ひとり山歩き633 : 熊野沢林道から北面の尾根をたどって太郎山に登りました。尾根筋は道はなくシャクナゲとコメツガの密藪が繁茂するも白根山方面の展望を垣間見ることができました。
太郎山(2367) 北面から藪を漕いで
2016年5月29日(日) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(2:15) = 山王林道駐車地(4:25/4:30) − 熊野沢林道口(4:35) − 熊野沢林道別れ(5:10) − 主稜線出合(5:30) − 北西尾根出合(9:15) − 太郎山(10:35/11:00) − 小太郎(11:30) − ハガタテの頭(12:20/12:30) − 鞍部(標高点1919)(12:50/12:55) − 山王帽子山(13:25) − 山王林道・太郎山登山口(14:20) − 山王林道駐車地(14:45/14:55) = 自宅(17:25) 
Aルートマップ
2 自宅 − 山王林道・熊野沢林道口
 今年は寡雪のために計画していた残雪歩きができなかった。その代わりに例年は名残りのツツジを楽しむ程度であったが、残雪歩きに替えてツツジ狩りができた。これからはツツジに代わって花の季節となるのだが、花より団子ならぬ藪で、ぼちぼち藪入りすることにした。太郎山に北面の藪尾根を漕いで登るのが以前から気になっている。この計画のオリジンは05年6月12日にstarionさん、11年11月2日にH@上三川さんが熊野沢林道から太郎山の北北西尾根そして北西尾根をシャクナガとコメツガ藪を漕いで太郎山に登ったことである。これらに倣って13年11月6日(ひとり山歩き534)に出かけたが、熊野沢林道口が崩落していて駐車できず、あきらめて山王帽子山から小太郎を往復することでお茶を濁してしまった。そのリベンジを今年の藪入り(世間で言う藪入りとは異なる)とすることにした。前二者とは別に@宇都宮さんが川俣湖から熊野沢左岸尾根を通しで歩き太郎山に登っている。このマップ(掲示板に書き込み)を参考に、前二者のルートを一部変更する。
 本日の歩行目標時間は前二者は7時間半と8時間半で歩いている・・・これから9時間と見積もり(チョッと苦しいかも)、日の出の4時半ごろから歩行開始として、山王林道の熊野沢林道口に向かう。太郎山登山口付近に車1台駐車を横目に、約1.5km先の熊野沢林道口に到着した。前回訪問時の入口付近の崩落は修理されていたが、以前は奥にあったゲートが林道口に設置されていて駐車できず。仕方なしに少し山王峠方面に戻って路肩に駐車。車載温度計2度
3 熊野沢林道 − 北面お延 − 太郎山  ジャクナゲとコメツガ藪は密だが、藪漕ぎの合間にご褒美の好展望あり  
 林道のゲートをすり抜けて舗装道を進むと、以前のゲート付近からはダートとなる。少し進んだ地点で一ケ所崩落があるも、そこを過ぎると平坦なダート道が続く。崩落地があるから、車は入れないと思っていたら前を軽ワゴンがゆっくりと走っている。北西尾根末端付近で先行の車が停まり二名が車から降りてくるところだった。山歩きでもなく、釣り人でもなさそう。治山管理者なのかも。starionさんとH@上三川山が取付いた枝尾根末端を横目に先に進む。林道が北東から西向きに変わる地点で林道に別れ、標高点1696に続く尾根に取りつくか、その手前の沢筋を歩くか、ここで判断する。 

左: 熊野沢林道口 右: 崩落個所(この先に軽ワゴン1台通過していた)


左: 北西尾根(北北西尾根との合流付近) 右: 途中で林道(作業道)が分岐


左: 林道から分かれて右手の沢筋に突入 右: 細い水流、藪はないが枯れ枝多い
 沢筋には枯れ枝や小岩があるも藪はなさそうなので、沢筋をたどることにした。途中の二俣は主流の右俣へ進む。水流がなくなるとすぐに主稜線(標高1690)に登り詰める。@宇都宮さんのマップに記載通り藪はない。コメツガ林を緩やかに登ってゆくが、枯れ枝以外には障害物はない。標高1900付近からはコメツガの藪が現れると、すぐ上でシャクナゲが出現。この辺りは避けて通れるのでシャクナゲの花を見ながらのノンビリ歩き。登りにつれてシャクナゲが密になってきた。標高1930あたり(starionさんとH@上三川さんはこのあたりに枝尾根で登ってきた)で一息ついで振り返ると、樹木の隙間から川俣湖とその後方の山々(荒海山、明神ケ岳等)が展望できたのは儲けもの。

