ひとり山歩き511 : 巻川林道の登山口から黒滝山経由で大佐飛山までピストンして来ました。雪はよく締まっていて快適な歩きができました。今年は雪解けが早いので、大佐飛山への適期は例年よりも早くなりそうです。
黒滝山(1754)〜大佐飛山(1908)
2013年3月22日(金) 晴れ
1 行程
@所要時間 : 自宅(0:10) = 黒滝山登山口(巻川林道)(2:10/2:25) − 尾根出合(3:00) − 三石山(3:25/3:50) − サル山(4:50) − 山藤山(5:40) − 黒滝山(6:35/6:55) − 西村山(7:30) − 大長山(8:45/8:55」 − 大佐飛山(10:20/10:35) − 大長山(11:50/12:00) − 西村山(12:55/13:00) − 黒滝山(13:30/13:35) − 山藤山(14:20) − サル山(15:00) − 三石山(15:35/15:40) − 巻川林道分岐(尾根出合)(16:15) − 登山口(16:35/16:45」 = 自宅(19:00)
Aルートマップ
Bウォッちず : 大佐飛山  黒滝山  黒滝山登山口 巻川林道入口
C写真集

2 自宅 − 黒滝山登山口  雪がよく締まって 大佐飛山への適期は例年よりも早いようだ   腰痛でペース上がらず
 ヤマレコに3月16日に黒滝山経由で大佐飛山をピストンしたとの記録が掲載された。例年よりも雪解けが進み適期が早まりそうで、このままだと4月中旬にはヤブ化しそうな勢いとのことであった。従来は、林道の雪解けを待って4月上旬からが大佐飛山への適期で、自分も04年4月16日に黒滝山経由でピストン、10年4月4日に黒滝山経由で大佐飛山に登り、鴫内山経由で下山した。そのほかにも06年4月16日に横川から瓢箪峠経由でピストンしている。ヤマレコ記録を見て、今の時期に大佐飛山へ行ってみたいと思いついた。どうせ行くなら、前回とは反対回りで鴫内山から大佐飛山、復路は黒滝山経由で考えてみた。前回とは逆回りで、トータルでは歩行距離も累積標高も同じではあるが、心理的には少しばかり嫌らしい。昨日実行するつもりで計画を整えたが、気温が低く晴天で絶好な日和と思ったが、栃木県北部は強風警報が発令され、真夜中に起きてみると自宅付近も強風が吹きまくっていた。諦めて翌日に実行することにした。
 昨日はどういうわけか弱いが腰に痛みを感じていた。寝れば治るだろうと、18時頃に寝について23時頃に起床すると、依然として腰に弱い痛みが残っていた。山行を諦めるほどではないが、周回計画は無理と判断して黒滝山経由で大佐飛山をピストンする計画に変えて、家を出た。百村本田で巻川林道に入り、いつも駐車する給水設備前、巻川橋を通りすぎて、昨年は崩落で通行止めになっていた地点も無事に通過し、路面には残雪は皆無で急遽計画変更した黒滝山登山口に達した。(車載温度計で4度)
黒滝山登山口(下山後撮影)
大佐飛山スノーハイクビデオ

3 往路  気温上昇で雪表面ゆるも踏み抜きはほとんどなし
 例年に比べて時期的に早いせいか、先着の車はいない。ここまで来てしまったら、弱い腰痛なら帰るというわけにはゆかない。痛みが増せば途中で引き返す覚悟でザックを担ぎ、アルミ梯子に取り付く。先刻通過サル山(左)と山藤山(右)した給水設備から東電巡視路を辿ってブラブラ梯子、百村山経由に比べて、この尾根筋は最初から最後まで急登の連続で、目は覚めていても身体はまだ半休眠状態で、きつすぎる。登り始めるとすぐにトラロープが展張してある。ここを過ぎると桧植林に松が混ざり出す。防寒上着は着用していないが、すぐに汗ばんでしまった。塩を撒いた程度の雪が目に突き出すと巻川林道分岐の標識を見て、尾根上に達したことを知る。
 この先は、残雪が断続するが、よく締まっていてトレースも付いて歩き易い。尾根筋の勾配が緩いのが救いだったが、カタクリ群生地の標識(以前は平成椈の標識があったように記憶しているのだが)を越すと勾配は増して三石山に達した。この先は積雪が連続するのでアイゼンを装着し、風も強いので防寒上着も着用した。雪はよく締まりカリカリと音をたてながら進んでゆくのだが、腰が気になるのか歩行速度は遅いような感じがする。標高1350を越した地点に急登箇所があり、ステップが切ってあるのでロープの助けは無用だった。この急登箇所を過ぎると、いつの間にか尾根右手(北側)の夏道を歩いていたりする。三石山からは左手に(南側)に樹木越しに市街地の灯りが目に入っていた。これはナイトハイクにした味わえない光景でお気に入りの一つ。サル山の標識を見て、三石山からの所要時間をチェックすると、丁度1時間、メモに記してある過去の所要時間は40〜50分でやはり歩みは遅い。いまのところ腰が痛くて我慢出来ないというほどではないのでそのまま先に進む。
