ひとり山歩き570 : 八ヶ岳の横岳に杣添尾根で往復してきました。杣添尾根はほとんどが針葉樹林の急登で、特に危険箇所はありません。尾根筋の展望はハイマツ地帯になるまで開けませんが、主稜線に到達すると素晴らしいです。
杣添尾根で横岳(2829)
2014年10月8日(水) 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(0:00) = 杣添・横岳登山口(4:15/4:40) − 貯水池(5:25/5:30) − 幼木地帯(8:25) − 三叉峰(10:20/10:30) − 横岳(10:45/11:05) − 三叉峰(11:25) − 幼木地帯(12:25) − 貯水池(14:10) − 登山口(14:40/14:55) = 自宅(19:35)
Aルートマップ
B写真集

2 自宅 − 登山口
 9月は他県への遠征月間で北アルプスと八ヶ岳を予定していたが、踵の故障で実行できなかった。先週の山行で脚力はガタ落ちだが踵の故障は問題なかったので、計画していた八ヶ岳へ出かけることにした。八ヶ岳の赤岳へは03年10月3日(ひとり山歩き114)に西側の美濃戸から登っているので、今回は東側から登ることにした。いろいろルートを検討した結果かなり無理筋ではあるが、県界尾根で赤岳に登り横岳まで縦走し杣添尾根を下って周回することにした。スタートは八ヶ岳少年の家の北に位置する県界尾根・野辺山コースの駐車地(南八ヶ岳林道のゲート)とする(計画はルートマップの緑破線)。
 杣添尾根の貯水池に明るいうちに下山し、南八ヶ岳林道歩き(車の回収)は暗くなっても仕方なしという考えで、4時にはスタートできるよう見計らって家をでる。途中はカーナビ任せで、佐久南で高速道をおりて国道141号を進み、野辺山駅を過ぎて八ヶ岳牧場方面へと細い舗装道を進む。八ヶ岳少年の家2km の看板を見るとすぐ先で舗装道は消える。八ヶ岳少年の家(正式名称は失念)の入口を見て更に進むと、道幅は狭まり離合はおろか、乗用車では腹を擦りそう。南アの奥深い林道でタイヤをバーストさせた(そのときはスペアタイヤで対応)ことを思い出す。今の自動車はスペアタイヤがないのですぐに諦めて戻った。途中で車を駐めて、登山口まで歩くことを考えたが、適当な駐車スペースもなくこのコース取りはあっさり諦めた。こんなこともあろうかと、杣添・横岳登山口に向かう。何処をどうとおたか知らないが、収容スペース数台の駐車場に辿り着いた。車を降りて調べると、駐車場から南50メートル位のところが杣添南岳登山口であった。車に戻りすぐに準備を整える。(他に車1台、車載温度計で5度)

3 杣添尾根 − 南岳  杣添尾根はほとんどが樹林のなかで展望はあまり期待できない 危険箇所は無く、下山にはよさそう
 駐車場の南50メートルの登山道で用意してきた登山カードを投函して、富士見岩遊歩道と兼用の登山道へヘッデンを照らして進む。小沢を二回、舗装道を五回横断しながら進む。舗装道を横切るとそばに別荘あり、かなり別荘地が先に伸びていることがわかる。右に富士見岩遊歩道を分けると、道筋は荒れてガレ状態の部分も現れる。足をとられないよう気をつけて進むと南八ヶ岳林道に出合う。これを左(南)へ2分ほど進み北沢に架かる橋を渡ると、左手に東屋と貯水池を見る。ここでヘッデンを格納し、雨具のズボンを脱ぐ(笹のはみ出しはなく必要性はなかった)。
 

復路で撮影 左: 登山者専用駐車場(数台のスーペス) 右: 横岳登山口(駐車場から南に約50メートル)


