ひとり山歩き49 : 湯元温泉から白根沢コース(前白根山経由)で奥白根山に登り、中曽根コース(五色山経由)で下りました。このコースはハードですが、展望は素晴らしいです。
湯元温泉から奥白根山(2577.6m)往復
2002年6月10日(月) 曇り/晴れ
1 行程
自宅(3:30) − 湯元温泉P(5:20/5:35) − 天狗平(8:00/8:10) − 前白根山(8:30/8:40) − 避難小屋(9:10/9:20) − 奥白根山(10:35/11:20) − 五色沼(12:10/12:20) − 五色山(13:15/13:30) − 国境平(13:55) − 湯元温泉P(15:35/15:50) − 自宅(18:15)
2 自宅 − 湯元温泉 天気とサッカーのワールドカップをにらんで、急遽奥白根山へ
 遠征するには、梅雨入り間近で天気が読みきれない。サッカーのワールドカップもTV観戦したい。ということで、丁度一年前に登った奥白根山に急遽出かけることにした。昨年と同じコースでは面白くないので、湯元温泉から奥白根山をピストンすることにした。
 今週の天気は総じてかんばしくない。昨日なら天気がよかったのだが、サッカー対ロシア戦が気になって行けなかった。今日は予報によると晴れたり曇ったり、ということで出かけることにした。日光方面へはこの一年間何度もいっているので、道路事情も知り尽くしている。この時間帯(夜明け前後)がもっと楽に運転ができる。湯元温泉のビジターセンター付近の駐車場に車を停めて、早速準備にかかる。
3 湯元 − 白根沢コース − 奥白根山  強風と急登のあとに、360度の大パノラマが待っていた
 ゲレンデの中の砂利道を急登すること25分で登山道に取り付く。コメツガ林の急登が始まる。外山尾根までの約2時間は、露出した岩、コメツガの根っ子、滑りやすい土道の連続で、休まる暇がない。展望は全くなく、慰めてくれるのは途中のシャクナゲの群落だけである。今日履いてきた靴はまだ足に馴染んでいないので、右足の踝の後側が圧迫されとても痛い。何度も悲鳴をあげる。
 外山尾根に取り付き、なだらかな道になると踵への圧迫も少なくなり、一安心。その代わりに前白根山から望む奥白根山、風が強い。コメツガ林が防いでくれているので、今のところ返って涼しく感じてよいのだが。山頂ではどうかな?右手に金精山と帰りに通る中曽根尾根が時々見える。立ち枯れの目立つダケカンバ疎林を登っている際、振り返えると男体山と中禅寺湖が見えた。ちょっとトラバース気味に進むと天狗平に着く。ダケカンバに囲まれた広場である。風を受けるが我慢をして、朝食を取る。
 天狗平からはすぐに稜線歩きとなる、10分も歩くと小さなピークに着く。ここからの展望は素晴らしい。富士山、皇海山、武尊山、錫が岳、前白根山と目移りがする。山座同定しようと地図を広げるが、強い風で吹き飛ばされそうなので諦める。すぐ先の前白根山頂は何も遮るものがないので、体まで吹き飛ばされそうで怖い。奥白根山の山頂直下の森林限界を越えたところではどうであろうか、諦めて引返そうかと考える。この頃になると、雲が少なくなり大部明るくなってきた。途中で危なかったら引返そうと、前へ進むことにした。前白根山からの眺望も素晴らしいが、落ち着いて楽しめないのが残念!
