ひとり山歩き629 : 残雪タップリの燧ケ岳に行ってきました。好天で展望にめぐまれ、気温上昇による踏み抜きもなく快適な山行となりました。登山者よりもBCスキーヤーのほうが圧倒的でした。
残雪の燧ケ岳(俎ー、2346)
2016年4月26日(火) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:30) = 御池駐車場(4:05/4:45) − 広沢田代(6:05/6:10) − 熊沢田代(7:25/7:30) − 燧ケ岳(俎ー)(9:50/10:35) − 熊沢田代((11:40) − 標高点1773付近(12:45) − 御池駐車場 (13:50/14:05) = 自宅(17:35)
Aルートマップ
2 自宅 ‐ 御池
 6日前に前白根山付近から見た燧ケ岳は真っ白で残雪タップリの感じで、次は御池から燧ケ岳と決めていた。今年は寡雪で例年よりも早い4月14日に七入〜御池間の通行規制が解除となった。ノーマルタイヤでも問題はなかろうと好天の予想される本日決行することにした。自宅から御池まで約170km、5時にはスタートとなるよう見計らって家を出る。
 道の駅たじまの先で国道121号から分かれると国道352号を走る車は皆無。道路上には雪はなく予想よりも30分ほど早く御池駐車場に到着。先着車は3台 車載温度計2度
3 往路(俎ーまで)  残雪はまだタップリ 足跡とスキーのシュプールが入り乱れ 登山者よりもBCスキーヤーが圧倒的  
 駐車場西端の登山口を通ると、すぐに雪道となり尾瀬ヶ原(見晴)分岐の道標を見て登りとなる。木道の一部が露出してはいるが、まだ残雪は多くトレースを追う。標高1550あたりからは勾配が急になるので、歩き易いようにチェーンスパイクを装着し、合わせてゴアの上着を脱ぐ。今日は暑くなりそうな予感。
 標高1680あたりからは勾配が幾分緩み、針葉樹が密になる。足跡とシュプールは入り入り乱れて、足跡を追っていてもシュップールで消えてしまう。適当に登ってゆけばすぐに足跡は拾える。これをなんども繰り返しながら進むと広沢田代にたどり着く(半分程度(?)姿を見せている道標地点)。

左: 御池駐車場(奥に御池ロッジ) 右: 駐車場西側の登山口


左: 踏跡とスキーのシュプールが入り乱れる 右: 広沢田代 
 広沢田代は平坦で広々しているので、道標から先は幾筋にもトレースが増える。前方の高みを目指して適当に登ってゆくが、気温上昇で雪表面は緩み始めているが、踝まで沈むことがないから安心して歩ける。標高1900から1950は急傾斜で、少しばかりきついが、平坦になり一息ついて振り返ると会津駒ヶ岳と先刻通った広沢田代。さらには荒沢岳と守門岳(と思う)が展望できた。
 そこからわずかに進むと雪が融けて木道の現れた熊沢田代に到着。前方には俎ー、北西部には平ケ岳、中ノ岳、越後駒ヶ岳等が望める。

熊沢田代入口(標高1970)から 左: 会津駒ヶ岳、中央は広沢田代 右: 荒沢岳と守門岳(かな?)


熊沢田代(標柱)から 左: 前方に俎ー 右: 平ケ岳、中ノ岳、越後駒ヶ岳、荒沢岳
 標高2000あたりからはまたもや勾配がきつくなる。トレースが多くどれを追うかな、状態。これと決めて追っても、シュプールと入り乱れて途中でトレースの乗り換えとなる。標高2000を過ぎると樹木は少なくなり、森林限界となる。一直線に登ってゆく明瞭な踏跡を追うことにした。前方にはハイマツ帯が待ち受けているし、踏跡が一本しかないので、おかしいとは思いながら登ってゆく。ついに標高2210でハイマツに前方が閉ざされてしまった。

