ひとり山歩き596 : 塩原自然研究路で須巻富士(富士山園地)から新湯富士(富士山)を歩いてきました。道筋はよく整備され、危険箇所もなく気持ちよく栃木百名山の最後を飾ることができました。
須巻富士から新湯富士(1184)
2015年5月21日(木) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(4:45) = 県道56号小太郎ケ淵口(7:05/7:15) − 小太郎ケ淵(7:20/7:25) − 須巻富士(7:45/7:50) − 大沼東端(標高点962)(9:00/9:10) − 車道横断(標高点966)(9:30) − 新湯富士山頂(10:20/10:30) − 富士山山頂(三角点1184)(10:40/10:45) − 新湯温泉(11:35/11:40) − ヨシ沼(12:10/12:35) − 県道56号小太郎ケ淵口(13:10/13:20) = 自宅(15:10)
Aルートマップ
B写真集

2 自宅 − 県道56号小太郎ケ淵口
 栃木百名山は新湯富士のみとなった。暑くなる前に片付けるべく、いろいろとルートを考えてみた。前黒山とつなげる、とか二方鳥屋山、狸原山と組みわせるを考えたが、どうもパットしない。ネットで調べているうちに塩原自然研究路(日本最初の自然研究路)で須巻富士と新湯富士がつながることがわかった。これなら塩原ビジターセンターから須巻富士、大沼、新湯富士と歩けば、復路で自転車でのダウンヒルが楽しめる。復路の自転車下りは、日塩有料道路にするか、林道下塩原新湯線を利用するか迷ったが、車の往来が圧倒的に少ない後者を選ぶことにした。ヨシ沼の駐車場付近に自転車をデポすることにした。
 車は塩原自然研究路のスタート地点である塩原ビジターセンターの駐車場を利用するとして、最初に自転車をデポせねばならない。県道56号線から林道下塩原新湯線に入り、ヨシ沼駐車場に自転車をデポした。帰路の道路の勾配を調べるために、道林道と県道56号で塩原ビジターセンタに向かい、県道56号を下ってゆくと、小太郎ケ淵入口の標識が目に入った。小太郎ケ淵まで車で1分、徒歩5分と書いてあり、ダート道なので、56号線の小太郎ケ淵口付近の路肩に駐車した。塩原ビジターセンタースタートよりも好都合とほくそ笑む。
3 往路(小太郎ケ淵−須巻富士−大沼−新湯富士−新湯温泉−ヨシ沼)  塩原自然研究路はよく整備され歩きやすい これで一応栃木百名山を全踏破、でも・・・
 県道56号からダート道を5分ほど下ると甘湯沢の右岸に達し、この付近が小太郎ケ淵で、左岸には茶店もある。左岸に橋で渡り舗装道を進み、道標を見て右手の簡易舗装道を緩やかに登って行くと、道は行き止まり(甘湯跡)でそこからは山道となる。道筋も道標もよく整備されているので歩きやすい。大沼分岐の道標を見て右に進むと、すぐ先で左に富士山園地の駐車場への道を分ける。緩やかに登ってゆくと、小ピークでここを須巻富士(富士山園地)といい、塩原温泉川崎大師の大きな不動尊像が据えてある。残念ながら樹林に囲まれ展望はない。 

左: 小太郎ケ淵へ(すぐにダートになる) 車1分 徒歩5分 右: 塩原渓谷説明板


小太郎ケ淵 左: 上流 右: 下流側の茶店



左: 大沼/須巻富士分岐 道標が多いので迷わない 右: 須巻富士 塩原温泉川崎大師の不動尊像
 来た道を一旦大沼分岐まで戻り、尾根上を南西に緩やかに登ってゆく。最初はコナラ等の自然林だが、標高770で水槽を見ると、その先は植林の中の歩きとなる。道には障害物はなく、道標が整備されているので安心して歩ける。ノンビリ歩くにはいいが、展望は全く得られない。途中の小さな沢に塩ビパイプで水を汲めるような箇所が三箇所ある。
 大沼1.4kmの道標を見ると、植林に下草がついて今までよりは緑の濃さが目に染みる。でも研究路にはみ出しはないので歩くには全く支障ない。名残りのヤマツツジがポツリポツリと現れる。4、5月は残雪歩きが主でツツジにはトンと縁がなく、今年最初にして最後となりそう(もう一度位は目にすることはなるかな)。道標と説明板の設置してある小広場にたどり着く。ここが標高点962、大沼東端である。


左: 植林の中に道筋は続く 右: 水場もあり


左: 大沼が近づくと、急に下草が目につく 右: 名残りのヤマツツジ(ツツジは今年最初にして最後? 残雪歩きしているとこうなる)


左: 大沼東端の小広場 右: 塩原自然研究路説明板

 少しだけ自然研究路を南に進んで、大沼の写真を撮って少広場に戻り、大沼の北岸を駐車場方面へと進む。途中で沼べりの木道を歩くと、大沼と湿地帯の中間で富士山型の新湯富士を目にする。木道から沼べりの道に戻るとすぐに、車道横断となる。塩原自然研究路は車道対面の左手に続く。

