ひとり山歩き517 : 鹿沼市の賀蘇山神社から石裂山、大滝山そして横根山と縦走して来ました。踏跡はほぼ全域にあり、ヤブはほとんどなく快適に歩けます。危険を伴う岩場もありますので注意が必要です。
石裂山(879)〜大滝山(1070)〜横根山(1372)
2013年5月8日 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(3:10) = 鹿沼市入粟野・賀蘇山神社(4:25/4:35) − 登山口(中宮跡)(4:55/5:00) − 石裂山(6:25/6:30) − 月山(6:45/6:50) − 小川沢峠(7:30) − 横根林道切通(869)(8:50/8:55) − 大滝山(10:15/10:25) − 前日光林道切通(869)(11:25/11:30) − 岩場巻き道(12:30/12:50) − 標高点1286(13:30) − 横根山(14:10/14:25) − 五段ノ滝(14:55) − 横根山登山口(15:45) − 日瓢鉱山前(15:50) − 賀蘇山神社(17:25/17:35) = 自宅(18:40)
Aルートマップ
Bウォッちず : 賀蘇山神社  石裂山  大滝山  横根山  横根山登山口
C写真集

2 自宅 − 賀蘇山神社
 今日は好天が期待できるので、今シーズン最後の残雪歩きで白根山へゆくつもりであった。ところが前日の午後になって、気が変わり前回同様にロングコース歩きで足腰の鍛錬をすることにした。03年5月10日に実行して途中退却となった石裂山から大滝山を経由して横根山までコースのリベンジをすることにした。この間は何らかの形で歩いているので、過去の記録をもとに所要時間を推定すると13.5時間となった。例によって明るいうちに駐車地まで戻ることを前提に、多少の余裕を待たせて明るくなる4時半に鹿沼市入粟野にある賀蘇山神社をスタートすべく家を出る。
 出だしから変なはなしだが、家を出発して小一時間ばかり車を運転していると、腸の活動が活発になり、便意をもよおすようになる。その対策として、山行地域ごとに、道の駅やトイレのあるパーキングを決めておいて用をたすことにしている。ところが前回もそうだったが、家から近場の山に行くと途中に道の駅やパーキングが無くて困ってしまう。仕方なしに、途中のコンビニに寄ることにしている(弁当や水は家の近くのコンビで購入しているので、余分なものを買わざるを得ないが)。鹿沼市入粟野の賀蘇山神手前の尾ざく林道入口に駐車し、準備を整えた時点で歩くには充分明るくなっていた。

3 賀蘇山神社から石裂山 途中に危険箇所(ク朝里、ロープ等設置)あり  マニアックな人向けのコース
 杉木立ちの林道を北に進み、南東に折れて再び北向きに転じると、石裂山の小さな標識を見かける(このあたりは地形図とは異なっているようである)。ここを登山口として林道右手の山道を進むと、すぐ上に東屋(中の宮跡と推測)が立っている。暫くは尾根の左手を九十九折に登ってゆく。標高600あたりで尾根の左手から右手そして尾根上歩きとなる。すぐに岩っぽくなり、クサリ、ロープや短い木梯子が設置してあり、要注意箇所の通過となる。反対側の石蘇山神社からのコースとは異なり、長い梯子の恐怖はないが、痩せ岩稜は負けず劣らず恐怖を感じる。賀蘇山神社から登るのを推奨はしないが、マニアックな方にはもってこいのルートであろう。途中で枝越しに横根山が見えると、今回はあそこまで何としても行くぞの決意を固める。クサリ、ロープと木梯子の危険地帯を通過しても、左下は切れ落ちていて右手の斜面にへばりつくように進んで行く。途中に道標(奥の宮 石裂山)が立っている。道標の奥の宮は谷を挟んだ石裂山の南岸壁方面を示している。石裂山のことかと思ったが、道標には前方が石裂山となっている。帰宅後、Webで丁寧に検索したら、谷の向こう側の岩壁基部に奥の宮が祀ってあることを知った。危険を伴うので、次に通ることがあっても寄る気にはなれない。その道標のすぐ先が石裂山と西剣ケ峰の鞍部で、御沢峠の標識があり、落石・下山禁止の標識が目についた。賀蘇山神社からの途中に登山禁止の標識を見なかったので、登るのは禁止していないということかな。峠から10分ほど登り、登山道から50メートルほど西に細尾根を進むと、三角点が設置してある石裂山の山頂で、男体山から女峰山とこれから辿る大滝山方面が展望できる。芽吹きはじめたミツバツジが少しばかり目につく。

