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ひとり山歩き681 : 唐沢鉱泉から反時計回りで天狗岳を周回してきました。全行程に積雪があるも踏跡は明瞭で締っていて歩きやすかったです。今シーズン初の雪山は好天気に恵まれ快適でした。
唐沢鉱泉から天狗岳(2646)周回
2017年11月28日(火) 快晴
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:55) = 唐沢鉱泉(5:30/5:50) − 西尾根出合(7:15) − 第一展望台(8:40/8:45) − 第二展望台(10:00/10:05) − 西天狗岳(11:15/11:30) − 東天狗岳(12:00/12:10) − 中山峠(13:05) − 黒百合ヒュッテ(13:15/13:25) − 渋の湯分岐(14:15) − 唐沢鉱泉(15:40/15:55) = 自宅(20:10)
Aルートマップ

2 自宅 − 唐沢鉱泉
 唐沢鉱泉から天狗岳周回は12月にするつもりで準備していたが、ヤマレコによると先週の降雪で全行程に積雪があることが判明した。それで今シーズン初の雪山歩きは冬装備の点検を兼ねて天狗岳を周回することにした。
 自宅からの道順は、9月10日の硫黄岳(ひとり山歩き674)のスタート地点である桜平とは最後の4kmが異なるだけ。フォレストCC三井の森の先にある唐沢鉱泉/桜平分岐からはそれぞれ約4kmだが、道の荒れ具合は大違い。桜平中駐車場まではガタガタ道で慎重運転で30分要した。今回の唐沢鉱泉まではダートではあるが凸凹は少なく15分で到着できた。積雪は駐車場手前の200メートルくらいから薄っすらと白くなっている程度。唐沢鉱泉駐車場には薄く積雪あるもよく締っていて特に問題なし。先着3台 (車載温度計マイナス4度)
3 唐沢鉱泉 − 西尾根 − 天狗岳  全行程積雪あり、踏跡は明瞭 足の沈みなし  好天に恵まれ探訪を楽しむ
 冬装備の点検を兼ねてということで、ワカン、スンーシューを除いてオールスターキャスト。手始め(足は始めかな?)でチェーンスパイクを装着して駐車場を出発。用意してきた登山カードの投函箱が分からず、西尾尾根登山口のしゃくなげ橋を渡る(帰路で分かったのだが、投函箱は唐沢鉱泉の玄関にあるらしい)。
 岩ゴツの登山道には薄く雪が付いているのでかえって歩きやすい感じ。標高が上がると岩はほとんどなくなり、明瞭な踏跡を気持ちよく登ってゆく。西尾根出合までは、ヘッデン歩きジグザグ箇所が多くその都度左右を見て踏跡を探したりしたので多少もたもたしたのはやむをえない。西尾根出合までは計画より遅れ。ヤマレコ記録では大体6〜7時間で本日のコースを周回している。9時間を目安に計画を立てたが最初から怪しくなってしまった。

唐沢鉱泉駐車場(振り返って) 自車以外に3台


西尾根登山口(以降も連続して積雪あり)


登山道は岩が多い(雪をかぶって分りづらいが)


高度が上がると岩は少なくなる(標高1960付近の様子)


西尾根出合(標高2140)
 西尾根はシラビソを主とする針葉樹の中の踏跡歩き。先週末の登山者が踏んだトレースは明瞭、積雪が薄いので足の沈みは皆無。雪面は締っていないので、チェーンスパイクが特に役立っている感じはない。
 標高2400位で突然右手が開けて、前方に西天狗岳の山頂部、南八ヶ岳や南アルプスが展望できた。ここが第一展望台と思って、写真を撮って前に進む。

西尾根の積雪は浅く踏跡連続(標高2160の様子)


同じく標高2240の様子


突然展望が現れて(標高2400) 西天狗岳(左)と根石岳(中央) 


