ひとり山歩き518 : 東小来川から鶏鳴山、その北尾根、山久保稲荷神社、高平山そして小来川へと周回して来ました。特に危険箇所はないが、尾根は複雑に枝分かれしているので、ルートファインディングを楽しむことができました。
東小来川から鶏鳴山(961)〜山久保稲荷神社〜高平山(830)周回
2013年5月17日(金) 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(3:15) = 東小来川(4:45/4:50) − 鶏鳴林道口(5:05) − 林道終点・尾根取付き(5:45) − 植林から自然林(6:15) − 主稜線到達(鶏鳴山北峰付近)(6:40) −鶏鳴山(6:45/6:50) − 北峰(6:55/7:00) − 中山尾根分岐(8:05) − 標高点650(9:00) − 標高点652(9:40/9:45) − 県道150号出合(白沢集落)(10:20/10:30) − 山久保稲荷神社(11:00/11:05)  − 破線道入口(中野集落)(11:20) − 林道出合(破線道終点)・尾根取付き(11:40/11:45) − 高平山(13:00/13:20) − 石祠・標高点854(13:45) − 鳴虫山尾根分岐(14:20) − 標高点812(15:00) − 三角点788(15:30/15:40) − 標高点560(16:40) − 八坂神社へ下山(17:00) − 駐車地(17:15/17:25) = 自宅(18:45)
Aルートマップ
Bウォッちず : 鶏鳴山 鶏鳴林道口  県道150号出合 山久保稲荷神社 高平山 八坂神社
C写真集

2 自宅 − 東小来川
 鶏鳴山には02年から04年にかけて4回登っている。いずれも異なるルート取りで、鶏鳴山には東から、南から北から登っている。その頃は低山歩きを盛んにしていたので、西側の東小来川から登ることと北尾根(旧日光/今市境界尾根)を縦走することを考えていた。いつの間にか、高い山や残雪歩きに興味の対象が移り、忘れていた。
 ブログ・きままなノラの山歩きのノラさんが、5月3日に東小来川の八坂神社から尾根伝いに高平山に登り、東尾根を下って山久保稲荷神社まで歩いた記録を読んで、脚力養成ロングウォークの一環として自分のペンディング事項とノラさんの山歩きをつなげてみようとヒントが湧いた。調べてみると、ノラさんが歩かれた尾根は、starionさん、ななころびさん、シボレさんが八坂神社から高平山方面を目指している。逆に下った記録は見つからなかったので、鶏鳴山北尾根を縦走してから山久保稲荷神社に参って、逆コースをたどることにした。計画した尾根筋は一部(中山分岐から鶏鳴山と高平山から鳴虫山の間)の区間を除いては、歩いたことがない。地形図を見て判るように低山であるから枝尾根の派生が多く、しかも登る方向よりも下る方向の方がはるかに尾根筋が長くルーファンに苦労しそうである。所要時間はザックリ見積もって鶏鳴山関連6時間、高平山関連6時間の計12時間とした。下山途中で時間切れが予想されたら、途中で稜線直下まで達している林道へエスケープすれば、明るくなったら歩き出しも暗くなるまでには下山できるだろう。
 山久保稲荷神社付近は舗装道歩きがあるので、東小来川に行く前に少しばかり遠回りして車で様子を見ておいた。県道14号を山久保方面から下って東小来川公民館から500メートルほど南下し、道路脇の広場に車を駐めた。

