ひとり山歩き480 : 銀山平から庚申山、鋸山そして六林班峠と周回してきました。残念ながら予想以上に時間がかかり皇海山には届きませんでしたが、面白い山行となりました。
庚申山(1892)〜鋸山(1996)〜六林班峠
2012年6月5日(火) 曇り
1 行程   写真
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 庚申山  鋸山  六林班峠
自宅(0:00) = 銀山平駐車場(1:55/2:05) − 一の鳥居(2:55) − 猿田彦神社跡(4:20/4:25) − お山巡り分岐・一の門(5:30) − 庚申山・展望台(6:20/6:35) − 薬師岳(8:05) − 蔵王岳(8:30/8:35) −鋸山(9:35/9:55) − 六林班峠(11:05/11:10) − 庚申山荘(13:55/14:05) − 一の鳥居(15:05) − 銀山平駐車場(16:05/16:15) = 自宅(18:10)

2 自宅 − 銀山平
 最近のヤマレコには庚申山、鋸山経由での皇海山記録しか載っていない。通常は不動沢ルート記録の方が圧倒的に多いので調べてみると、根利側林道は路肩崩落及び土砂崩れの復旧のため今シーズンは通行止め、追貝側は工事による通行制限のため9月30日までは全面通行止となっている(群馬県沼田市のHPによる)。皇海山へのルートは庚申山・鋸山経由か松木川から国境平経由しかない。前者は02年5月26日に銀山平から六林班峠経由で13時間で周回している。後者は04年6月3日に足尾の銅親水公園から六林班峠経由で17時間で周回したことがある。現在の脚力から判断して後者のルートでは日帰りの可能性は極めて低いが、前者ルートなら可能性はありそう。10年前(登山を初めてちょうど一年後)に13時間なら、現在は15、6時間あれば大丈夫だろう。気がかりは、08年7月2日に同じ試みをしたが、暑さ、遅い足取りと蔵王岳からの鎖や梯子の連続に嫌気が差して、蔵王岳で引き返してしまったことであろ。
 16時間要したとしても、明るいうちに駐車地に戻るべく未明に銀山平をスタートし、猿田彦神社跡に明るくなる4時ころ到着するよう見計らって家を出る。国道122号から庚申山公園線に入り、国民宿舎かじか荘を通り越してゲート手前の駐車場に車を駐める。他に車がないのは言うまでもない。(車載温度計で14度、11度位か)

