ひとり山歩き510 : 前黒山に北側のヨシ沼園地付近から登り、尾根伝いに明神岳東峰そして空沢左岸尾根と周回して来ました。前黒山と明神岳までは雪よく締まりスノーシューと相まって快適な歩きができました。明神岳からの下りでは気温上昇で少しばかり踏み抜きで苦労しました。
ヨシ沼園地から前黒山〜明神岳〜空沢左岸尾根
2013年3月12日(火) 晴れ
1 行程
@所要時間  自宅(2:00) = 日塩もみじラインゲート前駐車場(4:00/4:10) − ヨシ沼園地駐車場(4:40) − 林道口(4:45) − 尾根取付き(5:00/5:10) − 植林から自然林(標高1300)(6:00) − 尾根合流(標高1470)(6:35) − 前黒山(7:45/8:15) − 前黒林道出合(朽ちた橋)(8:35/8:50) − 前黒林道終点(9:05) − 標高点1627ピーク(9:30) − 明神岳東峰(10:20/10:50) − 左岸尾根から空沢へ(12:10/12:15) − 空沢離れ(12:35) − 前黒林道口(13:20) − ゲート前駐車場(13:40/13:55) = 自宅(15:55)
Aルートマップ
Bウォッちず : 前黒山  明神岳東峰  ヨシ沼園地  尾根取付き地点  空沢左岸尾根
C写真集

2 自宅 − 登山口(ヨシ沼園地付近)
 前黒山に初めて登ったのは、06年3月22日である。その前週に湯西川から枯木山に出かけたが、県境尾根の枯木山分岐直下をストックでは登れず諦めて戻った。そのリベンジを果たすべく、ピッケルを購入してその使い方を自習した山である。その成果か、次標高1250から大佐飛山〜黒滝山方面週に念願の枯木山に到達することができた。そういう意味で懐かしい山である。その時にいつの日にか明神岳まで足を伸ばしてみたいと思った。その後、11年3月21日に逆廻りで明神岳から前黒山をと考えたが、成功しなかった。この周回計画は時々思い出してはいたが、実行には至らなかった。
 前黒山に北側から登ったヤマレコ記録を最近目にしたが、これが直ちに今回の計画には結びつかなかった。ブログ「中年からの山歩き」の野球親爺さんが、3月9日に北側のヨシ沼園地付近から前黒山に登られたのを知った。このアイデアを利用すれば、前黒山〜明神岳〜空沢左岸尾根周回の可能性が大きいと推測し、即実行すべく準備を整えた。野球親爺さんはワカン装着でも足の沈みに苦労されたので、スノーシューを活用し、雪の締まった早朝にスタートすることにした。
 日塩もみじラインに入っても、道端の除雪塊は少なく、路面は完全に乾いていた。ゲート手前の駐車場に駐めた時にはマイナス4度だが、日中は気温が上がるようなので楽観はできない。ザックを担いで、日塩有料道路(ゲート前に駐車だから無料)を少し戻って、下塩原矢板線に入る。路面には雪はなくよく乾いている。除雪塊が残っているから降雪後に除雪をしているのであろう。駐車地から30分でヨシ沼園地駐車場に着いた。暗くてよくわからないが、除雪をしっかりしていないが3、4台駐車可と思われる。15分程度で右に林道が分岐している。この林道は雪がたっぷり残っていて、すぐにワカン跡が目に入った。これは3日前に歩いた野球親爺さんのものであろう。このトレースはけっこう沈みが大きいが、早朝で気温が低く雪が締まっていて壺足でも全然沈みはない。約5分トレースを追うと山の中へと続いている。ここを尾根取付きとして、スノーシューを装着して前述のトレースを追うことにした。

3 前黒山へ  雪がよく締まり、スノーシューと相乗効果で足の沈みなく思ったよりも楽だった
