ひとり山歩き525 : 菅沼から白根山〜白根隠山〜前白根山〜五色山を周回してきました。生憎のガスで展望は楽しめませんでしたが、涼しい山行ができました。
 菅沼から白根山(2578)〜白根隠山(2410)〜前白根山(2373)〜五色山(2379)
2013年8月4日(日) 晴れ後曇り後小雨
1 行程
@所要時間: 自宅(1:45) = 菅沼登山口(3:50/4:00) − 弥陀ケ池(5:50/5:55) − 白根山北峰(7:10/7:30) − 白根山頂(7:40/7:45) − 奥白根平登山口(8:40) − 窪地(8:50/9:00) − 白根隠山(9:55/10:10) − 前白根山(11:05/11:10) − 五色山(11:35/11:50) − 弥陀ケ池(12:35/12:45) − 菅沼登山口(13:55/14:00) = 自宅(16:50)
Aルートマップ
Bウォッちず: 白根山  白根隠山  菅沼登山口
C写真集

2 自宅 − 菅沼登山口
 今年の梅雨は例年よりも早く明けたが、それ以降はカラッとした天気があまりない。週間予報を見ても3、4日後は晴れということで計画すると前日になると雨模様だったりでうまく計画が立てられない。7月18日(ひとり山歩き524)の山行以来、二週間以上が過ぎてしまった。あまり間隔が開くと、身体が訛ってしまうので、本日は休日(日曜日)で山には原則行かない日だが、翌日以降も天気ははっきりしないし、本日は夕刻までは雨は降らないようなので強行することにした。この時期に藪こぎはしたくないので、登山道歩きとする。栃木では一番高い白根山周辺を歩けば多少は涼しい思いもできるかと、金精峠から金精山〜五色山〜白根山〜白根隠山〜前白根山あたりを歩くことにした。
 いろは坂入口の馬返のパーキングで登山支度をしていると、奥日光に向かう車は平日は言うに及ばず通常の休日よりも多いようである。男体山登拝講社大祭に向かう人が多いのかもしれない。夜間の視力が落ちているので、飛ばしている訳ではないがいろは坂で数台を追い越した。早朝に数えきれないほどいろは坂を登っているので、慣れない他県ナンバー車をカーブで追い越して行く。いろは坂以外では、対向車を除いては追い越す車も追い越される車もない。夜明け前は鹿の飛び出しが多いので、これだけは要注意。金精トンネル前駐車場で数台の車の間に一旦は駐めたが、金精峠以降のはしごやロープ地帯の通過は十分明るくなっていない可能性があり、急遽計画を変更し菅沼からスタートすることにした(駐車料金1000円を徴収するようになってからは、あまり利用したくないのだが)。菅沼登山口の駐車場にはすでに7台、準備中に1台到着。(車載温度計13度)
 

弥陀ケ池に映る白根山
3 登山口 − 白根山 − 白根隠山  最近の降雨でガスが切れず遠望は利かず

12年8月16日の白根山からの展望(天気がよければこのような展望が広がる)   12年5月14日の展望(残雪期にはこのような展望が)

 何度も暗闇の中を歩いているので、準備が整い次第スタートする。隣の車では起きだしたようで室内灯が灯っていた。看板のある地点から南西に向きを変えると道筋がガレて踏跡が幾筋かに分かれるので、冬道との分岐地点から夏道に入るのがわかりづらい。夏道に入ってしまえば(今回はガイドロープが設置してあった)、以降は迷うようなところはない。ガレ道になったり土道になったりで歩きやすいとはいえないが登るには特に支障はない。左手に通行規制ロープが展張してある地点で消灯する。すると金精山がシルエットで展望できた。概して南南西に進んで、道標(弥陀ケ池0.9km、菅沼2.0km)を見ると、この地点が登山道の最西端で、以降は座禅山の東側を巻くように南南東に進んでゆく。カニコウモリが多いなあ、と思いながら進むと弥陀ケ池の北端に到着。この時点では依然として晴天で、逆さ白根山も見るとができた。柵で保護されたシラネアオイの開花時期は6月らしいが、その時期に通ったことがないのでまだ開花を見たことがない。
 池の南端(五色沼分岐)からガレ道を登り、座禅山分岐からもガレ道が続くが、樹林帯に入ると道筋が安定し歩きやすくなる。標高2350あたりからは登山道に通行規制ロープが展張してあり、このあたりからは展望が良くなる。振り返ると間近に四郎岳、燕巣山そして鬼怒沼も視認できたが、燧ケ岳の山頂部はガスの中。シャクナゲの短いトンネルを越すと、白根山の山頂はガスで隠れてしまった。今までに夏冬合わせて19回山頂を踏んでいるが、その経験から7時から8時頃に一旦ガスに隠れることがあるので、このまま登ってゆくと7時過ぎで丁度ガスっている可能性が大なので時間調整を始める。立ち止まっていると身体が冷えてしまうし、写真を撮ろうにも全体がガスっぽくなり、時間調整が難しい。振り返って登山道を見下ろすと、後続者が登ってくるのが目に突き出す。ここまで来て人の後を追って山頂を踏むのも癪と多少スピードアップ。岩場を過ぎて尾根上に出ると、細いガイドロープが敷設してあった(駐車場有料化で登山道整備したものと思われる)。北峰入口の道標地点で若者二人組に追いつかれてしまった。山頂にはすでに避難小屋から登ったと思われる二人が確認できた。山頂部はガスの中で瞬間的に青空が見えるだけ。計画通りに金精峠経由なら、山頂着は8時頃のはずで、ガスも切れている計算であった。急いで山頂に向かう必要はない。北峰の岩陰でザックをおろして休憩時間とし合わせてエネルギーを補給する。目の前を後続者が山頂に向かう。今日は夕刻には雨となる可能性があり、ガスが切れるまで時間つぶしをしているわけには行かない。瞬間的にガスが切れるのを期待して白根山頂に向かう。これで山頂を踏んだのは20回めだが、展望がなかったのは記憶では2回だけ。もう少し待てば晴れるだろうと思いながら、周辺の山々を眺めると、ガスはけっこう下方から上っているようだ。最近はかなり雨が降っていて、山腹は水分をたっぷり吸い込んでいるので、今日は待ってもガスは切れないと判断して先に進むことにした。残念ながら3回目の展望なしとなってしまった(代わりに過去のビデオを見てください)。

