのくらい新雪が積もったかである。残雪期の経験は多少あるが、新雪期の経験は乏しく少し心配だが、途中退却もありと決めて決行することにした。
 日光市街は言うに及ばず、いろは坂も道端に雪の欠片も見かけなかった。戦場ヶ原付近は道路端は白くなっていたが霜のようだった。金精道路のスノーシェッドを越すと道端は白くなり、金精トンネルを抜けると道の両サイドは真っ白。道路上は全く問題なし。菅沼登山口の駐車場への引込道路は真っ白。08年12月16日に、引込線に突入した途端にスタックさせてしまった失敗があるので、車から降りて足で雪の締り具合を調べて登山口の駐車場に入る。先着車なし。 (車載温度計マイナス11度)
3 菅沼 −弥陀ケ池けー 白根山 弥陀ケ池までは明瞭な締ったトレースが続く  山頂直下で通常ルートから外れる 
 前回の天狗岳でグリーベルアイゼン(左足)が不調で、帰宅後にしっかりと調整して、今回の山行にのぞんだ。アイゼンの調子を見るために最初から履いて歩きだすも、20歩も歩かないうちにストッパが外れてしまった。靴の適合性もあるかと、今回は前回とは異なる靴を履いてきたが、例によって左足のアイゼン不調。万一を考えて、以前使用していたグリーベル(10本爪)と交換(右足分は3年前に天狗岳でラッセル中に紛失)して再スタート。以降は駐車場にもどるまで一回も外れなし(左足用は欠陥品なのかも)。
 駐車場から明瞭なトレースが連続しているのでヘッデン歩きでもルートを探す必要がないので楽、しかもよく締っている。弊HPをお読みになられる方は、なんで早朝歩きをするのか不思議に思われるかもしれない。その理由を記しておきたい。大前提としては朝型人間であること。@距離を伸ばしたいが、鈍足だから時間で稼ぐ A登りはきついが、暗いと足元しか見えないので勾配が緩やかに見えて気分的に楽 B熟知したルート歩きは単調で嫌気がさして帰りたくなるが、暗闇で登るとそんな邪気が吹っ飛んでしまうC雪山では雪の締っている間に高度を稼ぎたい等々。
 高度が上がるにつれて樹木の枝に雪が多く付き新雪があったことがわかる。でもトレースがしっかりしているので、足取りは残雪に比べて遅いが着実に前進。6時半ころに枝の隙間から日出直前の温泉ケ岳と金精山が見えて、白根山頂上での展望を浮かべながらの歩き。

スタート直後


明瞭なトレースは弥陀ケ池まで続く (1900付近で)


多少は新雪もあったようだ(標高1900で)


日の出直前の温泉ケ岳と金精山(標高2030で)


新雪が増えてきた(標高1900で)
 道標「弥陀ケ池0.9 菅沼2.0」(標高2160)を過ぎても、多少は新雪で覆われているがトレースは続く。弥陀ケ池まで2時間半と計画していたが、3時間もかかってしまった。でも時間的には余裕があるので、慌てず騒がずという気分。
 弥陀ケ池の湖畔を歩いている間に単独行者に追い越された。池の南端(五色沼分岐)でもたもたしている間に、単独行者が座禅山分岐まで進んでいた。

道標「弥陀ケ池0.9km」で進行方向(標高2160)


弥陀ケ池と白根山


座禅山分岐方向・・・池の途中で追い越した単独行者はあっという間に(弥陀ケ池南端から)
 弥陀ケ池南端からは、新雪で古い踏跡は消えてしまい、先行者の足跡だけが残る。高度が上がるにつれて展望が広がりだす。弥陀ケ池からの登りでは燧ケ岳が主役で、いつもは振り返って写真をとるのだが、雲で覆われているのが残念。ルートは大筋ではわかるが、先行者のアイゼンなしの踏跡が道しるべになる(このトレースがなかったら途中で諦めていたかも)。

白根山山頂部(標高2360で)


先行者のトレース(標高2360で)


左後方は黒岩山方面の県境尾根 根名草山〜温泉ケ岳(標高2370で)


アップで 根名草山〜温泉ケ岳〜五色山(標高2370で)


五色山〜前白根山 奥に女峰山と大真名子山 (標高2370で)


ありがたや 先行者のトレース
 標高2530位で道筋が不明となり先行者のトレースが通常ルートよりも東側に進んでいるようだ(〇印も→印も見当たらない)。ここで退却を考えたがここまで来て戻るのは癪だ。先行者のトレースを追うことにしよう。特別危険ということはないが、直登やトラバースで細心の注意を払う。下方でピッケルに持ち替えていてよかった!でも、先行者はツボ足でピッケルなし。北峰の道標を見てヤレヤレだが、ここまで来てしまったら同じルートで下山する気にはなれない。ヤマレコ記録では先週末は夏ルートで避難小屋、五色沼に下れたようなので、問題あるまい。

山頂はまだまだ(標高2390で)


お化粧したダケカンバ(標高2370で)


四郎岳と燕巣山 後方に至仏山 平ケ岳 燧ケ岳(標高2450で)


