ひとり山歩き626 : 瑞牆山荘から残雪の金峰山を往復しました。標高2000くらいから残雪が連続しましたが、トレースは明瞭でよく締まって歩き易かったです。森林限界からの展望には大満足でした。
残雪の金峰山(2599)
2016年3月31日(木) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(1:00) = 瑞牆山荘無料駐車場(5:00/5:20) − 富士見平小屋(6:10) − 大日小屋(7:15) − 大日岩(八丁平分岐)(8:00/8:05) − 砂払いの頭(9:15/9:25) − 五丈岩(10:40) − 金峰山山頂(10:45/11:05) − 五丈岩(11:10/11:35) − 砂払いの頭(12:25) − 大日岩(13:20) − 大日小屋(13:50) − 富士見平小屋(14:50) − 駐車場(15:35/15:50) = 自宅(19:45)
Aルートマップ 
2 自宅 − 瑞牆山荘
 昨年の3月25日(ひとり山歩き588)に瑞牆山荘から金峰山に登るべく出かけたが、風が強いので急きょ瑞牆山に変更した。そのリベンジとして3月17日に行くべく準備をしたが、降雪で道路事情が好ましくなさそうで、一旦は断念した。一昨日、栃・福県境歩きに出かけたが、アクセス林道が昨年9月の豪雨で寸断され、途中で断念した。帰宅の途中で立ち寄った道の駅湯西川から葛老山に登ろうとしたが、これまた昨年の豪雨のせいで入山禁止となっていた。その鬱憤を晴らすために、残雪の金峰山登山を復活することにした。
 5月上旬までは残雪歩きをするつもりで、タイヤはまだスタッドレスのまま。佐久南ICまでは高速道を利用し、以降は一般道を走行。瑞牆山荘無料駐車場までは、雪を見ることはなかった。今日のコンディションならノーマルタイヤのほうが好ましいのだが、前述の事情があるので仕方ない。昨年の3月25日には、瑞牆山荘無料駐車場への入口付近には残雪があったが、今回は皆無。駐車場には先行車二台、一台は車外で準備中、もう一台はすでに出発済み(瑞牆山に行かれたようで、途中で出逢うことはなかった) 車載温度計マイナス2度
3 往路  富士見平小屋を過ぎた標高2000からは残雪連続 トレース明瞭でよく締まり歩き易かった 山頂からの展望に満足
 積雪は少ないと予想してきたが、富士見平小屋まで皆無昨年の3月25日の瑞牆山(ひとり山歩き588)を参照願う。 駐車場到着時に出発準備していた方が富士見平小屋で朝食中、挨拶をして先行する。名古屋からの方で、本日の金峰山登山者は自分と二人だけ。

林道横断 左: 今回 ここまで残雪は皆無 右: 昨年の3月25日(駐車場からここまでにうっすらと雪があった


富士見平小屋 右: 今回 左: 昨年3月25日
 富士見平小屋をを過ぎても残雪はない(昨年の瑞牆山は富士見平小屋から連続していた)。標高2000くらいになると残雪は連続となり、トレースはアイスバーン化している。スリップ対策としてチェーンスパイクを装着。今日はアイゼンとピッケルは背負っているが、ワカンはなしで、ど阿呆春団治からは解放される。針葉樹林(最初はカラマツ途中からシラビソ主体)内の歩きだから展望は期待していないが、枝越しに北岳(と思う)がチラッと見えた。たまにこういうのがあると気分転換になっていいね。大日小屋付近は日当たりがよくて残雪はなし。大日小屋(地形図では飯森山の東側に記載、いつの時代か知らないが引っ越ししたのかな?)
 大日小屋を過ぎるとアイスバーンは消えてアイゼン跡の残る明瞭なトレース歩きとなる。浅い鞍部の鷹見岩分岐から登り返すと大日岩の南西岩場に到達。ここからは南アルプスや八ケ岳が展望できる。短い鎖場を過ぎるとまたもや針葉樹林内の歩き。道標が現れ、ここが大日岩で八丁平分岐となっている。20メートルほど八丁平側(北)に行くと大日岩が目の前に現れる、先刻の南西岩から見るよりもかなり低い。

左: 標高2000付近からはアイスバーン状態(チェーンスパイク装着) 右: 枝越しに北岳(?)


左: 大日小屋 後方のピークは鷹見岩 右: トレースは続く(アイスバーンではない)


大日岩南面の好展望地(鎖場)から 左: 南アルプス、手前は鷹見岩 右: 八ケ岳、手前は飯森山


大日岩 左: 南面の鎖場から見上げる 右: 八丁平分岐から約20メートル北側
 大日岩(八丁平分岐)からは積雪は幾分深くなっているようだが、トレースのおかげで快適な歩きができる。標高点2317を越した鞍部からは急登が続くが、暑くも寒くもなく快調(気分だけは、足取りは果たしてどうかな)。砂払いの頭の道標が現れると、大岩があり、その上からの展望に暫し見とれる。富士見平小屋で朝食を摂っていたが方が追い付いてきた。名古屋からの方で、駐車場まで4時間要したとのこと。偶然自分も同じく4時間。
 南アルプスや富士山が楽しめる。残念ながらカメラのズームが故障のようで、自宅に帰ってからPCに移してガックリ。このミラーレス一眼レフは落としてレンズの修理代に1万数千円(部品代はわずかで、ほとんどが技術料)。修理したいが、また1万数千円取られるのも癪。中古品か訳アリ品それとも並行輸入品(修理代よりも廉そう)。

