ひとり山歩き514 : 湯元温泉から前白根山経由で白根隠山を往復。雪はかなり締まっていて歩きやすかった。前白根山から白根隠山の間の展望を充分楽しみました。
前白根山(2378)〜白根隠山(2410)
2013年4月16日(火) 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(0:55) = 湯元温泉無料駐車場(3:00/3:10) − 尾根取付き(3:55/4:05) − リフト最上部(標高1800)(4:30) − 外山西鞍部(6:20) − 標高点2325(7:20) − 前白根山(8:00/8:05) − 避難小屋分岐(8:25/8:35) − 標高点2385(9:15) − 白根隠山(9:55/10:25) − 避難小屋分岐(11:15) − 前白根山(11:55/12:00) − 外山西鞍部(12:55/13:05) − 下山(尾根取付き付近)(14:10/14:15) − 駐車場(14:40/14:50) = 自宅(17:25)
Aルートマップ
Bウォッちず : 前白根山  白根隠山
C写真集

2 自宅 − 湯元温泉
 湯元温泉から前白根山経由で白根山を残雪期に日帰り往復するのが、雪山歩きを始めて以来の念願である。最初の頃は体力はあったが、白根山の南東斜面を登り下りするだけの技量がなかった。決心をして出かけても前白根山に達した時点あるいは森林限界を突破した時点で怖気づいてしまった。その後、経験を積むにつれて登る自信はあるが、下りの急斜面での滑落の不安を払拭することができなかった。積雪の南東斜面を下れれば、登ることもできるはずと考えて、菅沼から(12年5月7日、ひとり山歩き476)あるいは丸沼高原から(12年5月14日、ひとり山歩き477)白根山に登って、南東斜面を下ってみた。悠々とはいえないが、なんとか下る事ができた。
 最近は体力的な衰えが目立つので、あまり先送りする事はできない。雪も締まり今がチャンスと判断して、実行することにした。湯元温泉から前白根山までの所要時間は、今までの経験から雪のよく締まった4月下旬で約4時間、まだあまり締りのない3月以前では約5時間要している。そこで、今回の前提条件として、前白根山までに4時間半なら白根山に取り付く、それ以上時間を要するなら体力不足として諦めることにする。長丁場は覚悟の上、明るいうちに下山完了ということで、いつものように早出とする。例年なら今頃までには奥日光に一二度は出かけているのだが、今年は初めて。湯元温泉無料駐車場についた時には、広い駐車場に車が一台で、前泊なのか避難小屋泊まりなのかは不明。気のせいか駐車場廻りの除雪塊は例年よりも少ないようだ。気温は車載温度計で4度(外気温は零度くらいか)。

白根隠山からの展望


3 往路   残雪はよく締まっていたが、強風で目的地を変更
 スキー場入口で用意してきた登山カードを投函して、業務用道路をを進むと、すぐに路上に残雪が付き出した。よく締まっているので、残雪の上を歩いたり道路脇の地肌部を歩いたりする。残雪で途中で道筋を失い方向がずれてしまい、北に修正してフェンス沿いに進み、その末端で薄い踏跡が尾根取付きを示していた。残雪はよく締まっているのなので、アイゼンを装着する。
 尾根に取り付くと、地肌が部分的に露出していたり、笹が頭をもたげていたりする。標高1800で木の桟道が見えたので、スキー場のリフト最上部を通過したことを知る。その後もごく一部の地肌が露出部分を除いてはよく締まった残雪が連続していた。トレースは薄いがこれを失うようなことはなく、5時前に消灯した。標高1900で振り返ると、温泉ケ岳が展望できた。標高2100で直登からトラバースに変わり、そこから約20分で外山西鞍部に達した。期待していた富士山は霞んでいて見えなかったのは残念。
標高1900から見る温泉ケ岳(左)と斜面下方

