ひとり山歩き665 : 鹿沼市の大滝から棒滝経由で薬師岳〜夕日岳を周回してきました。一両日の降雨でアカヤシオはかなり散っていました。
大滝から薬師岳(1420)〜夕日岳(1526)周回
2017年5月12日(金) 晴れのち曇り
1 行程
@コースタイム : 自宅(3:30) = 大滝駐車場(4:50/5:00) − 本沢林道分岐(5:45) − 棒滝(6:20/6:25) − 本沢林道出合(6:45) − 尾根取付き(6:55) − 縦走路出合(8:05) − ヒノキガタア鞍部(8:10) − 薬師岳(9:45/9:50) − 不動尊像(10:05) − 三ツ目(11:30) − 夕日岳(11:55/12:20) − オオホノチ(オオボッチ)(14:10) − 標高点838(15:50) − 大滝不動尊(16:30/16:35) − 本沢徒渉(大芦ヒュッテ前)(16:45) ー 大滝駐車場(16:50/17:05) = 自宅(18:45)
Aルートマップ

2 自宅 − 大滝
 今年はまだアカヤシオを見ていない。毎年5月中旬までは残雪歩きが多いのでアカヤシオのシズーンを逃して、名残りのアカヤシオを見るだけ。昨年の5月6日に夕日岳〜古峰ヶ原を歩いた時に、夕日岳のアカヤシオが素晴らしかった。今年はアカヤシオの見ごろは、WEB情報によると一週間程度は遅いようである。それなら今の時期は、GWも終わり登山者の数も少ないので、アカヤシオ鑑賞には絶好かもしれない。夕日岳〜薬師岳の間は、何度か歩いているがいつも時計回りとなっている。今回は半時計周りで、大芦川の大滝から薬師岳〜夕日岳を周回することにした。
 ルート取りは、オーソドックスには大小松尾根を登り、大木戸山〜薬師岳〜夕日岳だが、今の自分には少し長すぎるので、棒滝経由で縦走路に登り、薬師岳〜夕日岳と歩き、夕日岳新道から途中で別れて大滝不動尊を周回することにした。スタート地点の大滝駐車場までは自宅から約55km、県道58号草久足尾線の一ノ鳥居手前で、舗装林道・河原小屋三ノ宿線に入り、約7.5kmで大滝駐車場に到着。車載温度計8度(今日は暑くなりそう!)
3 大滝 − 棒滝 − 薬師岳  アカヤシオは盛りを過ぎたようだ  棒滝滝壺から林道の間は、あまり勧めない
 大滝観瀑台からは、枝が伸びて大滝は全く見えない。03年5月2日(ひとり山歩き91)では、枝の隙間から見えた。展望台の類は設置当初は展望が利くのだが、その後に樹木が育って展望台の役をなさないものは多い。展望台を設置するからには、樹木の一部を切断してその役目を果たすよう管理が必要。樹木の切断ができないのなら、展望台など設置するな、と言いたいね(税金の無駄遣い・・・目先のことしか考えない日本の行政の最も得意とするところ)。
 閑話休題、大滝観瀑台のすぐ先で、本沢林道(現在は路肩崩落で通行止め)に入ってゆく。ダート林道は、大きな落石は少なく、林道分岐手前の崩落地を除けば良好。

観瀑台から大滝は全く見えない・・・管理はどうなっているの?


本沢林道は、路肩崩落で通行止め


ダートの本沢林道


林道分岐 左手の支線へ進む
 林道分岐で左手の支線に進む。支線は藪化が多少進んでいるが、歩くには全く支障ない。10分足らずの歩行で、林道支線は終点で、ここから入渓。ゴーロを100メートル強進むと、砂防ダムの手前で二俣に分かれる。左俣を進むとナル滝方面だが、夕日岳に登るついでに、ナル滝見物に向かったが、登山装備ではナル滝に達することはできなかった(09年12月14日、ひとり山歩き384)。今回は右俣へと進み、二俣から約100メートルで棒滝(落差15m程度らしい・・・素人には垂直の高さは読めない)に達した(地形図の棒滝は、右俣をさらに進んだ地点になっているが、これはヒノキガタア滝らしい(WEB記録を読んだ記憶)。