 ワカン跡を追って植林の標高1600付近の様子中へ入ると、さっそく枝の洗礼を受ける。この先は雪はよく締まっていて歩きやすいが、杉や桧の枝のうるささには辟易する。標高1200手前で林道終点付近から上がってくる尾根に合流すると鹿侵入防止ネットに出合う。このネットは標高1250まで続くのだが、ワカントレースはネットに張り付くようにして進んでいる。なぜネットと樹木との狭い隙間を歩かざるを得なかったのかすぐに解った。ネットから離れて歩くと桧の枝潜りが待ち受けているのだ。枝潜りよりもネットと樹木の間をザックを引っ掛けながら進んだ方がはるかに楽。ネットが左(南)へ別れてゆく地点で振り返ってみると、大佐飛山から黒滝山への稜線(と思う)が展望できた。ネットと別れて杉植林を数分登ると、今まで悩まされた枝漕ぎ(?)から開放され自然林(ミズナラ林、左手は細いダケカンバ)に達する。
 樹木は朝日を浴びて赤く染まり、雪はよく締まりシューの沈みは皆無で気持ちよく進むことができた。野球親爺さんのワカントレースの沈みは深いので、道しるべとして利用す前黒山から鶏頂山、明神岳(標識の後ろ)、女峰山〜白根山るだけでこれを避けて歩く。自然林から桧林(左手はカラマツ)が現れる頃から勾配は急になる。シューの苦手な吹き溜まり部の段差を越すのに多少苦労(沈みはないが直進し辛い)すると、尾根が合流する。
 尾根が合流してからは、針葉樹やダケカンバの混ざった自然林で右(西)側は雪が薄く笹の上部が浮き出ていたりする。雪が軟ければ笹の出ている西側を歩くのだが、足の沈みはないから樹木の薄い箇所を選んで進んでゆく。標高1570あたりは部分的に地肌が露出している。皮肉にも左(東)側は雪が付いているのだが、吹き溜まりが大きく膨らんでいる。仕方なしに地肌の出た部分を注意しながら進まざるを得なかったが、その区間が短くて助かった。標高1600前後で針葉樹林から細いダケカンバ林に変わる。このあたりは日当たりがよくてクラストしているせいかワカントレースの沈みは小さい。前黒山も近くに見えるようになった。最後はダケカンバ混ざりの針葉樹林を登ると、樹木のない前黒山の山頂に達した。
 尾根取付きから山頂まで4時間は要するだろうと踏んでいたが、ワカントレースに導かれたのとスノーシュー効果さらには早朝で雪が締まっていた等の相乗効果で2時間35分で到達した。これなら充分明神岳まで足を伸ばせると、ザックを下ろして展望を楽しむ。山頂部の周辺は樹木で囲まれていてあまり展望は広がらない。南東から南西まで剣ヶ峰から釈迦ヶ岳、鶏頂山そして女峰山〜白根山が見える程度。これから行く明神岳も枝に邪魔されるが見えている。エネルギーを補給し、前黒山から前黒林道への急斜面下りに備えて、スノーシューからアイゼンに履き替える。

4 前黒山 − 明神岳 − 空沢左岸尾根  明神岳東峰直下の吹き溜まりに苦闘するも、全体には思ったより楽だった
 07年10月22日に前黒前黒林道終点付近山から明神岳そして鶏頂山へと歩いているので、その時のルートを思い起こして山頂から少しばかり東へ進み小尾根を下ってゆく。壺足では期待に反して釈迦ヶ岳〜鶏頂山 (明神岳東峰展望台あkら)スネまでズブズブと潜るが、下りだからさして苦痛とはならない。予定通りに朽ちた橋のところで前黒林道に出合った。この先も壺足では沈みは大きいと判断して、スノーシューを再装着する。
 当然ながら林道には雪が積もっているが、幾分かはへこんでいるから訳無く林道筋を追うことができた。朽ちた橋から15分ほどで前黒山南東の1700級ピークから明神岳に向かう稜線に登りつめた。無雪期には林道はもう少し先まで伸びているが、この地点を前黒林道終点とした。ここからは矢板最高峰、剣ヶ峰から釈迦ヶ岳への稜線が展望できる。振り返れば前黒山、小ピークを挟んで1700級ピークも展望できる。ここからの登りは左手が切れて弱い雪庇が張り出している。剣ヶ峰から釈迦ヶ岳への稜線を横目に気持よく登ってゆく。針葉樹林帯に入って小さなピークを越して次のピークが標高点1627となる。相変わらず足の沈みはほとんどなく快適だが、展望は樹木に遮られて、枝越しに釈迦ヶ岳
