ひとり山歩き515 : 計画の山は吹雪で中止し、中禅寺湖南岸の狸山から半月山そして中禅寺山と歩いて来ました。生憎の天候で遠望は利きませんでしたが、残雪の消えた尾根筋を気持ちよく歩くことができました。
狸山(1622)〜半月山(1753)〜中禅寺山(1655)
2013年4月28日(日) 晴れ
1 行程
@所要時間  自宅(2:30) = 山王帽子山登山口(吹雪で引き返す) = 歌ヶ浜駐車場(5:25/5:40) − 尾根取付き(6:00) − 狸山(7:15) − 半月山第一駐車場(7:25/7:30) − 半月山(8:25/8:30) − 半月山展望台(8:40/8:55) − 半月峠(9:15) − 中禅寺山(9:35) − 下山(八丁出島付近)(10:20) − 駐車場(11:05/11:20) = 自宅(13:35)
Aルートマップ
Bウォッちず : 半月山 尾根取付き 狸山  中禅寺山  下山地点
C写真集

2 自宅 − 中禅寺湖
 4月25日に金精道路が開通するのを待って、菅沼か丸沼から白根山を目指すことにしていた。しかし、21日の降雪が予想以上だったので中止した。4月26日に山王林道が開通するので、山王帽子山から太郎山を目指すことに変更した。本日の天気予報では、風は強いが晴れで山行には問題無さそう。午前2時の奥日光(三本松)の気象データーは気温2度、風速2m/秒で問題ないことをWebで確認して家を出た。
いろは坂入口のパーキングで登山装備を着用(靴、スパッツ)していると、奥日光へ向かう車はひっきりなし。山に行く人よりも釣り目的の人が多そう。予想通り中禅寺湖畔には釣り人の車が多く駐まっている。さすがに今の時期は道路際に除雪塊がない、と安心して車を走らせる。ところが赤沼茶屋を越すと道路は白く強風が吹いているではないか。光徳方面に入ると道路は薄く雪化粧、山王林道のゲートを通過し高度を上げると、走行には問題ないが吹雪いている。雪はたいしたことはないが、風はかなりきつい。山王帽子山・太郎山登山口で車を下りてみると、強風で吹き飛ばされそう。登山道入口付近は踝まで新雪で覆われていた。雪は我慢するにしても、この強風の中を歩く気にはならない。2時間程度光徳で待てばこの強風も収まるかもしれないが、性格的に2時間も待つなんていうことはとてもじゃないができない。
 他の山は準備して来なかったが、このまま家に帰るのは癪。社山方面なら地形図がなくても迷子になる心配はない。中禅寺湖スカイライン入口の駐車場に行ってみると、釣人の車で満杯。歌ヶ浜駐車場に引き返して車を駐めて外に出てみる。風はたいしことはないので、家に行き先変更を連絡して阿世潟方面に向かう。

半月山からの展望


3 狸山経由で半月山  狸山への尾根筋はヤブはなく歩き易い   半月山展望台からは生憎ガス模様で残念
 すでに釣りをしている人や釣り場を求める人を見ながら砥沢へと進む。イタリア大使館別荘記念公園の約300メートル先で岩の多い尾根先端部に達した。単に阿世潟峠経由で社山へは何度も行っているのでおもしろみがない。この尾根を辿ったら茶の木平から半月山へと続く尾根のどこに登り着くのか、地形図を持参していないので興味が持てた。地形図なしでも迷うようなところはない。万一の場合は中禅寺湖目指して下りればよいのだからと決めて、ここを尾根取付きとした。
 10分ほど岩っぽい尾根先端部を急登すると、シャクナゲが少しばかり現れ、これを突破すると尾根形が明瞭となり歩きやすくなる。標高1400からは尾根筋は南東から東に変わり、枯れ枝と落葉の快適な歩きとなる。標高1500で北から尾根をあわせ、進行方向は南となる。コメツガ林の尾根筋にはヤブはなく、比較的明瞭な踏跡があり、途中で鉈目も見かけた。この尾根筋は積雪期に狸山と砥沢の間を登りおりする尾根筋で、自分も10年12月12日(ひとり山歩き424)に狸山から下った尾根筋に違いないと確信した。踏跡が付いているくらいだから、無雪期にも歩く人は多いのだろう。主稜線に達すると無線中継アンテナが見えて、低い笹の山頂部に狸山の標識が立っていた。

                                                尾根取付き。標高1400付近の様子。標高1450付近の様子(鉈切断あり)  (左から、以下同じ)


                                                狸山山頂の山名標識柱。無線中継アンテナ。明瞭な登山道。

 狸山からは地形図に破線が記載されている明瞭な登山道を下ると半月山第一駐車場に達した。ここから中禅寺湖周辺の展望が良いのだが、今日は山々の山頂部はガスで霞んでいるのが残念。

