ひとり山歩き495 : 足尾の笹ミキ沢右岸尾根から舟石新道経由で塔ノ峰に登り、丸石沢右岸尾根で下山しました。紅葉は過ぎた感じで、庚申川沿いが盛りでした。両尾根とも先端部以外は特に難しい場所はありませんが、舟石新道は笹で隠れているのでマークを丹念に追う必要があります。
笹ミキ沢右岸尾根〜塔ノ峰(1738)〜丸石沢右岸尾根
2012年11月2日(金) 晴れたり曇ったり
1 行程   写真
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 塔ノ峰(1738)  笹ミキ沢右岸尾根  丸石沢右岸尾根
自宅(3:35) = 足尾銀山平駐車場(5:40/5:50) − 笹ミキ橋・尾根取付き(6:30) − 標高点1261(7:55) − 標高点1462(8:55/9:05) − 舟石新道出合(9:45) − 笹ミキ沢左俣(10:00) − 笹ミキ沢右俣(10:45) − 舟石新道から尾根取付き(10:55) − 塔ノ峰稜線到達(1622付近)(11:45) − 塔ノ峰(1738)(12:30/12:45) − 日ケ窪峠(舟石新道)(13:30/13:45) − 舟石新道別れ・尾根乗換(13:50) − 歩道出合(14:45) − 沢渡渉(15:05) − 下山・(丸石橋付近)15:15) − 駐車地(15:25/15:35) = 自宅(17:35)

2 自宅 ー 足尾銀山平
 奥日光は紅葉狩りで渋滞が予想されるので、今週も足尾に出かけることにした。以前から笹ミキ沢右岸尾根から庚申山に登り、塔ノ峰まで足を伸ばし、そこからは丸石沢右岸尾根を下る考えを持っていた。現在は昼時間が短いので、この計画には無理が伴う。そこで短縮版として庚申山まで足を伸ばさず、今は廃道となっている舟石新道を利用して、塔ノ峰に登り、丸石沢右岸尾根を下ることにした。(注 : ネットで検索すると、笹ミキ沢を遡行して、丸石沢を下るという記録はいくつか見かける。丸石沢右岸尾根については、2件見つかった(先端部につては記述なし)。笹ミキ沢右岸尾根に関しては、記録が見つからなかった。)
 今までは丸石橋を何度か通っているが、地形を詳細に観察したことはなかった。橋から見る限り丸石沢右岸尾根の先端部は雰囲気が悪るい。丸石沢右岸尾根の先端部を明るくなってから観察できるよう見計らって家を出る。国道122号から、銀山平のかじか荘までは約5km、このころになると林道脇の紅葉が眼に入るようになる。今日は紅葉が楽しめるかもと期待しながら、かじか荘の300m先の駐車場に駐める。もちろん先着者はいない。

