ひとり山歩き505 : 足尾の丸石沢右岸尾根経由で塔の峰(1738)を目指しましたが、時間切れで日ケ窪峠で退却となりました。壺足で膝程度のラッセルは三箇所、その他は踝ないしは脛程度の沈みでした。無名沢の渡渉地点付近は滑落に注意が必要ですが、他には特に危険箇所はありません。
丸石沢右岸尾根から塔の峰(1738)(敗退)
2013年1月29日(火) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(4:15) = 銀山平駐車場(6:30/6:40) − 丸石沢橋先の登山口(6:55/7:05) − 無名沢渡渉(7:25) − 作業道別れ・尾根取付き(7:55/8:00) − 舟石新道出合(10:30) − 日ケ窪峠(10:55/11:00) − 三角点1455(11:05/11:20) −日ケ窪峠(11:25/11:35) − 作業道出合・尾根取付き(12:35/12:40) − 無名沢渡渉(13:00) − 丸石沢橋先の登山口(13:15/13:25) − 駐車場(13:45/14:00) = 自宅(16:15)
Aルートマップ
Bウォッちず : 塔の峰  日ケ窪峠  丸石沢右岸尾根 丸石沢橋先の登山口
C写真

2 自宅 − 足尾
 1月11日に那須岳に登るべく大丸温泉駐車場まで行ったが、強風のために那須岳登山を諦めて鶏頂山に振り替えた。21日も出掛け前に那須岳ロープウェイ付近の風速をチェックすると8m/secであり、またまた計画変更して中倉山スノーハイクに切り替えた。今回も出掛け前に同所の風速をチェックすると、どういうわけかページが検出できなかった。出かけて戻るのは嫌なので今回も急遽予定を変更することにした。足尾の丸石沢右岸尾根から塔の峰(1738)を検討していたので、これこれという感じで決めた。地形図は昨年の11月2日に笹ミキ沢右岸尾根から塔の峰に登り、丸石沢右岸尾根を下っているので、この時の資料を持参することにした。那須岳へは4時に家を出発するべく準備していたが、塔の峰では出遅れの感じが強い。暗くなる前に下山可能ということで12時を退却のタイムリミットとする。
 先週に比べて今市以降の道路際の除雪塊は幾分少なくなっていた。銅親水公園へは厳冬期に何度も行って様子を知っているが、銀山平には厳寒期は初めてで、県道293号庚申山公園線の道路状況がわからず少しばかり心配であった。県道293号は除雪してあり、道端の除雪塊も少なくこのあたりはあまり降雪がないようだ。処々で凍結しているが、スタッドレスタイヤなら問題にならない(ノーマルタイヤでは厳しいかも)。かじか荘先の駐車場まで道路には雪はなかったが、駐車場は一面真っ白。でも轍も残りスタックする心配はなかった。