林道支線終点 ここから入渓


二俣 右俣へ


棒滝(落差15m)


ロープ、鎖と木の根にすがって、左岸をよじ登る  こんな場所大嫌い、もう行くことはない
 棒滝の滝壺から鎖を伝って岩場をよじ登り、引き続いて痩せ尾根(地形図からは読めない)と恐る恐るの歩行(こんな場所大嫌い)、最後に幅広の急斜面を登ると荒れ放題の本沢林道出合でヤレヤレ。今日のコースの二か所の難所うち一つは無事通過。
 荒れ林道を少し進むと右手は擁壁が続き、擁壁の切れ目で、尾根に取付く。灌木藪を僅かに漕ぐと尾根形が現れ、以降は藪はなく、時々踏跡が現れる。尾根の東側に鹿侵入防止ネットが張ってある。取付きから比高で250メートルを登ると、三ノ宿山〜薬師岳の縦走路に到達(標高点1159の南西約100メートル地点)。

荒れた本沢林道に出合う(標高870)


擁壁の切れ目から尾根に取付く


尾根取付き直後


時には踏跡も


鹿侵入防止ネットが続く


縦走路出合(標高1150)
 縦走路を僅かに下った鞍部に石祠2基(屋根のない石祠がもう1基)、この鞍部をヒノキガタアというらしい。ここからは夕日岳の北面がよく見える。過去に登った尾根筋を眺めて、よくもあんな急尾根を登ったものだと感傷にひたる。まだ登りたい尾根筋はあるのだが、もう無理だろうな。
 縦走路は低い笹道で、アカヤシオは全くに見かけない。標高点1221を過ぎると、縦走路上にアカヤシオの落花が目につくようになる。1360級ピークを過ぎると少しは賑わうようになった。


ヒノキガタア鞍部の石祠


鞍部から夕日岳 あんな急尾根を登ったこともあるんだ 未踏の尾根・・・問題外の外(?)


高1300を過ぎると、アカヤシオがポツポツ


1360級ピークを過ぎると、少しは賑やかになる
 薬師岳山頂付近は、GW頃のWEB記録から見ると盛りを過ぎたようだ(撮影技量にもよるが・・・写真だけの記録はあまり信用しないようにしている。いいとこ撮りもあるからね)。アカヤシオはあまり期待していなかったから、落胆しないが、男体山がガスっているのにはがっかり。
 グループ登山者に苦言を、撮影スポットを占領して休憩していることをよく見かける。薬師岳でいえば、山名標柱の前を占拠、こういう場所は避けて休んでほしいね。声かけてどいてもらったけどネ。

山頂手前 


薬師岳直下のアカヤシオ


アカヤシオよりも男体山が見たかった


山頂のいいとこ撮り
4 薬師岳 − 夕日岳  夕日岳のアカヤシオも今年は外れのようだ
 
山頂を四人組が占拠していたので、すぐに夕日岳に向かう。南の肩手前で細尾峠方面から単独行者とすれ違う。地形図にはない明瞭な踏跡がついている。南の肩なる道標の立つ従来の道筋は薄くなっている。08年10月に茶ノ木平からや縦走してきたときには、この南の肩を通過しているのだが、最近は先刻のルートに変わっているのだろう。
 三ツ目に向かう縦走路からは展望は山頂直下で半月山が望めるだけ、それ以外は枝越しに半月山方面が見える程度。アカヤシオは皆無に近い。不動尊像で軽くエネルギーを補給。

薬師岳直下から半月山霞んでいる


南の肩・・・ここから細尾峠よりも、もっと山頂側を通るようだ


不動尊像
 不動尊像から先はアカヤシオは落花が多く、木についているのはポツポツ。笹道の縦走路はのんびり歩くにはよいが、変化が少なく退屈。少しばかり変化のある登山道を登ってゆくと三ツ目に到着。この辺りは道標の他には何もなし。

