ひとり山歩き627 : 歌ケ浜から狸山〜半月山〜社山〜大日尾根を歩いてきました。浅い残雪がごく一部にあるだけで、今シーズンはやはり寡雪だったということを再認識しました。
歌ケ浜から狸山(1622)〜半月山(1753.2)〜社山(1826.7)〜大日尾根
2016年4月12日(火) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:35) = 湯元温泉(2:50/3:25) = 歌ケ浜駐車場(4:05/4:20) − 狸山北尾根取付き(4:50) − 狸山(5:40/5:45) − 中禅寺湖展望台(半月山第一駐車場)(6:00/6:05) − 半月山(7:00/7:05) − 半月山展望台(7:10/7:30) − 半月峠(7:50) − 中禅寺山(8:05/8:15) − 阿世潟峠(8:45/8:50) − 雨量観測所(9:15/9:20) − 社山(西側展望所含む)(10:25/10:55) − 黒檜岳分岐(11:35) − 大日尾根別れ(大日崎分岐)(12:45)− 下山(13:30) − 阿世潟(13:40) − 歌ケ浜駐車場(14:50/15:05) = 自宅(17:00)
Aルートマップ
2 自宅 − 歌ケ浜
 今シーズンはどこもかしこも寡雪状態。今の時期なら湯元温泉から奥白根山を往復できるかもしれない。時期を見計らっていたが、本日は自宅で補修工事があり、家にいると邪魔だから山に行ったらと有り難いご宣託。前日に天気予報を詳細に調べると山沿いでは降雪の可能性がある。11日の夕刻に丸沼高原スキー場のライブカメラを見ると白根山付近は雪が降っているようだった。
 家を出る前にネットで調べると奥白根山あたりは少し降雪があったようだが、どの程度かはわからないので、湯元温泉スキー場の状況を見て判断することにする。もしも、奥白根山中止の場合には歌ケ浜から狸山〜半月山〜中禅寺山〜社山〜大日尾根を歩いてくることにする。このルートは一気通貫で歩いたことはないが、何度も歩いているので、地形図も必要ないくらいだが、万一を考えて前日にA4一枚に全範囲が収まるようなコピーを作成しておいた。
 湯元温泉までに道路上には残雪は皆無で、二日前に交換したノーマルタイヤで何ら問題はなかった湯元温泉が近づくと、道路脇は白くなり、降雪があった模様。湯元温泉無料駐車場に車を駐めてすぐに出発(車載温度計マイナス7度)。駐車場からスキー場までの道路上には凍結した残雪があり、注意しながら歩く。スキー場に入ると、降雪があったとすぐに判明。スキー場にはトレースは全くない。登山口でこんな状態では、自分の能力からしてとてもじゃないが、奥白根山は無理。途中まで行って引き返すとショックが大きくなるので、スキー場であっさりと断念。
 車に戻って歌ケ浜に向かう。いつものようにスカイラインゲート前駐車場に行ってみたら、満車状態。中禅寺湖の岸吊り解禁が4月1日(船吊りは20日解禁)ですべて釣り人の車なのだろう。仕方なしに歌ケ浜駐車場に戻ると、他に車が二三台。車載温度計マイナス5度 
3 歌ケ浜 − 狸山 − 半月山   狸山から半月山までは地肌露出と薄化粧半々
 ピッケルもアイゼンも活用するほど残雪はないとは思うが、暗い中で荷物を整理するのが面倒なのと少しでも荷を重くして脚力鍛錬を兼ねて、白根山登山の装備で出発。他の登山者が見たらど阿呆春団治に見えるだろう。でも、平日の早朝に出逢う人はいないだろう。砥沢を過ぎたあたりから尾根に取付こうと歩き出したが、暗くて間違ってはいけないと、途中で方針転換してスカイラインを歩き狸山の北尾根に取付くことにした。20分ほどスカイラインを歩くと明るくなり、道路の擁壁が切れた地点で北尾根に取付く
 北尾根は落葉樹林で始まり、標高1500あたりでコメツガ林となる。尾根上に残雪も藪もなく歩きやすい。コメツガ林に入ると林床は低い笹となるが歩きに支障をきたすこともなく狸山(1622)の山頂に達した。山頂には山名標柱が立ち、無線中継の施設(と思う)がありアンテンが二本立っている。明瞭な踏跡が茶ノ木平側から登ってきている。 

