ひとり山歩き657 : 南八ケ岳の編笠山から西岳へと周回してきました。ほぼ全行程に積雪がありトレースがしっかりしていてチェーンスパイクで歩けました。山頂部からの展望は素晴らしかったです。
南八ケ岳の編笠山(2523)〜西岳(2398)
2017年3月5日(丹治) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:30) = 天女山入口(4:00/4:10) = 富士見高原ゴルフ場B−1駐車場(4:30/4:40) − 五叉路分岐(5:15) − 臼久保岩小屋(6:20) − 「標高2200」地点(8:05/8:15) − 森林限界(9:10) − 編笠山(9:50/10:10) − 青年小屋(10:30) − 好展望地(11:20/11:35) − 西岳(12:00/12:30) − 不動清水(14:15) − 五叉路分岐(14:25) − 駐車場(14:55/15:10) = 自宅(18:55)
Aルートマップ
2 自宅 − 富士見高原
  天女山入口に車を駐めて権現岳をピストンすることにした。ネット情報では数台スペースの天女山入口駐車場は5時では満車となるようだ。4時なら駐められるだろうと考えて、零時に自宅を出発した。通常往路の高速道は80km/h程度で走行しているが、今回は制限速度の100km/hをキープし、何とか4時に天女山入口に到着した。時すでに遅しで、狭い駐車スペースは満車となっていた。1kmほど手前の山梨県立まきば公園に行ってみたが、入口は閉鎖されていて入車できない。再び天女山入口に戻って路上駐車を試みたが、なんとなくしっくりしない。本日は日曜日で前日からのお泊りがあったのであろう。こんなことを予想して富士見高原から編笠山〜西岳周回の準備もしていたので、計画変更し富士見高原ゴルフ場B−1駐車場へ移動。広い駐車場には4台ほど駐まっていた。車載温度計0度
3 編笠山 チェンスパイクで押し通すも、本日のコンディションでは問題なし 骨折した小指の無感覚には悩まされた
 昨年の2月11日(ひとり山歩き622)で富士見高原ゴルフ場から編笠山をピストンしているので参照願う。前回に比べて約一か月遅いので積雪は若干少ないようだった。昨年は脚の引き攣りで悩まされたが、今回はその後骨折した左手小指の無感覚に悩まされ、立ち止まっては指先を手袋したまま擦って温めた。結果的には所要時間はほぼ同じとなった。
 今回はヘッデン歩きから始まったが、道筋を覚えていたので迷うことはなかった。林道ゲートから10数メトル先の左手が登山口で、あらかじめ用意してきた登山カードを投函。標高1450あたりから凍結路が現れ始めたので、早めにチェーンスパイクを装着。五叉路分岐から西岳を考えたが、今回は絶対に編笠山から西岳を周回するぞ、との意思表示で編笠山を目指すことにした(前回も周回のつもりだったが、脚の引き攣りであきらめた)。
 凍結路は断続(当然ながら地肌区間は短くなる)し、進路の左側に岩が連続しだして、標識のある臼久保岩小屋に達した。岩小屋内部に何かあるのかヘッデンで照らすと期待に反してツララがあるだけ。付近は日当たりがよいせいで地肌が露出。その先からは積雪は連続し、標高1850付近からはコメツガ林の急登となる。

左: 登山口はゲートから10数メートル先の左手 右: 五叉路分岐(復路はここに戻ってくる)


積雪は浅いが徐々に増してくる 左: 標高1570付近 右: 標高1610付近


左: 臼久保岩小屋 (標高1760付近は日当たりよく地肌露出) 右: コメツガ林の急登になる(標高1840付近)
 前回は標高1900でアイゼンを装着したが、今回はチェーンスパイクで押し通すつもり。Cスパイクでも積雪表面が柔くないので滑りはなく快調(もう少し表面が軟らかいか勾配がきついと上滑りに悩まされたかも)。標識「標高2200」でエネルギー補給(夜食それとも朝食を摂って8時間以上経過)。100メートルごとの標高標識は他にも多数あり、「2200」前後で単独行者二人に追い抜かれたが、その後は追い抜かれなし。
 溝トレースは深いところで膝程度あるも比較的締まっていて、アイゼンの跡も残り足の沈みは殆どなし。樹林内の歩きで展望は全くないが、標高2390で振り返ると、樹木の切れ間から南アルプスが展望できて、もうすぐに森林限界だと元気になる。先刻悩まされた指先の無感覚も、高度が上がるにつれて木漏れ日で無感覚から解放された。山頂からの展望に期待して進むと、すぐに森林限界で素晴らしい景色が目に飛び込んでくる。

左: トレース溝は深く(標高2100付近) 右: 「標高2200」の標識 (標高標識は他にも多数あり)


溝トレースは深いが、足の沈みは殆どなし 左: 標高2320付近 右: 標高2370付近


左: 標高2390で振り返ると、南アルプス 右: 森林限界(標高2400)振り返ると富士山が、他にも南アルプス、中央アルプスなども
 森林限界からは、富士山、南アルプス、中央アルプス、北アルプスと目移りするが、山頂でのお楽しみと岩場を登るのだが、昨年ほどひどくはないが、岩の段差を踏み越すときに脚が引き攣りつり、仕方なしに立ち止まって景色に目をやる。風が強いが、気温は高いようで寒いという感じは全くない。どうにか編笠山の山頂に達した時には、先刻追い抜かれた二人の単独行者は先に進んだようで、山頂を借り切り状態と喜んだのも束の間、相次いで三、四人が山頂に到着し賑やかになる。