左: 大沼 右: 新湯富士



車道横断 左: 左手の大沼から出てきた 右: 対面の塩原自然研究路へ(左手へ)
 道なりに進み標高1010で道標を見て右手の新湯方面の山道へと進む。ここを直進すると地形図では半れているが、ヨシ沼への破線につながるものと思われる。山道に入ると、道筋は急に岩っぽくなり、土道となるのは僅かな区間。登りでは問題ないが、下りでは岩が濡れていると滑りそうで注意が必要だろう。大沼東端からは自然林が続き、山道も当然ながら自然林のなか。研究路は地形図の直線的な破線(実際に踏跡があるかは不明)とは異なり、その南側を蛇行している。標高1150あたりからは勾配は緩み岩もなくなり、すぐ先で大きな山名板の設置してある新湯富士山頂1180の小ピークに達した。ここは地形図では三角点の東北東150メートルに位置する1170メートル級のピークで、塩原自然研究路のコース上の山頂としているのであろう。ここには新湯富士1184.1の山名板が設置してあるが、これは不適切(ここは三角点でないヨ)。エネルギーを補給して写真を撮り始めたら30人位(かな?)の団体さんが現れ始めて、大きな山名板の写真を一枚撮っただけ。全員揃った時点でシャッターを押してあげて山頂をあとにする。
 コース上の山頂から少し下った鞍部からは研究路から離れて、三角点を目指す。踏跡はないがたいした障害物もないので、約5分、20メートルほど登ると三角点に達した。全く期待していなかった石祠が三角点の隣に祀ってある。残念ながら側板の文字は風化していて読めなかった。地勢上はここが新湯富士(地形図では富士山)山頂。 


左: 山道へ (左はヨシ沼へ) 右: 道筋は岩だらけ


左: 塩原自然研究路コース上の山頂 右: 地勢上の山頂には三角点と石祠(踏跡なし)
 再び研究路に戻り緩やかに下ってゆくと、オシダ(雄シダ)群生地となる。コース上の新湯富士から新湯方面は、道筋には岩はなく歩きやすい。途中に低い笹地帯(標高1100たり)もあるが、道へのはみ出しはない。標高1000mで下ってくると硫黄の臭いがするようになり、突然噴火口跡(噴気孔)に達する(二箇所あり)。今日は風が強いから硫黄の滞留は少ないと判断して写真を二三枚。
 標高980の沢筋まで下るとにヨシ沼分岐で、ここまで来て温泉神社と新湯に寄らぬ手はないと、ヨシ沼とは反対方向に下る。大きな鳥居をくぐって温泉神社に立ち寄る。説明板によると、本殿は1175年元湯に温泉神社創立、1713年元湯から新湯に移築、1782年に再建。石幢は県の指定有形文化財で、1548年に元湯の温泉神社に奉納、本堂とともに移築。
 神社の石階段をおりて新湯登山口(神社口)に下山。


標高1000付近 左: オシダ(雄壮なシダということらしい 雄シダ)群生地 右: 新湯方面への道筋は岩はなく歩きやすい


噴火口跡(噴気孔)

温泉神社 左: 本堂 右: 石幢


左: 登山口(石階段を登る) 右: 新湯温泉
一旦下山してしまったら、石階段を登りヨシ沼分岐まで戻る気力なし。時間的には、遊歩道を歩いても舗装道を歩いてもほぼ同じと推測し、新湯温泉から日塩有料道路にでて、林道下塩原新湯線を約2.3kmの舗装道歩きでヨシ沼駐車場に戻る。ついでにヨシ沼を一周して戻る。


左: ヨシ沼駐車場(自転車デポ) 右: ヨシ沼は木道で一周できる
4 帰路  自転車のダウンヒル楽すぎる!
 林道下塩原新湯線の区間は約4.5km、そのうち約400メートル、6分は自転車を押し上がる(標高差にして約40メートル)。県道56号は約2.5km。前記押し歩き区間を除いては、ペダルを漕ぐことはわずかで、ほとんどがブレーキ操作の連続。加速がついてしまうとスピードを制御できなくなるので、かなり強くブレーキを引く必要があった。歩けば約1.5時間のだが、自転車ではブレーキの連続にもかかわらず35分。自転車のダウンヒルは楽だが、こんな安易な山歩きをやってもいいのかと多少は呵責の念。でも人間は弱いから楽な方に傾いてしまうだろうな。
5 千に一の栃木百名山踏破
 これで栃木百名山をすべて栃木側から無雪期に踏破した。でも、燕巣山は栃木側から登ってはいるが、女夫淵温泉〜鬼怒沼〜物見山〜燕巣山〜丸沼〜女夫淵温泉とテント泊で歩いているので、栃木側から日帰りで登って初めて千に一(栃百を全踏破した人が千人いたとしたら、自分のようなヘンテコリンな歩き方するのは一人か二人で千に一の栃百と称する。万に一としたいのだが、栃百を全踏破はする人はどう数えても万人はいないだろう。千人でもどうかな)。尾根筋に残雪が消える頃(近いうちに)に、ということで英気を養うか??
 どんなコースをたどっても山頂を踏めば、登頂したことには変わりはない。でも、燕巣山と荒海山は他県側から登ると、山頂に達して初めて栃木の一角を踏んだというにすぎない。個人的挟持で、これでは栃木百名山を全踏破したという気分にはなれない。

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