ひとり山歩き663 : 南八ヶ岳の権現岳に行ってきました。予想以上に残雪は少なったようです。好天に恵まれ展望を楽しむことができました。
残雪の権現岳(2715
2017年4月23日(日) 晴れ
1 行程
@コータイム : 自宅(0:25) = 天女山駐車場(4:15/4:40) − 天の河原(4:55) − 「標高2000」(6:30) − 「ここが一番きつい」(7:20) − 前三ツ頭(8:10) − 三ツ頭(9:20/9:40) − 権現岳(11:15/11:30) − 三ツ頭(12:50/13:10) − 前三ツ頭(13:50) − 「ここが一番きつい」(14:15) − 「標高2000」(13:50/13:55) − 天の河原(16:15) − 天女山駐車場(16:30/16:45) = 自宅(20:25) 
Aルートマップ

2 自宅 − 天女山
 4シーズンの使用で真っ二つに割れてしまった某社のアイゼンに替えて以前使用していたグリーベル社のアイゼンを購入した(某社のものに比べて、頑丈だが値段もはる)。試し履きを兼ねて、好機を狙っていた南八ヶ岳の権現山に行くことにした。駐車場の関係で月曜日に行きたいのだが、天気は本日がベッター、天女山入口交差点の駐車スペース(容量数台)が4時到着で満杯なら、路上駐車するつもりで家を出る。
 天女山入口交差点に4時5分頃に到着したが、駐車スペースに一台も駐まっていない。場所を間違えたかと先に進むと、カーナビは戻るよう指示するのでUターンして交差点に戻ると、ゲートが開いている。通行可と判断して約2km先の広い天女山駐車場に到着。先着車4台、すぐに後続車が1台。(車載温度計マイナス1度)
3 往路   予想よりも残雪少なく地肌露出部が多かった 山頂直下のトラバースは、思ったほど恐くはなかった 好展望を堪能
 出発前に天女山山頂部へ行ってみると、なんと山頂部のほうが駐車場よりも幾分低い。車に戻りザックを担いで北西の登山道に入ってゆく。ちょうど二人組が出発したばかり。15分ほどで天の河原に到着。ここからは南西に南アルプスと南東に瑞牆山(と思う)方面が展望できる。
 カラマツ林の中に明瞭な道筋が続くのはよいが、先が長いにも関らず緩やか過ぎる。前方に前三ツ頭と三ツ頭を眺めて、このつけは後半で払わされるのだ。登山道に雪島がポツポツと現れる、標高2000直下で薄く積もった雪が連続しだした。「標高2000」の標識を見て、チェーンスパイクを装着。

左: 駐車場から登山道を北西へ 右: 天の河原


天の河原から 左: 南アルプス 右: 瑞牆山方面? 


左: こんな道筋が続く 右: 前三ツ頭と三ツ頭 (標高点1734付近から)


左: 凍結が連続しだす(標高2000直下) 右: 「標高2000」標識 ここでチェーンスパイク装着
 「標高2000」を越すと積雪の急登が続く。尾根筋が明瞭となる標高2180で「ここが一番きつい」の標識を見る。ここが一番きついでなく、ここまでが一番きつかったという感じ。勾配は幾分緩み、地肌が現れ、富士山と南アルプスが展望できるようになり、先刻の奮闘が報われた感じ。再び積雪の樹林帯を突破すると前三ツ頭に到着。

左: 積雪は連続し急登が続く(標高2140付近) 右: 「ここが一番きつい」・・・この先よりも手前がきつかった!


標高2210あたりで 富士山と南アルプス


標高2210付近の様子 前方は前三ツ頭 右: 前三ツ頭の直下は樹林帯
 前三ツ頭からは前方に三ツ頭、富士山と南アルプスに加えて中央アルプスと御嶽山も見えた。

前三ツ頭から 三ツ頭と中央アルプス〜御嶽山


同じくズームで 富士山と中央アルプス
 前三ツ頭からは前方に三ツ頭を見ながらザレ場歩き、地肌露出が多くて助かる。ところが標高2400で道標と岩の標示を見てザレ場から積雪の樹林へと突入。樹林を突破すると三ツ頭分岐(小泉登山口への分岐)に達すると、またもや展望が開けて、今まで見てきた山々に加えて3月5日に登ったばかりの編笠山も目に入る。分岐から数分尾根筋をたどると、今日一の展望地である三ツ頭に到着。
 今まで見てきた山々よりも前方のギボシ、権現岳、阿弥陀岳、赤岳に魅せられる。特にこれから登る権現岳は、急峻であんな尾根筋を登る技量はあるのか不安になる。このまま帰ろうかな、状態になる。先刻追い越された二人組がエネルギー補給で休んでいなかったら、多分帰ってしまっただろう。早くスタートしてくれればよいのにと思いながら、エネルギーを補給。それでもまだまだ出発しそうもないので、スパイクとストックからアイゼンとピッケルに替えて、ザックを担ぐ。

