ひとり山歩き561 : 田子倉登山口から浅草岳をピストンしてきました。蒸し暑さと体力不足で、鬼ケ面山方面へは足を伸ばすことができませんでした。ヒメサユリを僅かながら初めて見る事が出来ました。
田子倉登山口から浅草岳(1585)
2014年7月13日(日) 曇り
1 行程
@コースタイム : 自宅(0:10) = 田子倉登山口(4:05/4:15) − 大久保沢最後の水場(5:30) − 熊の爪跡(5:50) − 田子倉眺め(6:25) − 鬼ケ面眺め(剣ヶ峰)(7:20/7:30) − 熊合せ(7:30) − 浅草岳(9:25/9:50) − 鬼ケ面眺め(11:05) − 田子倉眺め(11:40) − 大久保沢最後の水場(12:20) − 田子倉登山口(13:05/13:20) = 自宅(17:15)
Aルートマップ
B写真集

2 自宅 − 田子倉登山口
 栃木・福島県境の台倉高山または栃木・群馬県境の燕巣山に栃木側から登るべく準備を整えていた。これらのコースは15時間程度のロングウォークとなるので、雨と雷はさける必要がある。旅行、健康診断や野暮用でなかなか好転日が選べず、一ヶ月近くの山行ブランクとなってしまった。この間に身体が鈍り、15時間超のロングウォークには耐えられそうもない。足慣らしとして浅草岳〜鬼ケ面山をの周回ををするとにした。これは2、3年前に計画したが、道路決壊による通行規制でお蔵入りとなっていた。本日は日曜日で、しかも晴天は期待できないどころか夕刻には降雨が予想されている。次週も好天は期待できないので、決行することにした。
 新潟県境に近い会津の只見に行くのは初めて、カーナビ任せで田子倉登山口に向かう。国道121号、289号そして252号へ進んだが、道路状況はよく通行量は少なく安心して運転できた。只見湖を通過すると登り始めて田子倉湖ダムを過ぎるとトンネルの通過が多くなる。道路の右手に注意しながら車を走らせると、浅草岳登山口の標識を見つけた。そこから一車線の舗装道が下っている。万一行き止まりだと困るので、車から降りて歩いて様子を見る。200メートルほど下ると広い駐車場が見えたので、車を駐車場に入れた。浅草岳登山口の標識が見えたので、すぐに準備にかかる。

3 登山口 − 浅草岳 身体の鈍りと暑さでバテバテ 鬼ケ面山への縦走は諦め 山頂直下で数輪のヒメサユリで満足
 ヘッデンなしで登山道へ入ると、処々に木道が設置してあるが、泥濘んでいて油断すると足首までズブリ。15分ほど進むと泥濘が消えてヤレヤレだが、蒸し暑くて汗がタラタラ、ついでになんでこんな時期に低い山に来たのかと文句タラタラ。多少のアップダウンを交えながら進み幽の倉沢に下ると橋が傾いている(6月22日に山開きを下ばかりで、最近の大雨で傾いた?)。揺すってもグラグラすることはないが、写真では分からないが、橋板は傾いている。石橋は叩いてわたらずのたとえがあるが、ここは木橋は揺すってわたらず。渡渉することにした。水流はけっこう多いので飛び石を探すのにひと苦労。なんとか無事に渡ると、今度は登山道が沢状になっている。幸いに沢状は短区間ですんでヤレヤレだが、もう下着は汗びっしょりで、上着のシャツまで濡れ始めている。小さな沢(大久保沢)を二三度渡渉しながら進むととブナの大木の根元に大久保沢最後の水場の標識を見る。
 水場から先も草付きのブナ林が続き、少しばかり勾配は増してくる。蒸し暑くて、すでにシャツも汗がびっしょり。山行ブランクによる身体の鈍りと暑さで足取りは重く、普段は花の写真は殆ど取らないのだが、疲労回復のためにアジサイなどの写真撮影で歩みを止めることが多い水場の先(標高700)で短いお助けロープが設置してあった(以降、多数のロープの世話になる)。標高730あたりでブナの大木の根元に熊の爪跡なる標識を見かけた(爪跡なのかひだなのか判別不明)。明瞭な尾根歩きになると、田子倉眺めの標識を見かけけ、前方には浅草岳、後方には田子倉湖が樹間に展望できた。左手の稜線には南岳は見えるが、鬼ケ面山はまだ見えない。標高1000を越すと、尾根筋は緩やかになり、展望が開けてくる。後方の田子倉湖の奥には会津朝日岳らしい山も見え、鬼ケ面山の右手に北岳付近も見えるようになった。消耗した身体を休めるために同じような写真を何枚も撮って時間をかけるようになってしまった。ひと踏ん張りして尾根左(西)側の登山道を進み標高点1131ピーク(剣ヶ峰という?)を越した地点で鬼ケ面眺めの標識を見た。ここからは南岳〜ケ面山〜北岳〜前嶽〜浅草岳とパノラマ写真に収まるようになった。山頂は目の前に迫ったが、ここからまだ.9km、比高で450mの急登がまっている。
 家に帰ってGPS軌跡を調べると、標高点1131の東側を歩いたようになっている。実際には、西側を歩いている。手持ちのGPSの誤差かと気になり、ヤマレコで調べてみる。数件調べた限りでは、自分のとほぼ同じ軌跡を描いている。GPSが地形で誤差を生じているのか。地形図に誤りがあるのかはわからない。なんとも不思議なことだ!!

