ひとり山歩き661 : 鶏頂山登拝口から釈迦ケ岳を目指しましたが、深雪のために途中で鶏頂山に変更しました。新雪で踏跡なく踏み抜きに苦労しました。今年はまだ降雨少なく雪の締りが遅い印象を受けました。
鶏頂山登拝口から釈迦ケ岳をあきらめて鶏頂山(1765)
2017年4月5日(木) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(1:25) = 鶏頂山登拝口鳥居前(4:00/4:20) − 枯木沼鳥居(5:10) − 廃スキー場最高部(5:45) − 弁天沼(6:15/6:20) − 主稜線到達(7:35) − 退却・弁天沼近道分岐(旧鉱泉汲取敷)(7:50/8:10) − 弁天沼分岐(9:10) − 鶏頂山(11:25/11:50) − 弁天沼分岐(12:35) − 弁天沼(13:35) − 廃スキー場最高部(14:20) − 鶏頂山登拝口鳥居前(16:00/16:15) = 自宅(18:25)
Aルートマップ

2 自宅 − 鶏頂山登拝口
 2年4月6日(ひとり山歩き472)に鶏頂山登拝口から釈迦ケ岳をすんなりとピストンしたことを思い出し、釈迦ヶ岳を再トライすることにした。前回と同じでは面白くないので、釈迦ケ岳登頂後に鶏頂山も登る計画を立てた。本日は気温が上昇するので復路での踏み抜きに備えてスノーシューを持参することにした。併せて少しでも気温の低いうちに高度を稼ぐべく、日の出前にスタートできるよう鶏頂山登拝口鳥居前の駐車スペースに到着。車載温度計マイナス2度
3 釈迦ケ岳へ向かう  表面のクラストのみで、雪に締りなく悪銭苦闘 釈迦ケ岳は今日のコンディションではとても無理だった
 前回はアイゼンだけでさしたる沈みもなく釈迦ケ岳をピストンできたので、その時に倣って先ずはツボ足でスタート。雪面クラスト(いわゆる最中状態)でくるぶしまでの沈み。先が心配で、ザックからスノーシューを取り外し、装着して再スタート。鶏頂山登拝口からはトレースの濃い地形図破線沿いに登ってゆく。スノーシュー(以下はシュー)でもくるぶしまで沈むことがある。前回とは様相が全く異なりクラストが不十分。前回が積雪が少なかったわけでない。それが証拠には釈迦ケ岳山頂の釈迦如来像は肩から下は雪にう埋もれていた。今回のクラスト不足の原因は? 推測するに、里は雨でも山は降雪で、雨上がりのクラスト不足ではなかろうか。
 枯木沼鳥居まで前回は25分だったのに、今回は50分要している。枯木沼の木道は完全に雪下、トレースは続いているが廃スキー場最高部までも苦労。時間的には前回の50分が85分でドンドン遅れてゆく。今日のコンディションでは釈迦ケ岳登頂後の鶏頂山は無理だな、なんて頭にちらつきだす。女峰山の写真を撮って先へ。廃スキー場最高部から弁天沼までは溝形トレース歩きで比較的楽であった。それでも25分に対して35分。
 弁天沼からは鶏頂山方面にはトレースあるも、釈迦ケ岳方面へはトレース皆無。どちらへ進むか迷ったが、過去の経験では、トレースがなくてもダイレクトに釈迦ケ岳を目指したほうが時間的には短かったので、今回もそれに倣った。 

左: 鶏頂山登拝口鳥居 右: 枯木沼鳥居


廃スキー場最高部 左: 鶏頂山 右:女峰山周辺


弁天沼 鶏頂山方面へはトレースあり
 弁天沼からはコンパスを合わせて、沢筋らしき場所を選んで進む。最初はシューの沈みはなかったが、すぐに砕氷船に早変わり。表面だけクラスト(いわゆる最中で、雪の表面にひびが入って、シューが沈む)で二段沈み状態で、これが脚腰の疲労蓄積につながる。標高1570あたりでダケカン林に変わった地点で、早めに主稜線に登ったほうが楽ではないかと、一つ手前の沢筋から主稜線を目指した。最中の御馳走はなくなったが、今度は膨らみを乗り越すのに雪が崩れて容易には進めない。主稜線が近づくと多少は楽になって、どうにか主稜線にたどり着いた。09年3月11日にはこの地点経由で釈迦ケ岳をトライ(標高点1655付近で断念・・・報告なし)。その時でも弁天沼から35分だったが、今回は75分、ウーン参ったね。
 こうなったら意地でも釈迦ケ岳を目指すぞ、と先の弁天沼近道分岐(御岳山西鞍部、以前は鉱泉汲取敷)へ進む。期待していた締りは弱く、樹木が邪魔してシューでの歩きはコース取りがややこしい。天沼近道分岐に達して、シューでは勝負にならないとアイゼンに履き替える。アイゼンで歩き出すと、膝までの沈み。前回の沈みなしとは大違い、これでは途中挫折は目に見えている。潔く諦めて鶏頂山を目指すことにした。

標高1540付近(弁天沼の南南東) 左: 進路に踏跡はなし 右: 振り返って自分のスノーシュートレース)


標高1630(主稜線直下) 左: 主稜線は間近 右: 自分のトレース(幾分沈みは少なくなる)