左: 主稜線出合(藪なし) 右: 標高1870でシャクナゲ出現


標高1900あたりからシャクナゲ密になる 木はシャクだが花は美しい


標高1930付近から 左: 前方に北西尾根 右: 後方に川俣湖 (荒海山、明神ケ岳等が見える)
 しばらくはシャクナゲとの格闘、おまけにコメツガの枝藪にも見舞われる。標高2030で唯一の大岩が現れる。starionさんは直登したようだが、足場があまりよくないので、無理して右下を基部を通過。藪の隙間から皇海山〜白根山〜根名草山あたりが展望できると、多少は息抜きになる。今までに二つほど小さな問題が生じてしまった。一つは藪を漕いでいるうちに脛に擦過傷ができてしまい、枝藪を脛で押しのけるのが苦痛となる。もう一つは、藪漕ぎには邪魔なのだが、下りの段差時のショックを和らげるためにシングルストックを持参している。藪を漕ぐのに邪魔になるのでバスケットを外し、石突にゴムキャップを接着剤どめしていたが、ゴムキャップが抜け落ちてしまい、ストックが深く刺さり抜けにくくなった。下りではストックが抜けず体だけが前のめりになって転倒しそうになる。
 標高2100あたりからは南南東から南向きに変わり尾根幅が広くなると藪は多少穏やかになる。やがて目の前が開けて北西尾根出合(標高2190)となる。

左: 標高2030に唯一の大岩(右下基部を通過) 右: 標高2100で皇海山〜白根山〜根名草山


北西尾根出合(標高2190)からの展望 県境尾根、後方に燧ケ岳と会津駒ヶ岳
 北西尾根出合で県境尾根とその後方に僅かに白さを残す燧ケ岳と会津駒ヶ岳を展望して、あと1時間強の我慢と勇気づける。いつもなら登り始めるとすぐにこのまま帰ってしまいたいと思うのだが、今日は不思議にも帰ろうなんて気が一度も生じなかった。北西尾根にはまだまだ藪漕ぎが続くが、北北西尾根に比べたらかなり楽になってきた。何よりもよいのは尾根の西側は切れ落ちているので、チラチラと県境尾根の展望が望めるのが力になる。
 北西尾根出合で小太郎と小田代ケ原が目に入ったが、太郎山は樹木が邪魔してまだ視界に捉えていなかった。標高2270あたりでやっと太郎山の山頂部が目に入る。この辺りになると藪なしの草付き部多くなり、シャクナゲは断続的に現れるも、すり抜ける程度。

北西尾根出合から 左: 小太郎 右: 小田代ケ原


左: 標高2270で太郎山をとらえる 右: シャクナゲが断続して現れる (標高2290付近)


標高2340からのパノラマ 手前は太郎山〜小太郎〜山王帽子山稜線 後方に白根山〜根名草山等
 通行止めのトラロープをまたぐと太郎山山頂に達した。山頂には4名いたが、本日は日曜日で入れ替わりが多い。今日のコースはもちろん多少の踏跡(獣みち)が拾えるが、寒沢薙左岸尾根歩きに比べてかなりハードで、一般登山者には向いていないが、藪好きには堪えられない。山頂からの展望はおなじみなので省略。

左: ロープを越して太郎山山頂到着 右: 山頂の祠


山頂からのパノラマ
4 太郎山 − 山王帽子山
 この記録を見るような人は、一度や二度は太郎山から山王帽子山ルートで歩いているので、興味はないであろうから省略。
 ハガタテの頭から熊野沢林道へと、@宇都宮さんが以前下っている。元気があれば真似てみようかと思ったが尾根幅が広く方法が取り辛そうで断念。ハガタテの頭で女性二人組が太郎山に向かう最終組。太郎山からここまでに4、5人の単独行者とすれ違った。さすがに日曜日ともなると登山者が多いナ!
 標高点1919の鞍部からの沢筋がいつも気になっていた。ほんの僅か道からそれると、すぐにガレ沢となる。この沢筋には砂防ダムが地形図に6基記載されている。かなり荒れているのだろう。このまま下れば標高1700あたりで作業道に出合いそう(@宇都宮さんのマップから推測)、暗部から200メートル下ればよいのだが、もしも沢筋が荒れていて引き返さねばならに時に、戻る余力がなさそうで断念。
 鞍部から山王帽子山への登りで一ケ所だけ笹が登山道にはみだしあり、そのほかは登山道は明瞭。山王帽子山からの下りで、二人組に追い付かれた。二人組の後を追って最近の自分の歩きとは異なりスピードアップ。山王林道の太郎山登山口で挨拶して左右に分かれる。ここから1、5km先の駐車地まで舗装道歩き。今日は密藪を漕いだが、トータル10時間の歩きなので舗装道歩きもさして苦痛ではなかった。

左: 小太郎 手前の岩が剣ヶ峰 右: 小太郎から太郎山


左: ハガタテの頭 右: 鞍部(19191)


左: 山王帽子山の山頂 右: 太郎山登山口
HOME
inserted by FC2 system