                                                半月山第一駐車場。男体山。白根山方面。

 駐車場の西端のドコモのアンテナ横から再び尾根に取り付くと、KDDIそしてソフトバンクのアンテナが三連で並んでいる。同じ場所に競争するが如く設置するのは、なんとも知恵がない話。三社が共用するような知恵はないものなのか。最初はダケカンバが多かったが、途中からはコメツガが支配的となる。残雪はわずかだが、古いものや前日についたものと思われるトレースが残っている。残雪も地肌も凍結しているが、滑るようなことはなく歩き易い。途中で南東が開けて古峰ケ原の地蔵岳から横根山方面が展望できるが、他には展望は期待できない。半月山1.0km、駐車場0.4kmの道標を見てからも半月山まではけっこう長い。方向が南西から西に変わるとカラマツ林となり、暫く歩くと主三角点を見て、その20メートル先が半月山の山頂部である。残雪が薄く付いている山頂部には三等三角点が設置され、ベンチも備わっているが展望は全くない。

                                                途中で見えた地蔵岳から横根山方面。半月山頂部1。山頂部2。 

 山頂から緩やかに10分ほど下ると、半月山展望台に達する。ここからの展望はお気に入りのひとつ、紅葉の時期もよいが積雪期の方がより好きである。残念ながら今日は白根山や皇海山はガスに隠れている。写真を撮っていると単独行者がやってきて、すぐに社山方面へ下っていった。ここから社山までの尾根筋を眺めているうちに、中禅寺山(2655)から八丁出島に向かって尾根が派生しているのが目に入った。この尾根筋を積雪期に歩いた記録を読んだが、無雪期の記録は記憶に無い。社山へは何度も行っているし、遅くなるといろは坂と日光で渋滞になるし、どうするか考えるまでもなく容易な中禅寺山から八丁出島に下ることに決めた。

                                               男体山周辺。白根山方面(手前のピークが中禅寺山) (展望台から)


                                             足尾の山々(皇海山はガスの中)。社山後方は大平山〜黒檜岳。  (展望台から)


                                            展望台からのパノラマ

4 中禅寺山経由で下山  中禅寺からの八丁出島への下りはヤブは少なく歩き易い
 単独行者を追って下ってゆく。写真を撮っている間に姿が見えなくなってしまった。半月峠に下るまでに中禅寺湖と白根山や足尾の山々が展望できた。半月峠から社山方面に向かう人は少ないようで、笹が登山道にはみ出している。笹道をひと登りすると、標高点1655ピークでここを中禅寺山(とって付けた名称のような気もするが)というらしい。古い山名板が一枚と新しいのが一枚かかっている。山頂部は展望はないが、笹に覆われているが広くて感じがよい。このピークから南西尾根を下る記録を最近よく目にする(自分も二度ばかり下っている)。今日はここから足尾とは反対に中禅寺湖へと下ることにする。

                                           標高1650付近の尾根筋。同所から足尾の山々。半月峠。


                                          中禅寺山(手前から)。山名板。山頂部(振り返って)。

 中禅寺山から北東に下る尾根にはヤブは少なく歩き易い。標高1450付近で尾根幅が広がり、密ではないがシャクナゲ等で尾根筋の見通しが利かなくなってしまった。地形図を持っていないので、方向が読めない。左手に細い尾根筋が見えるので、そちらに下ることにした。シャクナゲ等のヤブはすり抜けられるが、見通しが利かない。急下降ではあるが特に危険箇所もなさそうなのでそのまま下ってゆくと、両サイドにより高い尾根筋が目に入るようになった。標高1450からは右(北東)よりに下るべきであったと、この時点で分かったがどうしようもない。そのまま下ると尾根筋が切れて、浅い谷歩きとなりすぐ先で中禅寺湖南岸遊歩道に出合い、ここを下山地点とした。小寺ケ崎と八丁出島の中間であることはすぐに理解できた。 

                                          標高1500付近の尾根の様子。豹王1370付近。狸窪から八丁出島と白根山。

 歌ヶ浜へ帰る途中で、社山へ向かうと思われる何組かとすれ違う。中禅寺湖畔の釣り人は多い。なかには湖に入って釣っている人もいる。駐車場に近づくと、イタリア大使館別荘記念公園見学に向かう家族連れが多くなる。歌ヶ浜駐車場に戻ると殆ど満杯となっていた。早朝からこんな天気なら良かったのに。早起きは三文の得(徳)・・・そんなことは全然ないね?

                                          釣り人(尾根取付き付近)。社山〜白根山〜男体山(駐車場から)
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