ひとり山歩き512 : 北八ケ岳の天狗岳に登って来ました。登山口からよく締まったトレースが続き快適な歩きができました。稜線の強風は想定内でしたが、ガスで展望を充分楽しむことはできませんでした。
北八ケ岳・天狗岳
2013年3月29日(金) 曇り
1 行程
@所要時間 : 自宅(1:05) = 渋御殿湯駐車場(5:40/6:00) − 渋の湯登山口(6:05/6:10) − 八方台・唐沢鉱泉分岐(7:05) − 黒百合ヒュッテ(8:20/8:35) − 中山峠(8:45) − 急斜面下部/上部(9:10/9:40) − 東天狗岳(10:15/10:40) − 黒百合ヒュッテ(11:35/11:50) − 八方台・唐沢鉱泉分岐(12:25) − 渋の湯登山口(13:10) − 渋御殿湯駐車場(13:15/13:30) = 自宅(17:25)
Aルートマップ
Bウォッちず : 東天狗岳  渋の湯登山口
C写真集 

2 自宅 − 渋御殿湯
 2月22日に天狗岳へ行くべく家を出たが、渋御殿湯へのアスセスに不安があり、蓼科山に急遽計画変更した。最近は路面の雪解けが進み、渋御殿湯へのアクセスが容易になった。天狗岳への計画をこのまま没にするのも惜しい気がするので、ノーマルタイヤに履き替える前に実行することにした。天気予報では絶好のとはいえないが、晴れを確認して家をでた。佐久南ICで下りてからは、国道142号、152号とつなぎ、県道299号を経由して奥蓼科温泉郷への湯のみち街道をカーナビに従って走行。渋御殿湯までに路面に残雪も凍結開所も皆無であった。渋御殿湯に立ち寄り、駐車手続きをして、少しばかり戻った駐車場に車を入れる。16台のスペースにすでに5台が駐まり、そのうち3組みはまさに出発しようとしていた。今日は暖かそうなので、防寒上着は脱いでゆくことにする。

3 往路  強風は想定していたが、ガスで展望は充分楽しめず  
 渋御殿湯、渋の湯前を通過して登山口に達すると、橋を渡って登山道に取り付いた先行者が、アイゼンを装着しているのが見えた。登山道は凍結あり、と判断して事前にアイゼンを装着し、登山カードを投入して橋を渡りスタートを着る。取り付いてすぐ先は、凍結しているが、そこを通り越してしまうと、よく締まったトレース歩きとなる。
渋御殿湯(左)と登山口
 100メートルほど登ると高見台分岐の道標を見て、東から南ヘと向きを変えて暫く急登が続く。針葉樹林に時々ダケカンバが混じり、その部分だけトレースは真っ白で雰囲気が良くなる。トレースはよく締まり凍結はないので、アイゼンなしでも歩けるが、わざわざ脱ぐ必要もないのでそのまま歩き続ける。標高1950からの急登は標高2100で緩やかになり、平坦部を少し進むと、尾根上に達して八方台・唐沢鉱泉分岐の道標が現れる。唐沢鉱泉方面へも細いが明瞭なトレースは付いていた。
標高2000付近のトレース(左)と八方台・唐沢鉱泉分岐
 分岐からは尾根上を東にゆるやかに登ってゆく。尾根を外れて谷歩きとなり、ほんの僅か下ると唐沢鉱泉分岐が現れる。この先で多少急登箇所が現れるが、八方台・唐沢鉱泉分岐までほどでなく楽だ。登るにつれて風が強まっているが、針葉樹で遮られて寒いという感じはない。小屋泊りと思われる家族連れとすれ違うと、すぐ先で勾配が緩み黒百合ヒュッテに達した。ヒュッテの玄関横の温度計を見ると丁度0度を示していた。今日は気温は低くないがこの先は強風が予想されるので、防寒上着とバラクバを着用してエネルギーを補給していると、後続の単独行2名が登ってきた。
黒百合ヒュッテ、玄関の温度計は0度を示していた
 トレースを辿って南東へ緩やかに10分ほど登ってゆくと、中山峠でここからは樹木の少ない尾根歩きとなる。尾根の左(東)側は切れ落ちていて樹木の疎らな箇所では強風で身体が揺らぐが、、トレースは尾根の右側に付いているので恐怖感はない。岩場や吹き飛ばされて雪のないガレ場を通過しながら進んで行くと、二人目(最初はヒュッテのすぐ先で)が下山してきた。先行者はアンザイレンの親子だけとのことだった。そのすぐ先で、樹木のない急斜面が現れた。地形図で読み取るよりもかなり急で、急斜面の左手は雪庇となっているようだ。大嫌いな局面で、一瞬足が止まったがトレースがしっかり付いていてアイゼンがよくとらえてくれるので、そのまま登ってゆく。90メートルほど登りつめると、雪が薄くついたガレ場で、天狗の奥庭への分岐に達した。この地点からは前方に岩峰(東天狗岳はこの奥で見えない)と右手に真っ白な西天狗岳が確認できた。
急斜面下部から(左)と急斜面上(前方の岩峰は天狗岩? 東天狗岳はその後方)
 急斜面の上部からは尾根の右手をトラバースして進んでゆくのだが、トレースは狭く油断はできない。天狗岩の中腹で後続者に追い越されて、その跡を追って東天狗岳の山頂に達した。風は強いが気温はさして低くなくいようで、インナー手袋だけでも指先が痛くなるようなことはなかった。ガスがかりで楽しみにしてきた展望は冴えない。風が吹き荒れ(ここではこのくらいは普通なのかも)ザックを下ろしてノンビリなんていう気にはならない。ガスの切れ間を待ってカメラを構える。北とか中アとはかすかに見える程度で、間近の南八ケ岳の赤岳は山頂部を現さないままだった。指呼の距離の西天狗岳も先月登った蓼科山も見えても満足感は少ない。そのうちに男性の二人組が登ってきて、しばらくすると女性の二人組も登ってきた。強風をおして西天狗岳に行く意欲はわかない。ガス切れ待ちの30分弱の山頂滞在だったが、計画が達成できたことに満足して下山にかかる。
ガスのかかる西天狗岳(左)とガス切れの瞬間