左: スカイラインから狸山北尾根取付き 右: 北尾根の標高1450でわずかな残雪を見る・・・ここだけ


左: 標高1500で広葉樹林から針葉樹林に変わる 右: 針葉樹林の林床は低い笹


狸山山頂 左: 山名標柱 右: 無線中継施設(?) アンテナ塔2本
 狸山から中禅寺湖展望台方面にも明瞭な踏跡は続き、薄く雪化粧している。歩くには全く影響なしで、15分ほどで半月山第一駐車場にいったん下りる。ここを中禅寺湖展望台というらしく、錫ケ岳〜白根山、男体山と中禅寺湖の展望が楽しめる。

左: 狸山からの下りは薄化粧の笹道 右: 半月山第一駐車場(中禅寺湖展望台)


展望台から 左: 錫ケ岳〜白根山〜温泉ケ岳 手前は下山尾根 右: 男体山(左手は温泉ケ岳〜於呂羅山 右は女峰山〜赤薙山)
中禅寺湖展望台(駐車場)から尾根に再び取付くと携帯電話アンテナの三役土俵入り。登山道は薄化粧部と地肌部分半々という感じ、明らかな残雪地帯は二ヶ所あるも、よく締まって歩くには何の支障もない。夕日岳〜地蔵岳や横根山を左手に見ながら登ってゆく。樹林帯に突入してすぐに半月山山頂に到着。山頂部からは展望がないので、すぐに先に進む。山頂のすぐ西側で枝越しに白根山や男体山を見る(登山道を歩くと見えないだろう)と半月山展望台に達する。

半月山への途中の残雪(ごく一部 ほとんどは薄化粧か地肌露出) 左: 標高1510付近 意義: 標高1650付近


標高1700付近から 左: 夕日岳・地蔵岳〜横根山 右: 登山道の薄化粧


左: 半月山山頂 右: 山頂の少し西で白根山〜温泉ケ岳が枝越しにチラリと
 展望台からお決まりの写真を撮ったり、自撮り棒を三脚代わりにセルフ撮影。すると大きな三脚を担いだカメラマンが到着した。登山靴を履いてはいるが、ジーパンにザックもなしで下の半月山駐車場まで車で来たのであろう(半月峠に向かう途中で駐車場に車があるのが見えた・・・どんな特権を持つと閉鎖中のスカイラインを走れるのかな?まさか袖の下なんていうことは日本じゃないよネ)。軽くエネルギーを補給して先に進む。

半月山展望台にて 左: 相変わらずのど阿呆春団治(白根山登山装備のまま) 右: お決まりの写真


展望台からのパノラマ(中央にこれから進む中禅寺山〜社山〜大日尾根)

4 半月山 − 中禅寺山 − 社山  阿世潟峠までは薄化粧と地肌半々 阿世潟峠からはざんせつは皆無
 半月山展望台から半月峠間のの登山道は薄く雪がついているが、全然問題なし。最近はご無沙汰の足尾の山々を楽しみながら半月峠に下って写真を撮っていると、中禅寺湖側から単独行者が登ってきた。これから社山に登り、復路で半月山に行くとのこと。途中で追い越されるのを見越して「とりあえずお先に」と歩を進める。
 半月峠からひと登りで展望のない中禅寺山(1655)に達した。ここで上着を脱いでいる間に先刻の単独行者が先行した。以前にこのピークから足尾側に下り、中禅寺湖側に下ったこともある。

左: 半月峠への下りは薄化粧(カメラがドンドン持ち主に似てきた・・・一旦ズームにすると不調になる) 右:足尾の山々


左: 半月峠(ここで単独行者に出逢う) 右: 中禅寺山山頂(ここで上着を脱いでいる間に単独行者は先行)
 中禅寺山からの下りは西斜面で相変わらずの薄化粧。先行の単独行者の足跡がくっきり。標高1510級ピーク付近は足尾の山々が楽しめる。このピークからさらに100メートルほど下ると阿世潟峠だ。ここでいつも不思議に思うのだが、標高1417と表記してある。国土地理は標高点以外の地点も下一桁まで発表しているのかな?それとも誰かが勝手に表記して継続されているのか? 地形図で見ると1400から1410の間のようだが。