積雪は多くなっても、明瞭なトレースは残る 左: 標高2200付近 右: 標高2330付近


砂払いの頭から 左: 南アルプス 右: 富士山(カメラ調子悪くズームにすると自分の数年先・・・頭それとも眼)
 再び先行して歩き始める。この先は森林限界で目の保養になる。チェーンスパイクとストック歩きで特に危険を感じるような場所はない。千代の吹上付近は右手が切れ落ちているが、谷底の写真を撮りたいが、クレオンしんちゃん先生になるのは御免。途中でトレースに雪が吹き溜まって足跡が見えなくなる。吹き溜まりでも踝程度の沈みだが、気温上昇によりチェーンスパイクの最大弱点である雪団子の成長でぽっくり下駄状態となり、しょっちゅうストックで叩き落とし(ピッケルほどは効果なし)ながらの歩き。吹き溜まりが消えると快調な歩きに戻る。五丈岩が徐々に近づいているので焦りはない。今日は脚の引き攣りもなく五丈岩に到達。ここへ戻ってから昼食と考えて、ザックをデポして約5分で金峰山山頂に到達(岩の隙間を雪が埋めているので、夏場よりも歩きやすい)。

砂払いの頭を過ぎると森林限界で、展望よくなる 左: 八ケ岳と瑞牆山 右: 五丈岩も視界に入る


左: 千代の吹上から南アルプス 右: 怖そうに見えるだけ


標高2450あたりから 左: 富士山 右: 五丈岩がぐっと近くなる


吹き溜まりで踏跡が消える 気温上昇でチェーンスパイクはぽっくり下駄状態 左: 金峰山小屋分岐付近 右: 標高2550付近


左: 五丈岩 右: 山頂はすぐ先
金峰山山頂昨年7月22日(ひとり山歩き番外編602)に夫婦で大弛峠から登ったばかり。モノトーンで単調ではあるが、雪景色は雄壮でより好きだ。北アルプスは八ケ岳にブロックされて見えないのが残念。名古屋の方が追い付いてきて、お互いにシャッターを押しあう。

山頂から 左:  奥に八ケ岳(2月11日に登った編笠山も見える、来年は権現岳だぞ、でも赤岳は自分には無理だな 右: 五丈岩と右側に南アルプス


山頂から 左: 瑞牆山と八ケ岳  右: 国師ケ岳〜億千丈ケ岳 中央やや右に大菩薩嶺 左手前は鉄山  本日は金峰山に登ったのは名古屋からの方と二人だけ
4 復路  気温上昇による雪団子防止のためにチェーンスパイクからアイゼンに切り替え アイゼンのほうが安心感はある
 五丈岩に戻って昼食を摂る。気温がますます上昇しているのでチェーンスパイクでの下山は、危険と判断しアイゼンに履き替える。合わせて雪団子落としにも効果のあるピッケルに持ち変える。雪の表面が緩んでいてもチェーンスパイクに比べたら安心して下れる。時々ピッケルで雪落としをしながら往路とは反対側の景色を楽しむ。千代の吹上を通過し、少し下ると砂払いの頭で、景色を見納めにして樹林帯に突入する。樹林内は多少は雪の表面が緩んではいるが、スリップするようなことはない。往路でアイスバーン化していた個所は、表面が熔けて水が浮き出している。トレースには人間の体重で圧力がかかっているので、より安定な水に戻りやすい(トレース外は通常の残雪の形で残る)。往路でチェーンスパイクを装着した標高2000付近(残雪連続地点)でアイゼンとピッケルを格納する。
 富士見平小屋前のベンチに一人とすぐ後から10人くらい(男女)が、登ってきた。今日はここでテントを張るのだろう。登山道から30メートルほど離れた水場に寄ってみる。水はチョロチョロと流れていた。里宮入口の標識を見て踏跡を辿ると通常の登山道からわずか離れた大岩の陰に里宮が祀ってある(大和吉野大峯金峰山から奉迎、昭和45年10月に再建との説明版あり)。
 駐車場に戻ると、早朝に空だった車は消えていた。瑞牆山に行ったのであろう。その代わりに山梨県の高等学校の大型バーンが駐まっていた。

左: 千代の吹上(クレヨンしんちゃん先生になりたくないので、ごく一部の撮影) 右: 砂払いの頭(ここからは樹林帯に突入)


気温上昇でアイズバーンが溶け出した 左: 大日岩(八丁平分岐)の手前(金峰山側) 右: 大日小屋の手前


富士見平の水場(登山道から約30メートル) 右: 里岩(大和吉野大峯金峰山から奉迎・・・昭和45年に再建)・・・登山道から5分かからないで寄れる
HOME
inserted by FC2 system