ひとり山歩き533 : 足尾から阿世潟峠〜社山〜南尾根を周回してきました。曇天と相まって紅葉はあまりパッとしませんでした。
足尾から阿世潟峠〜社山(1825)〜南尾根
2013年10月29日(火) 曇り
1 行程
@所要時間 : 自宅(0:30) = 足銅親水公園P(2:25/2:35) − 久藏川沈潜橋(3:25) − 廃・長手沢林道終点(4:55/5:00) − 阿世潟峠(6:05/6:15) − 雨量観測所ピーク(6:45) − 社山(7:50/8:10) − 南尾根の標高点1568トラバース(8:45/8:50) − 三角点1182(9:45/9:50) − 南尾根別れ(10:20) − 久藏川林道出合(10:55) − 銅親水公園P(11:30/11:50) = 自宅(13:05)
Aルートマップ 
Bウォッちず : 銅親水公園  廃長手沢林道終点  阿世潟峠  社山  社山南尾根
C写真集

2 自宅 − 足尾
 今年は天気読みが当たらず、行きたい日や行ける日には好天にないことが多い。そんなこともあって最近は山行間隔が空いて、身体が訛りがち。間隔が開くと山へ出かけるのが億劫になって、計画を立てる気にもなれない。さりとて山にゆかねばますます体力は落ちてしまう。今週は晴れが続きそうで、このチャンスを逃す手はない。一昨日は日曜日で山はお休み、昨日は野暮用があってだめ。前日の天気予報では、本日は少なくと午前中は晴れで、午後は曇りでまず先ずの山行日和。
 さて何処へ行くか。誰かのブロッグに困ったら社山なんてのがあった。一昨日にみー猫さんとななころびさんが、大ナギ沢右岸尾根から大平山〜社山を歩いていることを知った。大平山方面から社山へは歩いたことがあるが、その逆はないので足尾から阿世潟峠〜社山〜大平山〜大ナギ沢右岸尾根を歩くことにした。これなら、すべて複数回歩いているので、準備をする必要はない。その時に用いた地形図のコピーを引き出して準備は完了。過去の歩いたルートを歩くのは苦痛(特に登りでは)で、途中で諦めてしまう事が多い。阿世潟峠までに暗いうちに登ってしまえば、途中で引き返すことはないだろうと、5時半に阿世潟峠着を見計らって家を出る。銅親水公園に到着時は満天の星空で、久しぶりに天気読みが当たったとほくそ笑んだのだが。

3 銅親水公園 − 阿世潟峠 − 社山  ガス模様で紅葉も景色もパッとせず
 今回(実績)と全く同じコースで過去に3回(無雪2、残雪1)歩いている。次の記録を参照願う。 04年5月7日(ひとり山歩き149) 10年1月25日(ひとり山歩き389) 12年8月29日(ひとり山歩き487) 左記3回の他にも足尾から阿世潟峠までは複数回歩いている。
 逆に阿世潟峠から足尾へは2回下っている。 06年8月31日(ひとり山歩き248) 12年10月26日(ひとり山歩き494)
 これだけ歩いていれば、道筋はよく頭のなかにインプットされている。何度かはヘッデンを灯して歩いているから不安は全然ない。長手沢に足倉沢が合流する地点(勝手にこの合流地点から下流を久藏川と名づけている)の手前で沈潜橋で沢を渡る。更に長平沢林道分岐を左に見送って、少しばかり進むと、林道は崩壊している(ここまでは工事用の車の出入りで林道は整備されている)。正規のルートは長手沢右岸を進み、鉄板橋で左岸へ渡るのだが、林道は完全に崩壊していて歩きづらいから、この地点で沢を渡渉する。通常は容易に飛び石で渡れるのだが、水流が多く、飛び石を探すのに苦労した。左岸にわたってからは、林道の面影は残っているが、落石や草が生えたりで、気持よくとはお世辞にもいえない。利根倉沢を鉄板橋でわたり、右手に慰霊碑を見て進むと、右手に利根倉沢林道が分岐している。この地点では利根倉沢林道の方が幅広で間違い易い。標高点1147を過ぎると道幅が30cm程度の崩落箇所を通過する。右手は石垣で左手は切れ落ちているが、今の時期には通行は問題ない。積雪時は斜面化していて、左下は沢まで雪斜面となっていて危険な時もある(今年の月17日(ひとり山歩き507)にはこの地点で引き返した)。廃林道は大きな落石が増え、草も深くなってくる。廃長手沢林道終点らしい地点に到達し(この先も林道らしいものは続いている)、細い踏跡が左へ下っているが確信は持てない。過去の歩きはこの地点で明るくなるよう見計らって歩いてきたが、今回のように真っ暗は初めて。この先に砂防堤があるのを知っていたから、確認して戻る。今回は長手沢渡渉に手間取ったり、林道終点確認で過去の歩きよりは余分に時間を要した。


何れも12年10月26日に撮影(今回は暗闇歩きで撮影なし) 左: 沈潜橋 中: 標高点1147付近 右: 廃林道終点
 左下へ踏跡を僅かに下ると長手沢二俣合流点で、対岸の蛍光を発している赤/黄のマークから右岸に取り付く。踏跡は薄くジグザグ気味に右岸を進んで行くのだが、踏跡は細く右手は切れ落ちている(沢までは数メートルだが)うえ、落葉で滑り易いので慎重に歩く。左岸へと渡り、すぐ先の二俣合流地点で中尾根に取り付く。この先は道筋は明瞭で、ヘッデンを格納する。道筋は中尾根の右手(東側)を巻いて北北東に進み、阿世潟峠に達する。