                                                標高700付近は岩場の連続


                                                最後の木梯子。石裂山南岩壁。横根山。 (標高750付近から)


                                                石裂山頂き。山頂からの展望(中央やや左に大滝山、奥に男体山、右手前が月山)。

4 石裂山〜大滝山〜横根山縦走  特別危険地帯もなく、無地に縦走
 危険地帯から開放されて登山道を緩やかに下って登り返すと月山山頂に達する。最初に目につくのが倒壊した社である。いつ倒壊したのか知らないが、みー猫さんが昨年の5月20日に報告しているから少なくとも1年以上は経過している。どこの神社に属するのか知らないが、こんなに放置された神様は崇拝されるものやら。予算不足なのか、倒壊を知らないのか(そんなことはあるまい)。
 山頂から大滝山方面の尾根筋を確かめて下り始めると、すぐに左手にネットが張ってある。踏跡は明瞭なのだが、若い檜林で枝打ちはまだなので枝ヤブとなり少しばかり煩わしい。小ピークを幾つか越しながら下った鞍部に古い標識「横根山 石裂山」が立木に括り付けてあった。ここが小川沢峠で地形図には破線が記されているが、通行する人がいないので踏跡は消えてしまったようだ。ここから登り返すと尾根の北側は伐採地で標高点809まで続いている。この伐採地からは展望がよく、遠くは高原山、近くは鳴蟲山、鶏鳴山、白髪山(868の北西の1000m級ピーク、地形図に記載なし)が目に入る。伐採地のカヤの中の踏跡を登ってゆくと、開花の始まったヤマツツジを見かける。標高点809からは再び枝ヤブ漕ぎとなる。

                                               伐採地上部からの北側パノラマ 

 向きを北西から西に変えると、下方に横根林道がちら付き出した。870m級ピークでピンクリボンに引きずられて林道に下りかけて軌道修正をする。次の880m級ピークではそのまま直進しかけて慌てて軌道修正、このあたりは枝ヤブから開放されて少しばかり緊張感を欠いたようだ。そのまま右下に林道を感じながら尾根筋を歩くと直下10メートルに林道が走っている地点があり、ぐらぐらとするも今日は切通以外では林道を歩かない(下山後の車回収は別)覚悟。間伐地帯を通過したりしながら林道に沿って北西に尾根を歩き標高点869で横根林道切通に擁壁の西側から下りる。ついで擁壁の東側から尾根に取り付くと、すぐに間伐地帯を通過する。間伐廃材をよけながらの歩きだが、間伐地帯は枝ヤブがないので歩き易い。標高950から次の1020m級ピークの間は急斜面で、地肌が崩れたり、杉の落葉で滑ったりで悪戦苦闘する。登りつめると勾配は緩み植林から自然林へと変わり、気持ちもグッと明るくなる。このあたりからは大滝山は目の前。ところが岩場あり、岩を直接下ろうとしたが危険を感じて巻き道を探すと、左手(西側)に比較的しっかりした踏跡が付いていた。その先は左手は檜、右手は自然林の尾根筋を登ってゆく。伐採材に隠れるように三等三角点、傍の杭に文字の消えかかった大滝山の標識を見る。この標識を見るのは今回で6回目、こんなヤブ山を6回も訪ねるような変わり者はあまりいないだろう(すべてスタート地点と下山地点が異なる)。最初に来た03年5月には檜は未だ低く、横根山も展望できたが、今では展望はない。

                                                横根林道切通。大滝山手前の大岩。大滝山山頂。

 山頂下から左手は若い檜林、右手は自然林の間を西に下ってゆくのだが、灌木や枝ヤブが顔を叩き煩わしい。。鞍部からの登り返しになると、管理された檜林で枝ヤブから開放される。03年5月に横寝山を目指したときは枝ヤブに辟易したり、ルートミスで西側の横根林道に下りてしまい、横根山は断念してしまった。当時はこの程度のヤブで諦めてしまうほどヤブ耐性がなかったのだ。当時に比べて脚力の衰えは隠しようがないが、ヤブ耐性だけはまだ一流と自負できる(へんな自慢だが)。途中に胴のない石祠を見たりしながら1010m級ピークを越し、次の1000m級ピークで方向を北西から南西に転じて小ピークを二つ三つ越しながら下ってゆくと、右下方に前日光林道が見え始めて、左下に作業道が並行しだすと、すぐに前日光林道切通(横根林道とのT字路)に下山となる。