 市街地の灯りを見納めて北西に向きを変える。方向が西向きに変わると那須見台の標識が目に入った。この頃(5:10)になると那須岳がぼんやりと見えていた。標高1500あたりからは、尾根幅の広いミズナラ林で、トレースを見失うも適当に登ってゆく。勾配が緩みダケカンバ林となって山藤山の標識を見た。この間の所要時間は50分(メモ見ると30〜40分)、やはりペースは上がらにようだ。
 山藤山からは、古倉山から鴫内山にかけての稜線を見ながら進んでゆくと、尾根の左手に雪堤が連続するようになる。右手は笹が頭をもたげていた。一部に夏道が出ているようだ。
山藤山から先はこのような雪堤が連続する。 
 標高1550の急登部には新しいトラロープが設置してあった。西向きから南西向きに変えて少し登った小ピークが河下山(山名板は目に入らなかったが、M大の青プレートあり)。少し下った鞍部あたりは風も強く、ダケカンバに霧氷が付いていた。
黒滝山手前鞍部の霧氷
 後方に那須岳を感じながら、長い雪堤を登りつめると、右前方に剣先から鴫内山の稜線、後方に平地が見えるようになる。トレースは雪堤をそのまま進んでいるが、右手を見ると地肌が現れ、三角点と山名板黒滝山山頂(左)と西村山山頂が目に入る。黒滝山の山頂は気付きにくいようで、トレースはまっすぐに進んでいた。復路で西村山で出逢った夫婦はトレースに引きずられて黒滝山の三角点や山名板に気づかなかったとのことであった。腰の痛みは気にはなるが、ゆっくりペースで進めば我慢できそう。
 黒滝山から西村山へのトレースは未だ歩く人が高原山〜日光連山 (大長山直下9少ないせいか途切れ途切れになっていた。前回(10.4.4)歩いたときはテープがむやみやたらに目に入ったが、今回は気になるほどではなかった。トレースを失っても尾根を外さないように歩いてゆくと西村山に達した。前回は巻川林道の給水設備から今回とほぼ同じ時刻にスタートしたが、今回よりも少しばかり早く到達していた。計画ペースよりも1時間以上遅れているが、ここまで来て引き返す手はない。
 西村山の山頂からは展望は得られないが、ほんの僅か進むと右手が開けて、那須岳が展望できた。これから先は那須岳から大倉尾根はとぎれとぎれではあるが堪能できる。那須岳と大倉尾根の間に見える旭岳はいつも真っ白に見えるのだが、今回は思い描いていたよりは白さが足りないようだ。尾根の右手の雪の舗装道歩きで、トレースは明瞭(なくても雪堤を歩けば良いのだから迷いようがない)で、しかももよく締まっているから気持ちよく歩ける。尾根の左手は針葉樹でブラインド状態が続く。標高1800あたりからは左手の樹木の隙間から日光連山(女峰山〜白根山)や高原山が見えるようになった。この頃になると、大腿がひきつって休み休みの登りとなる。腰の方は気にはなるが、痛みが増している気配がないのが救い。大長山の山名板を見た時にはやっとたどり着いたという感じ。
 もう所要時間を気にしない事にした。今日は気温があがる予報なので、復路での踏み抜きに備えてワカンまで背負い、飲料水も2リットルと多い。万一に備えてツェルトも二組と重荷を背負ってきた。ピッケルを持って来なかったのが唯一の救い。この先は危険箇所もなく、道迷いもなし。天気が崩れることもなし。ザックをデッポし、ポカリスウェット1本とアンパンをポケットにねじ込んで、身軽で大佐飛山まで往復することにした。
 山頂部は針葉樹林の中だが、1分も進むと樹木は切れて、前方に展望が広がる。やや左手に大佐飛山、左手に大倉尾根から那須岳と展望が広がる。この先ずっと続く雪堤が続く。この景色は大佐飛山詣での醍醐味である。
大長山の外れから続く雪堤と大佐飛山 飯豊山も見えている
大長山の外れから見る那須岳
日光連山(奥)日留賀岳(中央)長者岳(左手前) 大長山の北1850Pから
