ひとり山歩き655 : 明智第二トンネル西口から展望台駅〜茶ノ木平をスノーハイクしてきました。積雪は予想以上で、スノーシューでもかなりの労力を要しました。明智平駅展望台からの雪景色は!!!
明智平〜茶ノ木平スノーハイク
2017年2月22日(水) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(3:50) = 明智平駐車場(5:50/6:30) − 明智第二トンネル西口(6:50) − 最初の送電線鉄塔(7:30/7:45) − 茶ノ木平分岐(8:25) − 中禅寺線送電鉄塔6号(8:30/8:35) − 展望台駅(9:10/9:25) − 中禅寺線送電鉄塔6号(10:05/10:10) − 茶ノ木平分岐(10:15) − 観瀑台付近(11:20) − 細尾峠分岐付近(12:20) − 茶ノ木平(13:30/13:40) − 茶ノ木平登山口へ下山(16:05) − 明智第二トンネル西口(16:20) − 明智平駐車場(16:40/16:50) = 自宅(19:00)
Aルートマップ
2自宅 − 明智平
 長野の山に行きたいのだが、昨年骨折した小指が気温が低いと指先の間隔が薄れるので、長時間の雪山山行は自重している。以前から明智平の展望台駅から華厳滝を中心とした雪景色を堪能したいと考えていた。茶ノ木平も冬場に行ったことがないので、明智平から茶ノ木平のスノーハイクを検討してみた。ヤマレコで調べて見ると、紅葉やツツジの時期の記録は多いが、厳寒期の記録は2件しか見つからなかった。一般的でないのが面白い、やってみようと詳細検討に入った。積雪状態によって所要時間は変動するが、記録が少ないので推測が難しい。距離から判断して7時間から8時間くらいと推測、これなら明智平で日の出を見て出発すればよい。もし、推定時間よりも時間が長くなりそうなら適当な場所で退却すればよい。
 日の出は6時13分、方向は109度だから、カシミルー3Dでチェックすると明智平から日の出を拝めることが判明。ロープウェイ駅の建屋が邪魔になりそうな可能性があるので、明智平駐車場に早めに到着して現地調査。田母沢御用邸まで来ると道端に残雪をみる。いろは坂を登り始めると、除雪車が作業を開始したばかり。その先は薄い圧雪状態だが、スタッドレスなら全然問題なし。奥日光の山には数えきれないほど行っているが、明智平駐車場の利用は初めて。車載温度計マイナス6度
 レストハウスと樹木のちょうど間から日の出、無事、撮影に成功。ロープウェイ脇の登山道を利用すれば展望台駅までは約100メートの登りだが、通行止めとなってる。ここは準備してきたとおりに明智第二トンネル西口へと向かう。

左: 夜明け前の明智平 右: 展望台駅への登山口(通行禁止!)


左: 日の出前の男体山 右: あれ!変なところから日の出・・・と思いきや街灯でした


日の出・・・良いところを選んで太陽が!(^^)出した もう少し北よりだったら、建物の後ろだった
3 明智第二トンネル西口 − 展望台駅  展望を楽しいながらの歩き 展望台駅からの雪景色は秀逸
 明智トンネルは両サイドに車道よりも一段高い歩道があるので安心して歩ける。駐車場から約20分で明智第二トンネル西口に到着。ここからは舗装道歩きで楽できると思ったのはほんの数分で、80メートルの歩きで舗装道は消えてしまった。チェーンスパイクを履いて登山道(巡視路?)に取付く。踏跡皆無の登山道の雪は少なく歩きやすい。登るにつれて登山道を見失うことがあるも適当に登って行く。送電線鉄塔が見えたので一息いれて振り返ると中禅寺湖が見えた。このあたりは登山道は無視して適当に笹が頭を出している斜面を登る。最初の中禅寺線鉄塔(何号か確認忘れ)に到達。展望は良好で男体山、女峰山と中禅寺湖越しに錫ケ岳〜白根山を楽しめる。

左: 明智第二トンネル西口 左手の舗装部へ進む 右: 舗装道は80メートルでなくなり、チェーンスパイクを履いてここから取付く


登山道(巡視路?)は消えたり現れたり (1360と1370付近)