赤岳(中央奥の左)と阿弥陀岳(同右) 根石岳(手前)  右後方の中央アルプスは不明瞭

蓼科山(中央の左端)

山頂からの展望
4 復路  気温上昇で雪表面が緩み上滑りしやすくなった・・・いつの間にか片方のアイゼンがなくなっていた(牧伸二のウクレレ漫談のタフワフワイの替え歌になってしまった)
 天狗岩中腹で後続の男性二人組に追い越される。老頭児には若者のようなフットワークは期待しようもない。安全第一で急がず慌てずの自分ペースで下ってゆく。急斜面の下りにかかる。登るときに少し心配していたが、奥白根山の南東斜面の下りに比べたら、トレースがしっかりしていてはるかに容易だった。この先は特に危険箇所はない。途中の岩場から尾根伝いに北東に進むのだが、岩場の左手に北西に進むトレースが見えた。このトレースをたどっていたら、単独行者とすれ違った。このまま進めばヒュッテに辿り着けると読んで(間違って左(西)に寄りすぎても尾根が邪魔して迷ってしまうことはないと安心して下ってゆくと、ヒュッテが見え出した。途中で追い越された二人組に続いて黒百合ヒュッテに到着した。峠経由よりも時間短縮になったようだ。
 防寒上着とバラクバを外し、エネルギーを補給して二人組に先行して下山にかかる。途中で多数の登山者とすれ違う。百名山でもないのに人気の山なのだ。気温が上昇して雪表面が緩み始めたが、トレースを辿っている限り踏み抜きはない。八方台・唐沢鉱泉分岐を過ぎると、下り勾配が増して上滑りしやすい。フッと気付くと右足のアイゼンがない!? いつ脱げたかわからない。どうも上滑りを感じ始めた時のようだ。歳をとるとこうも鈍くなるものか、牧伸二のウクレレ漫談のタフワフワイの替え歌になってしまった。探しに戻ろうかとも思ったか、勢いよく下ってきたのでかなり登り返さねばならないだろう。もう登り返す元気はない、もう片方を脱いでそのまま下った。このまま下ると登山口すぐ上の凍結箇所が通過がおぼつかない。高見台分岐から踏跡の荒れていない往路とは別のルートを下ったが、登山口が近づくにつれて凍結箇所が現れる。その都度トレースを外して歩き、無事に登山口に下りられた。駐車場に戻ると16台スペースの内7台分余っていた。あれだけ大勢が登っていたのだから、他にも駐車場はあるのだろう。
 先週の大佐飛山は腰痛に悩まされたが、今日は殆ど気にならなかった。大事にならずに治ったようだ。良かった良かった!! 
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