左: 三ツ頭を見ながらザレを進む 右:ここ(標高2400)から積雪の樹林へ


三ツ頭が近づき 左: 北岳〜駒ヶ岳〜仙丈ケ岳 右: 編笠山 後方は中ア〜御嶽山〜乗鞍岳


三ツ頭から 左: ギボシ 権現岳 阿弥陀岳 赤岳 右: ズームで権現岳(中央)・・・恐そう、帰ろうかな
 岩とハイマツとの間の細い積雪路やザレ部を下り鞍部付近で樹林に突入。これを突破すると雪庇地帯となる。権現岳がドンドン近づいてくる。今までのところ三ツ頭から見たほどに恐ろしい場所はないが、脚力の衰えた老頭児にはこんな急斜面は堪える。どうしても気になるのは、要注意箇所と言われるトラバース地帯のことである。ふっと見上げると三人組がトラバース部を下っているのが見えた。立ち止まって暫し観察。ここから滑落したという記事は見たことがないので、多分大丈夫だろうと前進。

三ツ頭から少し下って 左: 権現岳 右: 権現岳〜阿弥陀岳〜赤岳


標高2550付近から 左:雪庇 右: 振り返って前三ツ頭


左: トラバース地帯を通過した下山者 右: ぼちぼちトラバースが近づいた・・・越せるかな?
 実際に肝心の場所を歩いた感じでは、思ったほどではなかった。いつも思うのだが、「案ずるよりは産むが易し」だ。 トラバースが終わったと思ったら、今度は急斜面を少しばかり登り(下山時には緊張したが)きると、緩やかな登りで山頂部の大岩を目指す。大岩直下に石祠を見る。石祠の先の大岩を乗り越すわけにはゆかず、少し下って踏跡を追う。権現岳の標柱を見かけるも真の山頂は大岩の上にある。アイゼンを履いたまま岩場をよじ登って念願の権現岳山頂に立てた。

左: 先行者に倣って 右: いよいよ最難関のトラバース・・・臆病な自分でもそれほど怖くはなかった


左: トラバースが終わると、今度は急登(下山時は緊張した) 右: 要注意箇所を過ぎると山頂が見えてくる


左: 山頂直下の石祠 右: 赤岳
 大岩の最上部に上がれば360度のパノラマが広がるのだろうが、アイゼンをひっかけて転落なんてクワバラくわばら。岩場を下りて、編笠山を中心に南ア、中ア、北アを展望して十分。

山頂は大岩の上・・・アイゼン履いたまま注意して登る


左: 編笠山〜ギボシ 奥は中ア〜御嶽山〜乗鞍岳〜北ア 右: ギボシの右奥に北ア


パノラマ写真

4 復路  ダブルの痛み アイゼンで脹脛を傷つける ミラレスカメラの液晶がつかなくなってしまった  
 復路は往路を忠実にたどるだけだが、下るほうが難しい場所もある。最初にトラバース部への雪斜面の下りで、ここが今日一の緊張箇所。次は、気温上昇による踏み抜き。三ツ頭で防寒着の上下を脱ぎ、ピッケルからストックに替えて、下り始めたら、片足を踏みぬき、バランスを崩した。体勢を整えようとしたはずみで右脹脛に左足のアイゼンが接触。スパッツに小さなかぎ裂き、堪ええられないような痛みでなく、そのまま歩き続ける。「標高2000」でアイゼンを外す際に、点検するとズボンが血糊で傷口にくっついていた(現時点では絆創膏を張って様子見、痛みを感じるようなことはない)。
 明るいうちに下山できることが予想できたので、ノンビリペース(実際は脚が進まなかった)で歩く。駐車場に着く直前でミラーレスカメラの液晶が消えてしまった。撮影はできるのだが、条件変更ができないから、ただ単にシャッターを押す〇〇チョンカメラになり下がてしまった(購入後丁度3年)。修理予想額は2万円程度。このところアイゼン、カメラと痛い失費。しばらくは予備のコンデジで我慢するか。
 今日は二重の痛みはあったが、念願だった残雪の権現岳に登頂できたが、たまたま選んだ時期がよかった。駐車場が天女山になっていた。残雪が予想していたよりも少なかった。
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