 景色に見とれながら雪堤を進み、1840級ピークで、テント泊の下山者に出逢う。少しばかり話をして左右に別れる。雪堤は標高点1813のすぐ先まで続き、ここから樹林帯へ突入し展望とはしばしの別れ。針葉樹林の中もトレースは明瞭、しかもよく締まっている。雪堤歩きで暑くて、防寒着を脱いで腰巻にしていたが、樹林帯に入ると心地よい風と相まって気分は爽快だが、明るいうちに下山すれば良いと無理してペースを上げることはしなかった。飯豊山と吾妻山が樹木の切れ間から見えるようになると、大佐飛山の山頂は近い。針葉樹からダケカンバ林になると吹き溜まった小高い山頂部に達した。過去3回の写真と較べてみると、今回は3月というのに積雪は少ない。
山頂部の積雪比較 撮影アングルがまちまちだが積雪状況は推察可
写真を撮って、アンパンを食べて下山にかかる。次はいつ来ることになるかな? できたら5月に尾根上の雪がなくなる頃にヤブを突破して。それとも横川から瓢箪峠経由で、これも今の脚力では日帰りは無理だろうな。

4 復路
 事故を起こさない限り、今のペースで歩いても明るいうちに下山は確実、急ぐ必要はない。無事に帰ればよしとしよう。そう決める腰は重いが気持ちは軽くなる。大佐飛山直下から飯豊山と吾妻山、更には大長山に続く大雪堤を見納めて樹林帯を下る。標高点1813からは再び雪堤歩きとなる。往路は下り勝手だったからそれほど長くは感じなかったが、大長山はまだかまだかの感じであった。前回は今頃は西村山から鴫内山への尾根を歩き始めていた頃だ。エネルギーを補給してザックを担ぐ。10kg足らずだが普段よりも重く感じる。
 大長山の直下から、西村山、と黒滝山から山藤山稜線が展望できた。

 西村山(右)と黒滝山〜山藤山稜線   大長山直下から
その他の景色は往路とは右手が左手に変わるだけ。西村山に着くと、夫婦が憩っていた。今日は大佐飛山への偵察に来たとのこと。黒滝山の山頂部は見逃してしまったとのことで、発見要領を教えてあげた。黒滝山への戻りでは、先刻出逢ったテント泊者のものと思われる真新しいトレースを追う。途中で三四度ばかり膝まで踏み抜いた。気温が上昇して雪面は軟らかくなってはいるが、踏み抜き以外は踝まで沈むことあまりない。黒滝山からはまたまた雪堤歩き、往路とは異なり下りで腰への影響はあまり無いようだが、ゆっくりペースは変わらず。途中で先刻の夫婦が猛スピードで下ってきた。ご主人はストックでグリセード下り、奥さんはダブルストックで悲鳴を上げながら後をついて行く。かなり雪山に慣れた夫婦のようで、後ろ姿を写真に撮ろうとしている間に姿が見えなくなってしまった。
河下山付近の雪堤と大倉尾根〜那須岳
 河下山先で新設のトラロープの助けを借りながら急下降し、東に方向を変えて鞍部から登り返すとダケカンバの山藤山に到着。どこかはっきり覚えていないが途中で膝まで二三度踏み抜くもそれ以外は足の沈みは殆ど無い。アイゼンに関しては往路では早朝で雪が凍結気味だっtから有効だった。復路では雪表面はやわらいだいたので必要性は少なかったが、外してザックに収めるのが面倒で履いたまま歩き続ける。サル山からは雪堤が狭く、一部で夏道を歩いたりする。三石山でアイゼンを脱いでザックに収める。三石山からは断続する残雪歩きで、百村山へ寄るかどうするか葛藤が始まる。今までこの尾根筋を歩いていて、百村山をカットしたことはない。巻川林道分岐にたどり着いた。ここから百村山までは往復20分程度で時間的余裕はあるが、腰痛に免じて勘弁してもらう。急勾配の尾根をゆっくりと下って、黒滝山登山口に無事下山できた。初めて大佐飛山に登ったときは、給水設備から往復13時間であったが、今日はそのルートに比べて往復で2時間分は短いのに、実際は1時間半も余分にかかってしまった。3月下旬に大佐飛山まで行ってきたことだけで喜びとしよう。最近は、歳のせいか腰から下の故障が多くなったようだ。上半身に収まっている内臓の働き(心臓を覗く)が弱まって、食欲が衰えて体重が減少すればよいのだが、二十歳の頃の体重はそのままだから、下半身に無理がかかるのだろう。そんなことはわかりきっているが、人間食欲がなくなったらお終い、と頑なに体重を維持。どこかおかしいのでは?
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