3 庚申山経由鋸山  登りの脚力の衰えを実感  10年前と同じ事は考えで歩いては行けないことを肝に銘じておくこと
 駐車場の先でゲートをすり抜けて一の鳥居へ向かう。902地点で舗装は切れてダート道となる。水たまりが多いが、笹美木沢橋を渡り、天狗の投石あたりになると水たまりはなく勾配はきつくなる。一の鳥居までは約4kmを55分。自分の標準50分よりは少し遅いが、特に足取りが重かったという感じはない。
 ここからは水ノ面沢沿いに木橋を数回渡り、右岸左岸を繰り返す。ヘッデン歩きに慣れている人なら道筋を失うことはないであろう。途中で「百丁目石」、「鏡岩」、「夫婦蛙岩」、「仁王門」を通過してゆく。やがて道筋は参道の雰囲気が出てくると、勝道上人、大忍坊碑の標識を見て猿田彦神社跡に達した。この区間は1時間25分要した。02年5月に比べて20分遅く、08年7月に比べると10分遅い。スタート時間が早くて前二回よりもヘデンに頼った時間が長かったこともあるが、加齢による脚力の衰えと見ておいた方が妥当だろう。蔵王岳鞍部のスラブ岩トラバース
 ヘッデンを収納して、庚申山荘の右手から登山道に入る。登山道は地形図の破線とは異なっているが、道筋は明瞭なので迷うことはないであろう。崖下を通過して標高1650あたりで「関東ふれあいの道」看板を見ると木梯子が現れる。この先は木梯子、ロープや鎖の難所が標高1830くらいまで続く。その間に一の門・お山巡り分岐がある。(注 : 銀山平ゲート前にお山巡りのルートが工事で通行止めの看板があったが、猿田彦神社跡にも、この分岐にもそれらしい表示はなかった。標高1830で最後の木梯子を越すと、危険箇所はなくなる。4、5枚の山名板が目に付く庚申山の山頂部を通過してすぐ先の展望台に進んでザックを下ろす。この区間はちょうど2時間要した。02年は1時間5分、08年は1時間35分、所要時間を比較してガックリ。今日は特に体調が悪いことはない。年々登るスピードが遅くなっているのは感じていたが、これほどとは・・・とほほのほ!?  02年よりもスタートは1時間20分早いのに、展望台についた時には10分早いだけ。これでは08年と同じように、途中挫折かと思いながらエネルギーを補給し景色を楽しむ。現在の自分の気持と同じように霞んでいて遠望はきかない。
 今日はなんとしても蔵王岳から鋸山の梯子や鎖の難所を通過し、あわよくば皇海山まで足を伸ばしたいがかなり無理な感じ。シャクナゲと針葉樹の間を縫って下ってゆくと、すぐにこれらは無くなり歩きやすくなる。小さなピークに御岳山(6:47通過)の標識を見た。これがなかったら通り越しまうだろう。鞍部付近は枯れ枝や枯れ葉で踏跡が見づらい。鞍部からは笹が深くなり、道筋は部分的に隠れているが迷うようなことはない。標高点1808の少し手前ピークに駒掛山(7:12通過)のプーレートを見る。この尾根筋は笹がはびこっていて、特に鞍部付近が濃いようである。ここで松木川から国境平(ツェルト泊)で皇海山、鋸山から下って来た若者とすれ違い、少しばかり立ち話をしていると、庚申山荘泊りの3人組みが追い越していった。登り返した小ピークが渓雲山(7:35通過)でここも名板を見かける。次の地蔵岳(7時49通過)は顕著なピークでなくわかりづらい(山名板は今回は確認できず。08年は確認)。次の薬師岳(8:05通過)は膝下の笹尾根を約80メートル登ったピークで山名板も残っている。薬師岳からは左に巻くように鞍部へ下ると、右手に皇海山を見て細尾根をわたって登りつめると白山(8:17通過)に達する。このピークは好展望で直近に皇海山と鋸山、日光連山、石搭尾根が展望できるのだが、霞んでいるのが残念。ヤセ尾根を通過して蔵王岳(8:30到着)に達した。ここ区間は1時間55分、02年は1時間50分、08年は2時間25分。02年に比べてほとんど同じ、この区間は顕著な登りはないので、10年前に太刀打ち出来たようである。トータルでは02年に比べて1時間25分早くスタートしたのに、蔵王岳では5分早いだけ。ここで決断、戻るか皇海山まで頑張るか。そのうち途中で抜き返した3人組み(男1、女2)が追いついてきた。戻るのはみっともない。鋸山に到達した時点で皇海山をどうするか決めよう。これから先は苦手な岩場の鎖や梯子が待っていて気が重いが、3人組の先にザックを担ぐ。
 蔵王岳からの鎖は長い。足がかりがなく慎重に下る。02年の時にはこんな長い鎖を下った記憶はなく、どこかの峰でアルミ梯子を下った記憶しか残っていない。鞍部から笹道を進むと、蔵王岳から見えていたスラブ岩のトラバース地点に達した。鎖が展張してあるので、蔵王岳から見たほどの難しさはなかった。岩場のトラバースが終わるとスラブ岩の左端を短いアルミ梯子そして長い長いロープ登り(30メートル位?)が続く。こうなると重い体重が堪える。ロープに捕まって休み休みの登りとなる。ロープから解放されると熊野岳(9:00通過)でホっとする。熊野岳からは巻いて下り、鞍部からはヤセ尾根をロープで渡り、短いアルミ梯子で登ると剣の山(9:10通過)で庚申山への稜線を一瞥してアルミ梯子を下る。その次の小ピークを越しても鎖は続く。難所をクリアして細尾根を緩やかに登ってゆくと、やっと鋸山に達した。この区間は02年には30分だったのに60分も要してしまった。鎖やロープの登下降では10年前と同じ体重を支える腕力がないということ。このような山は昔と同じ感覚で歩いてはいけないということを肝に銘じておくべき。
 ここまで02年に比べて1時間50分余分に要した。この先も所要時間は長くなるのは明瞭。皇海山は諦めだ。そうと決めてエネルギーを補給して、展望を楽しんでいると銀山平発の単独行の女性が追いついてきた。少しばかり話をして、標準時間よりも早く歩いているので大丈夫と皇海山方面へ下っていった。例の3人組みは、蔵王岳から男性がロープで女性を支えて下ろしているのが、岩場のトラバースから確認できたが、20分の鋸山滞在中には登って来なかった(声も聞こえず)。

蔵王岳〜鋸山からの展望


4 六林班峠経由で下山  登山道の笹は我慢の範囲  六林班峠からの登山道は崩落が進んでいるようだ
 鋸山からの下りは笹尾根を左右に巻きながら下ってゆく。道筋は明瞭だが、標高1880から1850あたりは笹が深く、道筋にはみ出している箇所がある。2分ほど道筋をロストするもすぐに復帰できた。小ピークの登山道の真上に三角点を見る。ここを女山というらしい。六林班峠の庚申山荘方面への折り返しを見過ごすことはないだろう。前方に庚申山荘方向を示す小さなプレートを立木に見る事ができる。この区間も02年に比べて20分も余分に要した。やはり皇海山に向かわなくてよかった!?
 北東へ折り返してゆるやかに下ってゆく。笹が倒れて道筋を隠していところが多いので、倒木や踏み外しには気をつける必要がある。六林班峠から最初の水場である沢まで約10分。渓雲山の南下の水流のある沢までに7回渡渉する。対岸の道筋を確認して沢を渡ると最短で道筋に復帰できる。崩落箇所は三箇所あり、ロープを張ってあるが、足場の確保が難しい。この道筋は02年、04年、06年と三回歩いているが、その頃に比べて崩落が進んでいるようである。途中でミツバツツジとシロヤシオを見たりしながらの歩きだが、長いのにはうんざりする。樺平から天下の見晴らし分岐までは緩やかな登りだが、疲労した身体には堪える。庚申山荘でザックを下ろして、冷たい水で喉を潤す。この区間も02年に比べ50分遅れ。遅いと思いながら歩いているとますます遅くなるような感じ。
 猿田彦神社跡付近で5人(?)組みとすれ違う。庚申山荘泊り、でコウシンソウを目当てに来たようである。駐車場の車から判断して遠くから来たらしい。往路では暗くって撮れなかったので、仁王門、夫婦蛙岩、鏡岩、百丁目石の写真(過去に何度も撮っているのだが)を撮影しながらの下り。一の鳥居には02年に比べて20分遅れ。銀山平ゲート先の駐車場に戻った時には、今日の所要時間は14時間。02年は皇海山まで含めても13時間だったのに・・・情けないと思うべきか、加齢を考えたら当然と見るべきか。今後の山歩きのコース選定に考慮せねばなるまい。駐車場には自分の他に他県の車が2台。
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