ひとり山歩き504 : 足尾の中倉山にスノーハイクに行って来ました。降雪後、一週間が経ち積雪は多からず少なからずでしたが、トレースは皆無でした。山頂からの展望には満足しました。
中倉山スノーハイク
2013年1月21日(月)
1 行
@コースタイム : 自宅(4:10) = 足尾無料駐車場(6:10/6:20) − 仁田元沢林道の上久保沢出合・登山口(7:40/7:45) − 南尾根出合(9:40) − 1390級ピーク(10:25/10:45) − 尾根合流地点(11:25/11:30) − 三角点1499(11:35/11:40) − 中倉山(12:00/12:20) − 尾根合流地点(12:35) − 1390級ピーク(12:50) − 南尾根別れ(13:10/13:20) − 下山(登山口)(14:10/14:15) − 駐車場(15:30/15:45) = 自宅(17:55)
Aルートマップ
Bウォッちず : 中倉山  上久保沢出合  足尾無料駐車場
B写真集

2 自宅 − 足尾
 那須岳へ行くべく好天日(風の弱い)を待っていたが、なかなか条件が整わなかった。今日を逃すと明日は降雪か予想されている。前回同様に家をでる前に、那須岳ロープウェイ付近の風速を調べると8m/secで諦めた。この数年は厳寒期に足尾の中倉山へスノハイクに出かけているが、昨年はどうしたことか出かけていない。それならばと、中倉山に急遽出かけることにした。成人の日に降雪があったが、一週間経っているので積雪はほどほどと推測し、ワカン、ピッケル、アイゼンを持参することにした。
 今市市街に入ると、道路脇には除雪塊が目につき、足尾まで続いていた。この数日は気温が低いので、降雪後一週間経っても残雪は多いようである。帰路で中倉山と大平山の写真を撮りたくて、今回も足尾無料駐車場を利用した。気温マイナス8度(銅親水公園の電光掲示板)

3 往路  降雪一週間後で雪は多からず少なからず  林道の途中から踏跡は皆無上久保沢の堰堤
 中倉山には、無雪期に三回、積雪期に三回登り、その他に途中で強風のために二度ばかり途中退却している。最初だけは中久保沢から登っているが、その他は上久保沢からの登りである。今回も前例にならって上久保沢からの登りとする。積雪期の記録は09年1月14日備前楯山 (標高1170から)ひとり山歩き344、10年1月4日のひとり山歩き386、11年2月2日のひとり山歩き429を参照願う。
 久蔵川の橋をわたると、雪は薄いが連続となり凍結気味となった。ここで最近よく用いるチェーンスパイクを装着した。井戸沢出合の先で車はUターンしたようで轍は消えて、人の足跡も消えてしまった。下久保沢、中久保沢と通り越してゆくが、雪はほぼ連続で数センチ積もっている。右手に4回目の堰堤が見えたら、ここが上久保沢で登山口は80メートルほど先になる。ここまでは前三回よりは時間がかかっているが、途中でチェーンスパイクを装着したり、写真撮影に要したもので、積雪のせいではない。
 上久保沢はリョウブ林で南に面しているから日当たりが比較的よく、積雪は浅い。赤テープや鹿道を追って50メートルほど登ると、トラロープが長く展張してある。これは10年ほど前に治山工事で敷設されたもので、用済み後は登山道として利用されている。小尾根を乗越して、鹿道を追うと今度は短いトラロープを見かける。この先は鹿道は入り乱れ、作業道はわからなくなる。適当に登ってゆくと赤テープは何度も見かけるが、前三回では見かけた踏跡は残っていなかった。成人の日の降雪以降に登った人はいないのだろう。谷の中を歩いているのだから、ルートを間違える心配はないので、鹿道を極力拾いながら急斜面を登ってゆく。障害物は特にないが短いトラロープを越したあたりは岩っぽい場所でゴツゴツして歩きづらい程度。毎度のことだが、標高1170あたりは樹木が疎らで日当三角点〜大平山〜男体山〜半月山 (尾根合流地点)たりが良いために地肌があ現れている。ここは唯一の展望場所で振り返ると樹木の切れ間から備前楯山が見える。ここを越すと積雪は増えて、南尾根直下ではスネ程度のラッセルとなる。雪は全然クラストしていないので、チェーンスパイクでは上滑りが多かったが、ここに来てスパイクに団子が付き出した。チェーンスパイクは本来はこのような場所で用いるものではないが、テストを兼ねてよく利用しているのでこれも仕方なし。南尾根直下は急勾配で直登は労力を要するので、鹿に倣ってトラバースぎみに上り詰めると南尾根出合となる。
 南尾根直下では膝下までのラッセルだったが、尾根を北上すると左(西)側は雪が疎らで谷筋の急登での疲れを癒せた。しかしこれも長続きはせず尾根幅が広まると雪は深くなり、連続して皇海山〜沢入山〜大平山〜男体山スネ程度の沈みとなる。1390級ピークはなだらかで雪は少ない。残念ながら展望はなく、男体山の頭が枝越しに見える程度。この先は二箇所ばかり雪の深い箇所があるので、ここでワカンに履き敢えて、ストックからピッケルに持ち替える。
 1390級ピーク先の浅い鞍部からは、夏道は尾根の右手を巻いている。積雪期の二回目にトライしたときは、赤テープを追って夏道沿いに進んで尾根合流横根山方面地点まで達した(ここで強烈な風で退却、最初のトライは南尾根到達地点で退却)。トラバースは労力が大きいので、その後は尾根を直登するようにしている。鞍部から50メートル程は積雪が多く、ワカンでもスネ程度の沈みとなる。尾根筋が明瞭になった地点に大岩があり、ここからは塔の峰を間近に、袈裟丸山、オロ山、皇海山と展望できる。今日は無風状態で寒いと言うよりも温かいという感じで、指先の痛みも殆ど感じなかった。まさしく今日はハイキング日和だ。尾根上は日当たりがよく、雪は薄く楽な歩きとなる。尾根合流地点は小ピーク状をなしていて、ここからは半月山、男体山・社山、大平山が楽しめる。皇海山や袈裟丸山方面は枝越しの展望となる。
 北西に向きを変えて尾根上を進むと5分ほどで三角点に達する。以前は山部3Dプレートが立木にかけてあり、すぐに分かったのだが、その後、働き者がプーレトを山頂に移してしまった(今日は山頂にもなかった)。夏場は草で隠され、冬場は雪で隠されて知らない人は見つけることが困難である。雪面から露出している保護石付近を手で払うとすぐに三角点の頭が現れた。ここで気づいたのだが、富士山がはっきりと確認できた。
 大平山を横目にしながら進むとツツジの灌木帯となる。ここは日当たりは良いのだが、灌木に抱きかかえられた雪が深く、ワカンでも膝下の沈みとなる。この区間も短く、その先は積雪のない山頂であることを知っているので苦痛など感じることもない。樹木が切れると積雪はなく、鹿に食いつくされた短い笹が痛々しい(?)。中倉山の山頂部(カシミール3Dで確認すると、北隣りの小ピークが中倉山となっている)にはケルンが積んであり、山名標識が立っている。前回(11年2月)に見かけた山部3Dプレートは、風に飛ばされてしまったようだ。山頂からは360度大パノラマが広がり、ここからの展望はお気に入りのひとつ。ビデオをご笑覧願う。

