ひとり山歩き502 : 天善教から笹目倉山に登り、尾根伝いに石尊山まで縦走し、その南東尾根を下りました。展望はほとんどありませんが、久しぶりに地形図読みを楽しむことができました。
天善教から笹目倉山(799)〜石尊山(594)南東尾根
2013年1月4日(金) 晴れ
1 行程
@コースタイム : 自宅(5:20) = 鹿沼市・県道149号・唐沢BS付近駐車(6:35/6:45) − 天善教(7:20/7:30) − 一ノ宮コース合流(7:55) − 八合目(8:25) − 笹目倉山(8:50/9:05) − 標高点643(9:25) − 鶏鳴山/石尊山分岐(10:00) − 標高点540(11:00) − 三角点625(11:25/11:35) − 標高点513(12:05) − 石尊山(13:25/13:35) − 計画尾根に乗る(13:55) − 440級ピーク(14:35/14:45) − 胴体のない石祠(15:00) − 南東尾根離れ(15:35) − 作業道出合(15:45) − 鍛冶谷林道(正式名は殿の入林道)出合(15:55) − 県道149号出合(16:05) − 駐車地(16:30/16:35) = 自宅(17:40)
Aルートマップ
B 写真集

4 自宅 − 天善教
 今年の歩き始めは、年末年始のぐ〜たら生活で身体が鈍ってしまったので雪山は自重して、体力回復と頭の体操を兼ねて低山歩きとする。最近、ノラさんのブログたそがれヤジさんのブログに鹿沼市の石尊山とその南東尾根が話題になった。03年3月31日に高野内沢林道から石尊山に登り、尾根伝いに笹目倉山まで歩き天善教へ下山したことがある。今回は石尊山の南東尾根を含めて石尊山と笹目倉山を縦走することにした。石尊山〜笹目倉山の縦走はネットを検索すると何件もヒットする。いずれも石尊山から笹目倉山に向かうもので、その反対記録見つけるのは難しい(ノラさんが鶏鳴山分岐から石尊山の記録あり。下山後の自動車も回収とルートキーピングを考えると反時計回りが容易だが、それでは面白くないので敢えて時計回りとすることにした。問題は鶏鳴山/石尊山分岐からの急勾配の落葉の積もった尾根を下る危険と複雑な石尊山南東尾根を間違いなく下れるか一抹の不安はある。石尊山南東尾根に付いては。栃木の山紀行の記録を参考にした。
 冬山用のザックからツェルトと必要最小限(普段の山歩きでは殆ど使わないが、いつも持参する物を詰め忘れて夕刻の植林歩きで不便な思いをした)をデイバッグに詰めて、歩き出しを明るくなる頃を見計らって家を出る。鹿沼市の御成橋でいつもの日光方面とは異なり、直進して県道164号そして県道149号へと進む。計画通りに歩くと今日は舗装道を6kmほど歩かねばならない、下山後の舗装道歩きを短くするべく行ったり戻ったりで、唐沢BS付近の路肩に駐車する。家から登山靴を履いてきたので、地形図を車内で確認してザックを担ぎ天善教目指して歩き出す。途中で笹目倉山・登山道新設の看板を見る。ここが新道久次コースの登山口らしい。そこから5分足らずで天善教に達する。10年前にここに下山したのだが全く記憶にない。

