ひとり山歩き589 : 横川からウドが沢右岸尾根、日光・那須塩原市境尾根経由で日留賀岳を目指しました。雪の締りが悪く歩行がはかどらず市境尾根の途中で退却となりました。
横川から市境尾根で日留賀岳(敗退)
2015年3月31日(火) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:15) = 横川のワイルドフィールズおじか駐車場(2:35/2:45) − 標高点1336(ウドが沢右岸尾根)(6:50) − 三角点1471(日光・那須塩原市境尾根出合)(7:55/8:00) − 退却(標高1560付近)(9:35/9:55) − 三角点1471(10:50) − 標高点1336(11:30) − 駐車場(14:10/14:25) = 自宅(16:45)
Aルートマップ
B写真集

2 自宅 − 横川
 昨年の4月15日に横川から紅藤沢右岸尾根経由で日留賀岳(ひとり山歩き552)に登った。その際、次回はその西隣の日光・那須塩原市境尾根で日留賀岳を目指そうと考えた。この尾根はYoshiさんが12年4月15日に白倉山・桃の木峠経由で登っている。きりんこさん達が14年3月16日に塩原から日留賀岳に登り、この尾根経由で横川に下っている。これらの記録を参考に計画してみた。二組の方々に比べたら、心技体とも足元にも及ばない自分としては時期の選択が非常に重要になる。横川から男鹿山塊へ何度か、異なる尾根経由で登っている。その際の経験から往路(早朝)の雪の締りは4月上旬ないし中旬が良いと思うが、日光・那須塩原市境尾根は他の尾根と異なり落葉樹が主体であるから藪が現れてしまう可能性がある。迷ったが、Yoshiさんときりんこさんたちの中間の今だ、と判断した。
 本日は晴天で無風が予想されるが、問題は気温が異常に高くなりそうである。気温上昇で雪の締りが悪いことを想定して、ワカンかスノーシューか迷ったが体重の重い自分にはスノーシューが有利と判断。23時に起床し、気温をチェックすると、室内で20度(例年の残雪歩きでは17度を実行かどうかの目安にしていた)であまりにも気温が高いので、出かけるかどうか逡巡するも、今回は偵察行に終わっても仕方なしと実行することにした。尾頭トンネルを越したあたりで道端に残雪があったようだが、国道121号から看板をみてワイルドフィールズおじかへの道に入るも道路上には残雪は無く、同所ゲート手前の駐車場に駐める。車載温度計でマイナス1度(4月中旬でもこの時間帯ならこの程度)

3 往路(途中退却)  ウドが沢右岸尾根で苦戦 市境尾根は雪庇連続するも藪がかなり現れている 雪はしまりワカン無用 
 ワイルドフィールズおじか前のゲート横を通って男鹿林道へすすむ。ここから先は何度も早朝に歩いているので、全然問題なし。男鹿橋を渡ると林道はダートになり、雪は完全に消えていた。橋から約200メートル先でウドが沢林道が右に別れる。この地点の山火事注意の看板から取り付くつもりだったが、急斜面でその先の状況もわからないので、とりあえずはウドが沢林道を進んだ。林道の二つ目の折り返し地点で左手に地形図に記載のない林道が現れる。高い方へ進んで行けばひとりでにウドが沢右岸尾根に乗るはずと方向を修正しながら進む。雪面はモナカ状にクラストしていて踝まで沈む。これを連続すると疲労がたまるので、ちょっと早いがスノーシューを装着した。左足のスノーシューがすぐに外れてしまう。その都度再装着の繰り返し。購入して約10年経過しシリコンゴムバンドの柔軟性がなくなり、かかと部分をきつく締められないのが原因のようだ。こんな事をしていては、足取りがはかどらないのでスノーシューを諦めた。その後の残雪の状況からスノーシューでなくワカンにすればよかった(後の祭り)。ヘッデンだけでは先方が見えないので、林道を利用しつつ、南東に軌道修正を加え何とか尾根に乗った。
 皮肉なもので尾根に乗ると残雪はとぎれとぎれ、こんなことならもう少し我慢すればロス時間が少なかったのに。
 標高1000位になると残雪はほぼ連続するようになった。足の沈みは踝程度でそれほどの負荷も感じずに登ってゆく。標高1100を超えると勾配がきつくなり、吹き溜まりもあるのでストックからピッケルに替えた(アイゼンは付けず)。雪に締まりがなく段差部は崩れて登りづらいのでヨタヤタ歩きをせざるをえない。横川から男鹿山塊へいろいろの尾根筋を通っているが、こんな締りがないのは初めて。120メートル登るのに1時間もかかってしまった。標高1300になるとアスナロ林となって尾根筋は細くなり、アスナロの枝籔をこぐことになる。標高点1336はアスナロ林の小ピークで無論展望はなし。
 標高点1336から数メートル下ってから登り返しとなる。アスナロは消えてダケカンバ等の落葉樹林となる。足の沈みは踝程度だが、なんどか股下まで踏み抜く。斜めになった樹木の傍は禁物なのだが、すぐに忘れてしまうから嫌になってしまう(特に下りの時は要注意、怪我をする可能性あり)。標高点1336までに目論見よりも1時間半遅れてしまった(標高1100から1200の急斜面が計算外)。次の三角点1471まではほぼ目論見通り。M大のお馴染みのMマークは中央部が幹に食い込まれて折り曲がっている。三角点は雪の下か、目に入らなかった。