復路で撮影 左: 横岳登山道(途中まで富士見岩遊歩道と同じ) 右: 舗装道を横断するたびに近くに別荘あり


復路で撮影 左: 南八ヶ岳林道出合(貯水池は手前へ2分) 右: 北沢(杣添川の上流)を渡橋すると右手に東屋と貯水池(登山道は写真の左手にあり) 
 貯水池の左手から登山道に入り、150メートル程進んで木橋を渡ると登山道は本格的な登りとなる。最初は地肌がジメジメしていたが、標高1950あたりからは地肌は乾いて歩きやすくなる。道筋は地肌がでている部分が多いが、写真のような岩ゴツの箇所も多い。倒木はよく処理されているので、跨いだり潜ったりで余分な労力を使うところはなく、特に危険箇所はない。欠点は、藪もなければ展望もなく単調に登ってゆくので精神的にはきつい。標高2250あたりで単独行の若者に抜かれる。この三四年は悲しいが、抜かれることはあっても抜くことはない(下りでは、時には追い越すこともあるが)。標高2530あたり針葉樹の幼木地帯に突入する。この手前で左手の枝越しに真教寺尾根と県界尾根(と思う)を見る。
 幼木地帯を50メートル程登ると尾根筋は平坦となり、振り返ると雲の上に国師ヶ岳、金峰山あたりが展望できた。前方には枝越しに八ヶ岳主稜線も見える。たまらずここでエネルギー補給の小休止。ここまでは尾根上を登ってきたが、この先は尾根の右(北)手をトラバースしながらゆるやかに登ってゆく。途中からはダケカンバ林となり、単独行の山ガールに抜かれる。このあたりになると右手に展望が広がり出して、気分的に楽になるが、足腰に苦痛が増してゆく。標高2700あたりからはハイマツ地帯となり、展望が広がりだす。ハイマツの中の登山道には跨ぐような岩が多く、ついに右の大内転筋が引き攣りだした。段差の多い箇所をどっこいしょしながら登るとよく引き起こす。休み休みながらの登りで、遅々として進まず。三叉峰はすぐそこ、ここで引き返すなんてことはできない。両手で岩を掴んで身体を引き上げる。左足を前足にすると今度はこちらが引きつりそう。なんとか三叉峰で主稜線縦走路に出合い脚を休めるとだいぶ楽になった。

登山道の様子 左: 標高2050付近 右: 標高2170付近


標高2450付近 左: 針葉樹林の中にダケカンバ 右: 落ち葉


標高2530 左: 幼木地帯へ突入(登山道は確保) 右: 左手に真教寺尾根と県界尾根 (ここまで殆ど左も右も尾根筋を感じない)


左: 標高2580付近の平坦地から後方に国師ヶ岳と金峰山あたり? 右: 標高2650あたり、尾根北側のダケカンバ林をトラバース


左: 標高2720から三叉峰 右: 標高2730のハイマツ地帯から赤岳と真教寺尾根と県界尾根


: ハイマツ地帯の登山道(岩を乗り越すたびに右大腿が引き攣り、休み休みの登り・・・段差登りは最も苦手 右: 三叉峰の赤岳−硫黄岳分岐(横岳は右へ)

 三叉峰から展望を楽しむ。赤岳と阿弥陀岳がを間近にし、奥に南アルプス〜中央アルプス〜北アルプスが展望できる。10時過ぎではガスが発生してアルプスの全容が見えないのが残念。もう赤岳に行く元気は残っていない。ここまで来て横岳山頂を踏まない手はない。三叉峰からほんの僅か下って登り返すと標高点2829ピークで、その先の小ピークに人が見えるので行ってみる。鉄梯子を二つ登った小ピークに横岳2829の標柱(このピークを奥の院というらしいが)が立っている。地形図では杣添尾根の標高2700付近に横岳と書き込んである。三叉峰・2829、奥の院あたり一帯を横岳と称しているのかも。
 奥の院からの展望も三叉峰同様で素晴らしい。三叉峰の上に富士山がはっきりと姿を表してくれた。苦労して登ってきた甲斐があった(でもここは信濃)。山頂には3人、先刻抜かれた山ガールはすぐに下山していった。隣に座った人と話をすると千葉県の稲毛から来たとのこと、学生時代に2年ほど教養課程で東京から通学した思い出の地。ボチボチ下山するとするか。
 往路は登山口から横岳まではコースタイムの約1.5倍。下りも約1.5倍。今の実力は悲しいがこんなもの。これからは1.5倍が2倍となってゆくのだろう。仕方ないか、それ相応に楽しめればよしとしよう。


左: 横岳(手前が2829 奥の頭が奥の院・・・横岳の山頂標識あり) 右: 横岳(奥の院)


叉峰からのパノラマ 赤岳〜阿弥陀岳〜横岳  赤岳と阿弥陀岳の間に南ア 阿弥陀岳の右奥に中ア 横岳左下ピークの奥に北ア



左: 横岳山頂(地形図の2829でなく、その北のピーク・・・奥の院 右:奥の院から三叉峰の左上に富士山


奥の院から 左: 赤岳 奥に南ア(北岳 駒ケ岳 仙丈ヶ岳) 右: 穂高岳〜槍ヶ岳
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