3  東小来川 − 鶏鳴山 − 北尾根  鶏鳴山への登りは急登  北尾根は小ピーク多く思ったよりはタフ
 県道14号と林道の分岐点から新谷集落の舗装道を歩いてゆくと、鶏鳴林道入口に達した。入口の通行規制ワイヤーを跨いで舗装林道に入り、最初の分岐で右折すると舗装は切っれてダートになる。杉落葉を敷き詰めた林道は枝分かれが多いが、迷うこともなく進んでゆく。杉落葉が少なくなり、その代わりに草付きになったり、落石や倒木が増えてくる。最終的には林道筋は不明瞭になるが、その中に明瞭な踏跡が付いている。林道終点は小さな沢が合流する地点で、ここから尾根に取り付く。
 檜や杉植林の尾根には障害物は無く薄い踏跡が付いているが、急登には辟易する。標高830あたりで植林から自然林に変わり、少しばかり岩っぽくなるが踏跡を拾える。途中で大岩を左に巻くとトラロープが張ってあったりする。テープ類も多く途中で迷うような場所はない。最終的に植林に突入すると、主稜線にすぐに達した。この地点は鶏鳴山北峰から3、40メートル南に位置して、賑々しく目印のテープ類が付いている。5分ほどで三角点のある鶏鳴山の山頂に着いた。ここは樹木に囲まれていて展望は全くないが、多くの山名板を見かける。
 北峰に向かうと、北峰の祠群の手前で、南東に中山が樹間に見え、北西には男体山、大・小真名子山、女峰山と鳴虫山が見える。最終的に高平山から下ってくる尾根の末端部が展望できた。02年4月2日(ひとり山歩き36)に来た時には、この展望は得られなかったが、03年11月19日(ひとり山歩き122)に来た時に、樹木が伐採されていて、展望が得られるようになっていたのにはビックリさせられた。それから10年近く経っているので樹木は成長して展望範囲が狭まったような感じがする。

                                                取付き直後の尾根筋。標高850の様子。鶏鳴山山頂。  (左から以下同じ) 


                                               北西の展望。南東の展望。 (北峰から)


                                                石祠群(全部で4基、右の写真には見えないが2基)。

 長畑方面からの登山道に別れて北尾根に踏み込むと、トラロープが展張してある。登山者の迷い込み防止のロープかと思ったが、展張方向はこれから下る方向にあり、疑問を持ちながらもロープにつかまりながら急斜面を下ってゆく。急斜面が終わると、岩っぽいヤセ尾根歩きとなるもロープは標高800の鞍部まで連続していた。林業関係者が尾根の登り降りの補助に敷設したものであろう。急斜面とヤセ尾根を下るのに大助かり。ロープが切れると厳しい場所はなくなるが、幾つもの小ピークを越して緩やかに下ってゆく。尾根筋に時たま植林が左(西)手に現れるがほとんどは自然林である。標高680で右(東)に尾根が分岐し、ここを中山分岐とする。03年11月19日(ひとり山歩き122)に中山からこの尾根を伝って鶏鳴山に登ったことを思い出した。
 この先は植林となり、時たま自然林が現れるようになる。標高600くらいまで下ったかと思うと、小さなピークをいくつも越しながらの登り勝手となり標高点650に達する。650ピークからは旧日光/今市境界尾根と別れて、北北西の尾根に進む。この先も小ピークが多く、アップダウンを繰り返す。枝尾根の派生も多くアップダウンも多いので、思ったよりはタフな歩きを強いられる。標高点652は樹木が少なく、北東に今市市街地、北西に日光連山と高平山と東小来川に下る尾根筋が展望できた。652ピークの先で方向を北から北西に変えて白崎集落目指して下りとなる。尾根上は樹木が疎らでブッシュがはびこっていて、少しばかり藪漕ぎを強いられる。樹木が密になると藪から開放され、作業道を横断したりしながら林道に下り立ち、すぐ先が県道150号出合(白沢)で計画通り鶏鳴山の北尾根歩きは終了した。

                                                ロープ上端(標高950付近)。中間(標高900付近)。末端(標高800付近。

日光連山(後列)、高平山(前列中央)と下山尾根  (652から)
4 山久保稲荷神社 − 高平山 − 八坂神社  すぐに破線道をみつけた  高平山からの下りはエドね多くルーファン要注意
 県道150号から県道14号で日光方面に向かうと、すぐ先で山久保稲荷神社の道標を見る。舗装道を登ってゆくと中野集落で再び道標を見る。高平山への破線道に取り付くには、ここに戻ってくることを確認して左下の星舗装道に進む。道なりに進んで行くと石階段が現れ、これを登ると山久保稲荷神社である。先刻の道標まで同じ道を戻るのは面白く無いので、神社の右手から植林の中をとおて戻った。地形図の破線道入口付近は舗装してあり、しかも民家が立て込んでいる。ノラさんの記録を参照しながら、民家の間の細い舗装道に入ってゆく。道標から150メートルほど進むと右手に細い山道を見つけて、これに踏み込む。えぐれた道筋は如何にも破線道の感じがする。方向が合っているので進むにつれてこれが破線道だと確信する。途中で小沢を渡渉したり、作業道を合わせたりしながら進んでゆくと林道出合でここは破線道を含めて十字路になっている。
 林道を僅かに進んで高平山東尾根に取り付く。檜植林の尾根は急登だったが、杉植林に変わると勾配は緩み一息つく。尾根筋は明瞭で迷うような場所はない。標高680で自然林が現れると勾配は増してくる。標高750手前は特に急勾配で這うようにして登りつめると間伐材が放置されていた。この先は勾配が緩み、さらに十数分の登りで高平山南西尾根に出合った。そこから4踏んで高平山山頂に達した。03年12月24日以来の山頂訪問であった。当時見かけた山部3DとRK(今回は地面に落ちていた)は健在だった。展望は全くなし。

