ひとり山歩き628 : 湯元温泉から前白根山経由で白根山を目指しましたが、途中でアイゼンが損傷し途中退却となりました。残雪は例年にくらべて少ないが、凍結していて慎重な歩きが必要でした。
湯元温泉から奥白根山(アイゼン損傷で途中退却)
2016年4月20日(水) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:40) = 湯元温泉無料駐車場(2:45/3:00) − スキー場入口(3:05) − 登山口(3:55/4:00) − スキー場リフト最上部(4:15) − 外山鞍部(6:00/6:05) − 天狗平(6:50) −前白根山(7:30/7:50) − アイゼン損傷で退却(避難小屋へ下る途中)(8:35/8:45) − 前白根山(9:30/9:45) − 外山鞍部(10:55/11:00) − スキー場リフト最上部(12:40) − 登山口(12:10) ‐ スキー場入口(13:40) ‐ 駐車場(13:50/14:05) = 自宅(16:25)
Aルートマップ
2 自宅− 湯元温泉
 前回は湯元温泉まで行ったが、前日の降雪で奥白根山は中止として社山方面に展開した。本日は好天が予想されるので、リベンジとする。最近の降雨で残雪が融けてしまったのではと少しばかりに気になる。今回も雪の締まった早朝に高度を稼ぐことにする(歩みが遅いので長時間要する。もうひとつは勝手知った急斜面の登りは、周りの見えない暗いほうが精神的に楽)。
 八日前にはいろは坂の明智平を過ぎると道路際に残雪を多少は見たが、湯元温泉無料駐車場までに見かけることはなかった。車載温度計1度
3 往路  残雪は少ないが、凍結部が多く注意が必要  白根山の雪は例年に比べてかなり少ない アイゼンが破損して途中で退却
 湯元温泉に八日前に来たときはマイナス7度だったが、今日は1度、車外に出たら風が冷たいので、上着を着用して出発。前回は道路上には凍結残雪があり、注意しながら歩いたが、今日は残雪は皆無。スキー場入口で用意してきた登山者カードを投函し、スキー場の管理道路を歩く。先週は前夜の積雪でうっすらと白かったのに、道路際にわずかに残雪を見るだけ。管理道路を見失いリフトに沿って歩くと再び管理道路歩きとなる。管理道路終点からは方向を変えて沢沿いに笹薮で隠れ気味の登山道を進む。堰堤手前の道標が登山口で、ここからは山道となる。登山道に凍結残雪が見えるので、安全のためにチェーンスパイクを装着。
 残雪はとぎれとぎれとで、地肌が現れているところのほうが多いのはよい。しかし黒い凍結部は、地肌なのか岩の上なのか暗くて見極めが難しく、ストックが滑ってよろめくことがあり要注意。この尾根筋は記録に残らないものを含めて4月に5、6回は歩いているが、これほど残雪が少なく、凍結部が多いのは初めて。標高1800でリフト最上部を通過するあたりは残雪は殆どないが地肌は凍結しているので、チェーンスパイク(この尾根で使用は初めて)歩きは安心。標高1950あたりからは傾斜が増すとともに残雪部が増えてきた。標高2000付近でいつものように振り返って温泉ケ岳を眺め、アイゼンに履き替える。
 標高2100あたりからは南から南西に向きを変えてトラバース気味に登ってゆく。南西向きから南向きに変わると、さらに急登で、すぐ先で道標を見て外山鞍部に達した。道標部は残雪があったりなかったり、今日はない。道筋からそれて尾根上に出てみると、袈裟丸山の上方に富士山が見えた。残念ながら写真には全然映っていない。 

左: 登山口 右: 登山口からは凍結した残雪が断続(チェーンスパイク装着)


左: 振り返って太郎山の朝焼け(4時35分)、これを見ると気持ちが和らぐ 右: 残雪が増えだす(標高1950、傾斜が増したので2000でアイゼン装着)


左: 標高2000で振り返ると温泉ケ岳 右: 外山鞍部


外山鞍部から 左: 袈裟丸山(右奥)の上に富士山(肉眼でははっきり見えたのだが) 右: 尾根筋の残雪
 尾根上には残雪が連続し、トレースは何本かに分かれている。適当に登ってゆくが、まだ気温が低くクラストしているから足の沈みはない(時には復路でつけたと思われる深い踏み抜き跡を見る)。標高2250で天狗平方面を示す夏道の道標を見る。通常は尾根筋の冬道を登るのだが、夏道のほうにもトレースがついているので、これを追ってみることにした。連続していた残雪も天狗平付近は消えていた。 天狗平の先は夏道が出始めている。標高点2325ピークの西鞍部で冬道と合流する。


左: 例年なら今の時期は冬道(尾根上)を通るのだが、初めて夏道へ 右: 天狗平(この先は夏道が出始めている


左: 標高2300付近の夏道 右: 冬道(左後方から)と夏道(右後方から)合流
 鞍部から先は再び残雪の連続となる。2360級ピークからは日光連山や湯元温泉が展望できる。白根隠山稜線、さらには皇海山と左奥に富士山がくっきり。このピークから前白根山への下りは残雪がないことが多い。今日も御多分に漏れず。鞍部から残雪部を登り返すと、前白根山の南峰にたどり着く。途中で凍結部に悩まされたが、地肌露出部が多かったので、所要時間としては、自分の残雪期の歩きとしては平均的。待ち受けていた白根山は哀れ(?)にもビアンコでなくネロに近い。今の時期として例外的に雪が少ない。
 ある程度予測はしていたが、白根山はあまりにも雪が少ないので幻滅。写真を撮りながら行くか、ルートを変えようかと考える。先週不調だったレンズを中古品に変えたら、ズームも調子は良いようだ。写りが悪いのはカメラのせいでなく腕が悪いから。至仏山や会津駒ヶ岳はまだ真っ白やはり山は白いほうが雄大に見えて気分も安らぐ。 