〜鶏頂山が伺えるだけ。
 標高点1627ピークからは尾根幅が広がるので、コンパスを合わせて急斜面を下ってゆく。鞍部付近はダケカンバ林で弱く雪庇がはりだしている。気温が高いせいか雪庇にひび割れ箇所もあり、先端部は避けて通過する。明神岳東峰直下の標高1600位になると、吹き溜まりの膨らみや段差が増えてくる。シューの沈みはないのだが、急斜面となっていて登りづらい。シューは沈まないが夏用のバスケットの小さいストック(雪山用ストックは蓼科山で破損してしまった)では、力がはいるせいか手元まで潜り込みまるでピッケルハンタマスキー場最上部からを使っているみたい(ピッケルはザックに括りつけると枝に引っ掛けるので、サーベルのように腰からぶら下げて、本日は使うことはなかった)。吹き溜まり部を斜め歩きしながら登りつめると、明神岳東峰の展望台横に達した。前回(11年3月21日)来たときは、展望台の手摺りが見えないほど雪が積もっていたが、今日は展望台の底板が抜けて、梁の間に雪が山状に積もっていた。付近に危険につき立ち入り禁止の札がかかっていた。展望台の先端まで行けないので、充分穴展望は得られないが。前黒山、大入道(今日初めて)、剣ヶ峰から釈迦ヶ岳、中岳、西平山(頭が少し)、御岳山そして鶏頂山が展望できた。
 今日は思ったよりも楽な歩きができた。この先は下りだが、気温がかなり上がってきたので踏み抜きが少しばかり心配。エネルギーを補給し、地形図を見ながら前回の記憶を呼び出してザックを担ぐ。ロープに沿ハンタマスキー場って凍結した尾根を北に下ってゆく。尾根上に雪庇が現れた。前回同様にここからハンターマウンテーンスキー場の最上部に寄り道する。スキー場には人は少ないが、ゴンドラはひっきりなしに動いている。乗る人は少ないのにエネルギー的にはもったいない話し。スキー場を俯瞰し、遠方に目を向ければ女峰山、白根山から田代山と県境尾根が広がってい明神岳直下の雪庇る。もとに戻って雪庇の下(東)をトラバースする。雪の表面は緩み、シューの苦手なトラバースで滑って歩きづらい。時には膝下まで踏み抜きながら下ってゆく。標高1500以下になると尾根筋は明瞭になり、楽な歩きができるようになった。途中でアスナロ(?)の大木を見て更に下ると、ミズナラやカラマツ林となる。前回は空沢左岸尾根を末端まで歩き日塩有料道路に下ったが、この先は危険箇所もなく単調な尾根歩きに退屈しだした。右下の空沢の沢床が時に見えるようになってきた。退屈しのぎに標高1320付近で尾根に別れて空沢に下った。沢の上流側に地形図にも記載されている砂防堰堤が見えている。沢筋は雪で完全に覆われて、多少の凸凹はあるが、シューの沈みはなく予想通り快適な歩き。20分ほど沢筋を下ると、木製の砂防堰堤に突き当たった。その手前右側に雪を被った作業道が見える。前回の明神岳往路ではここで沢を渡って左岸尾根に取り付いた場所である。堰堤を乗り越してそのまま沢筋をとも考えたが、安全サイドをとって空沢に別れて少しばかり作業道を登ると前黒林道に出合った。前黒林道には全面雪は付いているが、道筋はわかりやすい。すぐ先で北東からの林道にはワカンのトレースが付いていた。このようなトレースを見かけるくらいだから、今日のルートをたどる人がいても不思議ではない。三角点1169の少し手前で林道から雪が消えたので、シューを脱ぐ。その先は残雪が断続し、車の轍が見えるようになり、前黒林道口に達した。今の時期は林道口は残雪で駐車スペースもないのだが、今日は残雪が少なく車さえ侵入している。こんな状況では今年の残雪歩きは雪が少なく、短いかも。20分で駐車地に戻る。今日は楽な歩きだった。

前黒山と明神岳からの展望
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