左: 田子倉登山口 右: 幽の倉沢に架かる傾いた橋(復路で撮影、左側が上流)


左: 大久保沢最後の水場 右:熊の爪跡


水場付近で 左: ブナ林が続く 右: アジサイ(普段は花の写真はあまり撮らないが、疲労回復のために立ち止まる)


田子倉眺め付近から 左: 後方に田子倉湖 右: 前方に浅草岳


標高1030付近から復路で辿ろうとしている鬼ケ面山稜線


鬼ケ面眺め付近からのパノラマ(ギザギザが気になる・・狢沢カッチあたり?)


左: 鬼ケ面眺め標識 中: GPS軌跡と地形図破線に大きなズレあり 右: 浅草岳
 鬼ケ面眺めから僅かに下って登り返すと、熊合せの標識を見る。標識には昔、マタギ達が熊狩りをしたと書いてある。標高1200を越すと、露岩帯が増えロープの数も多くなる。ジグザグに登ってゆくので地形図から見るほど急な登りではないが、苦手の岩場での段差登りが増えてますます体力を消耗する。この頃になるとウェストポーチも汗で濡れてしまい、中のカメラも湿ってレンズカバーが全開にならず、指先で開いて撮影する始末(疲れ回復の助けにはなったが、計画時間よりもドンドン遅れる)。標高1370あたりの山頂まで0.7kmの地点で単独行者に追い越される。半袖シャツに短ズボンでいかにも涼しそう。自分は頑なに藪こぎスタイル(ダニ防止のために長袖シャツ、足元はスパッツおまけに手袋着用)を貫く。ここから比高にして200mを登るのに約50分で何をか言わんやだ。上部から人の声が聞こえ出し、山頂まで0.1kmあたりで数輪のヒメサユリが咲いていた。この花を見るのは初めて。やっとのことで浅草岳山頂に辿り着いたのは歩き始めて5時間10分、計画では4時間だったからかなり遅れた。山行ブランクによる身体の鈍り、蒸し暑さ、露岩帯での段差歩きと三重苦を考慮すると、山頂まで登れたのをもってよしとしよう。
 山頂には大勢の人達が憩っていた。山頂への出入りは前岳方面へ向かっている、今の時間(9時半)に六十里越登山口からはないだろうから、ネズモチ平か桜ソネからなのであろう。山頂では雨がポツリポツリと落ちだした。すぐに本降りにはならないだろうが、鬼ケ面山へと縦走して六十里越に下山となると、雨にやられるかもしれない。今日の天候と体力では縦走はやめにしたほうが賢明。山頂直下でヒメサユリを見ていなかったら、こうも簡単に縦走を諦めただろうか。


左 : 熊合わせ(、マタギ達が熊狩りをした) 右: 標高1220のロープ


山頂直下のヒメサユリ(数輪しか見かけなかった)


左: 浅草岳山頂 右: 鬼ケ面山稜線(山頂から)・・・体力消耗と雨がポツポツで縦走を諦める


山頂からのパノラマ
4 下山
 3時間を目標に往路をたどる。下りは楽とはいえ、けっこうお助けロープの世話になった。田子倉湖を見下ろしながらの下りで、登山口に自分の車を確認できた。標高1370あたりで日光キスゲを今シーズン初めて見た。霧降高原で多数の日光キスゲを見るのもこうして山中で数輪見るのも自分にとっては同じ花。幽の倉沢の傾いた橋を復路では、ドボンしても残り僅かということで渡ってみた。グラグラすることはないが橋板が傾いているので、ストックでバランスを取りながら慎重に渡る(7月6日のヤマレコ山行録では傾いていない写真あり)。
 登山口に戻り、駐車場には他に一台(山頂直下で追い越された人のものか。下山中にひとりに抜かれたが、この人のものではないだろう)。山頂でポツポツしていたが、下山中は止んでいたが登山口に戻った時点で小雨となる。


左: 標高1450からとご蔵登山口(自分の車が小さく) 右: 標高1370で見かけた日光キスゲ(今年初めて)


左: 登山口 右:登山口駐車場から浅草岳(自分の車の他に1台、鬼ケ面山方面へ縦走か・・・ここから登る人は少ないということ)
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