 外山西鞍部からは、針葉樹林の中を暫くの間歩く。残雪は締まっているので足の沈みは殆どなく、快調に歩いているつもりだが、実際は過去の4月末の山行記録に比べたら少しばかりい時間がかかっている。標高2200で針葉樹からダケカンバに変わると、幾分かは足の沈みが大きくなる。高度が上がると後方に日光連山と間近に外山、左手には足尾の山々が展望できる。標高点2325ピークの直下は踝ないしは脹脛までの沈み。

                                                外山西鞍部、その先の稜線、外山鞍部から足尾の山々 (左から)


                                                日光連山と外山(手前)、2325ピーク直下、足尾の山々 

 2325ピークから僅か下った地点が夏道の合流点で、天狗平方面に薄いトレースが付いていた。次の2360級ピークの直下は吹き溜まりになっていて、脹脛までの沈みとなる。温泉ケ岳から高薙山そして日光連山が展望できる。

                                                温泉ケ岳〜高薙山〜於呂倶羅山、日光連山(太郎山、女峰山、大真名子山、男体山)、ピークのダケカンバ  (2360級ピークから)

 2360級ピークを越すと、名物の強風が吹き出した。今までの経験では早朝は強風が吹いていることが多い。風でよろめくこともあるが、慣れたもので姿勢を低くして進む。途中からは白根山とその左手に白根隠山を見ながらの歩きとなる。強風の吹き荒れる前白根山の山頂に達した。ここまでの所要時間は4時間50分、白根山に進む目安である4時間半を超過してしまった。今日のコースコンディションなら充分設定時間に収まると思っていたので少しばかりショック。写真を撮りながらどうするか考えていると、白根山を目指す単独行者が現れた。この強風は西から吹いているので、白根山の南東斜面ではあまり影響ないと推測したが、どうにも気が進まない。後続者に白根山に行くのかと問われると、今日は風が強いので白根隠山に行くと咄嗟に答えてしまった。

                                                皇海山(左奥)、白根隠山、白根山、前白根山  (前白根山手前鞍部から)


                                                白根山、前白根山頂部、白根山と五色沼

前白根山からの展望



 単独行者の後を追って雪の消えた西斜面のザレ場を下って、避難小屋分岐を目指してトレースを追う。雪はよく締まっていて、せいぜい踝まで沈む程度。途中の小ピークから後方の前白根山、前方の白根隠山、左手の男体山と中禅寺湖を写真に撮って、避難小屋分岐まで達した時には先発者のトレース小屋目指して下っているのがわかった。このあたりは風が弱いのでザックを下ろしてエネルギーを補給する。

                                                前白根山、白根隠山、男体山と中禅寺湖  (避難小屋分岐手前の小ピークから)

 避難小屋分岐から白根隠山方面に進むと、白根山で遮られていた風が強烈になった。尾根の左手は樹木がなく、風の影響をもろに受けるので、右手のダケカンバ林の中を進む。雪はよく締まっていて、せいぜい踝までの沈みで大した労力にはならない。最初の小ピークへの登りの途中で、屋根だけが雪面から出ている計測小屋に現れた。風に吹き飛ばされないように、風上側(尾根の右手=西側)のダケカンバの中を登ってゆく。前白根山で出逢った単独行者が白根山の標高2400あたりを登っているのが見えた。少し経ってから様子を見ると、標高2450あたりから退却しているのがわかった。やはり白根山に登らなくて正解だったかと思いながら標高点2385ピークに登りつめると、山頂部は殆ど雪が残っていなかった。樹木が生えていないので、強烈な風に見舞われるが尾根筋が広いので危険という感じはない。02年8月21日(山歩きを初めて1年後)に初めて錫ヶ岳を目指したが、強烈な風でこのピークで引き返したことを思い出した(その翌週の8月26日にめでたく錫ヶ岳に初登頂)。