 右下に五色沼を見ながら、前白根山のガレ場を下る。ガレ場を下りきると、樹林帯でないのに風を感じない。右下の五色沼と左手の中禅寺湖を眺めながら進む。筑波山まで見える。道標を見つけて、ダケカンバとシャクナゲの道を避難小屋目指して下る。菅沼から奥白根山に登り、これから前白根山、五色山へ向かう夫婦に途中で出会う。避難小屋に着き、中を覗いてみる。フトンや鍋の類を少々見かけた。
 ダケカンバ疎林の急登が始まる。足場が悪く、登るのに苦労するところもある。避難小屋を出発して25分後には、森林限界を越し、展望がグット開ける。富士山も見えるし、浅間山が噴煙をあげているのも見える。気奥白根山山頂から尾瀬の山(中段右:燧ケ岳、中段左:至仏山)、中央最奥に平ケ岳分転換はできるが、登っても登っても頂上はまだ遠いという感じ。振り返っては前白根山とか五色山を見ては、どの位の高さか推し量る。この頃になると、五色沼へ下る人が増えてくる。反対方向から登ってくる私にどこから登ってきたのですか、と尋ねる人が多かった。湯元温泉からというと、遠いですね、と驚嘆する。湯元からは大変だということは、一応知ってはいるのだ。やっと山頂が見えた。祠の前を通って山頂にたどり着く。
 山頂からは360度大パノラマが広がっている。記念写真を撮って、眺望を楽しみ始めたら、中学生の遠足集団がドンドン山頂に登ってくる。数名ずつ記念写真を撮っては、南側のお釜に下りてゆく。落ち着いて景色を見るどころではない。場所を移して、山座同定を始める。近場では北から会津駒ケ岳、燧ケ岳至仏山武尊山皇海山・・・、遠方でハッキリしないが、富士山、日本アルプスと見飽きない。風も心配していたほどでない。返って爽やかな感じがする。中学生の記念撮影も一段落したので、我がホームグランド(?)日光連山を見ましょうと山頂に移ったら、北側のピークから次の集団がドンドン山頂目指してやってくる。山頂から降りて、東側に行き、男体山を始めとする日光連山を撮影して、下山にかかる。
4 奥白根山 − 中曽根コース − 湯元  残雪と踝の痛みに悩まされる  眺望は抜群だった
 復路は、避難小屋・五色沼・五色山・国境平・湯元と中曽根コースで下る。避難小屋目指して、下っている間に、登ってくる人に一人だけであった。湯元から来たのかな?湯元から登る人は断然少ないようだ。やはりコースの長さとハードさが嫌われるのかな?菅沼コースに比べて、断然展望がよいのだが・・・奥白根山山頂(南側のお釜より)
 避難小屋から五色沼への下りにはけっこう雪が残っていた。五色沼に着くと4人が昼食を取っていた。横を素通りする。五色沼は上から見ると緑色が美しいが、湖畔から見ると、さざなみで緑色が消えてしまい単なる沼にしか見えない。それに比べ、左の奥白根山は荒々しいドームが印象的であった。
 五色沼から弥陀ケ池方面に進む人はいても、五色山に登る人はいない。急登なので、下を向いてゆっくり登っていると、突然「今日は!」との声に見上げると、中年の人が下りてくる。もう少し上に行くと、シラネアオイが見えると教えてくれる。これから菅沼へ帰る前に、電気柵で保護されているシラネアオイを見てきたとのこと。弥陀ケ池よりは状態がよいとも教えてくれた。五色沼から30分ほど登ったところに、電気柵で囲んだ一画が見えたので寄り道してみる。開花の時期にはまだ早いが、何本かは咲いていた。説明板によると、昔は多く見られたという。鹿の食害らしい。自然界のバランスの崩れなのだろうが、由々しき問題だ。
 ダケカンバとシャクナゲの道の急登を続ける。笹が増えて、登りがやや緩やかになると前方に男体山の頭が、左に会津駒ケ岳、燧ケ岳、至仏山が見え出すと、すぐに五色山山頂に達する。山頂は疎林の中の広場となっている。中央部から西側に奥白根山のドームが見えるだけだが、疎林のところまで進むと、会津駒ケ岳〜武尊山がくっきりと見える。下山しようと北側に進むと、日光連山が間近に見える。見下ろすと、これから下ろうとしている湯の湖と湯元温泉街がはっきりとみえる。五色山からの眺めもなかなかのものである。今日ほど眺望を堪能したのはほんとに久しぶりである。ハードワークの甲斐があったというものだ。日光連山(中央部右から:男体山(裾のみ)、大真名子山、小真名子山(見え難い)、太郎山、高原山(太郎山の左後方)
 国境平までは、コメツガ林の笹道を急降下である。かなり残雪が残っている。踏み抜くことはあまりないのだが、急降下のところでは滑りやすく、結構労力を要した。往路の登りでは、右足踝の後側の痛みに悩まされたが、今度は踝の前側が痛くなった。靴紐を緩めたがあまり効果なし。景色のよいところでは休憩をとるようにしてユックリ下った。下りは得意なのに、下りが苦痛だなんて始めての経験。唯一の救いは、胸まである笹が刈られていることである。この笹に悩まされたとの報告は多い。このところ、皇海山以来ずっと長い笹は刈られている。これが夏場になると伸びて悩ますのかしら?それにしても、下りが長い。金精道路が見え出してからも、かなり急降下せねばならなかった。下りでコースタイムより時間がかかったのは初めてのような記憶がする。やっと、コメツガ林の平坦な道になって多少救われた。しかし、その先で林道に出てからも長い。おまけにビジターセンターの位置がわからず、探しまわる。肉体面では今日は散々だったが、好眺望はそれを補って余りありだ。 
5 湯元温泉 − 自宅
 相変わらず、いろは坂の下りは時間がかかる。道路は昔の設計だから、現在のバスのサイズに適合していない。いつもバスの後は金魚の糞だ。
 今日は入梅前に良い山歩きができた。これから暫くは、梅雨の合間をうまく選ぶ必要がある。あまり遠出ができないのが残念。 
HOME  
inserted by FC2 system