ひとり山歩き557 : 芝草山を南から北登山口へ縦走してきました。芝草山北側の新道は開けれて約8年経過し、かなり藪化しています。 藪山に慣れた方には特に難しいコースではありませんが、一般ハイカーは避けたほうがが無難です。
芝草山(南から北口へ)
2014年5月30日(きん) 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(2:05) = 中の沢林道分岐・南登山口(4:15/4:25) − 33号鉄塔(4:55/5:00) − 大岩上(5:50/5:55) − 芝草山(6:40/6:50) − 標高点1288(8:15/8:20) − 99号鉄塔(9:15/9:20) − 北登山口下山(9:45) − 入山沢橋・ゲート(10:20) − 中の沢林道口(11:05/11:15) = 自宅(13:35)
Aルートマップ
B写真集

2 自宅 − 芝草山南登山口
 暑さが厳しくなってきたので、今シーズンの低山歩きの最後としたい。ついては何処にするか迷ったが、芝草山新道が拓けれて約8年が経過した。06年11月30日(ひとり山歩き260)に県境付近から尾根伝いに芝草山に縦走した際、標高点1288から芝草山間で拓けれたばかりの新道を歩いた。最近のヤマレコ記録によると登山道は藪化しているようなので、自分の目で確認することにした。芝草山を南から北口へと縦走するだけでは、もの足りないので、滝向山〜日向倉山稜線を歩いて見ることにした。滝向山〜日向倉山の縦走記録は多いが、いずれも芹沢側から稜線に取り付いている。かく言う自分も04年4月26日(ひとり山歩き147)に芹沢側から取り付いている。芝草山縦走後に登るのだから、入山沢側から取り付かねばならない。WEBで検索すると、入山沢側から取り付いて滝向山〜日向倉山を縦走しているのは、HP{高原山探訪」(現在はブログ「山野・史跡探訪」)のYoshiさんのみ検索できた。滝向山には、蔵前(ナスノガルーダ)さんのみである。今回はYoshiさんルートを辿って見ることにする(ただし、日向倉山は時間の都合でカット)。入山沢側から滝向山や日向倉山に登る人が少ない理由は、簡単明瞭(勝手な自己判断)・・・@尾根に取りつくには入山沢を渡渉せねばならない。A南(芹沢)側よりは北(入山沢)側の方が一般的には藪が深い。
 芝草山へ登るのは8年ぶりだが、中三依駅先の中三依橋を渡った左側に三依中学校、芝草山・太郎岳登山口の看板を見て入山沢林道に入り、約2kmで見通沢にかかる橋を渡って約500m先で小さな橋を渡った地点が中の沢林道口でここに駐車した。
 

3 南登山口 −  芝草山  大岩へのロープ設置部は、根が浮き出して手がかり足がかりが多くなった・・・百名山制定後、登る人が多いのだろう
 駐車地から数十メートル進んだ右手が芝草山南登山口で、ここから東電の巡視路を兼ねた登山道に入る(写真の黒い箱は冷蔵庫を活用した登山計画投函箱)。最初は松が混ざる植林の中を歩くが、標高800を越すと自然林の歩きとなる。昨晩降雨があったのか地面は湿り、樹木は露含みでびしょ濡れになるかと心配したが、枝のはみ出しは少なく取越苦労に終わってやれやれ。ほぼ計画通りの30分で33号鉄塔に到着。鉄塔越しに芝草山縦走後に登ろうとしている滝向山〜日向倉山稜線を観察。スタート時点ではガス気味であったが、青空が見えてホッとする。

左: 中の沢林道口に駐車 右: 左の写真の舗装道を数十メートル進むと南登山口


左: 登山道(標高820付近) 右: 33号鉄塔から滝向山〜日向倉山稜線
 33号鉄塔の先に進むと、名残りのヤマツツジがポツポツと出迎えてくれる。34号鉄塔への巡視路を200メートル進むと、右手の尾根筋へ入るように小標識と細い登山道が目に入る。ここからは尾根上に小さな根が浮きだした登山道となるが歩きやすい。低い笹が目に突き出すと、大岩の基部を通過する。大岩基部の左手を巻いて通過すると、05年2月に栃木野山283座(地形図に名称記載)を全踏破した山部さんが常吉さん等の助けを借りて敷設したロープは健在であった。このロープ敷設直後の4月27日(ひとり山歩き198)にその有り難さを感じた(特に下る際)。その後、栃木百名山が制定され、芝草山に登る人が増えて、地肌が削れて根が浮き出し手がかり足がかりができて、ロープの有り難さを感じなくなったようである(積雪時に登れば、その有り難さを感じるかも)。殆どロープを使うこともなく容易に大岩の上に登れた。今の時期は樹木が茂り、高原山方面が樹木越しに見えるだけ。 
 大岩から先も明瞭な登山道は続き、ミツバツツジの花が地面に落ちてはいるが、すでにちってしまったようで枝についた花は見かけなかった。標高1280あたりでブナが目につくと、勾配は増し20分程喘ぐと芝草山の山頂で7年半ぶり四度度目の訪問となった。