森林限界からは岩場の登り、脚が引き攣りそうになり休み休み登る


励ましの標識 左: 標高2460付近 右: 標高2480付近
 昨年2月11日に比べたら、清澄度が低いようで、遠望がかすんで見えるのは仕方なし。権現岳を間近に見ると、今日の天気なら登れたかも、残念ながら次回(今度はやるとしたら、まだトレースの残る月曜日にしよう。でも、それまでモチベーションは???)。地形図と見比べながら西岳へのルートを観察。絶対に行くぞ!でも行程が長いな! と葛藤が始まる。二度も編笠山で引き返すのは癪だ。静岡からの方の後を追って青年小屋を目指すことにした。

左: 編笠山山頂(後方は阿弥陀岳〜赤岳〜権現岳) 右: 富士山


山頂からのパノラマ 南アルプス 中央アルプス 御嶽山 乗鞍岳 北アルプス


同じくパノラマ 西岳(手前左) 左手奥に北アルプス 中央右手に蓼科山 右奥の白は天狗岳
4 西岳 途中は樹林帯の深溝歩きだったが踏み抜きはなし
 編笠山の北東斜面は先刻登ってきた南西斜面とは全く異なり、樹林の深雪歩きで、溝トレースは深い。深い踏み抜き跡を見かけるが、この時間帯では踏み抜きはない。でも、Cスパイクでは積雪表面が軟らかいために、滑るような歩きとなり、二度も尻もちをついてしまった。ストックでブレーキをかけるも、制動しきれない。でも、危険個所ではないので安心。前方に何故来なかったとばかりの権現岳、下方に青年小屋を見下ろしながら急斜面を下り終えた。青年小屋の先の天場(?)には大きなテントがひと張、若者三名を見かける。
 青年小屋から先は、樹林帯の深溝歩きが続く。多少のアップダウンがあり、展望は皆無で嫌になってくる。小屋と西岳のほぼ中間の小ピークが唯一の展望地で、ここで、エネルギーを補給し、上着を脱ぐ。若者数人のグループが追い越していった。ここから見る編笠山はまさしく編み笠の形状をしている。権現岳は編笠山山頂から見たのとは姿が異なっている。 

左: 青年小屋への下りは積雪深い(踏み抜き跡多数あり) 右: 後方に権現岳(ここへ行きたかったんだが)を背景に青年小屋


西岳へは樹林の中の溝トレースが連続(踏み抜きはしなかった) 


西岳途中で唯一の展望所から 左: 権現岳 右: 編笠山
 エネルギーを補給して先に進むも樹林内の深溝歩きが続く。やっとたどり着いた西岳山頂には先刻の若者グループ入れ替わりの下山していった。編笠山を同時に下り始めた静岡からの方が待っていてくださり、写真を撮っていただく。山頂からの展望は編笠山ほどではないが、南アルプや中央アルプスが展望できた。この時間帯になるとせっかくの遠望もかなりかすんでしまった。

西岳山頂


山頂から 左: 権現岳 右: 編笠山


かすんでしまった! 左: 南アルプス 右: 奥に中央アルプス
5 下山 チェーンスパイクでは気温上昇の急斜面ではスリップと団子成長に苦労 アイゼンにすべきだった
 無風で温かくもっと滞在したいが、帰路の運転を考えてそうもゆかず、静岡からの方と同時に下山開始。西岳の南西急斜面を下り始めたら、Cスパイクでは、滑りやすくストックで制動しながら下る。そのうちにCスパイクに団子が成長し、ストックで叩き落としながらの下山。アイゼンに履き替えればよいのだが、今日はCスパイクで押し通すつもり。標高1900付近で勾配が緩んだので、Cスパイクを外す。最初はよかったが下るにつれて、勾配は緩むも雪解けで足が滑る。何度も転倒しそうになり、標高1700付近で再装着。
 標高1510で不動清水でここにはベンチも据えてある。不動清水のすぐ先からは林道きで、地肌が露出しているのでCスパイクを外す。五叉路分岐からは往路に辿った道筋を歩く。多少は残雪あるも、勾配が緩いので、生靴でも問題なし。登山口から林道を下り、B−1駐車場へ戻る。正面に甲斐駒ケ岳が目に飛び込んでくる。車に戻り帰り支度をしていると、隣の車の窓が開いて、先刻の静岡からの方が顔をだす。お互いに挨拶を交わして分かれる。このころになると網笠山から戻ってくる人が多い。西岳からの下りでは単独行者二人とすれちがっただけ。西岳へのルートは編笠山へのルートに比べて標識類は少ない。

深溝トレースから徐々に積雪は減る 左: 標高2030付近 右: 標高1750付近


不動清水


左: 登山口(黄色ボックスは登山カード入れ) 右: 駐車場からは中央に駒ヶ岳

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