中倉山スノーハイクのビデオ
           

山名を知りたい方はこちらのビデオ

4 復路  赤倉山 (仁田元沢林道から、復路に)
 復路は自分のトレースを利用できるので楽である。1390級ピークでデポしておいたストックに持ち替えて、南尾根別れ(往路での到達地点)まではワカンを履いたまま。ここからはテストを兼ねてチェーンスパイクとも考えたが、往路で予定よりも時間がかかって(余分なことに時間をかけてしまった部分もある)ので、アイゼンに履き替える。
 往路のトレースをたどるのは面倒で、雪のある部分をドンドン下ってゆく。時には往路の自分のトレースを拾ったり、赤テープを見かけたりする(狭い谷筋を下ってゆくのだから当たり前のことだが)。チェーンスパイクに比べたらアイゼンは上滑りがないので、安心して下れる。トラロープ箇所からは小尾根を乗り越して南側の浅い谷筋下りとなる。家に帰ってからGPSの軌跡を見ると、往路も復路もほぼ同じ軌跡を描いていた。谷筋登りは急登を我慢(雪崩の起きるような谷筋は不可として)すればルートを外すことはないから、歩くことに専念できてありがたい。往路の所要時間に比べたら、復路では写真撮影をしなかったこともあって半分以下の時間で登山口に下山できた。
 アイゼンを外すのも面倒で、井戸沢下流ダム石碑まで履き続ける。導水管橋を通る人は多いが、自分は高所は苦手でいつも林道を通る。時間的にどの位違うのかな? 導水管橋の袂から銅親水公園入口までノンビリ歩いて15分だから、せいぜい5分の違いか。親水公園を過ぎた地点で定点観測ではないが、大平山と中倉山方面を撮影する。年末から3度めともなると、降雪一週間後ではどの位かある程度読めるようになった。親水公園入口の電光掲示板は3度、風速3m/secとなっていた。家にいたら寒くてしょうがない気温だが、活動しているせいか室内の15度ていどの感覚。むろん駐車場には他に車なし。 
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