ひとり山歩き520 : 楡沢川右岸尾根に楡沢橋袂から取付き、二子山に登り、東峰の台石山から県境尾根の北側尾根を餅ケ瀬林道口まで縦走して来ました。尾根筋は複雑で一般向きではありませんが、大石が多く庭園を歩いているような感じでした。
二子山(1556)(楡沢口から餅ケ瀬口へ)
2013年6月1日(土) 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(2:20) = 足尾トンネル入口駐車(4:15/4:20) − 楡沢橋・尾根取付き(4:45/4:55) − 鉄塔5:05) − 標高点734(5:35) − 標高点1164(7:30) − 伐採地通過(7:50/8:05) − 標高点1209(8:10) − 標高点1252(8:35) − 県境尾根出合(9:20) − 二子山(9:55/10:00) − 台石山(二子山東峰)(10:15/10:40) − 標高点1272(11:25) − 三角点801(12:50) − 下山(餅ケ瀬林道)(13:20) − 足尾トンネル入口(13:25/13:35) = 自宅(15:20)
Aルートマップ
Bウォッちず : 二子山 台石山  楡沢橋  餅ケ瀬口
C写真集

2 自宅 − 登山口
 今年は例年よりも十日も早い5月29日に梅雨入りとなり、今週は山行は諦めていたので特に計画はなかった。ノラさん達が5月18日に、県境尾根から二子山に登り、楡沢右岸尾根で春場見の楡沢橋に下った記録を読んで、自分もこの尾根を歩いてい見たいと思っていた。梅雨の中休みで本日の予報は晴天、この機会を逃すのはもったいない。県境尾根はすでに04年5月5日(ひとり山歩き151)に歩いているので、群馬側の春場見から登って栃木側の餅ケ瀬林道に下山することにした。Webで検索してみると、たそがれオヤジさんが春場見からと餅ケ瀬から二回に分けて登っているのが判明した。これらの記録を参考にして、楡沢橋から二子山に登り、餅ケ瀬側に下る周回コースを設定した。 
 今日の所要時間は10時間以下であり、明るくなったら尾根に取り付くべく時間を見計らって家を出た。下山後の舗装道歩きを短くすべく足尾トンネルの入口に駐車して、尾根取付きの楡沢橋まで国道122号を歩く。