5 天善教 − 笹目倉山 − 石尊山  鶏鳴山/石尊山分岐からの下りは落葉で滑り危険、反時計回りで登ったほうが良い  
 天善教の石階段を登り、神社の右手へと薄い踏跡を追って笹目倉山の南尾根に取り付く。尾根筋は松混ざりの檜林でいきなり急登となる。すぐに杉に変わるが急登の連続でぐ〜たら生活で鈍った足腰にいきなりの負担となる。尾根上にはTVケーブルが目に付く。倒れたTVアンテナを見ると、すぐ先で左下からの一ノ宮コース合流地点となる。標高620あたりで六合目の標石、続いて七合目、八合目と標石が目に付く。八合目には鳥居と石祠が祀ってある。九合目には標石と石祠、続いて標高750で右から清流園からの登山道(久次コース)が合流し拾合目の標石を見て山頂が近いのを知る。更に10分ほどで笹目倉山の山頂に達した。ここは天善教の奥宮のようで社が祀ってある。写真を撮っていると、鶏鳴山を往復するという高齢者が登ってきて神社に拝礼するとすぐに出発していった。
 石尊山から笹目倉山まで歩いたのは、10年前で社だけは記憶に残っていたが、道筋では一箇所ネットが張ってある場所だけは記憶に残っていた。ネットの内側の檜は3メートルくらいに育っていて展望はないが、10年前は檜は低く展望があったような記憶がする(当時の写真が残っていないか探したがなかった)。尾根筋は杉林で一部に檜と落葉樹が混ざり、踏跡が続いているので迷うことはない。一旦下って登り返すと標高点613だが、樹林の中で展望はない。その先で石祠を見かける。祠の側面に文字が彫ってあるが、風化していてよくわからない。寛政のようにも見えるがはっきりしない。鹿侵入防止ネットを過ぎると、右下に作業道が尾根にそって敷いてある。これも10年前の記憶にはない。以降、このような作業道を尾根直下に何箇所でも見かけた。地形図を見ると尾根の両サイドには何本もの林道が敷設されている。これらの林道から延長されたものであろう。鶏鳴山/石尊山分岐は815ピーク直下から派生する尾根へと巻き気味に進む。
 尾根を南東に15分ほど急下降してゆくと、植林から開放されて落葉樹となって左手(北東)が開けて石尊山への尾根筋と古賀志山、鞍掛山あたりが展望できた(今日の尾根歩きで唯一の展望地)。急勾配の細尾根には落葉が堆積していて滑って危険でありストックと立木を利用してブレーキをかけながら下ってゆく。10年前にここを登った時に滑って歩きづらかった記憶が蘇った。出発前から気にはなっていたが、今日は残雪がなくてよかった。ここはできたら下りは避けた方が無難。鞍部まで下ってしまうと落葉があってものんびりと歩けた。標高点540ピークは植林のなかで、笹目倉山が枝越しに見えるだけ。
 540ピークの先で小ピークを越すと左下に作業道をみたりしながら登りつけると、四等三角点625に達した。ここでザックをおろしてエネルギーを補給する。今日は気温が低く、発汗が少なく水分補給は殆どなし。たそがれオヤジさんは先日この尾根を登って石尊山に向かわれた。その記録に載っていた「標高625」のプレートが目についた。もちろんこれは10年前にはなかった。625ピークから北東に下り、向きを東にすると今日の尾根筋では珍しく低い笹地帯を通過する。尾根の左直下に作業道を見ながら少しばかり登ると標高点513で、ここでもプラスチック製のP513のプレートを見る。
 513ピークの先で南東に向きを変えてすぐの小ピークで、東尾尾根へと下りかけて軌道修正する。低山歩きは枝尾根が複雑に派生しているので、高山歩きに比べたらルートキーピングが難しく、地形図読みが面白い。その反面、今まで何回も見てきたような作業道があったりで、緊張感にかける。鶏鳴山分岐からは下り勝手にも関わらず小ピークが多く、けっこう足腰の負担となる。少しばかり急登すると石祠が出迎えてくれた。ここが石尊山の山頂で石祠の傍に青色のMプレートを目にする。三角点から少し進むと社と石祠群が賑やかに祀ってある。

笹目倉山〜石尊山ビデオ


6 石尊山南東尾根を下山  尾根筋は複雑で、初めて下るのは慎重に   植林では夕刻になると暗くて、老眼鏡なしでは地形図が読めず苦労した石尊山(中央) (県道149号宮内付近から)
 石尊山から計画の南東尾根に乗るには、山頂から真東へと急斜面を下るところだが、ノラさん情報によると山頂から南に下ると朽ちた石祠があり、そこから踏跡を追えばうまく計画尾根に乗れるらしい。今まではルーファンに悩むような箇所はなかったので、このルートを探して見ることにした。朽ちた石祠を目安に下れば良いのだが、ものを探すのが不得意で見逃すと下りすぎてしまいそうで不安になる。下りすぎると計画尾根が遠ざかってしまうなので、我慢しきれずに南尾根を離れて急斜面を下り始めると、薄い踏跡に赤テープを二箇所で見かける。この踏跡を追うと、標高点321の林道(鍛冶谷林道(正式名は殿の入林道))に向かっているようだ。浅い谷筋をトラバースして方向を北に修正すると、うまく計画尾根に乗ることができた。残念ながらノラさんの通った踏跡は発見できなかった(家に帰ってから再度検索すると、栃木の山紀行の記録で朽ちた石祠は山頂から南尾根をもう少し我慢して下ればよかったことを知る)。
 暫くは緩やかな尾根筋を東へと気持よく歩く。左下に作業道を見て方向を転じて440級ピークへ登る。このピークから東へと下るのだが、下り口がはっきりせず南に下ったり戻ったりで10分ほどロスしてしまった。うまく南東尾根に乗って下ってゆくと胴体のない石祠が祀ってあった。計画の下山地点まではあと100メートル下れば良いのだが、途中で何度も小ピークを越すので、疲労が蓄積されて足取りが重くなる。更に悪いことに、尾根筋は植林で日が当たらず、うす暗くなって地形図が見づらくなってきた。ザックを替えた際、老眼鏡を入れるのを忘れたのが悔やまれる(明るいうちは1.5倍に拡大した地形図は眼鏡なしでも見えるのだが、暗くなると殆ど読めない)。計画の標高点285へ下るには尾根筋の不明瞭な急斜面を下らねばならない。仕方なしにGPSを頼りに下ることにしたが、片手にGPSもう一方の手で枝を払いながらの急斜面下りは難しい。下る方向とは反対側の浅い谷筋は草付きで緩やかそう、しかも明るいのが良い。慎重に地形図で方向を確認すると、鍛冶谷林道(正式名は殿の入林道)に下れそう。ここで方針を変えて尾根を離れ谷へ下る。10分ほどで作業道に出合った。これで明るいうちに駐車地に戻れる確信を持つ。やがて鍛冶谷林道(正式名は殿の入林道)に出合、そのまま下って県道149号に出合う。右手に石尊山や正面に笹目倉山を見たりしながら25分の舗装道歩きで駐車地に戻る。今日は久しぶりに地形図読みを楽しむことができた。老眼鏡を忘れたのは喝!! 
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