やっとこさで北峰に到着・・・途中で諦めなくてよかった(下山時に艱難辛苦?が待ち受けているとは知る由もなし)


北峰から白根山頂
 北峰から白根山へ向かう途中で、新たな単独行者が追いついてきた。途中で紛失したピッケルのヘッドカバーを拾ってきてくださった。ヤマレコ記録から埼玉からのhtk27さん(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1329832.html ) のようだ。ありがとうございました。
 白根山頂からの展望を楽しむ。残雪期に比べて山頂周辺が真っ白で遠方の山々は暗く写っているのが残念。


山頂に到着(残雪期に比べて付近は白いかなア) 錫ケ岳とその後方に赤城山


一番のお気に入りの錫ケ岳をアップで


四郎岳と燕巣山(後方に燧ケ岳)


太郎山 女峰山 大真名子山 男体山


中善寺と南岸尾根

4 白根山 − 五色沼 − 弥陀ケ池 森林限界から五色山登山口までは膝上ラッセルの連続 
 来た道を戻る気にはなれず、山頂で出合った単独行者の後を追って、五色沼方面に下る。窪地は真っ白で、例によって不動明王像に挨拶して、先行者のトレースを追う。県境に立つ道標「前白根山」付近は残雪期同様に雪は少ない。
 途中で白根隠山や白檜岳を見ながらの下り。先行者のトレースはほぼ夏ルートに沿っている。滑落の心配はそれほどないが、雪が軟らかく横滑りしやすいので注意は必要。


白根山神社


神社から山頂


県境の道標付近(標高2500) 後方は白根隠山と白檜岳


山頂直下で追い越された単独行者のトレースを追って夏ルートを下る(標高2460で)


森林限界まで下ってヤレヤレと思ったのが大間違い(標高2360で)


ホッと一息入れて森林限界から五色沼
 森林限界(ダケカンバ林)に達して、滑落の心配は皆無でノンビリ歩けると思ったら当てが外れた!! 気温の上昇と相まって雪が緩み、先行者のトレースを丁寧に追うも膝上ラッセルの連続。下りだから我慢我慢。トレースは通常ルートからそれているのに気づいたが、先行者のトレースは五色沼方面に向いているので、これを追った方が賢明と判断。いったん浅い谷に下り、標高点2249西側を経由して低い尾根を乗り越す。
 依然として膝上ラッセルを強いられながら2249尾根を下ると五色沼に達した。途中でラッセルを強いられたが、山頂からここまでは、ほぼ計画時間通り。
 五色沼を目前に通常ルートに向かうにもラッセルは続く。ここで大きな設定ミスをやらかしてしまった。湖畔の通常ルートも今日のコンディションではラッセルがあるだろうと短絡的に決め込み、通常ルートよりも西側をショートカットすることにした。登りにかかると、またまた膝上ラッセルの開始。これはいかんと思いつつも、こうなったら標高差は100メートルだから何とかなるだろうウウ(植木等じゃないけれど)。老眼鏡をポーチから取り出して地形図を見ると、通行ルートに出合うには尾根をひとつ乗り越すことが分かった。今更方向転換は遅い、焦って力を使いすぎるのは禁物。明るいうちに弥陀ケ池まで下れば問題なしと、自分に言い聞かせて休み休みのラッセル。どうにか通行ルートに達した。ここからは足の沈みはせいぜい脹脛程度。急がば回れとはこのことだな、でも後悔先に立たず。すぐ先の五色山登山口で休憩をとることにした。五色沼からここまで1時間くらいはロス。このままでは菅沼登山口到着時には真っ暗と予想して、エネルギー補給、ヘッデン準備、念のためにGPSの電池交換と準備万端(?)。
 ここから弥陀ケ池までは約10分の下りで先刻までの約3時間のラッセルは嘘のように足取りも軽くなる。いつもなら大腿の引き攣りが起こったのに、今日は何故か引き攣りは皆無。ザックにぶらさげてスポーツドリンクの飲み口が凍結して十分な水分の補給ができなかったにもかかわらずだ(時々雪を口に含んではいたが)。
 

ヤレヤレと思ったのは大間違いで樹林内は膝上ラッセルの連続・・・3時間も続くとは! 不思議にもこの間に大腿の引き攣りは皆無


五色沼


五色山登山口(通常ルート)ラッセル開放される・・・日没後の菅沼到着は必至、休憩を兼ねてエネルギー補給、ヘッデン準備等


無事に弥陀ケ池に到着・・・この先はよく締ったトレースを追えるので、一安心
 弥陀ケ池からのトレースは明瞭でよく締っているので歩きやすい。16時40分にヘッデンを点灯、その後真っ暗になるが、道筋を追うには全然問題なし。菅沼登山口駐車場には自分の車だけ。早く家に連絡しないと、恐ろしい山の神(家の神かな)の顔が浮かぶ。でも、スマホで電話するも不通。金精トンネルの栃木側出口でやっと通話できた。帰宅後はご想像に任す。


道標「弥陀0.9 菅沼2.0km」(16:05以降撮影せず)・・・16:40にヘッデン点灯(標高1950で)・・・暗くなっても歩くには全然支障なかった
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