復路で撮影 左: ワイルドフィールズおじか 右: ウドが沢林道口(看板の後側は急斜面のため右手の林道を進む


復路で撮影 左: 最初は林道を利用 右: 尾根形が明瞭になり、残雪が途切れる(標高970付近)


左: 急斜面を登り切って勾配が緩む(標高1250付近) 右: 雪解けが進む(標高1280付近)


左: アスナロ林となる(標高1300付近) 右: 標高点1336(このあたりまではアスナロ林が続く


左: 三角点1471.8 (三角点は雪の下?) 右: M大マーク (中央部は幹に食い込まれて曲がってしまった)
 日光・那須塩原市境尾根に突入すると、ウドが沢右岸尾根とは様相がガラリと変わる。すでに尾根上に笹薮が現れ始めているが雪庇(南の那須塩原側に張出し)が発達している。雪庇の上はよく締まり踝程度の沈みで、藪が現れているので今の時期はワカン(持参していない、スノーシューはおんぶおばけ)を履かなくても、苦にはならない。笹薮が現れ、雪庇がネマガリダケに乗っているのをみると、今日の気温(栃木北部にはナダレ注意ほうが発令されている)では雪庇が崩れ落ちそうで、藪を選んで歩くので速度は上がらない。11時をタイムリミットとしてきたが、それまでには日留賀岳に着きそうもないと思うようになると、歩行速度が落ちるのが分かる。せめて1660の小ピークまではと思うのだが、立ち止まる回数が増えてくる。幸か不幸か高原山や日光連山が展望できるので、眺めることが増える。9時半時点で11時まで日留賀岳は完全に無理、1660ピークがやっとという感じ。途中で戻るなら1660ピークまで行っても意味なしと厭戦気分が支配的。標高1510で方向が東から南東に変わる地点で退却を決め込む。
 最近はやりの自撮り棒を1000円でネット購入したので試してみる。スマホのように液晶を見ながら撮影できる分にはは良いが、デジカメだと液晶が覗けないので、狙い通りの撮影が難しい。おまけにセルフシャッターを利用せねばならない。ムービーで撮影し、帰宅後ムービからキャプチャーするほうが良いことがわかった。


三角点峰1471の東端から 左: 高原山 右: 日光連山


左: 市境尾根に入るとすぐに雪庇 右: 三角点1471峰の東鞍部の雪庇


左: 鞍部から横川放牧場(中央の白い部分) 右: 標高1490付近のの雪庇


左: 標高1500付近から高原山 右: 標高1500付近の様子(尾根上に藪はかなり現れている)


左: 退却地点(標高1510)から先の雪庇 右:退却地点付近から日光連山


自撮り棒テスト  左: デジカメのセルフ撮影ー・・・後方の山を入れたかったのだが 右: ムービー撮影からキャプチャー・・・狙い通り後方の山が写った

4 復路  ウドが沢右岸尾根の上部では踏抜きに苦労
 往路の踏跡を丁寧に戻る。気温上昇で雪の表面は緩むも踏抜きはほとんどなしで三角点471峰に戻る。ウドが沢右岸尾根では、標高点1336までになんどか股下まで踏み抜く。標高1200から標高1100の急斜面は雪がズルズルで何度も尻もちをつく。尻もちをついたついでにシリセードを試すも、尻がスッポリ雪に埋まってしまい身動きができない。標高970付近からは尾根筋が消えるので、コンパスを合わせて緩やかに下ってゆく。標高900あたりで林道に出合ったのでこれを追うと早朝の踏跡が残っていた。林道の途中でアイゼンを脱いで手にぶら下げて駐車地に戻る。
 様子がかなり判明したので、来年以降に再挑戦することにする。


三角点1471峰の東鞍部から 左: 七ケ岳 右: 貝鳴山(中央) 家老岳(中央右)


ワイルドフィールズおじかに戻って 左: 奥の尾根が日光・那須塩原市境尾根 中央部が昨年登った尾根 右: 鹿又岳方面
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