展望は枝越しに半月山方面が見える程度


1430級ピーク付近のアカヤシオ 道筋ではポツポツ、落花の方が多い感じ


三ツ目
 三ツ目からの下りはアカヤシオなく、鞍部付近からアカヤシオがにぎわい始めるが、昨年の5月6日に比べたら、なんと見劣りのすることよ。落花は殆どなく、今年は外れ年なのかも。少しアカヤシオがにぎやかになると夕日岳山頂にたどり着く。途中ですれ違った夫婦の言葉通りで、山頂は独り占め。天気予報では12時ころは晴れのはずだったのだが、予報も外れやがった。

三ツ目からの下り


鞍部付近からアカヤシオのお出ましだが、昨年の5月6日に比べようもない・・・期待していたんだが


道上に落下は少ない 今年は外れ年らしい


賑やかなところを選んで

山頂も寂しいね


展望もダメ・・・昼ころからは晴れるはずだったのだが 薬師岳と違って借り切りはよかった
5 夕日岳 − オオホノチ − 大滝不動尊  夕日岳直下はアカヤシオ 露岩帯の通過はいやらしい
 エネルギーを補給しながら下山ルートを地形図で確認。夕日岳新道を蕗平に下ると、車回収に舗装道を3.5km歩く必要がある。1450級ピークから本沢林道分岐への尾根下りは、最下部が岩稜。未踏のイセツ沢(?)左岸尾根(949経由)も魅力あるが、今のコンディションでは下りは避けるべき。結局は当初計画の大滝不動尊に向かうことにした。このルートは登りも下りも各一回経験しているので安心。
 新道は踏跡も明瞭でアカヤシオも咲いていて快適だが、標高1460あたりから露岩帯の要注意箇所通過。

山頂直下の夕日岳新道


新道側のほうが見栄え



夕日岳新道の難所の露岩帯始まり


大したことないなんて言わないで(危険な場所では撮影できないので)
 この核心部を通過してしまうと、落葉で滑りやすい急斜面下りだけは要注意。痩せ尾根のアップダウンをこなすと、標高点1294に達する。このピークには、オオホノチなる山名板が立ち木についている。オオホノチ無意味でなんて響きのいい名称なんだろう。栃木の山で一番のお気に入り。実際には、山名板の一部が欠けていて、復元するとオオボッチらしい。オオボッチ、なんて野暮な名なんだろう。オオホノチの名称はいつまでも残ってほしいものだ。

1450級ピーク付近では、まだ楽しめた(落花もあるが)


標高1400くらいになるとアカヤシオ消えた


細尾根を緩やかにアップダウン


オオホノチいいね! 栃木の山で無意味で最も響きのいい名称・・・大のお気に入り、オオボッチなんて野暮な読み方はしないでネ
 オオホノチから少し戻って、夕日岳新道から分かれて標高点838に向かう北東尾根に乗り換える。この先は踏跡も藪もないが、標高点838ピークだけはヤマツツジが繁茂。

夕日岳新道から別れると踏跡はない、藪もない 急斜面下りが時々


標高点838はヤマツツジで藪っぽい
 標高点からは800〜750にかけては幅広の急斜面下り、砂地に落ち葉で滑りやすいので慎重に下る。それともう一か所、大滝不動尊への下り数メートルは痩せていて滑りやすいので要注意。大滝不動尊は倒壊(09年12月14日の倒壊前の写真参照) 
 不動尊からは参道があるが、登山者が時たま通るだけのようで、落ち葉が堆積している。本沢を大芦ヒュッテ前で徒渉。大き目の石を4個ほど投げ込んで飛び石となす。徒渉後数分の舗装道歩きで、大滝駐車場に無事帰着。
 今日のコースなら過去の山行記録を参考にはじき出す(脚力の衰え折り込みで)と、10時間程度だったが、12時間も要した。夕日岳からの下りに時間がかかりすぎた。09年には3時間で下っている。03年に登った時は4時間だった。それが下りで4時間30分か、急ぐ必要なんてないのだから、安全に下れただけで良しとしよう。今後はこんな歩きが増えるのだろうな。

倒壊した大滝不動尊 倒壊のおかげで石像を見る


09年12月14は倒壊していなかった


動尊全体


参道 最近は登山者が時々通るだけ?


大芦ヒュッテの前で本沢を徒渉 

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