同所からアップで西天狗岳
 すぐ先で第一展望台の標識が立っていた。先刻の場所とほぼ同じ展望を得る。昨年と今年の残雪期に登った編笠山や権現岳でお馴染みの山々。雪景色は遠方のピークも明瞭で雄大に見えるから堪えられない。

第一展望台(標高2410・・・標高点2416の少し手前)


蓼科山〜横岳〜縞枯山 後方に北アルプス


根石岳〜硫黄岳〜赤岳〜阿弥陀岳


中央アルプス〜御嶽山〜北アルプス


中ア〜御嶽山〜北ア

第一展望台からアップ写真。残雪期に北アや南アに出かけてみたいが、そんな気力も体力も残っていない、技量は言うまでもないが。こうして遠方から眺めるだけで我慢しよう。

赤岳〜中岳〜阿弥陀岳〜権現岳(右端)


南アルプス 北岳〜駒ヶ岳〜仙丈ケ岳


中央アルプス 空木岳〜木曽駒ケ岳


御嶽山
 第一展望台を越すと、アイゼン跡が目につきだしたので、チェーンスパイクからアイゼンに履き替え更にストックからピッケルに替える(左手にピッケル右手にストックの変則)。登山道沿にはシャクナゲや雪をかぶった針葉樹が増えるも歩く邪魔にはならない。家を出る前に軽く食事してから10時間も経ち腹が減っては戦ができない状態になりパンでエネルギーを補給する。M社のアイゼンが3シーズンで破損してしまったので、今年の4月に購入したグリーベル社のアイゼン(左足)の長さ調節用ストッパーが外れることしばしば(購入直後の権現岳では問題なかったが、次の白根山登山では、スタート直後から何度も外れるので、左足にM社、右足にG社で事なきを得た。その時は調節板とストッパーの取り付け方が悪かったと解釈し、今回は問題ないだろうと安心していた)。そんなこともあって第一展望台から第二展望台までは30分程度と考えていたが、1時間15分もかかってしまった。
 第二展望台からの景色は第一展望台と重なるので省略。

登山道脇にはシャクナゲと針葉樹が増えるが踏跡は確保


西天狗岳が近づく(第二展望所の手前から)


第二展望所(標高2500) 第一展望所の写真と重なるので省略
 第二展望台から下った鞍部から登り始めると、すぐに森林限界で岩場の登りとなる。途中で三人組に追い越される。ストックもピッケルも使わずスイスイ登ってゆく。うらやましいが、こちとらはピッケルとストックなしの脚力だけではとても無理。下山の夫婦とすれ違ったり(どこからスタートしたのかな)、振り返ると単独行者が追ってくる。何とか西天狗岳の頂上に立った。

第二展望台から下った鞍部付近の踏跡


部から登り始めると展望が開けて 西天狗岳 右に蓼科山 奥に北ア(乗鞍岳〜白馬岳)


樹木はなくなり岩場が続く(標高2540の様子)


同じく2550の様子


振り返って(標高2570で)
 前回の渋の湯(ひとり山歩き512)からではガス模様で東天狗岳止まりだったので、西天狗岳に登れてホッとする。360度の大パノラマをエネルギーを補給しながら楽しむ。
 ここまでに小一時間の遅れ、この先増々遅れるだろう。明るいうちに唐沢鉱泉に戻るには、来た道を戻るか、東天狗岳、中山峠と進んだ方が早いか検討。どちらでもあまり変わりはなさそう、それなら周回を選ぼう。

西天狗岳の頂上


南西方面のパノラマ  南八  南ア 中ア 北ア


南東方面のパノラマ  東天狗岳 奥秩父 南八
 西天狗岳から東天狗岳には下って登り返しとなるが、踏跡が明瞭に続いているので、下りではさして苦労はなかった。登りになると、一時治まっていたアイゼンのストッパーが外れてしまった。二度ほど装着しなおしても、すぐに外れるので左足のアイゼンを外しぶら下げて登る。今の時期は雪面が凍結していないので、足が滑るようなこともなかった。2年半ぶりの東天狗岳に達した。前回はガスで十分な展望を得られなかったが、今回は楽しめそう。でも、その前に下山に備えて、こんなこともあろうかと、ザックに収めてきたG社の10本爪アイゼンに左足を取り替える(前回の東天狗岳の下山時にラッセルしているうちに右足分を雪の中に紛失してしまったその片割れ)。 西天狗岳に比べたら人の出入りが多い。渋の湯スタートした人と唐沢鉱泉スタートの人が入り混じる。

