ひとり山歩き494 : 足尾の長平沢で二段滝を見てから、社山南尾根に登り、社山そして阿世潟峠から足尾に戻りました。社山周辺の尾根は紅葉が盛りで目の保養になりました。
長平沢から社山(1825)南尾根〜阿世潟峠
2012年10月26日(金) 晴れのち曇り
1 行程   写真
ルートマップ(GPS)    ウォッちず : 社山 社山南尾根  長平沢と長平沢林道
自宅(4:30) = 足尾無料駐車場(6:20/6:30) − 長平沢林道分岐(7:30) − 長平沢林道から沢へ(8:05/8:15) − (10+6)m二段滝(9:05/9:10) − 尾根取付き(9:25) − 社山南尾根出合(標高1500)(10:40) − 社山(12:05/12:20) − 雨量観測所ピーク(12:55) 阿世潟峠(13:15/13:20) − 長手沢林道終点(13:50) − 長平沢林道分岐(14:35) − 無料駐車場(15:35/15:50) = 自宅(18:20)

2 自宅 − 足尾
 奥日光の尾根歩きでテント泊を考えていたが、奥日光のモミジ狩りの渋滞を嫌って今週も足尾に出かけることにした。社山南面を流れ落ちる長平沢を遡って社山に登りたいという計画は以前から持っていた。ネットで調べると、滝は多いが遡行記録は少ない。沢歩きはど素人の自分にどこまで辿れるか試してみることにした。危険を感じたら、左岸尾根(社山南東尾根)または右岸尾根(社山南尾根)に逃げて社山そして阿世潟峠から足尾に戻ることにする。
 今日のコースは10時間程度であり、いつものように暗いうちに歩き出す必要はない。新聞をじっくり読んで、いつもに比べて遅めの活動開始。今日は、確かめたいことがるので銅親水公園でなくその数百メートル手前の足尾無料駐車場に駐める。