左: 33号鉄塔先にはヤマツツジがポツポツと 右: 巡視路から尾根筋へ(小標識あり)


左: 尾根上野登山道(標高1020付近) 右: 大岩の基部


左: ロープ敷設9年で根が浮き出し、ロープなしで登り易くなっている 右: 敷設直後で根が浮き出ていないのでロープの助けを借りた(特に下るときに)


左: 大岩上から高原山 右: ブナの目立つ山頂直下(標高1280付近)
 山頂からは、荒海山は樹木越しに僅かに見えるだけ。帝釈山・田代山から荒海山の県境尾根は雪は消えていたが、会津駒ヶ岳は依然として白く見えた。間近では日向倉山が見えるだけ。山名板は山部3Dと栃木の山紀行だけで、以前見かけたSHCフクミズ、三依富士等は無くなっていた。国土地理院地図(新版)には、芝草山の三角点と標高が記載されていない(日向倉山も)、その反面、一時は記載されていなかった送電線が記載されている。どんな基準で改定されているのかな?

左: 芝草山の山頂 右: 荒海山は樹木越しに


左: 帝釈山・田代山〜会津駒ヶ岳(白い) 右: 間近の日向倉山

4 芝草山新道  新道は殆ど藪化している 藪は濃くないので、それほど難しくはない 一般ハイカーは避けたほうが無難
 山頂から北へ明瞭な踏跡に誘われて新道に入ると、踏跡はすぐに薄くなり、北鞍部は笹で踏跡は消えてしまった。尾根を外さないように進めば、時には踏跡を拾える。藪山に慣れた人なら、問題にするほどの難しさはないが、一般ハイカーのみで入るのは避けたほうが良いだろう。06年11月30日(ひとり山歩き260)に県境付近から芝草山目指して尾根を縦走した際、標高点1288から芝草山の間は新道が拓かれたばかりで、藪を刈り払った新道は明瞭であったが、現在は大部分は藪化してしまった。当時は樹木の赤ペンキも明瞭だったが、現在は辛うじて目につく程度になっている。新道を歩くというよりは、踏跡が残る藪尾根を歩くつもりでいれば、それなりに楽しめる。展望は期待できないが、標高1310で右(東)手が開けて日留賀岳あたりが見えるだけ。今の時期はミツバツツジとシャクナゲの花が目を楽しませてくれる。
 日留賀岳を見ると今までは緩やかなアップダウンが続いたが、下りになり足場が悪くなる。岩角や枝にすがって下る箇所、右下が切れてトラロープを伝う箇所は要注意だ。06年にここを逆方向から登った時にも嫌らしさを感じたが、下りではなおさらである。この危険地帯を越すと、ルーファンは必要だが安心して歩けるようになる。突然、芝草山→の小標識を見かけた。一帯は深い笹薮でどこが標高点か分からないので、この標識の地点を高点1288とした(家に戻ってGPS軌跡を地形図に落としてみたら、ほぼ一致)。


左: 芝草山北鞍部の笹薮 右: 北峰の灌木藪


左: シャクナゲとミツバツツジ(芝草山からはポツポツと、ヤマツツジは見かけなくなる) 右: 標高1310から日留賀岳方面


左: シャクナゲの右下に踏跡が辛うじて 右: 大岩の横を下る(写真では切迫感はないが)