                                                計測小屋、2325ピークへの登り、2325山頂部

 2385ピークから白根隠山手前鞍部までは雪はほとんどなく、夏道が現れていた。鞍部からは、風で飛ばされないように尾根の右手のダケカンバの中を登ってゆく。

                                                白根隠山、白檜岳〜錫ヶ岳〜武尊山  (2385Pから)
 
白根隠山の山頂北端部に達すると、雪はなく草付きとなる。遮るものがないので展望は申し分ない。ケルンの傍でザックを下ろして景色に見とれる。夏場の展望も素晴らしいが、雪景色の展望は絶品。錫ヶ岳へ登る人のなかには、一回限りしか行かないのに、尾根筋を辿らずに西下の窪地を経由して白檜岳へとショートカットする人が多いようである。もったいない話しで、白錫尾根で最も展望の良いのは白根隠山付近である。白檜岳から先は大した展望は期待できないにもかかわらずだ。白檜岳へショートカットしてもせいぜい10分か15分の違いしかないのに。せめて復路くらいは白根隠山を通って欲しい。10年ほど前は錫ヶ岳は秘境の山と考えられていたが、その後登山者が増えて踏跡(登山道と言っても良い)が明瞭になって、錫ヶ岳を目指すような山慣れた人ならそれほど難しはないんだがなア。

                                               白根山、右後方は会津駒ケ岳


                                               皇海山〜錫ヶ岳〜武尊山〜白根山 (白根隠山からのパノラマ)


                                               白根山〜会津駒ケ岳〜前白根山〜日光連山  (白根隠山からのパノラマ)


4 復路  
 白根隠山のケルンの東側の風のあたらない場所に腰を下ろしてエネルギーを補給して、下山を開始する。気温が上がって雪面が緩んできたが、風が収まり尾根のどこでも歩ける状態になった。時には脹脛まで足が沈むのは仕方ない。計測小屋付近に往路ではなかった真新しい二人のトレース(アイゼンありとなし)を見かけたが、どこから来てどこへ行ったかは不明。
 避難小屋分岐を過ぎて白根山の南東斜面を眺めると、往路では見えなかったトレースが二筋ついているのが肉眼で認められた。その後、登った人がいるのか、往路では光線の加減で見逃したのかは不明。これから白根山に向かう単独行者と少しばかり話をする。早朝の単独行者とは途中で遭遇したが、計測小屋付近の二人に付いてはわからないとのことであった。前白根山で日光連山の写真を撮ってすぐに下山する。気温が上昇し、雪が腐れ気味となりトレースはかなり荒れて脹脛までの沈みとなる。2325を過ぎて針葉樹林に入ると、直射日光の影響を受けないので足の沈みはほとんど無くなる。外山西鞍部でエネルギー補給したり、防寒着の上着を脱いだりで小休止。
 外山西鞍部からの下りは、最初の頃は怖くて仕方がなったが、以前のような恐怖感はなくなった。でも、ピッケルとストックを利用して慎重に下る(ピッケルとストックの組み合わせは不恰好だが、重い体重を膝で支えられないのでストックは一種の歩行補助具)。白根山帰りの二人組みが追いついてきた。リーダーはかなり足が早く、間が開くと後続者を待っている。標高1800のスキーリフト最上部までほぼ同じに下りてきた。二人組みはダブルストック、こちらはピッケルを持っているので尻セードで下る(ここを尻セードで下るのが楽しみで、廃棄寸前の防寒着のズボンを着用してきた)。あっという間に、往路の尾根取付き付近に滑り下りた。ここでアイゼンを外して雪のないゲレンデを歩く。駐車場に戻ると、車は数台駐まっていた。
 今回も残雪期の湯元温泉から白根山日帰りは失敗した。これからは体力が衰えるばかりで、可能性は小さくなる。でも、この挑戦意欲を失わなわなければ、80歳までは無理としても75歳までは今の延長線で山行ができるのは確実。 

                                                2385Pから燧ケ岳、前白根山から日光連山、スキー場ゲレンデ
HOME
inserted by FC2 system