ひとり山歩き488 : 長野・新潟県境の佐武流山に登って来ました。登山道は最近刈払いが行われよく管理されていました。苗場山から日光連山まで展望も楽しむことができました。
佐武流山(2191)
2012年8月29日(水) 晴れ
1 行程   写真
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 佐武流山  登山口  檜俣川渡渉点
自宅(0:00) = 長野県栄村・登山口(3:50/4:00) − 檜俣川下降点(5:30) − 檜俣川渡渉(5:40) − 物思平(7:00/7:10) − ワルサ峰(1870)(8:35/8:45) − 西赤沢源頭(苗場山分岐)(9:35/9:40) − 坊主平(10:00/10:05) − 佐武流山(11:10/11:40) − 坊主平(12:15) − 西赤沢源頭(12:25) − ワルサ峰(13:10) − 物思平(14:20) − 檜俣川渡渉(15:10) − 檜俣川黒点(林道出合)(15:25/15:30) − 登山口(17:10/17:20) = 自宅(21:10) 

2 自宅 − 登山口
 佐武流山をヤマレコで知って、すぐの昨年9月に行ってみようと準備を整えて、道路の交通規制を調べた。国道405号に夜間の通行止め部分があることが判明。登山口での前泊などする気にはならず、翌年回しとした。今年の梅雨も終わり天候も安定したので、暑いのを我慢して8月上旬に出かけることにして交通規制を調べると、国道405号の栃川から先が全面交通止めとなっていた。佐武流山には通常よりも3km余分に歩くと、長野県栄村のホームページに記載されていた。通常でも約5kmの林道を1時間半も歩くのに、更に一時間をかける意欲はない。9月に年一の北ア訪問を控えて、急登の山で足慣らしを、と再度Webで栄村のホームページを調べてみると、規制は解除されていた。念の為に栄村役場に電話で問い合わせると、交通規制はないとの返事で、強烈な残暑が気になったが出かけることにした。
 檜俣川の渡渉は往路も復路も明るいうちにできるようにと、日付の変わった零時に家を出発した。外気温は28度で先が思いやられるが、決行することにした。栃木ICから東北道、北関東道、関越道と乗り継ぐ。上信越道は何度も利用しているが、関越道の利用は、03年8月に越後駒ケ岳の帰路で利用しただけで、今回が二回目。カーナビの助けがあるとはいえ気を使う。塩沢石打SAで、登山靴に履き替え登山準備を整えてSAから一般道に降りる。その先は国道353号、117号とつなぎ、津南町で国道405号に入る。最初は二車線であったが、すぐに中央線なしの一車線となり、途中に離合できない部分もあるが、100メートル先で離合可の標識があり、夜間でも難路というほどのことはない。道路の左手に登山カード投入箱と大岩歩道の標識を見て、ここが登山口と判断して車を駐める。