3 楡沢橋から二子山へ  大石の多い尾根 特別危険箇所はないが大岩を巻くときに要注意  下る場合はルーファン難しそう
 楡沢橋を渡ると右手が石材店の石材置場となっていて入口にスペースハウスが置いてある。その横の踏跡から尾根に取り付く。篠竹藪の中の踏跡を追ってゆくと、右下からピンクリボンに導かれた踏跡を合わせる。篠竹藪が消えると、地面を這う太いケーブルを見て尾根上に達する。急に歩きやすくなったかと思うと、すぐに鉄塔に達した。
 その先は踏跡が続き、藪もなく気持ちよく歩いていると、庭園に置いてあるような丸みのある大石が現れ始める。最初はもの珍しく写真に撮っていたが、数が多く全部撮影していたら前に進めない。カメラの液晶を覗くとレンズのカバーが半開きとなっていた。しばし開閉を繰り返すうちにますます悪化して、カバーが閉まらなくなってしまった。レンズ周辺に付着したゴミがカバーの隙間に入り込んでしまったようだ。撮影はできるので、ひと安心(帰宅後、何度も開閉操作を繰り返していたら、作動するようにはなった)。標高700付近に松が多い箇所あり、雰囲気がとても良かった。その先で大石を見て小さなコブに達した。ここが標高点734だが、展望はない。尾根上には薄い踏跡が続き、標高750を過ぎたあたりで、落葉で隠れているが少し凹んだ道筋のような感じがした。この先で明瞭な道筋を辿っていると、右手が開けて県境尾根と男体山の山頂部が展望できた。残念ながら道筋は開けた箇所が崩落していて消えてしまった。この尾根筋は自然林で林業関連の踏跡ではなく、登山道みたいなものがあったのかもしれない。
 緩急混ぜながら登って行くと相変わらず庭園の置き石が目に入ってくる。ノラさんとたそがれオヤジさんの記録にある大岩が尾根上を塞いでいる箇所に達した。岩壁には手がかり足がかりがないので、ここは先人に見習って左(南)を巻くことにする。滑落して怪我をするような場所ではないが、地肌が緩くしかも落葉が堆積していて、滑って歩きづらい。巻き終わって尾根上に戻るのに15分ほど要した。この巻き道を下るのは滑って難儀しそう。標高1100付近で踝程度の笹が初めて現れた。左から三角点1081に通じる尾根を合わせた小ピークを越すとスポット的に植林が現れた。多少のアップダウンをしながら登ってゆくと草付きの箇所も出てくる。大石が数個ある小ピークが標高点1164だが相変わらず展望はない。
 標高点1164を過ぎると、尾根幅が広がり方向が取りづらくなる。尾根に引きずられて北西に進み、横を見ると左手により高い尾根筋を見つけて方向を修正する。次の小ピークも大石が目についた。浅い鞍部から登り返すと、突然明るくなり、左から尾根を合わせて伐採地となる。ここからの展望は素晴らしい。草木湖や赤城山が展望できる。間近では前袈裟丸山への塔の沢コースと弓の手コースの尾根筋の右手に二子山と台石山も望めた。このあたりはヤマツツジががまだ咲いていて目の保養になった。伐採地から方向を北に転じて15分ほど進むと樹林の中に突入する。何かは知らないが石標のある位置を標高点1209とした(その後は同じ石標が頻繁に目についた)
 尾根幅がひろいので方向が取りづらいが、幸いに枝尾根が少ないので迷うようなことはないが、下る場合には油断は禁物であろう。その後も大石は頻繁に現れるが、もう見飽きたという感じ。標高点1262は特徴的なものは何もない。1262の先は落葉の堆積した急斜面登りで、持病の踵骨が痛みだす。昨年と一昨年の7月に左と右を交互に痛めて整形外科で治療した。今年もかと心配したが、いまのところ少し痛みは残るが大事にならないだろう。尾根幅が広がって勾配は緩み県境尾根に達した。県境尾根は右(北)側がカラマツ林で、膝下の笹が繁茂している。この尾根筋を歩く人が比較的多い割には踏跡は薄い。疲労と踵の痛みで、県境尾根歩きは思ったよりも時間がかかり。やっとこさ二子山の山頂に着いたという感じ。三等三角点と主三角点が設置してあり、ダケカンバンが目に付く山頂からは枝越しに袈裟丸山連峰が伺えるだけ。今日のコース取りでは人に出逢うとしたら、二子山の山頂だけ。いくら土曜日とはいえツツジの時期に遅いので、ここへやってくる人はいないだろう。油断は禁物(?)、写真撮影だけで、すぐに台石山に向かう。


左:楡沢橋袂から尾根取付き(物置の左先から) 中:篠竹藪(数分の我慢) 右:鉄塔(前方は三角点1081の南東尾根)


左:大石(標高650) 中:松が目立つ(標高700) 右:標高点734の大石


左:道筋(標高850付近) 中:県境尾根(手前)と男体山(標高850付近 右:明瞭な道筋(標高850付近)


左:岩壁のような大岩(写真では低く見えるが・・・左手を巻いて通過) 中:巻き道で横から撮影 右:巻き終わっても大石は続く


標高点1164の次の小ピーク付近でも大石はまだまだ続く(見飽きてしまうよ!?) 