3 笹ミキ沢右岸尾根 − 舟石新道 − 塔ノ峰  笹ミキ沢右岸尾根はヤブはなく、特に危険箇所はない  舟石新道は笹で隠れているマークを追うこと
 庚申川沿いの紅葉を楽しみながら歩いて、肝心の丸石橋に到達した。、右岸尾根先端部を観察するには十分な明るさだが、尾根先端部の下りはかなり急勾配である。念の為にロープも持参しているので、なんとかなるだろう。丸石沢右岸尾根からスタートするか、少しばかり迷ったが、なんとか下山できるだろうと覚悟を決めて当初計画通りに笹ミキ橋に向かう。約50メートル進むと、林道右手の擁壁の間に小さな沢があり、覗くと踏跡が認められた。ここが下山地点なのかもしれない。偵察にこの踏跡を行ってみようかとも思ったが、帰り塔ノ峰山頂 (中奥は皇海山、手前右は庚申山)のお楽しみにとっておくことにした。庚申川沿いの紅葉は盛りのようだが、真っ赤になる樹木が少なくやや物足りない。そうこうするうちに笹ミキ橋に着いた。ここは丸石橋みたいに複雑な地形はしていない。問題は右岸尾根への取り付き部が急斜面でしかもザレていることである。
 案の定、右岸尾根の先端部は足元が滑って登りづらい。悪いことに樹木が疎らで手がかりが少ない。ほとんど這って登る状態となる。沢側(右手)には多少の手がかりはあるのだが、万一滑落すると沢まで落下してしまう危険がる。中央部なら滑落しても林道が受け止めてくれる。20分ほど悪戦苦闘すると、どうにか立って歩けるようになった。それ以降は、ヤブ等の障害物はなく安心して歩けるようになった。標高1000から1050の急登部をこなすと、露岩帯となるも手がかりが多いので、特に問題なし。この尾根筋では唯一のマーキングをここで見かけた。この尾根筋は右(北)が切れ落ちた細尾根状態が多いが、ヤブも岩もなく歩き易い。色づくような樹木が少なく、紅葉という点では期待はずれであった。標高点1261付近は根が張り出した細尾根で前方に1462ピークが見えるだけ。
 標高点1261からの僅かな下りには踏跡が認められた。標高1400付近でリョウブ林となって脛程度の笹が下草となる。標高点1462ピークは幅広で下生えもなく雰囲気は良いのだが、みぞれ状態で直径が1mmもないような白い結晶(何ていうのかな?)が斑についていた。特に寒いというわけではないが、シャツが濡れて体熱が奪われるのを心配して防寒上着を着用し、エネルギーを補給する。
 1462ピークから先も踏跡が見え隠れしている。マーキングやゴミ類を見かけないので、歩く人が多いわけではない。林業関係に伴う踏跡なのであろう。このピークから下った鞍部からは低い笹が連続的となり、ゆるやかに登ってゆくと目の前に古い角柱と薄い踏跡が目に入った。ここが舟石新道出合である。昨年の5月14日に舟石新道を歩いた時にはここに「林班界」の標識がぶら下がっていたのだが、なくなってしまったようである。この尾根筋を更に詰めると、庚申山のお山巡りコースに合流するのだが、今日はここから舟石新道を東にたどり、途中で尾根に取付き塔ノ峰に登ることにする。
 ここから塔ノ峰南尾根に取り付くまでは、前回とは逆回りであるが、1時間強と推測して薄い踏跡が残る舟石新道に進む。踏跡は大部分が笹で隠れてしまい、たどるのは難しい。立木に取り付けられた四角い小さなブリキ板に赤丸のついたマークを見つけながら進んでゆく。踏跡を追うのに苦労するが、それ以上に時々降るみぞれで笹が濡れていることである。新道は斜面化して笹で覆われているので、常に右足下がりで滑って歩くづらいこと甚だしい。笹ミキ沢左俣(水流はなかったが、これが本流か)そして笹ミキ沢右俣(水流あり)を渡るまでに1時間も消費してしまった。塔ノ峰南尾根に取り付くまでには、更に1時間近く掛かりそう。ここで方針を変更して、庚申山方面から塔の峰に続く稜線に登ってしまうことにした。もう少し先に塔ノ峰西鞍部への尾根筋が見えるが、現在地からは高さにして170メートル程度の笹斜面を強引に登れば、1時間仕事。ここから舟石新道に別れて尾根取付きとする。
 カラマツ林の急斜面には膝ないし胸程度のミヤコ笹が生えているが、ネマガリダケと違い大した障害とはならない。それでも笹の低そうな場所を選びながら、登ってゆく。主稜線直下で樹木が切れて、斑に白くなった袈裟丸山が展望できた。程なく塔ノ峰稜線の標高点1662付近に到達した。塔ノ峰目指して笹に隠れた踏跡を追って進む。笹で隠れているので踏跡と獣道とが見分けがつきにくい。踏跡と思って追いすぎると方向がずれてしまい時々修正する。標高1650で露岩帯に出くわし、これを追うと笹ヤブがなく歩きやすかった。この露岩帯が切れると、すぐ先が塔ノ峰山頂である。低い笹で覆われた山頂部は樹木は疎らで、皇海山や庚申山が望める雰囲気のよい場所なのだが、突風で吹き飛ばされそうになる。急いで皇海山方面の写真を撮って、南東尾根にわずか下ってエネルギー補給を兼ねて小休止する。

4 丸石沢右岸尾根  笹尾根尾根だが特に苦労なし  最後は歩道を下るが、沢に降りる地点は要注意
 丸石沢右岸尾根は概ね腰程度の笹尾根であるが、歩きづらいという程ではない。標高1600からは方向が南東から南南東に変わるが、笹は低く踏跡が続いている。丸石沢右岸尾根を忠実にたどるならば、標高1480あたりから方向を幾分東寄りに転換せねばならないが、今日はそのまま南南東の尾根を下り日ケ窪峠に下る。ここは平坦で舟石新道に再出合で踏跡が確認できる。ここまで下ると風はないので防寒着を脱ぐ。ついでに100メートルほど南にある三角点1455の確認(HPで確認できなかったという記録を見た記憶がある)出かける。地形図の三角点付近に見つけることはできなかった。付近は下草はないので見逃しではなく亡失してしまったのであろう。(追記11/5 : 三角点に関して たそがれオヤジさんから昨年1月に見た。足尾のRRさんから11/4に見たという連絡あり・・・筆者の見逃しである)付近に舟石新道で見かけたブリーキのマークがあり、三角点の先に踏跡が続いている。かつては登山道があったのかも。

 日ケ窪峠に戻って、丸石沢右岸尾根に戻るために舟石新道を東に進む。150メートルほど進むと、舟石新道は北にそれてゆく。そのまま尾根筋を進むと踏跡と、例のブリキマークを見かけた(この先は下山するまで見かけなかったが、テープは多数あり)。途中で檜林の急降下などもあるが踏跡は断続して迷うような心配はない。標高1100あたりから南東から南に方向が変わり、薄い踏跡を標高1070で横断し、標高1050で明瞭な歩道に出合った。これだけ明瞭な道筋(時々赤のを見かける)なら、これを追えば無事下山できるはずと決めて以降はこれを追う。右下に沢(丸石橋で見かけた左俣)が見えるようになり、道筋は急な下りとなる。沢に降りる数メートルは道筋は消えて手がかりが少なく、少しばかり危険。慎重に斜面に浮きでた岩角を掴んだりしながら沢に下りて渡渉する。この先の道筋がわからない。目の前の岩に乗ってみると、その先に道筋が続いていた。道なりに下ってゆくと、往路で見かけた擁壁の間の狭い沢筋(丸石橋の南50メートル)から庚申林道に下山できた。丸石沢右岸尾根は沢に降りるところは多少危険を伴うが、そこ以外には特に危険箇所はなく、気持よく歩けた。
 丸石橋から約10分で駐車場に戻る。ゲート手前に1台と駐車場に1台。今日は平日とはいえ寒気襲来のせいか、登山者は少ないようだ。 
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