左: 振り返ると中禅寺湖 右: 最初の鉄塔(この辺りからは登山道を無視して直登


最初の鉄塔(標高1410)から 男体山と女峰山
 最初の鉄塔からはどう進めばよいのか、まずはルート探しで、南の尾根方向にはそれらしき雰囲気なし。仕方なしに送電線を左手に見ながら斜面をトラバースすることにした。脚の沈みが大きくなったので、シューに履き替える。左足下がりのトラバースの連続で左足の外側面に痛みを感じる。そのうちに登山道らしき雪道が見つかり少し楽になる。するとその先で部分的に地肌現れシューをガラガラと引きずる。すぐに雪面歩きとなり、三番目の鉄塔が見えるとそのすぐ手前がノ木地平分岐で道標が立っている。写真を撮りながらの歩き5分で中禅寺送電鉄塔6号に達した。ここからも最初の送電鉄線塔同様に男体山、女峰山、錫ケ岳〜白根山展望できた。

左: スノーシューでの左足下がりの斜面トラバース(ごく一部に古いワカン跡あり)  右: 二番目の鉄塔横を通過(鉄塔の後方に大真名子山〜女峰山


左: 茶ノ木平分岐手前で短区間だけ雪が消えてシューをガラガラ引きずりながら歩く  右: 茶ノ木平分岐の70メートル先に中禅寺線送電鉄塔6号(振り返っての写真)
 鉄塔6号からは尾根下りから始まるのだが、雪が薄くシューでは難儀しそう。チェーンスパイクに履き替えシューをデポして下り始める。鞍部から登り返した標高点1395ピークからは雪のついた細尾根下りとなる。ここにザックをデポしてピッケルを握って下り始める。細尾根で心配したが、足首までの沈みでチェーンスパイクでの滑りはなく安心して歩けた。このピークから10分たらずで念願の展望台駅に達した。ここから華厳滝を中心に雪景色を堪能。明智平駐車場からここまで2時間40分、ロープウェイイなら3分、通行止めの登山道が許されるなら30分程度。負け惜しみではないが労多ければそれだけ楽しみも大きい。ロープウェイは9時開始だが、客がいないと動かないのかな?

左: 6号鉄塔からの下りは雪が少ないのでチェーンスパイクに履き替える 右: 標高点1395から展望台駅までは細尾根の下りが続く(6号鉄塔からは踏跡皆無)


左: 展望台駅 右: 駅屋上の展望台から男体山


紅葉の写真はよく見るが、雪景色はあまり見かけない 2時間半の苦労あればこその景色


展望台から南東方面 筑波山も
4 展望台駅 − 茶ノ木平  スノーシューでもかなりのハードワーク 展望もないし、余計にくたびれる
 途中でザックとシューを回収して茶ノ木平分岐まで戻る。ここでスパイクからシューに履き替える。標高点1453の小ピークまではシューでの沈みは殆どなし。標高点から少し下って登り返しになると吹き溜まりが多く、その段差を乗り越すのに苦労の連続。やっと片足を段差上に乗り上げたと思ったら、足元が崩れて逆戻り。今日のコースで一番の重労働。標高1500で勾配が緩み、沈みが小さくなってヤレヤレの気分。標高1520で方向が南西から南南西に変わる地点付近に観瀑台があるらしい(古いガイドブック)。コースから少し外れるようなので、今でも残っているのか未確認。
 次のチェックポイントである細尾峠分岐までは、ダケカンバ中心の尾根登り。シューの沈みは脛程度で登りと相まって消耗戦が続く。今日はどう言うわけか脚の引き攣りが皆無、気温が高いせいかナ。細尾峠分岐の目標物は見つからなかったが、南東方向に尾根型が伸びているので間違いないだろう。