左: 新道は殆ど藪化しているが、赤ペンキは辛うじて残る 右: 標高点1288で見かけた標識
 標高点1288の笹薮の中に薄い踏跡を見つけ、これを追って下り始めると、すぐに踏跡が消えたり現れたりで芝草山から標高点1288までと同じ状態になる。尾根幅の広い下りだから、ルーファンは難しい。芝草山新道を歩くなら、今回とは逆方向の方が多少は楽かもしれない。標高1050で右後方から送電線巡視路を合わせる。ここにも芝草山→の小標識があった。ここからは巡視路特有のプラスチック階段で整備された巡視路歩きでグッと楽になる。すぐに99号鉄塔にたどり着いた。ここからは次郎岳(標高点1560、荒海山の西峰とは異なる)から太郎岳(荒海山)が展望できた。
 プラスチック階段混じりの巡視路を下ってゆくと沢音が大きくなり、北登山口に無事下山した。登山口は巡視路を示す黄色の標柱が目印となる。地形図はとは異なって林道は入山沢(沼の沢)の左岸をもう少し上(北東)に伸びている(地形図では北登山口の40m程西側で入山沢(沼のの沢)を越すようになっている)。この地点が太郎岳(荒海山)への栃木側からの登山口で、入山沢を渡ってクラカケ沢の左岸へと入ってゆく。
 この地点から芝草山南登山口まで入山沢林道は何度も歩いているので省略する。林道を歩きながらYoshiさんルートでの滝向山〜日向倉山をどうするか考える。今日は、雷注意報がでている上に、気温が高くて今までの歩きでかなり消耗してしまった。飲料水は2.5リットル用意してきたが、すでに半分近く消費してしまった。水は沢で汲めるし、時間的にはYoshiさんルートで日向倉山は難しいとしても滝向山は十分可能。まだ午前中だから雷の心配はないが、午後遅くにやってくるかもしれない。午後になると気温はますます高くなり暑さバテもありうる。今回は、取付きだけ調べて、中止することにした。入山沢橋(クサリゲート)の250mほど先の104号巡視路口である入山沢への下降地点は崩落し、沢に架かる橋も破損している。下降地点の上流側ならなんとか靴を履いたまま渡れそう。いつの日にか来ることを誓って、林道を戻る。南登山口を過ぎた中の沢林道口には他に車なし。今日、芝草山に登っている人はいなさそう。
 今日は人は言うに及ばず、動物も見かけなかった。唯一例外はマダニでズボンに付着していた。丁寧に払ったつもりだったが、一匹お持ち帰りで、衣類の洗濯後に洗濯機の糸くずトラップにマダニが一匹。まだ生きているので、ペットとしてガラス瓶に入れて飼って見ることにした(??)。その後、24時間程、ビンの中を歩き回っていたが、ついにお陀仏。
 HPやブログでマダニに噛まれた記録を見かけるので、自分流の予防法。暑くても常に長袖シャツ、帽子と手袋着用。露出しているのは顔と首筋(シャツの襟を立ている)だけ。スパッツも着用。藪こぎはかなりするが、マダニに噛まれたのは、山歩きを始めて間もない頃で。マダニがいるなんて知らなかった(登山翌日に風呂に入っている時に膝裏に噛み付いているのを発見)。その後は、前述の服装で歩くのが功を奏しているのか、数えきれないくらいのマダニにたかられるが噛まれたことはない。一番ひどい時(07年5月8日に三島街道跡07年6月2日の高倉山)はズボンに十数匹のマダニをぶら下げて歩いた。払っても払っても付着する。払わなくても無数につくことはなかった(藪を漕いでいるうちに、付着したり払い落とされたするのであろう)。下山後に服を着たまま払う程度だから、お持ち帰りも何度かある。帰宅後すぐに衣服を洗濯すると洗濯機のトラップで判明。帰宅後すぐにシャワーで身体を洗い流し、かみさんに背中に付着していないか調べてもらう。これだけ用心しているせいか、今の所はマダニを扶養家族にしないで済んでいる。
 噛まれた時の処置としては医者に行くのがベストだろうが、10年程前にはマダニに噛まれて死ぬなんていうことは知られていなかったから、自己流の処置(真似しても責任はとれません)アルコールで消毒を兼ねて麻痺させる(するかどうかは定かでないが)。ローソクの火で火炙りの刑にに処して、ピンセットでそっと引き抜き、アルコールで再消毒・・・数時間後には、噛まれた周辺の赤みも消えた。


標高点1288からの下りも藪化している 左: 1288直下の笹藪 右: 標高1170付近、踏跡残る場所もある


左: 送電線巡視路(左手)合流 右: 99号鉄塔から 次郎岳(1560)〜太郎岳(荒海山)〜クラカケ沢への下り


左: 99号鉄塔からは整備された巡視路歩き 右: 北登山口


左: 太郎岳登山口 芝草山北登山口は林道を40m進む 右: 太郎岳(荒海山)へは入山沢(沼の沢)を渡渉してクラカケ沢の左岸へ
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