ひとり山歩き618 : 志津乗越から黒髪山(男体山)を往復してきました。今シーズンは積雪が少なく、踝まで足が沈むことはありませんでした。
初登り 志津乗越から黒髪山(2486)
2016年1月4日(月) 快晴
1 行程
@コースタイム : 自宅(2:55) = 志津乗越手前に駐車(5:15/5:30) − 志津乗越(5:35)− 志津小屋(5:40) − 五合目(チェーンスパイク装着)(7:10/7:20) − 八合目(8:25) − 山頂・奥宮(9:25/10:15) − 八合目(10:50) − 五合目(11:30) − 登山道離れ(12:25) − 大多和宿(12:55/13:00) − 駐車地(13:20/13:30) = 自宅(16:00)
Aルートマップ
B写真集
2 自宅 − 志津乗
 今年の登り始めは奥日光の雪山と決めていた。最近は温かい日が続き、山にも雪が少ないようだ。積雪期にまだ成功していない湯元温泉から白根山へ挑戦して見ることにした。天気予報によると晴天ではあるが風が強そう。県境の白根山付近は特に風が強いようである。今までも何回か挑戦しているが、強風のために前白根山付近から追い返されたことが苦い思いでとして蘇る。白根山は又の機会に譲ることにして。男体山に登ることにした。今の時期は男体山は登山禁止となっているので、禁を犯すことになる。恐れ多いので黒髪山に登ると偽り、しかも表の二荒山神社から堂々(?)と登るのは、気がひける。裏口の志津乗越からこっそり(?)と登れば罪の意識も少しは和らぐ(勝手な屁理屈)。
 裏男体林道の梵字飯場跡の駐車場から志津乗越まで雪が少ないとしても、1時間半を見ておく必要がある。6時半頃に志津乗越をスタートするべく見計らって家をでた。12月7日に太郎山に挑戦(ひとり山歩き615)した際は、明智平あたりからは道路脇に除雪塊が見られ、菖蒲が浜を越すと道路脇に残雪が目立った。ところが今回はいろは坂は言うに及ばず、裏男体林道に入るまで道路脇に雪は見られなかった。梵字飯場跡駐車場から歩くつもりであったが、通行止めの柵はなく自動車の轍が明瞭で、禁を破るついでに(?)行けるところまで車を走らせることにした。御沢沿いに北側に半弧に張り出す部分を始めとして、全体の1/3程度(それ以下かも)が薄い圧雪状態で、他所は路面が露出していた(12月7日では太郎山分岐まではほとんど圧雪状態)。難なく志津乗越に到着したが、適当な駐車場所がなく転回して少し下った地点に車を駐めた。車載温度計マイナス8度 
3 往路   積雪は少ないようだ トレースは連続し足の沈みは皆無 展望は!!! 山頂でドイツ人に出逢う
 当初計画よりも約1時間早い出発。当然ながらヘッデン歩きだが、トレースはあるだろうし、なくても積雪が薄いので道筋はわかる筈。登山口からは雪が断続するも、志津小屋からは積雪は連続となり、明瞭なトレースが道案内をしてくれる。 積雪は浅く靴底が沈むだけで歩行には全然支障がない。一合目、二合目、三合目の標柱は見えたが、四合目は気づかずに通りすぎてしまった。登山道の左手の樹木の隙間から日の出が確認できた。もう1時間早くスタートすれば最初の薙あたりで日の出を迎えられたのに(無茶苦茶いってはいけないよ。もう1時間遅くスタートする計画だったのに)。足元が滑って歩きづらいといったこともないが、アイゼン跡が認められるようになったので、五合目でチェーンスパイクを装着。

左: 志津乗越 積雪なし 右: 志津小屋の神社


標高2070(4、5合目の中間地点で) 左: 樹林の中で日の出を迎える(6:53) 右: 樹木の赤焼け
 勾配がきつくなり、六合目から2225ピークを西から巻いて通過すると、東側が切れ落ちた最初の薙の頭(名称不詳)に達した。ここからは、間近に大真名子山、帝釈山・女峰山・赤薙山そしてその後方には高原山が展望できた。樹林から出ると風が強いが寒いという感じはない。次いで七合目を過ぎると西側が切れ落ちた二番目の薙の頭(名称不詳)に達した。ここは登山道が斜面についているので滑落に注意(ロープあり)。太郎山とその後方に県境尾根と会駒が確認できた。
 薙の頭を過ぎると勾配は増すが足元がよく締まっているのでチェーンスパイクで全然問題ない。フットワークの良い人ならアイゼン等は必要ないだろう。南進から東向きになると程なく八合目で、付近からは錫ヶ岳〜白根山〜燧ケ岳〜会駒の展望が素晴らしい。積雪期には表から登るとほとんどが樹林帯の歩きであまり展望は楽しめないが、裏から登るとこの先は山頂まで展望が楽しめる。