左: 茶ノ木平分岐に戻って、シューに履き替えて南西へ進む 右: 標高1430付近の様子・・・この辺りは雪が締まっていて快適だったのだが


左: 観瀑台付近(古いガイドブックによる、現在でもあるかは未確認) 右: 振り返って、自分のトレース 1453を過ぎてからの登りは吹き溜まりで悪戦苦闘


左: 細尾峠分岐付近、右: 台地の歩きでシューでも脛まで常時、時には大腿までの踏み抜きあり
 分岐辺りからは台地上の歩きで目標物がなく、方向を取るのが難しい。コンパスを設定しているのだが、倒木を避けたりしている内に微妙に方向がずれてしまう。時々GPSで方向修正を加える。ホワイトアウトになるとGPSなしではリングワンダリングしてしまうかも。最終的に夏道と思しき窪みを追うと、小沢に下り、これを越すと前方に半月山分岐の道標が確認できた。ここからさらに3、4分北進すると、前方に男体山が見えて茶ノ木平の廃ロープウェイ駅跡に到着。ここからは、北に男体山とその右後方に女峰山、北西に錫ケ岳〜白根山が展望できる。鉄塔6号付近の茶ノ木平分岐以降は、山の姿は全く見えなかったので、疲れが吹き飛んだ。これからの下山に備えてエネルギーを補給。

左: 目標物がなく方向が取り辛かったが、やっと少し窪んだ登山道歩き(トレースは皆無) 右: 小沢を越すとすぐに半月山分岐


茶ノ木平(廃ロープウェイ駅跡)からの景色  茶ノ木平分岐以降で初めてのご褒美
5  下山(茶ノ木平 − 登山口)  基本的には尾根通しで下る 標高1450付近の急勾配部は避けた方が無難 下るならピッケルとアイゼン必要
 茶ノ木平登山道の夏道がどこを通っているか不明、尾根への出入りがあるとしても、トラバースは厄介なので、基本的には尾根通しで下ることに決めて、中宮祠1.7kmの道標からスタート。シューで下ると沈みは殆どなし、これならアイゼンで歩いても問題なしと、標高1560で履き替える。


左: 下山はここからスタート 右: 夏道は尾根からの出入りが多いようだ、斜面トラバースを嫌って尾根筋を下る (標高1580)


左: シューからアイゼンに履き替えって、尾根上を下る(トレースでなく動物の足跡) (標高1560) 右: ここも(標高1520)を無視して尾根上を下る
 アイゼンとピッケルで快調(気分としては、でも時間的には??)に下り、標高1520のトラバース道標を無視して尾根を下り続ける。標高1450付近からは地形図ではたいしたことがないと思っていた傾斜が雪がついているせいで、かなりの急傾斜。先刻の道標まで戻ろうかと思案する。前向きで樹木に抱きつきながらの下りも難しそう。覚悟を決めて、後ろ向きで下ることにした。股の間から下方を確認し方向修正しながら、20分で約30メートル下り、前向きで進めるようになり一息つく。ところが次の落とし穴が待っていた。標高1420付近で夏道らしき僅かな窪みが見えたので、トラバースを開始したところ膝上のラッセルが続く。尾根上に戻って、トラバースせずに尾根上を下るべきだったと後悔。
 尾根上に戻る(標高1420)とトラバースの夏道へ誘う道標があり、そのすぐ先で左手に雪はついているが明瞭に道筋がわかるようになり、尾根筋から別れ夏道へと進む。以降は尾根を横断して反対側の夏道に進む。道筋は明瞭で迷ったり特に危険個所はなく、無事に茶ノ木平登山口に下山。
 ここでアイゼンとピッケルを収納して明智平駐車場に戻る。今日は、ハカン(?)に始まってチェーンスパイク、スノーシュ、ーアイゼンと何度も履き替えて、余分な時間を要した。帰宅後、GPSで確認すると、全所要時間の約三分の一は停止時間であった(写真撮影も含むが、通常よりも長い)。今日のコースは予想よりもかなりハードだった。前半の展望台駅までは展望も楽しめたが、後半の茶ノ木平への歩きは展望なしで、ラッセルで悪戦苦闘。今日のルートは積雪期に少ないの理解できる。

左: 標高1470の道標、これも無視して尾根上を下ると苦難が待ち構えていた 右: この(標高1460)先に今日一の急斜面がまっていた・・・ピッケルとアイゼンを利かしての後ろ向き下り、それが終わると膝上ラッセル


左: 標高1370からは夏道歩きでヤレヤレ 右: 茶ノ木平登山口 ここでアイゼン収納、今日はスパイク、シュー、アイゼンと総動員だった
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