左: 夜明けの金精山(標高2040付近から) 右: 弥陀ケ池のシラネアオイ(開花は6月?)保護柵


左:四郎岳〜燕巣山(燧ケ岳はガスの中) 右: 燕巣山〜鬼怒沼〜黒岩山方面 (標高2350から)


左:登山道(山頂はガスの中) 右: 弥陀ケ池(遠方の山はガスの中)  (標高2350から)


ガスで山頂からは遠望なし
 白根隠山に向かうにあたり、白根神社そしていつものように窪地の岩陰に座す不動明王像に参ってゆく(いつも不思議に思うのだが、この写真を載せたHPやブログを見たことがない。気が付かないのか、興味が無いのか?)。男体山や中禅寺湖方面もガス模様。標高2500の県境に位置する道標まで下ると、周辺にはマルバダケブキとハンゴンソウが目に突き出す。白根隠山とその下に窪地が目に入る。白根隠山に登ろうとする小尾根をよく観察してドンドン下ってゆく。森林限界から樹林に入る頃になると後続者に追い越される。奥白根平登山口は素通りして避難小屋とは反対の窪地に向かう。
 窪地までは踏跡を追って行く。窪地への下りは深いクサの下に岩が隠れているので注意が必要。窪地は二段にわかれ手前(北側の方が浅い)の砂礫地には盛りを過ぎた薄いピンクのコマクサがちらりほらり。窪地の中央から先の南側窪地の方が幾分深い。錫ケ岳へピークハンターがよく通る白檜岳への登り口にはまだ残雪が少々。2週間前に白根隠山から覗いた時よりはだいぶ少なくなってはいた。
 窪地の中央から白根隠山へと通じる小尾根に取り付く。尾根の先端はガレと草付きの急登。少しばかり登るとダケカンバ林になり、尾根上には腰よりも低いシャクナゲがはびこっているので、左手のけもの道を追う。尾根上に復帰すると、断続的にシャクナゲ藪が現れ薄いところを求めて登ってゆく。この尾根は05年8月29日(ひとり山歩き209)に帯状疱疹で2ケ月のブランク後にリハビリで登っているが、その時はあまり藪は深くなくたいしたことはないように書いているが、歳をとったせいか結構きつく感じた。最後にザレ筋を登りつめると主稜線に達して白根隠山のケルンまでは2分。白根隠山からの展望も良いのだが、今日はガス模様で白檜岳と前白根山〜五色山以外は霞んでいる。2週間前には気づかなかったが、ここからも柳沢林道終点付近の崩落地が確認できた。ガスに隠れた錫ケ岳を方面を眺めながら、柳沢右俣から天女の滝を見て錫ケ岳へ行くたそがれオヤジさんとみー猫さんは今頃どこを歩いているか想像する(たそがれオヤジさんのブログを見ると丁度同じ頃に錫ケ岳近くに達していた)。


左: 山頂南窪地の不動明王像 中: マルバダケブキ(標高2400) 右: 霞む中禅寺湖南岸と白根隠山(手前)(標高2400から) 


左: 男体山の頭(標高2400から) 中:五色沼(標高2400から) 右: 森林限界から樹林帯へ(標高2350)



左: 奥白根平 中:窪地(北端から) 右: コマクサ(北側窪地)