                                                ビニールを抱き込んでしまった樹木。石祠(標高990)。前日光林道切通。

 切通でエネルギーを補給して、尾根に取り付く。少しばかりヤブっぽい尾根筋を急登すると標高990あたりからは勾配は緩み、左手に檜林、右手が自然林が続き歩きやすくなる。標高1040あたりからは岩稜となる。標高1060で岩壁に突き当たり、左手を巻いて通過する。巻き道は薄い踏跡があり、赤いプラ杭も見かけた。途中で檜林に入ってもトラバースは続き、標高1110で尾根上に復帰する。このトラバースの踏跡には落葉が堆積していて安心して通過というわけにはゆかない。下ってくる場合にはトラバースの開始地点が分かりづらいかも。この先は危険箇所はない。これからは疲労との戦いだけ。標高1200で前日光ハイランド線を最初に横切る。この立派な林道は平成6年に完成したが、何のために敷設したのであろうか。自動車の通行を禁止しているような標示を見かけたこともなければ、一般の車が通行しているのを見たこともない。時たま林道マニアが通る程度のような気もするが(税金の無駄遣い?)。林道を突っ切って尾根に取り付くと日当たりが良いせいか灌木が茂っている。尾根上に達するとヤブも消えて歩きやすくなる。再び林道に突き当たると、更にもう一度林道に突き当たることを知っているので、林道歩きの誘惑に駆られるが、ここもじっと我慢する。標高点1286からは尾根筋に地形図標記の破線に相当する道筋のような窪みが見られる。西から南に下ると三度目の林道横断となる。緩やかではあるが登りは疲労が溜まった足腰には堪える。やっと東屋が見えて横根山の山頂に達した。今回は我慢した甲斐があって計画通り尾根筋を辿ることができた。休憩時間を短縮しながら目標設定時間に追われてきたが、30分ほどの遅れとなった。山頂からは皇海山〜日光連山が展望できて一応満足。今日はここまで誰とも出逢わなかったことにも満足。山では誰にも出逢わないのをもってよしとする。人に会いたければ繁華街にでもゆけば良いのだ。

                                                横根山頂北直下の道筋。横根山頂。日光連山。


                                               横根山頂からのパノラマ。

5 下山
 気温が上がったので、冬シャツを脱いで長袖Tシャツ姿となる(山でシャツを脱ぐのは極めて珍しい)。象の鼻は何度も訪れているので今回は割愛して、井戸湿原、五段の滝を経由して日瓢鉱山に下ることにする。地形図の破線に沿って標高1250あたりを下ってゆくと、日瓢鉱山の標識を見て北から東に向きを変える。ここは北に向かう方にも薄い踏跡が付いている(これをたどると、標高点111経由で前日光ハイランド林道に下山する事になる(古い地形図ではこちらに破線)(06年2月18日ひとり山歩き230参照)。今日は現在のウォッちず破線を追うことにする。(09年2月9日ひとり山歩き347参照)。踏跡は明瞭だが、標高950からは少しの間、沢内の岩の上を歩くことになる。ここを過ぎると再び踏跡は明瞭となり、林道の標高880の登山口(標識あり)に下山した。ここから舗装道を下って前日光林道との合流点が日瓢鉱山前となる。
 ここから賀蘇山神社までは県道246号を7.5kmほど歩かねばならない。疲れての舗装道歩きは、足に堪えるが仕方ない。次に車を買い換えるときは自転車を積めるものにしたいものだ。途中で石裂山と月山を写真に撮ったり、小川沢林道口を確かめたりしながら、急ぎ足で下る。賀蘇山神社まで、03年には1時間30分で歩いたが、今回は1時間35分。舗装道歩きではまだ10年前の脚力を保っているようだ。神社に寄ってみたかったが、階段を登る元気もなし。急いで車に乗り込む。目標の13時間半に対して13時間で30分の短縮。休憩時間や撮影時間短縮が寄与したが、下山時間の短縮=見積もりが甘かったせい。

                                                標高1100付近の踏跡。標高950付近の沢歩き。登山口(現地点)。


                                                上五月付近から月山(左)と石裂山(中央)。賀蘇山神社。賀蘇山神社の石階段。
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