ひとり山歩き508 : 女神茶屋から蓼科山をピストンして来ました。踏み固められたトレースが山頂まで続き、特に危険箇所はありません。山頂では強風に悩まされましたが、下山時の樹林帯では、冬山とは思えぬ暖かさでした。
女神茶屋から蓼科山(2530)
2013年2月22日(金) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(1:50) = 女神茶屋駐車場(6:05/6:40) − 尾根上到達(7:15) − 道標2110(8:15/8:20) − 道標2450(実質2500)(10:05) − 山頂部(10:15/10:50) − 道標2110(12:00/12:05) − 駐車場(12:40/12:50) = 渋御殿(道筋チェック)(13:40/13:45) = 自宅17:55)
Aルートマップ
Bウォッちず : 蓼科山 女神茶屋駐車場
C写真集

2 自宅 − 女神茶屋駐車場
 長野県の雪山に行ってみたいとの願望を以前から持っていたが、賞味期限(?)の切れたスタッドレスタイヤでは不安があった。走行に不安があれば途中で引き返す覚悟で、出かけてみることにした。長野県の冬山は初見参ということで、入門コース的な色合いの天狗岳か蓼科山を候補に検討してみた。登山口までアクセス出来れば、どちらも技術的にも体力的にも問題ないと判断。登山口へのアクセスを調べていたら、天狗岳登山口の渋の湯に行くには蓼科山登山口の女神茶屋駐車場を経由することが判明。高速道を下りてからの道路状況を見て、踏み固められたトレース(標高1900付近)どちらの山にするか判断することにする。
 天狗岳登山口の駐車場は、手続きをしてから駐車場に入れるとか言う七面倒なことが要求される。明るくなったら歩き出す流儀を守るにはちょっとばかり窮屈だ。仕方ない7時ころに駐車場着となるよう見計らって家を出る。長野へは高速道で何度も行っているが、冬場にスタッドレスで行くのは初めて。高速道を慎重に90km/h以下で走行する。無事に中部自動車道(現在は無料となっている)の佐久南ICで下りると、カーナビは県道44号に案内するが、途中で工事のために通行止めとなっていた。国道142号に戻って、県道40号等を通って進む。場所によっては圧雪状態の場所はあったが、早朝で気温が低く不安定な運転状況はなく、女神茶屋駐車場に達した。天狗岳登山口までは、そこから更に20kmだが、この先は今までよりも厳しくなり、小一時間は掛かりそう。時間的には申し分なしだが、途中の電光掲示板に気温マイナス13度なんていうのを見た。女神茶屋駐車場で車載温度計を見るとマイナス13度(実質マイナス15度以下)。栃木の登山口でこれだけ低いのは経験したことはない。目出し帽も、ゴーグルも用意してきたので、寒さ対策は大丈夫だろう。問題は、撮影等で手袋を外した後の指先の痛みである。長野の冬山初デビューでもあり、今回は無理せず蓼科山に登ることにした。駐車場には15台くらい置けそうだが、帰りに出るに出られないということのないように、駐車場入口の一番端に駐めて、明るくなるまで時間調整をする。

