ひとり山歩き563 : 丸沼高原スキー場から白根山・白檜岳・白根隠山・前白根山・五色山を周回してきました。白根山までは晴天で展望を楽しめました。高い山は涼しくていいですね。
丸沼高原スキー場から白根山(2578)・白檜岳(2394)・白根隠山(2410)・前白根山(2373)・五色山(2379)周回
2014年8月4日(月) 晴れのち曇り
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:05) = 丸沼高原スキー場入口(2:20/2:30) − 仁下又沢分岐(3:20) − 山頂駅/登山口(3:45/3:50) − 七色平分岐(4:25) − 森林限界(5:50) − 白根山(6:40/7:00) − 森林限界(7:40) − 奥白根平登山口(7:55) − 奥白根平・窪地(8:00/8:20) − 白檜岳北鞍部(8:35) − 白檜岳(9:20/9:35) − 白根隠山(10:10) − 避難小屋分岐(11:00) − 前白根山(11:15/11:20) − 五色山(11:50/12:00) − 登山道出合(12:50) − 弥陀ケ池(12:55) − 座禅山分岐(13:00) − 六地蔵(13:55/14:00) ー スキー場入口(14:40/14:50) = 自宅(17:25)
Aルートマップ
B写真集
2 自宅 ー 丸沼高原
 7月23日(ひとり山歩き562)に無砂谷から台倉高山を周回した際、両足の親指付け根に肉刺をつくり、完治まで一週間以上要した。完治後も暑さ等でなかなか山に出かける気になれなかった。北アルプス等の高い山は夏休みに入って混雑の極みで、踏ん切りがつかない。山行ブランクが空きすぎると、せっかく長時間歩きに慣れたのに、またまた身体が鈍ってしまう。夏場に行く場所が決まらなかったら、近場で一番高い山・白根山がもっとも涼しくて歩きやすい。白根山にはすでに夏冬合わせて22回も登っているので、何か工夫をと考えた。最近、きりんこさん等が丸沼高原から仁下又沢経由で錫ケ岳に登り、白錫尾根を歩いた記録を読んだ。記録によると仁下又沢遡行は涼しかったようである。自分も10年10月2日(ひとり山歩き415)に仁下又沢を詰めて錫ケ岳〜白根山を周回したことがある。その逆廻りにすれば早朝に白根山で思い切り涼しに浸り、午後は仁下又沢下りで涼しい思いができるかもと考え実行することにした。
 前回は12時間で周回できたので、今回は脚力の衰えを考慮しても14時間あればと計画。この時期は白根山は混雑するので、6時半頃に山頂着ならば一番ないし二番乗りと、2時半頃に丸沼高原スキー場を出発すべく家をでる。7月31日〜8月7日の間は男体山登拝講社大祭の最中で、二荒山神社下の国道沿いの駐車場に多く駐まっているようだった。丸沼高原スキー場入口近くの路肩に車を駐めて出発準備にかかる。気温15度(家をでるときは30度近かった)
3 白根山 ー 白檜岳 早朝の白根山周辺は涼しかった   白根山頂からの展望を楽しむ
 丸沼高原から白根山は夏冬合わせて8回目で、道筋はよく知っているのでヘッデン歩きも特に問題はない。最初はコンディションを整えるためにゲレンデを登らずにスキー場の管理道路を歩く。右手に蛍塚山登山道標識を見る(復路でチャンスがあれば登るつもりだが、何時も疲れて通りすぎてしまう)と、右は仁下又沢分岐で林道下っている。今日は左の山頂駅を目指す。山頂駅(暗くて見えないが)直下で管理道路から外れてゲレンデを直登し、金網フェンスの扉を開いて内部に入ると山頂駅の左手。すぐ先が登山口で赤鳥居が迎えてくれる。案の定、少し計画よりも遅れ気味。
 鳥居を潜って左手に二荒山神社をみて金網フェンスを通り抜けて登山道に入る。根っ子や岩で多少の凹凸はあるも普通に気をつけて歩けば危険はない。血ノ池地獄分岐から先は勾配がきつくなってしばらくは丸太階段が続く。階段が終わると大日如来像を左手に見る。現在は木の入れ物に収まっているが、09年7月26日に木箱はなかったが、10年5月4日に木箱に納まっていた。石像を囲ったり、着物を着せたり信心深い奇特なひとが多い。でも世の中には中身のない箱物ばかりつくって仕事をしたつもりになっている御仁が多い(残念だが)。大日如来像を見ると七色平分岐はすぐ先。ここで消灯する。
 地獄ナギを通過する際に枝越しに武尊岳が展望できた。他に展望はないが目についたのは、立入禁止の看板で2箇所しか記憶していなかったが、今回は5、6箇所に増えていた。標高2350あたりになると、錫ケ岳が見えるようになる。下ろうと考えている北斜面の様子がよくわかる。こちら側から見ると急斜面でとても下れそうにないが、3回登った経験では苦労するほどの傾斜ではなかった。問題は、錫の水場への分岐(標高1990)のすぐ上で沢が枯れる地点があり、近辺は不安定な浮石が多く、落下の危険性があり、複数での通過は避けた方が良い。10年10月2日(ひとり山歩き415)の仁下又沢を詰めて錫ケ岳〜白根山を参照願う。標高2400で森林限界となり、両サイドにロープが展張してあるガレ道(時にはザレ)を登ってゆくと、展望が広がり、目移りして写真タイムが増えてくる(疲労回復に身体が要求するのかも)。今日は一番乗りを目指して来たが、とうとう追い抜かれてしまった。武尊岳や皇海山その右上に富士山を見ながら白根山山頂に到達。計画の10分遅れだが、以前に比べたら30分遅れ。
 今回で23回目だが、記憶では山頂から展望が広がらなかったのは2回だけ。白根山は最も相性の良い山なのだ。寒いということはないが、涼しくて気持ちが良い。ここにいると、気分爽快で先に進む気になれない。そうこうするうちに先刻のひとは去り、菅沼からの最初の登山者が現れた。横浜の方で、昨日は武尊岳で今日は白根山の後で男体山に登るとのこと。