3 往路  登山道はよく整備されている 刈払いしたばかり  この暑い時期に登る山ではない
 大岩歩道経由のルートは近道らしいが、間違いのない林道を歩くことにした。登山口から10分ほどで林道分岐、左手にゲートが見える(右は切明温泉方面)。ゲートを潜るとダート道となるが、砂利をいれて整備してあり、車には優しいが、歩くには砂利がないほうが良いのだが。途中で森林整備中の看板と切り出した木材を見かける。更には工事中の箇所には重機も見かけるが、通行の支障になるような箇所はない。5時頃にエラクボ平方面からの林道を合わ林道歩きで見た朝焼けせる(登山口から大岩歩道をを利用すると、ここへ出てくるようである。山頂で出逢った登山者に尋ねると、こちらを通っても檜俣川下降点まで、1時間25分と言っていたから、アップダウンが多いのであまりメリットはないようだ)。前方が朝焼けで美しい。前方左手に月夜立岩の岩峰を見ながらゆるやかに下り始めると、林道右手が檜俣川下降点で佐武流山方面の標識を見る。
 枝尾根の左手を巻くよう登山道を下ってゆく。登山道にはみ出した草はつい最近刈払いが行われたようである(佐武流山山頂まで刈払がなされていた。昨年、Webで佐武流山登山情報を調べていたら、毎年8月末に刈払いをしているとの記事を見かけた)。10分ほどで俣川渡渉点に下った。水量は少なく、ロープの上流側で靴底を濡らす程度で容易に渡渉できた。もしもの場合に備えてゴム草履まで持参したが、使用せずに済んでよかった。
 最初は急勾配でカラマツ林になると勾配は緩むが、標高1300で広葉樹林になり、勾配はきつくなり岩が目につきだす。林床はカラマツ林では笹だったが、今はシダ等の草付きとなる。道筋にははみ出しはないが岩や腐葉土化しつつある枯葉や砂礫で決して登りやすくはない。樹林の中とはいえ直射日光を浴びたり、高気温で汗が額からひたたり落ちる。ほぼ想定時間で小スペースの物思平に到着した。次の目標地点のワルサ峰まで60分とあるが、この暑さではどうなるやら検討もつかない。
 物思平を過ぎると道筋は岩っぽくなり、三箇所で10メートル程度のロープの助けを借りながら登ってゆく、右手に尖ったピークが目に付く(家に帰って調べると猿面峰というらしい)。標高1800を過ぎた地点で樹木の隙間から烏帽子岳を展望すると、唯一のロープでの下りとなる。その後は木の根の段差が多く、鈍重な身にとっては苦手な場所が続く。更にもう二箇所で登りのロープを連続して越すと、道筋は幾分安定する。発汗が激しく、最後まで体力気力が保つかな、と心配になる。ワルサ峰の標識を見ると、展望は開けるが佐武流山はまだ姿を表さない。間近の苗場山から西赤沢源頭に続く稜線を見がら、身体を休める。苗場山分岐(西赤沢源頭)まで35分とあるが、物思平〜ワルサ峰間は60分の標示にたいして約1.5倍、この分では次の目標までは35分とあるが、50分は掛かりそう。佐武流山の姿も見ずに諦めるわけにはいかない。
登山道は樹木に囲まれていても日差しを受けて相変わらず発汗は続く。烏帽子岳の右手に北アの一部(鹿島槍、五龍岳付近か)が展望できたのが慰め。標高点1891ピークは展望は全くなし。少しばかり下って登り返すと主稜線に達して、西赤沢源頭(苗場山分岐)、佐武流山まで70分の標識を見る。この間は勾配は緩やかだったが、思ったよりは時間がかかった。完全にばててしまったようである。救いは3リットル持参した水は半分も消費していないことである。苗場山方面から立派な登山道が合流していて、燧ケ岳、至仏山、奥白根山、男体山は展望できたが、依然として佐武流山はまだ姿を現さない。ここで佐武流山の姿を見ていたら諦めて帰ったかもしれない。時間的には余裕があるのでここから1時間半かかっても問題ない。発汗が続いている限りは大丈夫だろうと、先に進むことにした。
 20分程で小スペースに坊主平の標識を見る。坊主平からは尾根の右手(西側)を巻いて登ってゆく。日陰に入ると微風でも多少は涼しさを感じる。Webによると時期によっては途中に池塘が見えるらしいが、水たまり跡らしい場所を見るだけ。尾根上に戻ると、左手(東側)の展望が広がり始める。燧ケ岳や日光連山を遠望しながらの歩きが続く。直射日光と笹の照り返しが相変わらず続く。この山は今の時期でなく、秋に登る山である。その準備として毎年8月末に刈払をするのであろう。秋と言えども登山者で賑わうような山ではないが、登山道はよく整備されているのには頭が下がる。佐武流山の山頂部が見えてからもけっこう長い歩きが続く。どうにか佐武流山山頂の白杭の標識を見ることができた。途中で諦めなくてよかった!
山頂からは苗場山から日光連山までの展望が広がるが、雲が多少広がり、途中で見たほどの感激はわかなかった。エネルギーを補給しながら休んでいると、男女二人組が登ってきた。東京から来られたとのこと。登山口を5時半スタートだから、自分よりも一時間以上は速い。コーヒを淹れる程の余裕がある羨ましいかぎり。今日は独り占めできると思ってきたが、藪山と違って登山道のある山では余程の悪天候でもない限りは無理のようだ。

佐武流山からの展望


4 復路  ワルサ峰から物思平の間は木の根段差に手こずる
 後続者に挨拶してザックを担ぐ。西赤沢源頭までは、障害物がなく楽だったが、ワルサ峰へは比較的平坦ではあったが、二つの小ピークを越すのも難儀した。更に難儀したのは物思平への途中で現れる張り出した木の根の段差を越すことであった。物思平らからの下りは勾配はきついが、障害物がないので思ったよりは速かった。檜俣川の水で顔を洗っていると、上方から人の声が聞こえてくる。途中で追い越されるのもしゃく。急いで渡渉する。 ここから林道出合までの100メートル強の登りは苦痛だった。
 林道でボトルホルダーの水を替えて最後の林道歩きに入る。途中で工事や林業関係の重機が動いているのを見る。標高1150に「携帯エリア」の標識を見て家に無事下山の連絡をする。通話を終えて歩き出すと、軽自動車が追い越していった。あれあれ!先刻の二人組が荷台に乗ってすまなそうに通り越していった。二人を載せる親切心があれば、自分も拾ってくれてもよそそうなのに、と思うが、スピードを緩めることもなく通りすぎてしまった。そこから林道ゲートまで何台もの森林業者のワンボックスカーが追い越していったが、親切に声をかけてくれる車はなかった。こういう場合には手を挙げないと止まってはくれないようだ。30分の我慢で林道ゲートを通過して、さらに10分で登山口に戻る。これなら明るいうちに国道405号は十分通過可能。
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