西天狗岳から東天狗岳


鞍部から東天狗岳


振り返って西天狗岳
。2年半ぶりの東天狗岳に達した。前回はガスで十分な展望を得られなかったが、今回は楽しめそう。でも、その前に下山に備えて、こんなこともあろうかと、ザックに収めてきたG社の10本爪アイゼンに左足を取り替える(前回の東天狗岳の下山時にラッセルしているうちに右足分を雪の中に紛失してしまった片割れ)。
 西天狗岳に比べたら人の出入りが多い。渋の湯スタートしたひとと唐沢鉱泉スタートの人が入り混じる。

東天狗岳の頂上 蓼科山 左奥に北ア 右奥に妙高山等


東天狗岳から西天狗岳  左奥に中ア 右奥に北ア

赤岳〜阿弥陀岳 南ア 中ア
4 天狗岳 − 中山峠 − 唐沢鉱泉 全行程踏跡あり 渋の湯分岐からの下りがダラダラで退屈
 東天狗岳から中山峠、黒百合ヒュッテ、渋の湯/唐沢鉱泉分岐までは前回歩いているので詳述しない。まだ積雪が少なく、標高2500あたりで樹林に突入するまではかえって歩き辛く感じた。中山峠まで下ると、この先にはそれほど急峻な箇所はないのでホッとする。

東天狗岳を下り始めるとすぐに天狗岩


踏跡は明瞭 (すりばち池・黒百合平分岐手前)


樹林帯に入るも踏跡は続く(標高2500付近)


岩場あるが特に危険個所はない(標高(2470)


標高2450あたりで振り返ると東天狗岳と西天狗岳


中山峠(標高2420)
 中山峠から樹林帯を歩くと、突然開けて目の前に黒百合ヒュッが現れる。小屋玄関の寒暖計をのぞくと18度を示している。小屋前で最後のエネルギーを補給合わせてピッケルをザックに括り付ける。小屋から渋の湯/唐沢鉱泉分岐までは、ハニカム状の渡りが多く目につく。前回は積雪が多く隠れていたのか、その後に設置されたのか不明。アイゼンの爪が引っかかって歩き辛い。小屋でアイゼンを外すべきだった。生来の横着な性分で今更アイゼンを外す気にはならない。比較的雪の多い渋の湯分岐までは、特に問題なかった。天狗岳からここまではほぼ計画通り。

黒百合ヒュッテ(標高2390)


ハニカムの金属渡りが目につく(前回03年3月29日・ひとり山歩き512では積雪が多く見かけなかった)


渋の湯・唐沢鉱泉分岐(標高2190)
 分岐からの下り勾配は緩やかで、なかなか高度が下がらずじれったく感じる。雪面が浅く、目の保護のために着用のサングラスで踏跡を追いづらい。その都度サングラスを外す。それよりもアイゼンが根っこや岩に引っかかり何度も足元がぐらつきストックで体勢を整える。それでも外す気にならない。最後の最後にそのつけがやってきた。駐車場を目の前にして、ストックを折りたたみながら歩いていたらアイゼンがなにかに引っ掛かりスッテンコロリと一回転。若いころから(試合でよく投げられたせいか?)受け身は上手でなんの被害もなかったが、ザックは雪で真っ白け。

渋の湯分岐からも樹林の中を緩やかに下ってゆく


最後に林道を下って唐沢鉱泉  (西尾根登山口は右へ)
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