左: 登山口の鳥居 右: 大日如来像


左: 地獄ナギから武尊岳 右: 立入禁止看板が増えていた


左: 標高2350から錫ケ岳 右: 森林限界付近から武尊岳


左: 山頂駅が見える 右: 足尾の山 赤城山 錫ケ岳 (山頂から)


左: 四郎岳〜燕巣山 燧ケ岳 鬼怒沼 会駒 平ガ岳等 右: 錫の山腹を下るつもり 途中に不安定な浮石あり、複数での通過は避けるべき


左: 日光連山 五色沼 右: 男体山 中禅寺湖 中禅寺湖南岸尾根

 菅沼からの2番目の登頂者と入れ違いに白根山から下り始める。多少、遅れ気味ではあるが、天気もよいし錫ケ岳に行く気充分。白根山の南東斜面は樹木のない草地で照り返しで顔がほてる。気温が低いので、汗がぽたりポタリというようなことがなく助かる。2380あたりでダケカンバ林(森林限界)に入って照り返しが少なくなる。奥白根平登山口から避難小屋とは反対方向の窪地に向かう。下山途中で1名とすれ違っただけ。夏休みの白根山は混雑するのだが、今の時間帯(8時)ならまだひとが少ない。
 窪地の底へ草をかき分けて下るとコマクサがポツポツと開花している。このコマクサというやつは奥日光自生のものでないらしい。窪地の南西端から白檜岳北鞍部への登り口に残雪がある。けっこう日当たりは良いので、ここだけ何故残るのか不思議。膝程度の笹の中の獣道を追って白檜岳北鞍部に登る。鞍部の西側は笹ではなく草地、ちょっとした地形の差で植生も変わってしまう。ここからシラビソ林の尾根を登ってゆく。強烈な藪はないが決して快適とはいえない。山頂直下で立ち枯れとコケが目につく。振り返ってみると白根山の山頂部はガスを被ってしまった。更にシャクナゲと笹薮をこぐと笹原状態の白檜岳山頂に達した。菅沼から錫ケ岳へ向かうひとは、避難小屋から窪地を通って白檜岳に抜ける人が多いが、なんでこんなルートを選ぶのか不思議。避難小屋から白錫尾根経由で白根隠山、白檜岳来るのも時間的にはあまり変わらない。途中でピークを幾つか越すのでアップダウンは避けられないが、藪は全くなく、白錫尾根で最も展望の良い区間を歩けるのに。全く解せない。
 錫ケ岳方面はガスがひどく、ラジオでは栃木県北部には大雨洪水注意報、栃木県と群馬県には雷注意報がでいる。最後に沢下りがあるので、錫ケ岳からの仁下又沢下りは自重することにした。何れにしても丸沼高原に戻らねばならない。尾根歩きなら雷は怖いが、多少の雨なら問題はない。白根隠山〜前白根山〜五色山〜六地蔵経由で戻ることにする。