伐採地(標高1170)からのパノラマ  左手に草木湖  中央奥に赤城山  一番右のピークが二子山


左:草木湖 中:赤城山 右:一番右が台石山その左が二子山  (いずれも伐採地から)


左:樹木の生命力(標高1330) 中:ヤマツツジも少しは残っている(県境尾根出合) 右:二子山直下の大石


二子山山頂から袈裟丸山連峰

4 台石山から餅ケ瀬口へ  三角点801尾根は南側は殆ど檜林で、明瞭な道筋も多く歩き易い
 二子山から膝下の笹斜面を50メートルほど急下降し、鞍部から30メートルほど登り返すと台石山に達した。ここで重大なミスを犯してしまった。今まで大石を見すぎて不感症になってしまったのか、台石山直下にあるチョッケン岩を見逃してしまった。事前に記録をよく読んでおけばよかったが、今更どうしようもない。ここも大岩が多いが、なんといってもテーブル状の岩が目に付く。台石山とはこの岩から名付けられたのかもしれない。山頂部にはシロヤシオが咲いていた。これが今シーズン最初で最後のシロヤシオになるかも。袈裟丸山から皇海山、白根山、男体山がなんとか展望できる。09年8月1日(ひとり山歩き361)にここから餅ケ瀬林道に下った時に、見逃してしまった小さな山名板を探したところ、赤テープが巻きつけられた形で樹木にぶら下がっていた。ここへ来るべき人はすでに一二週間前に来てしまったので、今日ここへ来る人はまずいないだろうと、ザックを下ろしてエネルギーを補給する。
 山名板に付いてたピンクリボンは楡沢橋から尾根に取り付いて篠竹藪の中で見かけた(途中ではテープ類は全然見かけなかったのだが)。これから下る方にも同じ物が付いている。膝下の笹斜面を滑るようにして下ってゆく。油断していると足元を掬われてしまう。下るに連れて笹は低くなり傾斜も緩んでくる。標高1400あたりから三角点801への尾根に乗り換えねばならない。右手を注意しながら下って行くと、尾根が東へ発生している感じがする。今後のために目印として大石が三四個ある場所から右折した。尾根幅は広いのでコンパス頼りに歩く。標高1350以下になると尾根形は明瞭となり、コンパスを時々確認しながら下ってゆく。途中に古いワイヤーが張ってあり、この先の浅い鞍部の右手に沢が流れていた。鞍部から登り返すと標高点1272でこのあたりは右(南)はカラマツ、左は自然林となっている。
 1272の先からは右手は檜植林、左手は自然林となり、時には両サイド自然林となることもあるが、ほとんどは右手に檜林が続き、途中では明瞭な道筋歩きも出てくる。往路の自然林中心の尾根に比べて単調で面白みにかける。標高1000あたりからは赤テープが連続するようになる(黄色の布切れも三四回見かけた)。三角点801が近づくと明瞭な道筋がついている。この道筋は三角点ピークの南側を巻いて下っている。これを追うと三角点801に寄れないので、どこへ続くのか気がかりだが、尾根上に戻り少しばかり登ると三角点801ピークに達した。三角点峰の手前の岩影に小さな石仏があるということで気にはしていたが、数多い岩を虱潰しに調べるわけにはゆかず見逃してしまった。
 標高が低くなってくると枝尾根が増えるので、コンパスと赤テープ頼りに下ってゆく。標高700で大岩を右から巻いて通過すると、尾根の右手に金網フェンスが展張してある。このフェンスに沿って下ってゆくと、浅い鞍部に達して左下に林道が見えている。このまま尾根を進むと小ピークを越さねばならないのと、尾根先端がどうなっているか不明なので、ここから餅ケ瀬林道に下山した。そこから5分で駐車地に戻る。今日は思ったよりは涼しく快適な歩きができた。水は1.5リットル未満の消費だった。


左:台石山山頂 中:台石というのかな? 右:テープだらけの山泣いた(パソコンが気持ちを代弁してくれた)


左:袈裟丸山〜皇海山〜庚申山 右:庚申山〜白根山〜男体山 (台石山から)


左:台石(奥に袈裟丸山) 中:袈裟丸山(後袈裟丸、中袈裟丸、奥袈裟丸・最高峰) 右:山頂部のシロヤシオ


左:1272西鞍部の沢 中:明瞭な道筋(標高1000付近) 右:金網フェンス(標高700)

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