3 長平沢 − 社山  長平沢を二段滝まで遡行、これから先は次のお楽しみとして社山南尾根へ
 久蔵川林道はいつも暗いうちに歩いているが、今日は明るくなってからの歩きで林道沿いの景色を楽しみながら進む。初めてこの林道を歩いたのは04年5月で早くも7年の歳月が過ぎ去った。この間に、幾つもの砂防堤が建設された。久蔵川を左岸から右岸そして左岸に渡るときに上流に見える格子型ダムや足倉沢合流地点の上流にも大きなダムが建設された。今はダム建設が一段落したようで工事中の場所はない。駐車場から約1時間で長平沢林道分岐に達した。この分岐の右下に見えるダムも最近完成したばかり。こんなにも砂防堤が必要なのかなとは素人考え。
 長平沢林道に進むのは、04年5月以来二回目である。その時は、社山南東尾根経由で社山に登ろうとした。社山南尾根同様に何の変哲もない尾根だと思いながら登ってゆくと、標高1200で突然痩せ岩稜に突き当たってしまった。痩せ岩稜を渡ろうとしたら、ガラガラと岩が崩れ危険を感じて引き返してしまった。先週、中禅寺山で遭遇したたそがれオヤジさんが、最近この尾根経由で社山に登られた。その後、相次いで二人の方がこの尾根を登られてブログに掲載され、篤志家の間で話題沸騰中の尾根である。自分は、岩場特に痩せ岩稜は嫌いで、この尾根を歩く気にはなれない。その時に長平沢林道から取り付いた地点を過ぎると、崩落地を通過する。件の三方はここから南東尾根に取り付いたようである。林道は落石で当然ながら車の通行は不可能である。長い間、通行がないと見えて林道は草付きとなり荒れ放題である。
 やがて林道は長平沢を左岸から右岸に渡るが、GPSでは地形図の渡渉地点よりも80メートル位先になっている。ここでエネルギーを補給して沢の左岸を進む。薄い踏跡が見え隠れする。これは獣道なのか、沢遡行者によるものかは不明。水流幅は狭いが、沢床は比較的広く、ゴーロ歩きとなる。砂防堤が多く、そのたびに右手(左岸)を乗り越す。長平沢bP0コンクリート堰堤(銘板による)が最後で、その100メートルほど先に二段滝(10m+6m・・・ネット情報による)が見えてくる。ここは左のザレ場を高巻きしながら途中で、滝の写真を撮る。家に帰ってネットで調べると上手にビデオ撮影されている。沢遡行に不慣れな自分には、ビデオ撮影などしている余裕はなかった。ズルズル足を滑らせながら、なんとか高巻いた。沢に下りようとしたが、この先でどんな滝が現れるか調べていない。危険を感じたら戻るか、尾根に取り付くか考える。今回は事前調査不十分、危険回避ということで、尾根に取り付くことにした。この沢の左岸尾根(社山南東尾根)か右岸尾根(社山南尾根)どちらにするか、首からぶら下げた地形図で検討する。左岸尾根に取付くには、沢を少し戻って1440級ピークに登るか、先に進んで1564ピークに取り付くか。後者は尾根型がなく急斜面登りで、かなりハードである。右岸尾根に登るには、現在地から小尾根を約300メートル登ればよい。先週のバラクラ沢から赤倉山北西尾根への登りは250メートルで50分。それに劣らないくらい急勾配で300メートルの登り、1時間強の我慢とこの小尾根に取り付くことにした。
 最初はリョウブ林でヤブはなく掴まるものがなく、這うように登る。さすがの鹿も直登は無理で、鹿道はゆるやかなジグザグ登りとなっている。この鹿道を利用したり、直登をしたりする。標高1300位になるとミズナラが主で低い笹が林床となり、この笹の助けを借りながら登ってゆく。再びリョウブ林となり、最終にはカラマツ林となって、膝下の笹薮を漕いで登りつめると社山南尾根(標高1500)に到達した。この地点はダケカンバ林で中倉山から皇海山あたりが目にはいる。この先は何度も歩いている(登りは1回だが、下りでは何度も)ので、先が読めるから楽だ。すぐ先で標高点1568ピークを越さねばならない。たいしたピークではないが、この尾根を初めて下った04年ころは東側に明瞭な巻き道がついていた。この8月12日に下った時には巻き道は笹で隠れて見えなくなっていた。先が読めるようになって余裕がでたので、この巻き道を通ってみることした。薄い踏跡(獣道だったようだ・・・巻き道はもう少し上だったかも)に入ると、笹で踏跡は消えてしまった。林床は膝下の笹だが、滑って歩きづらい。結果的には、ピークを直登するよりも時間がかってしまったようだ。踏跡に復帰した鞍部からは中倉山から皇海山あたりを眺めて、登りにかかる。右手のカラマツ林は黄色の葉に混ざって紅葉が疲れた身を慰めてくれる。登るにつれて左手に中倉山から大平山、中禅寺湖南岸尾根と展望が広がる。標高1650から少しばかり急登すると露岩に出合う。ここからは半月山から足尾の山々が一望できる。
 ここで一息ついて最後の登りにかかると、上の方から人声が聞こえ出す。社山の西展望所につくと、二組(夫婦と男女三人組)が丁度、山頂方面に進むところであった。ここから展望を楽しむのは、15回目である。奥白根山の19回、前白根山の17回につぐものである。15回も登っているが、最もポピュラーな歌ヶ浜から阿世潟峠経由の往復は夏道で一回、残雪期に1回だけである。足尾から大平山経由や阿世潟・足尾道経由や大日尾根経由と変化に飛んでいる。出発時は晴れていたのだが、南尾根を登っている間に曇ってしい、せっかくの展望もパッとしない。エネルギーを補給して山頂に向かう。

長平沢〜社山


4 社山 − 阿世潟峠 − 足尾  一度通ればどうということのない道筋社山南東尾根の紅葉 (雨量観測所ピークから)
 山頂から阿世潟峠への道筋は、ガイドブックやネット記録でお馴染みで省略する。山頂直下の露岩帯あたりで相次いで三名の単独行者とすれ違う。紅葉は社山南東尾根の東斜面が盛りで目を楽しませてくれる。特に1564ピークから1440級ピークの東斜面は素晴らしい。途中で中禅寺湖側の展望を楽しむ、先刻の夫婦を追い越す。八丁出島から阿世潟の紅葉は曇天のせいかあまりパットしなかった。雨量観測所ピークからも社山南東尾根の東斜面の紅葉が楽しめた。阿世潟峠への下りで西展望所で見かけた三人組みを追い越す際、少しばかり話をする。足尾から来たというと呆れていた。道筋さえ知っていれば、足尾から阿世潟峠−社山−南尾根−足尾は驚くほど遠い道のりではないのだが。
 阿世潟峠から廃長手沢林道終点までは、一部道筋が薄かったり狭かったりするが、沢に降りた際、対岸の踏跡を見つければ、難しいというほどではない。先週、中禅寺山から南西尾根に下る際、間違えて下りてしまった標高点1147までは林道は落石や草付きとなってかなり荒れている。以降は、それに比べたら荒れようは少ない。長平沢林道をちらっと見て、先を急ぐ。銅親水公園入口の電光掲示板は、16度を示していた。今日は先週よりも暑く、発汗が多かったようで、水は1リットル強の消費。無料駐車場手前の沢がキャン沢で、ここで左岸尾根の様子を写真に撮って、駐車場に戻る。工事関係者の車が丁度出てゆくところで、他に駐車なし。
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