主稜線到達 左: 御岳山(1690級ピーク) 右: 中岳〜西平岳
4 釈迦ケ岳を諦めて鶏頂山へ  雪の膨らみは崩れて、乗り越すのに苦労 我慢の甲斐があって鶏頂山にやっと届く
 09年3月11日に、標高点1655付近で釈迦ケ岳を断念して、この分岐から鶏頂山までは45分(トレースあり)、倍の時間では無理でも、三倍の約2時間半なら何んとかなるだろうと、アイゼンのまま鶏頂山に向かう。雪庇がよく発達しているが、樹木のない部分を歩けばよいのだが、臆病な性格で樹木のある部分をえらんで進むので、踏み抜きに加えて枝に邪魔され遅々として進まず。何とか弁天沼分岐まで達したが、弁天沼方面からも山頂方面へのトレースは皆無。ここから山頂までは過去の自己記録を調べてみると、最短で25分、最長で80分。まだ、9時10分だから時間的には全然問題なし。問題は体力と根気だ。

退却地点付近から 左: 鶏頂山 右: 爆裂口周壁(覗き込む気にはならず)


1650級小ピークから 左: 近づいた鶏頂山 右: 御岳山〜釈迦ケ岳〜中岳(一部)


弁天沼分岐付近から 左: 御岳山と釈迦ケ岳 右: 西平岳
 分岐で休んでしまうと、下山しようなんて気が起こらないとも限らない。このまま先に進む。最初は御岳山〜釈迦ケ岳〜中岳〜西平岳を目にしながら、それほどの苦労はなかった。ところが高度を上げるにつれて(といってもわずかな高度差)尾根幅が狭まり、樹木を避けたり、雪の膨らみを超すのに筆舌に尽くしがたい苦労。特に雪の膨らみを乗り越す際、雪が崩れて前に進めない。踏み抜きも多く、何度も腰までズボツ。
 固定ロープは大部分が雪の下で、なんの役にも立たない。何度も撤退しようかと頭によぎる。ここまで来て戻るのは何ともシャクだ。頂上はもうすぐと励まして、雪の膨らみとの格闘に戻る。過去の山行ででこれほど苦労したことはない(その前に撤退してしまうから、当然)。

弁天沼分岐を過ぎて標高1670付近から 雪庇は発達している 臆病だから先端部には近寄らず 左: 御岳山〜釈迦ケ岳 右: 釈迦ケ岳〜中岳〜(西平岳は雪庇に隠れている)

 左: 標高1680付近からは固定ロープ(雪面に出ているのはここだけ) 右: 二三歩でこんなダンゴに



標高1720付近 膨らみを乗り越すのが大変(写真では平坦に見ええるが)


左: 標高1730付近 膨らみ乗り越えの他に樹木の枝避けも 右: 何度も腰までドボン(水中でないからズボツかな?)
 どうにか平坦な山頂部に達して雪化粧の山々を見て、諦めなくてよかった!! 弁天沼分岐から135分自己最長記録達成(こんなのも達成というのかな?)神社前でザックを下して、休憩いながらエネルギーを補給。残雪時に鶏頂山南西尾根をと思っていたが、今日のコンディションでは避けなばなるまい。

やっと平坦な山頂部に到達して 左: 荒海山〜七ケ岳〜日留賀岳(男鹿山塊) 右: 明神ケ岳〜前黒山 奥は男鹿山塊


鶏頂山神社


山頂から 左: 日光連山  右: 男体山〜女峰山〜太郎山〜白根山 (ズーム)


左: 御岳山〜釈迦ケ岳〜中岳 右: 中岳〜西平岳


山頂の様子
5 下山  下山も楽じゃなかった  まだ降雨が少なくて雪に締りがない おまけに高気温
  鶏頂山から登拝口まで過去の記録では2時間ないし2時間半。今日は何時間かかるかな? 途中で疲労困憊して動けなくならなければ、5時間かかっても明るいうちに下山は可能。ゆっくりゆっくりを心掛ける。アイゼン歩きを継続。弁天沼分岐までは自分のトレースそ忠実に追う。往路と異なり、靴についたダンゴの影響で何度も尻餅。滑落の危険はないが、立ち上がるのにえねるぎーを要するので、何度もぴっけるでダンゴを払い落しながら下る。登りに比べたら、下りは楽だネ。
 弁天沼分岐からの下りはトレースは皆無。コンパスを合わせて、夏道と思しき(樹木の隙間、沢筋)場所を選んで下ってゆく。膝下のラッセル、時には大腿まで踏み抜く。標高1570付近で弁天沼からのトレースに出合う。以降はこのトレースを追って無事に弁天沼にくだった。 
 どこからシューに履き替えようか迷ったが、衰えた足腰の鍛錬とばかりアイゼンのまま先に進む。廃スキー場最高部までは、溝形トレース歩きでさしたる苦労なし。その先もアイゼンのまま歩行を続けると、かつてはスキー場だから日当たりがよく、雪が緩み踏み抜きが増えた。腰までの踏み抜きで我慢の限界とシューに履き替える。以降はせいぜい脛程度の沈み。
 枯木沼からは往路とは異なり、北側の踏跡を追った。往路に比べるとトレースは薄い。登拝口鳥居前の駐車地までは、山頂から4時間10分。今日の山行はコンディションを読み誤って苦労の連続だったが、終わってみれば楽しかった(負け惜しみ半分)。


左: 弁天沼分岐はこの倒木を目印に(トレースなし) 右:標高1570まで下って弁天沼からのトレースに出合う


左: 弁天沼 右: 弁天沼から大沼分岐のトレース(樹林内はツボ足で沈みなし、大沼分岐を過ぎるとくるぶしの沈み)


左: 枯木沼(木道は雪面下) 右: 鶏頂山登拝口(雪だるま・・・余裕のある人もいるもんだネ)


鶏頂山登拝口鳥居(付近はトレース多い、積雪がなかったのだろう)
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