3 往路(日ケ窪峠まで)  積雪はあまり深くはないが、ワカンを装着したほうが良かったかも  粕尾地蔵岳〜大萱山 (標高1130付近から)
 周辺の白さから、スノーシューを使うことはないいだろうとワカンをザックリにくくりつけてゲートに向かう。駐車場までは除雪してあったが、その先は圧雪状態となっていた。ゲートは開放になっていて轍が付いているが、滑って歩きづらいというようなことはなかった。丸石沢橋の斜面化した舟石新道数十メートル先のコンクリート擁壁の切れ間が登山口となる。この先は厳しい歩きが予想されるので、ここでアイゼンを装着した。
 擁壁の切れ間から沢に入って3メートル先で右手に折り返すように作業道へと進む。道筋には鹿道が付いていて迷うようなことはないが、右下は切れ落ちているので油断は禁物。丸石沢橋で見かけた左俣の無名沢(右俣が丸石沢)への下りは、ピッケルをきかせながら慎重に下った。沢の渡渉は簡単だが、そこからの登りが岩場で雪が付いて手がかりがなく少しばかり手こずる。狭い鹿道を這うように登る。この沢前後が今日のコースで唯一の危険箇所で、岩場を越してしまうと作業道は積雪しているが鹿道を追ってゆけばよい。鹿道は時々枝分かれするので方向をしっかり頭に入れて進む必要がある。ぼちぼち尾根に取り付こうかと思っていたら、立木に二五九ちとペンキ書きしてあった。ここを尾根取付きとする。作業道は未だ先に伸びているようだ(西に位置する1286ピークの稜線を乗越していると、ネット記録で読んだ記憶がある日ケ窪峠)。
 尾根に取り付いてからはせいぜい踝が沈む程度で、鹿道を利用しながら登ってゆく。尾根筋は植林だが、自然林が混じったりする。標高1130付近に樹木が疎らで日当たりが良く地肌の現れる箇所があり、ここから振り返ると粕尾の地蔵岳から大萱山の稜線が展望できた。ここが今日のコースで唯一の展望地となった。この展望地からは方向は北から北西に変わり尾根筋は明瞭となる。足の沈みは踝ないしは脛程度でワカンを履く気にはならなかった。1200から1250の急登部を凌ぐと、右手は自然林で枝越しに半月山と中禅寺山が伺えた。このあたりからは幾分雪が深くなり常時脛程度のラッセルとなる。標高1300付近は急登で膝下までのラッセルとなる。適当な場所でワカンを装着しようとしたが、1300を越すと勾配は緩み、クラスト状態(今日のコースで唯一)となり、そのまま壺足で歩くことにした。クラスト箇所は短区間で、その後は踝程度の沈みが続いた。
 標高1350をあたりからは松が目立つようになり勾配も増して、膝下のラッセル状態となった。このあたりに来たら、塔の峰まで行くか、日ケ窪峠で帰るか葛藤状態となる。日ケ窪で引き返しが優勢になると、ワカンはつける気にはならなかった。少しばかり手こずったが、南尾根に登り着くと、立木に小標識を見て舟石新道出合に達したことを知る。塔の峰へは北西に尾根筋を辿るのだが、この時点では塔の峰は諦めて日ケ峠まで進むことにした。舟石新道は西南西に尾根をトラバースするように進むのだが、完全に斜面化していて、近くには鹿道は見当たらない。小標識を追ってトラバースを始めると雪は深く膝ラッセル状態となる。距離にして200メートル足らずに25分も要して南尾根に乗り上げた。ここが日ケ峠で積雪は浅かった。ここから三角点1455までは100メートル程度、このまま帰るわけにはゆかない。三角点への尾根筋は雪が薄く短時間で達した。昨年の11月2日に来た時に三角点を見逃してしまったので、探してみたが雪が薄くついていて見つからなかった。風が冷たいので日ケ窪峠に戻ってエネルギー補給の小休止。

4 復路  復路は楽だった  もう2時間早く家を出れば塔の峰到達したかも  
 舟石新道は雪が深いので、鹿道を利用してショトカットしてみた。往路の膝ラッセルとは様変わりで、踝程度の沈みしかない。あっさりと往路のトレースまでたどり着いた。この先は自分のトレースを追って下るだけだから楽である。作業道出合三角点14555付近で丁度一時間で、前回の無雪期の所要時間と全く同じだった。時間的に余裕があるので、この作業道を追って1286ピーク方面へ進んで見ようかとも思ったが、帰心(?)の自分に逆らうことはできなかった。
 無名沢への下りは案ずるよりは産むが易しで、最後の2メートルほどはシリセードで沢床に下った。沢の渡渉も無事済み、沢からの登りもどうということはなかった。鹿道を追って登山口まで戻って、今日の反省。塔の峰に達するには、自分の脚力ではもう2時間早く家を出るべき。今回は偵察行になってしまったが、次回はもう少し準備をして出かければ充分可能性はある。駐車場には無論他に車なし。車載温度計で7度、これなら指先の痛みを感じなかったのもうなずける。
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