2360級ピークから 左: 日光連山 右: 湯元温泉


2360級ピークから 左: 皇海山の左奥に富士山 右: 白根隠山稜線と白根山


前白根山(南峰) 左: 言わず知れた白根山 北峰方面 左手奥に至仏山 中央に五色山 右手奥に会津駒ヶ岳
 ここまで来たのだから白根山を忌避する手はないと、残雪皆無の西斜面を下り始める。五色沼の白さはあまり変わらないが、白根山は例年の写真と比べて、かなり黒くなっている。今シーズンの寡雪を如実にあらわしている。鞍部まで下ると再び残雪歩き。避難小屋手前への小ピークで左足のアイゼンが外れてしまった。履きなおして歩き出すとすぐに、外れてしまう。おかしいなと思いながら、アイゼンのテープバンドをきつくし締めあげる。

前白根山から 左: 中央奥に錫ケ岳 右: 根名草山〜温泉ケ岳〜高薙山


左: 前白根山の西斜面に残雪皆無 右: 白根山はビアンコというよりはネロ


例年に比べて残雪が少ない
 避難小屋分岐からの下りは夏道が出かけているが、よく締まった残雪歩き。またアイゼンが外れてしまった。バンドをほどいてみると、写真のように完全分解。長さ調節用のストッパーが摩耗して、緩々状態で固定できないことがわかった。購入してまだ3シーズンしか使用していない。応急処置では逃げられと分かり、残念ながら、退却することにした。

避難小屋分岐手前の小ピーク付近から 左: 振り返って前白根山 右: 男体山、中禅寺湖、南岸尾根


左: 避難小屋分岐 右: 避難小屋への下り(分岐直下)


何度も左足のアイゼンが外れる バンドを解くと、分解してしまった (長さ調節用のストッパーが摩耗して、固定できない)・・・まだ使用3年・・・同じものを使っている人は要注意
4 復路  片足にチェーンスパイク、片足にアイゼンの下り 通常以上に所要時間要した
 アイゼンの代わりにチェーンスパイクを装着し、片手にピッケル片手にストックで往路を戻り始める。先刻の小ピーク付近からは白根山の森林限界上のトレースを再確認し、来週に予定している燧ケ岳を眺めて後ろ髪惹かれる思いで帰路につく。 


左: 森林限界の上部にはトレースあり(おいぼれの肉眼の方がはるかに優秀) 右:次週は残雪歩き納めに燧ケ岳に行こうかナ


会津の山まだまだまだ白い 左: 至仏山 右: 会津駒ヶ岳
 前白根山の北峰で景色を楽しんで、南峰から2360級峰に戻ると単独行者とすれ違う。このピークからの下り斜面は気温上昇で雪が緩みだしている。時にはひざ下まで踏み抜く。2325峰手前の分岐で、復路は藪の出かけた冬道を通ることにした。2325峰で二人のパーティとすれ違い。2325峰の下りはズボズボに近かったが針葉樹林帯に入ると、まだ雪は締まっていた。
 外山鞍部から下は急斜面だが、針葉樹林帯で雪はしまっているから大丈夫とチェーンスパイクで下り始めたが、前爪がないので雪が締まっていても足元がおぼつかない。右足にアイゼンを装着し、左足はチェーンスパイクの変則装備歩き。チェーンスパイクは勾配の緩やかな場所ではアイゼン並みの効果があるも、このような急斜面の下りで噛み込みがなく、まっすぐに足を出したり、横向きに足を置くと心もとない。通常アイゼン歩きでもこの急斜面はフットワークのよくない自分には苦手だが、今回は通常以上に注意を払いながら下る。救いは下るにつれて残雪が少なったことであるが、逆にガレ道でアイゼンを岩や根っこに引っ掛けないように注意が必要。アイゼンを外せばよいのだが、部分的に凍結箇所が残っているので外せない。チェーンスパイクでは滑ってしまいそう。ストックを凍結部に突くとスリップしてバランスを崩す。散々苦労した復路も登山口でアイゼン、チェーンスパイクとピッケルを加格納してヤレヤレ。いつもなら標高1800のリフト最上部からはシリセードでくだるのだが、今日はゲレンデに雪が少なく、シリセードを楽しめなかったのが残念。
 スキー場管理道路を下る途中で日光連山を眺めると会津の山々に比べたら真っ黒。スキー場には残雪は皆無。駐車場に戻ると車が数台、観光客がチラホラ。

左: 2360級ピークから日光連山 右: 夏道分岐から冬道の標高点2325ピークへ


左: 標高2000付近の残雪 右: 凍結残雪がちょくちょく現れる(油断大敵)


スキー場管理道路から 左: 終点付近から日光連山 右: かなり下って振り返ると五色山  (スキー場には雪は皆無)

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