左: 阿世潟峠(後方は男体山) 中: 峠から中禅寺山方面 右: 同じく社山方面

 阿世潟峠から社山へは数えるのが面倒なくらい歩いているので、詳述はしない。足尾を発った時には満天の星空だったのが、いつの間にか曇り空となってしまった。阿世潟峠までの登りで、汗をかい下着は濡れているが、風がないので寒いという感じはない。でも、曇天と晴天では気分的に大違いで足取りは軽やかとはいえない。好展望の雨量観測所ピークに達すると、社山方面はガスが立ち込めて見えない。中禅寺湖はあっという間にガスで隠れてしまった。曇天のせいなのか、時期的に遅いのか周辺の紅葉は見栄えがしない。
 このピークから先の左手(西側)はカラマツ林でブラインドとなるが、右手は白根山から男体山、中禅寺湖と展望が楽しめる。この尾根からの展望はお気に入りなのだが、今日は曇天でガスがかりで鮮やかさがない。大日尾根山腹の紅葉もどす黒い感じで艶やかさがない。カラマツ林を過ぎると、今度は右手がブラインドになって左側(足尾側)の展望が開ける。残念ながらガスが湧いていて遠望は楽しめない。社山の頂上はいつももと変わりはないが、袈裟丸山から皇海山は中腹までガスがかかている。昨晩と出発前にチェックした予報では午前中は晴れのはずなのだが、すぐには降りそうもないが、晴れ間が広がる様子はない。ラジオをかけると、関東北部も午後には雨になるだろうと、放送している。家を出るまでには雨のアの字も予報にはなかったのに。山頂で写真を撮ってすぐ先の展望所に移動してザックを下ろす。
 社山から大平山への稜線は見る見る間にガスで隠れてしまった。天気予報とガス上昇に大平山まで歩く意欲はなくなってしまった。まだ8時だから昼までには大平山から大ナギ沢右岸尾根を下り始めているだろる。下山までは天気は持つかもしれない。でも、こんな天気で歩いても楽しみは半減だ。こうなったら南尾根をエスケープだ。社山〜大平山稜線は過去に二度も歩いているし、無理してゆくことはない。いつでも行けるではないか、これがいつもの途中退却パターン。通ったことのあるルートは先が読めてしまうから、すぐにあきらめてしまう。これが初ルートだったら間違いなく歩いていただろう。天気予報を信じた自分が悪いのだから誰にも文句はいえない。


左: 1450付近の紅葉 中: 社山方面はガスの中、後方は白根山から温泉ケ岳(雨量観測所ピークから) 右: 雨量観測所先のヤセ尾根


左: 男体山と中禅寺湖 右: 白根山から温泉ケ岳稜線  (標高1700付近から)


左: 錫ケ岳〜白根山 中: 白根山〜温泉ケ岳 右:男体山と中禅寺湖  (標高1750付近から)


左: 露岩帯(1770)から山頂方面 中: 社山山頂 右: 袈裟丸山〜皇海山(山頂から)


左: ガス上昇中の大平山への稜線(7時58分) 右: ガスに覆われた稜線(8時2分)  (展望所から)


左:黒檜岳〜錫ケ岳〜白根山 右: 冠雪の白根山  (展望所から)

4 社山南尾根を下る  下りでは4箇所の要注意地点あり  カラマツノ黄葉が目につく
 南尾根は前出の3回の他にも、何度か下っているが、登りは1.5回(1回は途中から)登っているので、注意点を記す。
 @標高点1568ピークのトラバースは薄く歩きづらく、時間的にも労力的にも大差ないのでピーク直登を推奨する。A標高1290地点で直進(薄い踏跡)せずに、南西へ急下降(踏跡あり)。B標高1150地点は草付きで前方の尾根筋が見えない。コンパスを合わせて、前方の松林を目指して急下降。南東への枝尾根を下る手はあるが、南西尾根(草地から見える)には進まないこと。下りではここが一番難しい。C標高1020で不明瞭な枝尾根を下る。急下降で要注意。標高点1012の雨量観測所の少し先から巡視路を下る手はあるが、踏跡は薄く一部斜面化していて歩きづらい(今回下った枝尾根を何度もトラバースしている)。
 紅葉はカラマツの葉が黄色になっているが、他には足を止めるようなことはなかった。展望は標高1250付近からは多少展望が広がる。大平山の山頂部はガスに隠れていた。三角点1182はカヤトの中。赤倉山も山頂部はガスの中。久藏川の手前で林道に下山銅親水公園に戻ると、小学生の遠足(今はこんな言葉死語かな?)で大型バスが3台駐車していた。ザックを下ろしてスパッツを脱ぐ際にびっくり。小さなダニ(1mm程度で動く)がウジャウジャついている。大きなダニなら叩けばすぐに落ちるのだが、全然落ちない。こんなの初めての経験。自動車の陰でズボンとシャツを脱ぎ雨具に着替えてダニ退治。Yoshiさんがヒネリギ沢周回後に、ダニ落としをしたのと同じ様相。枝尾根を急下降し、最後に胸丈の笹をかき分けて小沢に下った。その時に付着したのであろう。


左: 南尾根のガレ場(標高1680) 中: 1568ピーク(手前から) 右: 笹原(標高1510から)


左: 大平山(ガスの中)と安蘇沢林道(標高1270から) 中: 備前楯山(標高1250から) 右: 標高1250の尾根筋(後方は備前楯山〜中倉山


左: 赤倉山(三角点1182から) 中: 尾根別れ地点の松林(標高1020) 右: 雨量観測所巡視路(下山途中で、下山尾根を数回横切る)

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