阿世潟峠への下りで 左: 足尾の山々(備前立山〜中倉山 後方に袈裟丸山〜皇海山) 右: 社山と白根山〜於呂羅山 


阿世潟峠 この先社山まで登山道に残雪皆無(北と西斜面は薄化粧だが、南と東斜面は化粧落とし) 以前から気になっているのだが、標高1417はどこから来たのかしら? 地形図からは1410未満のように思えるのだが。
 阿世潟峠からの登りは概ね東斜面で登山道に雪はなく、地肌が露出している(社山までずっと)。カラマツ林の笹尾根を急登することで30分たらずで展望のよい雨量観測所ピークに達する。目前に社山、その右手に白根山〜男体山あたりが展望、下山で歩く大日尾根の様子もわかる。
 雨量三則所ピークの先は痩せ尾根で少しばかり注意して進む。標高点1567からの眺めもよい。この尾根筋はどこも中禅寺湖側の展望が楽しめる。標高1670で左手のカラマツ林上端となり、さらにひと登りすると標高1720あたりで南側が開けて足尾の山々が展望できるようになる。気温上昇に伴い地肌が泥濘始めて歩き辛くなるが我慢の範囲。標高1760位になると今度は北側が針葉樹林でブラインドにある。このあたりで先刻の単独行者が下山してきた。挨拶をして左右に分かれる。すぐ先で露岩を越すとほどなく社山山頂に達した。男体山の写真を撮って西側展望所に行って荷を下ろす。

雨量観測所ピークから 左: 社山 右: 於呂羅山・山王帽子山・太郎山・男体山 手前の枝尾根を最後に下る


標高1650付近から 左:登山道はそろそろ泥濘始める 右: もう見飽きたの景色

標高1720あたりで南側が開けて足尾の山々(中央に備前楯山) 右: 歩いてきたルートを振り返って、半月山が中央に


左: 社山山頂 右: 山頂西の展望所(正面に足尾の山々)

6 社山 − 大日尾根  残雪も藪もなく歩きやすい
 社山の西展望所でこれから進む黒檜岳分岐付近を観察する。大日尾根は日当たりがよいので残雪はなさそう。問題は、社山北西直下の針葉樹林内の残雪だけだ。アイゼンはいうに及ばず、いつでも使えるようにザックのバンドに挟んでおいたチェーンスパイクも必要ないと判断して、赤テープの箇所から下り始める。
 最初は露岩が多く残雪は薄く、道筋もなんとなくわかる。チェーンスパイクを装着しなかったのは正解と思い出したら、針葉樹林帯に突入し残雪の連続で表面はツルツルで滑りやすい。今さらチェーンスパイクを着けるのも癪とばかりに密な樹木にすがりながら針葉樹林を突破てひと安心(痩せ我慢せずにスパイクを装着すべきだった・・・人間横着行動が災害の元)。この先は日当たりがよく残雪はない。
 大日尾根は二度ほど歩いたことがあり様子は知っているし、大勢の人が歩いているので、鞍部からは二度ばかり登りに使った丸杉の沢(ゼンリン社2001.4.3発行の「日光奥鬼怒」による)を下ってみようかと思っていた。沢筋を覗き込むと急傾斜で登るのはできても下るのは滑って危険と判断しこれは中止とする。鞍部から笹尾根を急登すると黒檜岳分岐(大日尾根起点)に達した。振り返って社山の山頂直下の針葉樹林帯の様子を観察して、大日尾根を歩き出す。
 大日尾根は低い笹尾根で薄い踏跡(獣みち)を追うことができる。標高点1633から急下降して鞍部に達すると笹は消えて、短い草付き(今の時期はまだ寝ている)で歩きやすい。鞍部から一つ低いピーク越して次の標高点1557ピークで向きを変えて南南東に進むと大日尾根分岐の標高1540級ピークでの少し手前にシャクナゲ軍団が目印となる。このピークから南東に少し下るとシャクナゲが一株目に付く。この地点から上野島方面に枝尾根が派生しているが、そのまま南東に下る。すると標高1400付近になると落ち葉が堆積していて滑りやすくなる。尾根末端が近づくと勾配が緩み中禅寺湖遊歩道の木橋(阿世潟から二番目の木橋)を下山地点とした。
 この先は遊歩道を阿世潟、狸窪と戻ってゆく。湖畔には釣り人がチラホラ。1時間20分ほどで歌ケ浜駐車場に戻る。

左: 黒檜岳分岐、大日尾根起点 右: 振り返ると社山(針葉樹林の北西斜面は凍結残雪で苦労・・・チェーンスパイクを着ければ楽だったのに)


左: 大日尾根は膝下の笹の中に薄い踏跡(獣みち)あり 右: 大日崎分岐の小ピーク シャクナゲ軍団が目印(この写真は振り返って)


左: 下山枝尾根の標高1400以下は落ち葉で滑る滑る 右: 下山地点の木橋(阿世潟から二番目の木橋) 下山の枝尾根は写真の左手に続く

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