                                                道標(稲荷神社は左手前へ、破線道は右上へ)。稲荷神社石階段。稲荷神社。


                                                破線道入口。破線道(小沢の先)。林道出合(尾根取付きは少し左へ)。


                                                時々見かけるヤマツツジ。高平山東尾根の標高690付近)。高平山山頂。

 高平山から南西に尾根を下り鞍部から登り返すと、細尾根となり灌木藪が少しばかリ煩わしい。藪が切れて松の倒木を乗り越して登ったピークが標高点854で、ピークの南外れに石祠が祀ってある。側面の文字は風化していて読めなかった。このピークから南東尾根を下れば山久保稲荷神社に達する(稲荷神社寄れなかったらこの尾根を下りることを考えていたが無用にになった)。このピークからは幾つかの小ピークを越すが標高は殆ど下がらない。途中の850級小ピークで向きが南西から南に変わったかと思うとすぐ先で再び南西に下るようになる。ここは要注意ポイントである。蛇足だが、03年12月24日(ひとり山歩き127)に高平山から鳴虫山を目指した時に、間違ってこのピークから北尾根を下ってしまい間違いに気付き谷越えで軌道修正したことを思い出す。ここまでは10年前に歩いているのだが、アップダウンが多いということ以外は全く記憶に残っていない。本題に戻して、この小ピークから少しばかり下ると、北北西に尾根が派生している。ここが鳴虫山分岐で、目印としてはコナラ(と思う)の大木と木原造林の杭が目印となろう。
 鳴虫山分岐の先で方向を南西から南に転じて、810m級ピークを越すと標高点812ピークに達する。今までは自然林に時々植林が顔を出していたが、この先はは植林歩きとなる。ここから東尾根を下れば林道にエスケープできるが、思ったよりはアップダウンが多く時間がかかっていても明るうちに下山は十分可能の見通しがあり、ここからのエスケープも不要(ロングコース歩きを計画するときは、必ずエスケープルートを用意しておくことは不可欠)。小ピークに達すると必ずと言っていいほど枝尾根が派生しているので、コンパスをこまめに設定して方向を確認しながら歩くのが肝要、特に下る場合は丁寧に。三角点手前の鞍部からの登りになると、北東に高原山が見えたりする。三角点788峰で、最後のエネルギーを補給する。展望はないが、直下まで林道が来ているせいか東尾根には踏跡が認められる。
 植林の中を歩いていると、日光が遮られて地形図に事前に記しておいた注意事項が読めなくなってきた。ペンライトを当てると廻りが明るいので、かえって見づらいい。月4日に笹目倉山から石尊山(ひとり山歩き502)まで歩き、夕刻になって植林の下りで地形図が見づらくなって、明るい谷筋へ逃げたことを思い出した。標高点560ピーク付近になるとノラさんの記録にあるように赤テープが頻繁に付いているので、これを利用することにした。間違って枝尾根を下っても県道や林道が受け止めてくれるから問題ないが、尾根を外すのは癪にさわる。赤テープを信じながら、時々GPSをカンニングしながら植林を急下降する。破損した石祠を見るとすぐに八坂神社で、無事下山となった。駐車地までは、ゆっくり歩いて15分、途中で鶏鳴山の山頂部を撮影。今日も山中で人に遭わなかったのは言うまでもないが、動物も見かけなかった。

                                                鳴虫山分岐(鳴虫山は左の尾根へ)。高原山展望(三角点北鞍部から)。三角点788山頂。


                                                560ピークからの下り。八坂神社。下山地点(上の建物は八坂神社)。
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