左: 北側窪地(中央から振り向いて) 中: 窪地中央の小尾根 右: 南側窪地(中央から)


左 : 白根山 中: 白檜岳(錫ケ岳はガスの中) 右: 五色山と前白根山  (白根隠山頂から)
4 白根隠山−前白根山−五色山−菅沼  前白根山と五色山は登る人が多い  今日はずっとスカッとした展望を得られず
 二週間前に、柳沢から錫ケ岳、白根隠山そして湯元温泉へ下った時には、白根隠山から前白根山まで通常は60分以内だが65分も要した、今回は途中で出遭った三人組みと話をしたり、前白根山のガレ場でコマクサの撮影で時間を消費したが55分。前回は長丁場ということを考慮しても全体に時間がかかりすぎ。この尾根筋を歩くときにいつも思うのだが、錫ケ岳へのピークハンターが先刻通って来た窪地から白檜岳に抜けてしまう。白錫尾根で最も景色の良い場所をオミットしてしまうのはなんとも解せない話し。往路か復路片方でも辿って欲しいのだが(何度も通っている人はその限りにあらず)。標高点2385ピークで金精峠からの三人組に出逢ったが、白根隠山に行く人は少ない。自分の場合は今回が13回めだが、ほとんどは通過地点に過ぎない。
 計測小屋前で写真を撮っていたら、トレイルランの若者が下っていた。避難小屋分岐で立ち話していたので追い越す。もう出逢うことはないだろうと思っていたのだが、後刻、五色山から弥陀ケ池に下ってゆく途中で、五色山に登って行くのとすれ違った。すごい人もいるものだ。尾根筋なら20時間くらいデレデレ歩く自信はあるが、尾根筋をものの2分も走ることはできそうもない。
 前白根山のガレ場登りになると20人位(?)の団体が下っていった。2週間前にも気づいてはいたのだが、花にはは興味がないので記述しなかったが、濃いピンクのコマクサがまだ咲いていた(窪地のコマクサとは色が異なる)。コマクサはもともとこの近辺にはなかったらしく誰かが移植したらしい。関係筋ではコマッタクサということで除草しようかとの話もあるようだ。移植するなんて好ましいことではないと思うが、自分は植生に詳しくないのでこれ以上は記述しないことにする。前白根山の山頂からは日光連山方面はガスの中。
 五色山に向かうと何人かとすれ違う。五色山直下で湯元温泉を写真に撮すと、すぐに五色山の山頂で10人くらいは憩っていた。ここで休憩しながらこれからのルートを考える。金精峠経由で菅沼に戻るのと、弥陀ケ池経由で菅沼に下るのでは、約1時間前者の方がながい。体力的には金精峠経由でも全然問題ないが、空模様と高度計が高めにずれだした(気圧が下がりだしている)ことから判断して、弥陀ケ池経由で下ることにした。膝下の笹尾根を緩やかに下ってゆく。五色山に登ってゆく人が多いのには驚いた。白根山に登っても展望がないので、五色山に登るのかそれとも最初から五色山を目指しているのかは不明。弥陀ケ池の南端に着くと、周辺で憩っている人や白根山から下山してくる人が多い。天気はあまり気にならないようだ。
 弥陀ケ池でエネルギーを補給して、一気に菅沼までく下ることにする。途中で何組かを追い越したが、何組かが追いついてきたので、道を開けて通過させた。通常は人のいない山ばかり歩いているので、登山道歩きのエチケットやマナーには詳しくないが、道を譲ってもらっても黙って通り過ぎるのが普通なのかな。こんなことを気にするようでは、人のいる山は歩かないほうが良いのかもしれない。13時20分頃、標高2050あたりで雨が降りだした。大降りにはなりそうもないので、そのまま下山を続ける。駐車場に到着したときは、大汗をかいた程度の濡れですんだ。金精峠経由にしなくて正解。
 駐車場の入口の管理小屋に寄って駐車料金を払おうとしたら、管理人がいなくて、料金箱に1000円を投入。依然として小雨が降り続いたが、金精トンネルを越すと雨は止んでいた。中中宮祠では男体山登拝講社大祭りで駐車場は混雑しているようだった。中禅寺温泉夏祭りの一環か湖畔を弓を小脇に抱えた人を多数見かける。駐車場を出発するときは19度だったが、家が近づくにつれて外気温は31度になっていた。白根山と白根隠山では涼しい時が過ごせたのだから、平地の暑さは我慢我慢。


左:前白根山ガレ場のコマクサ 中: 前白根山から白根山 右: 白根隠山方面(錫の山頂部も少し)


左:五色山直下から湯元温泉 中: 五色山山頂 右: 五色沼と白根山(ガスの中)


左: 五色沼分岐付近のデンキ柵 中: 弥陀ケ池南端 右: 菅沼登山口駐車場
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