左: 最初の薙の頭(名称不詳) 左: 同所から大真名子山、帝釈山、女峰山 右後方は高原山


左: 二番目の薙の頭(名称不詳)振り返って・・・注意箇所 右: 同所から太郎山 
                                                                                   
左: 八合目(足元はサクサク) 右: 同所から 錫ヶ岳〜白根山〜燧ケ岳〜会駒
 八合目からは勾配が緩み、標高にして150メートの登りだが、その反面歩く距離は長い。場所によっては写真を撮っていると吹き飛ばされそうに風が強かったが、陽射しがあり気温はさして低くなさそうで寒さは感じない。写真撮影で手袋を外しても指先が痛むようなこともなかった。トレースは深くなっているが、今回は足が踝まで沈むことはなく歩けた。測候所跡から約10分で山頂に達した。360度の展望だが、北アが確認できるほど透明度はなかった。

九合目手前から 左: 太郎山と大真名子山 左後方の白は燧ケ岳〜会駒 右: 表日光連山


左: 測候所跡から山頂を望む 右: 山頂
 奥社に進んで今日も借切り状態(人に出逢わない山歩きは最高)を喜びながらエネルギーを補給していると、突然「コンニチハ」と声を掛けられた。振り向くと外国人が山頂へと進んでいった。二荒山大神像付近から展望を楽しむ。浅間山も富士山も視認できたが、期待していた北アは残念賞。下山すべく山頂に向かうと、件の外国人と話す事ができた。ドイツ人で日本(東京)滞在は3ヶ月で、休暇を利用してやてきたとのこと、来月は北海道へスキーに行くらしい。3年前に白根山山頂で出逢ったイスラエル人とはなんとか英語で話せたが、今回も英語ではあったが、英単語(例えば登山口)が思い付かないとそれ以降の言葉が出てこない。足の衰えよりも言語の衰えのほうが進行は速いのに「びっくりポンや!」。これじゃボケるのはもっと速い?
 この方は、アイゼンもピッケルも持っていない・・・これは以前イスラエル人も同じだったのでさして驚きではない(国にいる時はかなり山歩きをしているのだろう)が、手袋(持参はしているとのことが)はせず、しかもスリーシーズン程度の上着には驚き。十数分はなしをして左右に別れる。

左: 山頂の剣 右: 二荒山大神 正面は白根山


二荒山大神付近から 左: 中禅寺湖 南岸尾根 袈裟丸山〜皇海山 右: 燧ケ岳〜会駒


左: 正面に半月山 右: 皇海山の右奥に浅間山がかすかに写っている


左: 表から登ってきたドイツ人 右: 山頂から奥宮を見おさめて下山
5 復路  少しの藪漕ぎで大多和宿訪問
 往路よりも足元は多少緩んでいるようだが、チェーンスパイクで何の不安もない。気温が上昇するとチェーンスパイク最大の欠点である団子成長(まるで木履を履いて歩くような感じ)があるのだが、今日に関しては全然団子成長はなかった。往路とは別角度で展望を楽しみながら下って行く。
 時間的に早いので、一合目付近で登山道を離れて、大多和宿に向かうことにした。コンパスを合せて針葉樹林に飛び込むと、積雪は浅く踝まで沈む程度だが、間伐廃材と針葉樹の枝藪に悩まされる。雪の付いた砂防ダムの上を二箇所越して、気づくと帽子の鍔の上に乗せていたサングラスがなくなっていた(昨年の8月に購入したばかりで、とても気にいっていたのに)。藪漕ぎをすることがわかっていればメガネのつるにひもをつけて外すときは首からぶら下げるのだが、今日は藪漕ぎはないと油断していた。戻って探すもわからず・・・無断侵入で二荒山の罰が下ったようだ(黒髪山に登ったつもりだったが、ごまかしは効かず)。
 以降は藪の少ない浅い沢すじを緩やかに下ってゆく。最後の詰めはGPSの助けを借りて、なんとか大多和宿の到着(三度目の訪問、前二回は裏男体林道から)。10分ほどで林道に戻り、更に10分で駐車地に無事到着。                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

左: 六合目 (各合目に標柱あり) 右: 二合目から太郎山


大多和宿
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