左: 不動明王像(山頂の南直下の窪地) 右: 白檜岳〜錫ケ岳稜線 (標高2550から) 


左: 標高2480付近から五色沼 後方は五色山〜前白根山 右: 森林限界付近(見上げる)


左: 奥白根平の窪地 右: 窪地から白檜岳北鞍部への登り口の残雪(日当たりは良いのだが)


窪地のコマクサ 左: ポツポツと 右: アップで


左: 白檜岳直下(標高2360)の立ち枯れ 右: 笹原の白檜岳山頂から白根隠山 (錫ケ岳方面はガスに包まれてしまった)

4 白檜岳 − 前白根山 ー 五色山 − 六地蔵  計画の錫ケ岳北面下りはできなかったが、涼しい歩きができて満足
 白檜岳から白根隠山、避難小屋分岐までは地形図に登山道の記載はないが、踏跡は拾えるので迷うことないだろう。晴れていれば展望はよいのだが、今日は曇っていてパッとしない。(余計なお節介だが、初めて錫ケ岳へ行かれる方には、往路か復路でぜひとも歩いてほしい。往復とも白檜岳から窪地経由なんてもったいない)。
 前白根山の中腹でコマクサ撮影、奥白根平窪地のものとは色が違う。出身地が異なるらしい。前白根山に達すると急に人に出逢うようになる。雨はまだ降りそうもないので、五色山経由にする。途中で1名に追い越されたが五色山頂に達した時には、すでに去った後。ここで最後のエネルギー補給。今日は涼しくて、汗が顔ににじむ程度でサングラスが曇るようなこともなかった。水は3リットル持参したが、ここまでの消費量は1リットル。
 五色山から弥陀ケ池まではけっこう行程が長い。登山道出合の前に少しばかり登り返しがあるのがいやらしい。その鞍部で五色山に向かう単独行者とすれ違う。登山道出合から弥陀ケ池までは約5分。弥陀ケ池では十数人が憩っていた。憩っている人々を横目にガレ道を座禅山分岐に登り始めると、先行者が4、5名いた。これから白根山と思っていたら、白根山には向かわずに六地蔵方面へ下り始めた。ロープウェイ利用で白根山に登り、五色沼、座禅山分岐経由でロープウェイに戻るらしい(最近は謙譲の美徳を発揮して(?)、追い越す事はしないのだが、珍しく追い越してしまった)。六地蔵方面へのルートは明瞭で、よく整備されている。最初は急降下だったが、すぐになだらかな谷筋歩きで道標がしっかりしているので迷うような箇所はない。地形図と異なっているのは、七色平分岐から座禅山に登るようになっているが、実際には血ノ池地獄分岐との中間に位置している。その後も自然散策路分岐、ロープウェイ分岐と道標がしっかりしている。ロープウェイ駅方面には戻らずに六地蔵に直行する。
 更に直進すると元パラグライダーテークオフ(と思われる地点)に達する。ここからテークオフ更にスキー場を直下降する。地形図には不動尊が記載されているが、テークオフ整備時に撤去されたのかも(?)。スキー場との境界に金網フェンス(落石防止?)が展張してある。この網を乗り越すのは困難で、南端の金網末端から金属ロープにすがってスキー場側へ下る。スキー場はテークオフに比べたら傾斜が小さいが、ブレーキをかけるので脚への負担は大きかった。雨に降られずに無事に駐車地に戻った。錫ケ岳北面下りはいつの日にか。駐車地の気温23度(車載視温度計による)自宅あたりよりは10度以上は気温が低いようだ。
 帰路の道路の濡れ具合から判断するに、奥日光や日光あたりはかなり雨が降ったようだ。

左: 白根隠山への稜線 右: 白根隠山


左: 白根隠山 (白根山はガスの中) 右: 2385ピークから中央が白檜岳(右奥の錫ケ岳はガスの中)


前白根山のコマクサ(奥白根たり窪地のものより色が濃い) 左: ポツポツと 右: アップで



左: 前白根山山頂 (奥は白根山) 右: 五色山への途中から湯元温泉


左: 五色山から五色沼 右: 弥陀ケ池


左: 六地蔵(’10.8.4には共通建屋はなかったのだが) 右: 元パラグライダーテークオフ(?)からスキー場へ直下降


左: スキー場境界のフェンス(乗り越えるのにひと苦労) 右: ここを下る

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