標高2120付近から 左: 森林限界から前方 右: 会津駒ヶ岳と熊沢田代

トレースを追って標高2200付近から 左: 帝釈山、台倉高山、孫兵衛山 右: 振り返ると会駒より高くなったが、ハイマツ帯に突入しそう・・・ルートは写真の右手(復路で判明)
 踏跡はハイマツ帯へと続く。この時点では夏道は積雪で消えているのだろうと思っていた。数分でハイマツ帯を突破すると、前方はザレ地帯で、柴安ーが間近で、急斜面を登っている人が目に入った。自分にはとてもじゃないが登れそうもないな! それよりもこのまま進むとハイマツの藪漕ぎを続けねばならない。ハイマツ地帯の左手(東)に方向転換し、直下に見える雪面に下りてハイマツ地帯に沿ってトラバースしていると、下方からスキーヤーが登ってくるのが見えた。すると踏跡も拾えて、すぐ先が俎ー直下でスキー板が4対デポしてあった。
 俎ー山頂はそこからわずか先でスキー靴の4人が先着していた柴安ーに取付いていた人はすでに山頂に達したようだ(多分三人)。ハイマツの藪漕ぎで疲れたのと、柴安ーの斜面はあまりにも急に見えるので、行く気は失せてしまった。

ハイマツ帯を突破すると 左: 中ノ岳、越後駒ヶ岳、荒沢岳 右: 柴安ー(左斜面の中央部に登る人)・・・戦意消失、高所恐怖症の自分には無理だ!


左: 山頂(俎ー)目指して暫しハイマツ帯歩き 右: やっとルートに復帰すると、スキーがデポしてあった


左: 柴安ー標識(もう用がないよ) 右: 山頂の石祠
山頂からの展望は素晴らしい!! 会津や越後の山々はまだかなり白いが、日光の山々は雪が少ない。
燧ケ岳(俎ー)からの展望



会津駒ヶ岳(左端) 帝釈山等栃・福県境尾根(中央) 日光の山々(女峰山、男体山、白根山)・・・通常見ているのとは並びが逆


柴安ー(左端) 越後の山々(平ケ岳、中ノ岳、越後駒ヶ岳、荒沢岳、守門岳) 会津駒ヶ岳


左: 日光の山々 中央に尾瀬沼 右: 武尊山 至仏山 尾瀬ヶ原には雪はなし


柴安ーの左手に至仏山 右手には越後の山々


左: ズームで日光の山々(男体山、温泉ケ岳 白根山〜錫ケ岳(手前は燕巣山〜四郎岳) 右: 会津駒ヶ岳(何度も御免)


日光の山々のパノラマ
4 下山  急斜面の下りは、スリップしやすい 踏跡が入り乱れているので、方向を間違えないこと
 先週損傷したアイゼンを自己流で修理した。その効果を確認するためにチェーンスパイクからアイゼンに履き替えて下山開始。往路の東側のトレースを慎重に追いかける。スキーヤーが下り始めたのを横目にこちらは亀足。標高2050あたりの森林限界で往路とほぼ同じルートに戻ったようだ。熊沢田代に戻り、この先は間違うことはあるまいと安心したのが悪かった。
 熊沢田代の北端の下りで、右手(東側)を単独行のスキーヤーが登ってくるを見て、幾分か西側に寄ってしまったようだ。急斜面を下り始める前に方向を修正すればよかったのだが、下り始めるとアイゼンに団子が付着し2メートル程度滑ってしまった。この斜面はストックではあぶなかっしいので、いつでも使えるようにサーベル状に腰にぶら下げていたピッケルを活用することにした。軌道修正するにはピッケルを右手に持つ必要があるが、ここは利き腕の左手にピッケルを持ち、幾分か左斜め前方に進むように下ってゆく。スキ−のシュプールが目に入るし、迷って変な場所に行ってしまう心配はない。勾配が緩んでから方向修正すれば、と思いながら下る。方向修正が終わらないうちにまたもや急斜面になってしまい、同じように左斜め前方に下ってゆく。標高点1773あたりから徐々に軌道修正始めるも、結果的には広沢田代を過ぎてルート合流となった。今まで下ってきたルートにもシュプールや古い踏跡を多数見かけた。
 往路のルートに戻ったと思ったが、足跡やシュプールが入り乱れてどこが正規のルートが判断がつかない。北に下っゆく足跡やシュプールを乗り継ぎながら下り、駐車場の西南端に無事到着。
 自己修理したアイゼンは問題なかったが、今日のように気温が上昇し雪面が緩んだ(踏み抜きはなかったが)状態では団子が成長し、スリップ因となるので使用しない方がよかっただろう。
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