3 往路  踏み固められた南八ヶ岳と南アルプス (道標2110から)トレースが山頂まで続き、特に危険箇所はない  山頂部は強烈な風と低気温で撮影もままならず
 不要とは思ったが念の為にワカンをザックに括りつけ、途中で装着するのは面倒なので最初からアイゼンを履いて行くことにした。アイゼンをつけた後、車内で指先を温めて案内板の横からスタートした。カラマツ林そしてダケカンバの疎林と進むが、踏み固められた溝状のトレースは最初からついている。さすがに人気の冬山であるわいと感心する。すぐにカラマツ林の中のトレースを急登する。30分ほどで尾根上に到達し進行方向が北から東に変わる。
 更に方向が北東に変わって勾配が急になるとカラマツ林から細いダケカンバ混ざりのシラビソ林となった。標高2000あたりはシラビソの枝がトレース上にはみ出していて、ザックに括りつけたピッケルに引っ掛かり姿勢を低くするなど苦労させられる。標高2050で片方のストックの接続部が折損してしまった(残雪歩きを始めた04年から使い出したものでよくぞ10年近く保ってくれたと感謝)。ザックを下ろしてピッケルに替えていると、単独行者が追い越していった。やや勾配が緩み北向きになると、道標2110(三角点2113付近)に達した。振り返ると、後方に北八ヶ岳の一部と南八ヶ岳が展望できた。枝越しに見えるのは中央アルプスか。
 道標2110からはこの山としては緩やかに北進し、再び北東に変わると勾配は急になり、喘いで振り返ると北・南八ヶ岳が展望できた。その先でも急登に喘いで振り返ると同じ景標高2450付近の様子色が飛び込んでくる。同じような写真を撮っては身体の疲れを回復させる。しっかりしたトレースが続いているので、ラッセルはないが急勾配には苦しめられる。立ち枯れの多い標高2400あたりで、写真を撮っていたら、埼玉県からの夫婦が追い越していった。遅れまいと後を追うもすぐに姿が見えなくなってしまった。樹木が切れて岩場(03年9月29日に登った際は、登山口から岩に悩まされた記憶があるが、今回は岩は雪の下)に達すると、道標2450(家に帰ってGPSでチェックすると2500であった)が現れた。ここからはトラバースしながら進むと蓼科山頂ヒュッテに到達した。途中で追い越していった二組3名がザックを下ろして撮影中であった。
 風が強烈で気温は低いと思われるが目出し帽とゴーグルがあるので寒いという感じはないが、手袋を外して写真を撮っているとすぐに指先が痛くなってしまう。コンデジでビデオ撮影するとバッテリの電圧不足で2、3秒で電源が切れてしまうのには参った。標識のある山頂に行ってみると、風はいっそう強くなった。すぐに単独行者が現れ自分を含めて5名が山頂部に滞在。
 今まで何度も目にしてきた北、南八ヶ浅間山から北・南八ケ岳 (山頂ヒュッテから)岳と南アルプスに加えて、浅間山方面の景色も撮影できた。北アルプス方面を見ようと、山頂部の中程に位置する鳥居と祠の傍を通って方位盤のある西側に行ってみた。北アルプス方面ははっきりせず、指先の痛みに耐えかねて撮影を止めて下山することにした。

4 復路
 往路で抜かれた夫婦が下山していったので後を追うもすぐに姿が消えてしまった。樹林帯に入ると風がなくなり、雪山を歩いているとは思えぬ暖かさ。下りは滑落の心配もないので、シングルストックで下ってゆく。下りでは前方に往路で何度も目にした風景が飛び込んでくるが、もう写真撮影は止めて下りに専念する。標高2300あたりでこれから登ってゆく単独行者とすれ違う。以降、十数人とすれ違う。平日でもこれだけ登山者が多いのだから、その人気のほどが判る。また、溝状のトレースと言うよりも雪の舗装道ができるのもガッテン・ガッテン! 道標2110の少し手前で先刻の夫婦が休憩していた。道標2110で温かいので目出し帽を収納し、エネルギーを補給していると、単独行者が追いついてきた(後ほど追い越される)。シラビソからカラマツ林に変わった頃、山頂部で後から登ってきた単独行者に追い越された。更に先刻の夫婦が追いつてきた。その後はいつもとは異なり、追い越されまいと急ぎ足で下る。だいぶ急いだつもりだが、駐車場についた時には殆ど同時であった。

5 帰路  アクセスの困難から天狗岳へは行くことはなさそう
 ここまで来たのだから、天狗岳登山口までの道路状況を確かめることにした。カーナビで設定すると20kmの距離だった。途中で奥蓼科温泉郷の渋の湯までは舗装道ではあるが、下ったり登ったりしながらの雪解け道を進む。途中で案内板の向きを見間違えて時間ロスしたりで、20kmを50分要してしまった。登山口の様子はわかった。復路は女神茶屋駐車場までは30分程度。この先は今朝きた道を逆戻りし、佐久南ICから高速道に乗り、無事に帰宅。 
 登山口へのアクセスの困難さや踏み固められたトレース歩きでは、天狗岳に行く気はかなり失せてしまった。夏山は藪を漕いで、雪山は足跡をつけて登るもの。これが自分の好み。次は栃木の山で頑張ろう。 
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